プリンチペ(王子様)の愛称で知られるサッカー界のスーパースター、フランチェスコ・トッティが、ASローマを退団というニュースが流れました。なんでも彼に対するリスペクトの欠片もないアメリカ人会長から追い出されるような形で、契約途中にして自ら身を引くことにしたということですが、真相は分かりません。
地元ローマで生まれ、13歳でユースチームに入団して以降、トッティはASローマひと筋、2016/17シーズンをもって引退するまでの約30年の選手キャリアのすべてをチームに捧げてきました。そしてその間、通算307ゴールという偉業を達成。引退後も引き続きチームに残り、テクニカル・ディレクターとしてASローマを支えてきたのです。
ASローマのサポーターは、俗に「ローマニスタ」と呼ばれます。ローマニスタたちの地元チームに対する愛は、日本でいえば虎党の阪神タイガースに対するそれを、更に濃くしたような感じと言えば、解りやすいでしょうか。とにかく日々の暮らしの中に、ASローマがあって当たり前、カフェでもレストランでも挨拶代わりに前日の試合での選手の奮闘ぶりを讃え合うのです。決して批判はしません。観戦は年間チケットを購入し、せっせとスタジオ・オリンピコに通うのです。
そして、地元生え抜きで、一度も他のチームに浮気しなかった正真正銘のローマっ子であるトッティは、まさにASローマの顔であり、憧れと尊敬の対象であり、神様に近い崇め方をする熱狂的ローマニスタも少なくありません。
事実、ホームの試合直前に電光掲示板を使って華々しく行われる選手紹介では、監督よりも後、いちばん最後に満を持してトッティがピッチに登場するのです。地響きのような歓声を浴びながら。
トッティ退団のニュースを、ローマニスタたちはどんなふうに受け止めているのでしょう。いや、受け止めきれないに違いありません。プリンチペ、あなたはASローマそのものでした。マンマミーア、あなたのいないASローマを、どうやってサポートすれば良いと言うのか。。。彼らの悲しみを代弁することは出来ませんが、きっとそんな思いなのでしょう。
かくいう私も、永遠の10番をつけたユニフォームをローマ在住当時に購入し、エジプトに移った今でも家の壁に吊るして大切にしています。
どのポジションを任せても最高レベルで機能する抜群のサッカーセンス、絶妙なラストパスを配給する見事なボールタッチ、ゴールを切り裂く弾丸シュート。ずり下がったストッキングと、レンガ色のユニフォームに背中の10番が最高に似合う、今世紀を代表するサッカー選手のひとりであることを疑う余地はありません。
ありがとうトッティ。グラッツェ・ミーレ、プリンチペ。
2019年6月17日月曜日
2017年2月28日火曜日
ローマを離れる二日前
明後日の朝、ローマを離れます。
先週は、金曜日にダンボール30箱を船便で送るため引越し業者により集荷、これでようやく明けても暮れてもパッキングの日々から解放されたと思ったのもつかの間、月曜朝の退居に向けて土日ぶっとおしでアパートの大掃除に追われました。
まあ人生50数年の中で、これだけ掃除したこともなかったなというくらい、そして、二度とやりたくないと思うくらい掃除しましたよ。しかしあれですな、掃除はケミカル用品に頼るのがミソですな。4年間の汚れも科学の力で難なく綺麗に回復しますから。苦労の甲斐あって大家さんはニコニコ、敷金も全部返してくれましたとさ。ただし、こちらはもう心身ともにぐったりなんですけど。
そんなわけで無事アパートを引き払った後は、事務所から徒歩圏内のホテルに投宿。出発前々日のディナーは、会社の帰り道にホテルのすぐ近くのトラットリアにふらっと入って、お一人様を楽しみました。
生ビールで喉を潤した後、前菜は水牛のモッツァレラと生ハム(プロシュート)。オリーブオイルとコショウをかけていただきます。 素朴だが実に旨い。
そしてメインにはムール貝、あさり、海老、イカがたっぷり入った海鮮スパゲッティ(スコーリオ)。ローマ最後の思い出になりそうな食事は、奇をてらうことなくイタリアンの王道メニューにしたっていうことです。初老のご夫婦が家族経営する名前すら知らないお店でしたが、お味の方はモルト・ブオーノ。
先週は、金曜日にダンボール30箱を船便で送るため引越し業者により集荷、これでようやく明けても暮れてもパッキングの日々から解放されたと思ったのもつかの間、月曜朝の退居に向けて土日ぶっとおしでアパートの大掃除に追われました。
まあ人生50数年の中で、これだけ掃除したこともなかったなというくらい、そして、二度とやりたくないと思うくらい掃除しましたよ。しかしあれですな、掃除はケミカル用品に頼るのがミソですな。4年間の汚れも科学の力で難なく綺麗に回復しますから。苦労の甲斐あって大家さんはニコニコ、敷金も全部返してくれましたとさ。ただし、こちらはもう心身ともにぐったりなんですけど。
そんなわけで無事アパートを引き払った後は、事務所から徒歩圏内のホテルに投宿。出発前々日のディナーは、会社の帰り道にホテルのすぐ近くのトラットリアにふらっと入って、お一人様を楽しみました。
生ビールで喉を潤した後、前菜は水牛のモッツァレラと生ハム(プロシュート)。オリーブオイルとコショウをかけていただきます。 素朴だが実に旨い。
そしてメインにはムール貝、あさり、海老、イカがたっぷり入った海鮮スパゲッティ(スコーリオ)。ローマ最後の思い出になりそうな食事は、奇をてらうことなくイタリアンの王道メニューにしたっていうことです。初老のご夫婦が家族経営する名前すら知らないお店でしたが、お味の方はモルト・ブオーノ。
そういえば、事務所の裏庭では、アーモンドの樹が桜そっくりの花を満開に咲かせています。これが咲くとローマに春が来たことを実感するのが毎年の恒例でしたけど、今年ばかりは、あたかも日本の桜の様に、ローマからの卒業と、新天地への旅立ちを祝ってくれているようで、少し切ない気分になります。
次回の投稿は、カイロからの初エントリとなるでしょう。
2017年2月19日日曜日
任期最後のスタジアム観戦
ローマ勤務中で最後となるスタジアム観戦に行ってきました。もちろん、我らがASローマ戦。相手はトリノ。落とせない一戦です。
今夜のローマは冷え込みました。でも、赤と黄色に身を包んだローマニスタたちは、寒さなんかに負けません。試合開始直前のスタメン紹介に続いて、ローマローマを合唱すれば、その時点で気持ちは既に充分に高ぶっています。
試合は、開始10分、右足を振り抜いたジェコの今季19ゴール目が鮮やかにネットを揺らしたかと思えば、17分にはサラーがこれに続く。後半開始後の中だるみした雰囲気を、地を這うようなロングシュートで観客の目を覚ませてくれたのは、パレデス。そして後半35分過ぎに満を持して登場した我らが王子、トッティの絶妙なアシストから、ラジャ・ナインゴランがアディショナル・タイムにダメ押しの4点目。苦戦が予想されたトリノ戦を、結果的には4-1で圧倒したのでした。それにしても、このところのジェコとナインゴランのプレーは、まさにキレッキレ。
さて、ほぼ4年を過ごしたローマ。振り返れば生活の中心にはASローマがいました。郷に入れば~という言葉どおり、ローマで楽しく幸せに暮らすコツがあるとすれば、その一つは間違いなくASローマ・ファン、すなわちローマニスタになってしまうことです。
東洋人だろうとなんだろうと、赤と黄色のマフラーを巻いて観戦する者は皆同じ。応援するチームを常に愛し、開けても暮れてもサッカーの話をすれば皆友達になれるのです。なにより、自分自身もこの上なく楽しいのです。
そんな充実した沢山の時間をくれたASローマには、感謝の気持ちしかありません。転勤しても、これから先も、ずっと応援しています。フォルツァ・ローマ!
今夜のローマは冷え込みました。でも、赤と黄色に身を包んだローマニスタたちは、寒さなんかに負けません。試合開始直前のスタメン紹介に続いて、ローマローマを合唱すれば、その時点で気持ちは既に充分に高ぶっています。
試合は、開始10分、右足を振り抜いたジェコの今季19ゴール目が鮮やかにネットを揺らしたかと思えば、17分にはサラーがこれに続く。後半開始後の中だるみした雰囲気を、地を這うようなロングシュートで観客の目を覚ませてくれたのは、パレデス。そして後半35分過ぎに満を持して登場した我らが王子、トッティの絶妙なアシストから、ラジャ・ナインゴランがアディショナル・タイムにダメ押しの4点目。苦戦が予想されたトリノ戦を、結果的には4-1で圧倒したのでした。それにしても、このところのジェコとナインゴランのプレーは、まさにキレッキレ。
さて、ほぼ4年を過ごしたローマ。振り返れば生活の中心にはASローマがいました。郷に入れば~という言葉どおり、ローマで楽しく幸せに暮らすコツがあるとすれば、その一つは間違いなくASローマ・ファン、すなわちローマニスタになってしまうことです。
東洋人だろうとなんだろうと、赤と黄色のマフラーを巻いて観戦する者は皆同じ。応援するチームを常に愛し、開けても暮れてもサッカーの話をすれば皆友達になれるのです。なにより、自分自身もこの上なく楽しいのです。
そんな充実した沢山の時間をくれたASローマには、感謝の気持ちしかありません。転勤しても、これから先も、ずっと応援しています。フォルツァ・ローマ!
2017年1月31日火曜日
お水の話
お水の話、と言っても、水商売のことではありません。
ローマの街中には、あちこちに水飲み場を見つけることができます。その形は様々で、もちろんタダ、もちろん飲料に適しています。どころか、こうした水飲み場の水は、ローマの地下深いところ(つまり2000年前の古代ローマの地層の更に下)から組み上げる井戸なので、年中とても冷たく、しかも美味しいことで知られています。
夏の暑い時期、遺跡や教会をめぐって歩き回ると、たちまち汗だく、喉もからから。キオスクでミネラル・ウォータを買うよりも、水飲み場を見つけた時にすかさずペットボトルを満たすのが賢いやり方。
老いも若きも、犬も猫もカラスも、みんな公平に水飲み場の恩恵にあずかっているのです。こんなところは、イタリアの懐の深さだと思わされます。
そして、リストランテに入ると、必ずお水はガス入りですか?ガスなしですか?と聞かれます。
こればかりは好みなので、どちらが良いということではありませんが、私はガス入りを好んで飲みます。しかも、北イタリアの温泉地を産地とするサン・ペッレグリノが大好き。創業100年を超える老舗ということもありますが、かなりの確率でこれが出てくることからも、広く愛されていることが判ります。
ガス入りというと、料理にはちょっと合わないというか、料理を邪魔してしまうのではないかと警戒する方もいると思います。が、サン・ペッレグリノは、その爽やかな喉越しで、瞬間的に口の中がリフレッシュされる心地よさがあります。必ずしも無味無臭という訳ではなく、癖になるテイストと言って良いでしょう。
日本でもちょっとしたレストランならあるでしょうし、大きなスーパーなどで買うこともできると思います。是非お試しあれ。できればペットボトルではなく、ガラス瓶のものをお勧めします。
ローマの街中には、あちこちに水飲み場を見つけることができます。その形は様々で、もちろんタダ、もちろん飲料に適しています。どころか、こうした水飲み場の水は、ローマの地下深いところ(つまり2000年前の古代ローマの地層の更に下)から組み上げる井戸なので、年中とても冷たく、しかも美味しいことで知られています。
夏の暑い時期、遺跡や教会をめぐって歩き回ると、たちまち汗だく、喉もからから。キオスクでミネラル・ウォータを買うよりも、水飲み場を見つけた時にすかさずペットボトルを満たすのが賢いやり方。
老いも若きも、犬も猫もカラスも、みんな公平に水飲み場の恩恵にあずかっているのです。こんなところは、イタリアの懐の深さだと思わされます。
そして、リストランテに入ると、必ずお水はガス入りですか?ガスなしですか?と聞かれます。
こればかりは好みなので、どちらが良いということではありませんが、私はガス入りを好んで飲みます。しかも、北イタリアの温泉地を産地とするサン・ペッレグリノが大好き。創業100年を超える老舗ということもありますが、かなりの確率でこれが出てくることからも、広く愛されていることが判ります。
ガス入りというと、料理にはちょっと合わないというか、料理を邪魔してしまうのではないかと警戒する方もいると思います。が、サン・ペッレグリノは、その爽やかな喉越しで、瞬間的に口の中がリフレッシュされる心地よさがあります。必ずしも無味無臭という訳ではなく、癖になるテイストと言って良いでしょう。
日本でもちょっとしたレストランならあるでしょうし、大きなスーパーなどで買うこともできると思います。是非お試しあれ。できればペットボトルではなく、ガラス瓶のものをお勧めします。
2017年1月24日火曜日
転勤します
本社から転勤の辞令が出ました。エジプトに転勤せよと。
2000年の古都ローマから、こんどは15000年前まで時計を遡ることになります。
中・高校生の頃、UFOとかナスカの地上絵とか世界の七不思議とかそういうジャンルが大好きでした。雑誌「UFOと宇宙」や「ムー」を愛読していたくらい。実はその頃から今に至るまでの何十年にもわたり、生きてる間に一度はピラミッドやスフィンクスをこの目で見てみたいと、心に思い描いてきたのです。ですが、よもやそこに暮らすことになるとまでは、正直なところ想定していませんでした。
ローマを去るのは3月のはじめ。その前に、2月にちょこっとだけ出張してきます。ピラミッドとの初対面に、今からドキドキです。
2000年の古都ローマから、こんどは15000年前まで時計を遡ることになります。
中・高校生の頃、UFOとかナスカの地上絵とか世界の七不思議とかそういうジャンルが大好きでした。雑誌「UFOと宇宙」や「ムー」を愛読していたくらい。実はその頃から今に至るまでの何十年にもわたり、生きてる間に一度はピラミッドやスフィンクスをこの目で見てみたいと、心に思い描いてきたのです。ですが、よもやそこに暮らすことになるとまでは、正直なところ想定していませんでした。
ローマを去るのは3月のはじめ。その前に、2月にちょこっとだけ出張してきます。ピラミッドとの初対面に、今からドキドキです。
2017年1月20日金曜日
ナインゴラン祭り
欧州クラブのプロ・サッカー選手はホントに忙しいのです。
自国の国内リーグ(イタリアならセリエ)の試合はもちろんのこと、欧州チャンピオン・リーグ、ヨーロッパリーグ、ワールドカップ予選、各国杯(イタリアならコッパ・イタリア)、更に選手によってはオリンピックのオーバーエイジ枠で代表戦と、身体がいくつあっても足りません。クラブ側も、そんなこんなで様々な試合のために、また、相次ぐ怪我や累積の警告などによっても、しょちゅう主力選手が抜けてしまいます。そのため、各チームとも一軍を2つ作れるくらいの選手を揃えておく必要に迫られます。
そんな中、我らがASローマでこのところ気を吐いているのが、背番号4のラジャ・ナインゴラン君。
全身の肌を埋め尽くすタトゥと、色形が微妙に変化するモヒカン・ヘアがトレードマークのベルギー人MF。ベルギーといっても、インドネシア人の父とフラマン(オランダ語圏ベルギー)人の母の間に生まれた28歳。その昔、インドネシアはオランダの植民地でしたし、ベルギーはオランダから独立した歴史を振り返れば、そのようなカップルは珍しくないのです。
見た目はご覧のとおりガチムチで、いかついです。あるオフの日、地元ブリュッセルのカフェで静かにお茶を飲んでいたら、彼を不審者に間違いないと勘を働かせた通りがかりのお婆ちゃんが警察に通報、駆け付けたお巡りさんから「彼はベルギー代表の有名な選手ですよ。チビっ子たちも、私もファンです」と笑顔で対応し、事を納めたとか。
でも、このラジャ君、幼い頃に父が失踪、残された母が独り貧しい中で子ども二人を育てたという困難な家庭に育った苦労人です。雑草のような強さ、たくましさがアグレッシブなプレイスタイルに見て取れます。ただし、ガツガツいくばかりではなく、足元でのボールコントロールも、ピッチ全体を見渡してゲームを組み立てる能力も、ゴールに対する嗅覚も非常に高いのです。そして、背中には7年前に亡くなった母親に因んだタトゥを刻む、母親思いの優しい青年でもあるのです。
昨19日に行われたコッパ・イタリアの対サンプドリア戦では、キレッキレの動きで終始ゲームを支配、浮き球からのファンタスティックなボレーとヘディングで2得点をあげました。試合も4-0でローマがホーム戦を制し、寒い夜でしたがローマニスタたちには、さながらナインゴラン祭りとなったわけです。
フォルツァ、ラジャ!
自国の国内リーグ(イタリアならセリエ)の試合はもちろんのこと、欧州チャンピオン・リーグ、ヨーロッパリーグ、ワールドカップ予選、各国杯(イタリアならコッパ・イタリア)、更に選手によってはオリンピックのオーバーエイジ枠で代表戦と、身体がいくつあっても足りません。クラブ側も、そんなこんなで様々な試合のために、また、相次ぐ怪我や累積の警告などによっても、しょちゅう主力選手が抜けてしまいます。そのため、各チームとも一軍を2つ作れるくらいの選手を揃えておく必要に迫られます。
そんな中、我らがASローマでこのところ気を吐いているのが、背番号4のラジャ・ナインゴラン君。
全身の肌を埋め尽くすタトゥと、色形が微妙に変化するモヒカン・ヘアがトレードマークのベルギー人MF。ベルギーといっても、インドネシア人の父とフラマン(オランダ語圏ベルギー)人の母の間に生まれた28歳。その昔、インドネシアはオランダの植民地でしたし、ベルギーはオランダから独立した歴史を振り返れば、そのようなカップルは珍しくないのです。
見た目はご覧のとおりガチムチで、いかついです。あるオフの日、地元ブリュッセルのカフェで静かにお茶を飲んでいたら、彼を不審者に間違いないと勘を働かせた通りがかりのお婆ちゃんが警察に通報、駆け付けたお巡りさんから「彼はベルギー代表の有名な選手ですよ。チビっ子たちも、私もファンです」と笑顔で対応し、事を納めたとか。
でも、このラジャ君、幼い頃に父が失踪、残された母が独り貧しい中で子ども二人を育てたという困難な家庭に育った苦労人です。雑草のような強さ、たくましさがアグレッシブなプレイスタイルに見て取れます。ただし、ガツガツいくばかりではなく、足元でのボールコントロールも、ピッチ全体を見渡してゲームを組み立てる能力も、ゴールに対する嗅覚も非常に高いのです。そして、背中には7年前に亡くなった母親に因んだタトゥを刻む、母親思いの優しい青年でもあるのです。
昨19日に行われたコッパ・イタリアの対サンプドリア戦では、キレッキレの動きで終始ゲームを支配、浮き球からのファンタスティックなボレーとヘディングで2得点をあげました。試合も4-0でローマがホーム戦を制し、寒い夜でしたがローマニスタたちには、さながらナインゴラン祭りとなったわけです。
フォルツァ、ラジャ!
2017年1月18日水曜日
神様の悪戯
昨日、阪神淡路大震災の日から22年という日本からのニュースを見たばかりですが、今日はイタリア中部の街アマトリーチェ付近を震源とするM5クラスの地震が群発しました。ここローマでも震度2くらいの揺れを少なくとも2回は体感しました。
昨年8月の大地震で300人が犠牲となった小さな街アマトリーチェは、復興もままならぬうちに、折からの寒波の影響で1メートル近い積雪の中にあります。
大切な家族や友人を失った人々がその悲しみも癒えぬ中、寒さ、雪、瓦礫に囲まれて不自由な生活を強いられているというのに、追い打ちをかけるように再び強い揺れの恐怖に怯えています。
同僚のイタリア人が「神様の悪戯」と表現していましたが、本当に気の毒です。個人の力では何もできないのは分かっています。地震の鎮静と被災者の安寧を祈るしかありません。
さて、実はこのエントリが拙ブログの第900回目となりました。継続は力です。プラモデルから遠ざかっていますが、それでもボチボチ続けていきます。
昨年8月の大地震で300人が犠牲となった小さな街アマトリーチェは、復興もままならぬうちに、折からの寒波の影響で1メートル近い積雪の中にあります。
大切な家族や友人を失った人々がその悲しみも癒えぬ中、寒さ、雪、瓦礫に囲まれて不自由な生活を強いられているというのに、追い打ちをかけるように再び強い揺れの恐怖に怯えています。
同僚のイタリア人が「神様の悪戯」と表現していましたが、本当に気の毒です。個人の力では何もできないのは分かっています。地震の鎮静と被災者の安寧を祈るしかありません。
さて、実はこのエントリが拙ブログの第900回目となりました。継続は力です。プラモデルから遠ざかっていますが、それでもボチボチ続けていきます。
2017年1月9日月曜日
寒波、しゃれにならない
寒いです。欧州に寒波到来です。冬将軍などという生易しいものではないのです。
欧州各国で猛威を振るっている寒波による被害は、中東移民やホームレスなどの路上生活者を中心に死者数十名にのぼっているだけでなく、各地のハブ空港が軒並み閉鎖、トータルでは数百以上のフライトがキャンセルになっているなど交通インフラの麻痺、学級閉鎖は当たり前といった状況。
イタリアでも、カラブリア地方(長靴のつま先のあたり)やシチリア(シシリー)島でも積雪を記録しているなど冷え込みは厳しく、ここローマでも雪こそ降っていないものの、朝晩は氷点下、日中でも片手くらいにしか気温が上がりません。オフィスでも防寒具を羽織ったままデスクに就いています。
家の中は暖かいのですけど、大理石とレンガ造りの建物は、ひとたび冷たくなってしまうと、再び温めるのに相当のエネルギーを消費しなければならないので、昼間は留守でも集中暖房は入れっぱなし。こりゃガス代が嵩むわ。
ヨーロッパが寒いときは例外なく日本も寒くなっています。皆さま風邪などひかぬよう、温かくしてお過ごし下さい。そういえば、フランスではこの時期になると、温めた赤ワイン(ヴァン・ショー)を仕事の帰りがけにバールでひっかけたもんです。恋しいなぁ。
欧州各国で猛威を振るっている寒波による被害は、中東移民やホームレスなどの路上生活者を中心に死者数十名にのぼっているだけでなく、各地のハブ空港が軒並み閉鎖、トータルでは数百以上のフライトがキャンセルになっているなど交通インフラの麻痺、学級閉鎖は当たり前といった状況。
イタリアでも、カラブリア地方(長靴のつま先のあたり)やシチリア(シシリー)島でも積雪を記録しているなど冷え込みは厳しく、ここローマでも雪こそ降っていないものの、朝晩は氷点下、日中でも片手くらいにしか気温が上がりません。オフィスでも防寒具を羽織ったままデスクに就いています。
家の中は暖かいのですけど、大理石とレンガ造りの建物は、ひとたび冷たくなってしまうと、再び温めるのに相当のエネルギーを消費しなければならないので、昼間は留守でも集中暖房は入れっぱなし。こりゃガス代が嵩むわ。
ヨーロッパが寒いときは例外なく日本も寒くなっています。皆さま風邪などひかぬよう、温かくしてお過ごし下さい。そういえば、フランスではこの時期になると、温めた赤ワイン(ヴァン・ショー)を仕事の帰りがけにバールでひっかけたもんです。恋しいなぁ。
2017年1月6日金曜日
USSJローマ支部活動再開
今日1月6日は、祝日で仕事はお休み。主顕節(公現祭)とは、イエスキリストが生まれた際に東方の三博士が礼拝に訪れたという逸話を記念する祝日だそうですが、なんのこっちゃわかりません。
朝起きて、ニュースを見てぼーっとしていると、昨年末からの不摂生とタバコの吸い過ぎで身体の内側が病んでいることを、これ以上見て見ぬふりするのは無理があるなぁと突然に反省。
やおらシューズを持ち出し、ヤッケ(表現が古い)を羽織って表に飛び出しました。USSJ(ウルトラ・スーパー・スロー・ジョギング)ローマ支部の活動を、約2ヶ月ぶりに再開したのです。
外はまだ肌寒く、軍手がなければたちまち嫌になっていたところです。決まりきったコースを、とても軽快とはいえない足取りで走ります。すれ違うのは犬の散歩をする人ばかり。なお、USSJローマ支部は、私が勝手にそう名乗っているだけの非公認組織で、会員は1名。募集もしていません。
(以下の画像はネットから拾ったもので、決して私ではありません。)
私にとってのランニングの目的は、もちろん日ごろの運動不足の解消に他ならないのですけど、より具体的には、①肺に溜まったニコチンの浄化、②発汗によるデトックス、③筋肉と持久力の維持、④ヘタレない心の育成です。
速歩きより少しだけ速い程度のスピードで、えっ、もう終わり?という程度の距離しか走らないくせに、たいそうな4つの目的を達成できるのか。そこを疑問に思ってはいけません。プラモデラーは自己暗示能力に優れてもいるのです。
ほどよく汗をかいたので、今度は部屋の掃除。荷造りで埃がたまった寝室がずっと気になっていたので、ベッドから毛布もシーツも剥ぎ取ってベランダではたく。掃除機をかけたら、その次は洗濯。きれいになったところでシャワーを浴び、洗濯物を干すと、もうお昼です。パスタなどの麺類をちゃっちゃと作って、ようやく落ち着いたところで、これを書いているわけです。
ローマに住んでいたって、日々の生活は日本とさほど変わらない「日常」そのものです。毎日遺跡を眺めて暮らしているわけではありません。どんな国に行っても、当たり前の日常を送る。そんなことを普段は気にも止めないのでしょうが、実はそう簡単に出来ることではないのかもしれませんし、それが出来るのは限られた(恵まれた)国だけというのも現実です。
朝起きて、ニュースを見てぼーっとしていると、昨年末からの不摂生とタバコの吸い過ぎで身体の内側が病んでいることを、これ以上見て見ぬふりするのは無理があるなぁと突然に反省。
やおらシューズを持ち出し、ヤッケ(表現が古い)を羽織って表に飛び出しました。USSJ(ウルトラ・スーパー・スロー・ジョギング)ローマ支部の活動を、約2ヶ月ぶりに再開したのです。
外はまだ肌寒く、軍手がなければたちまち嫌になっていたところです。決まりきったコースを、とても軽快とはいえない足取りで走ります。すれ違うのは犬の散歩をする人ばかり。なお、USSJローマ支部は、私が勝手にそう名乗っているだけの非公認組織で、会員は1名。募集もしていません。
(以下の画像はネットから拾ったもので、決して私ではありません。)
私にとってのランニングの目的は、もちろん日ごろの運動不足の解消に他ならないのですけど、より具体的には、①肺に溜まったニコチンの浄化、②発汗によるデトックス、③筋肉と持久力の維持、④ヘタレない心の育成です。
速歩きより少しだけ速い程度のスピードで、えっ、もう終わり?という程度の距離しか走らないくせに、たいそうな4つの目的を達成できるのか。そこを疑問に思ってはいけません。プラモデラーは自己暗示能力に優れてもいるのです。
ほどよく汗をかいたので、今度は部屋の掃除。荷造りで埃がたまった寝室がずっと気になっていたので、ベッドから毛布もシーツも剥ぎ取ってベランダではたく。掃除機をかけたら、その次は洗濯。きれいになったところでシャワーを浴び、洗濯物を干すと、もうお昼です。パスタなどの麺類をちゃっちゃと作って、ようやく落ち着いたところで、これを書いているわけです。
ローマに住んでいたって、日々の生活は日本とさほど変わらない「日常」そのものです。毎日遺跡を眺めて暮らしているわけではありません。どんな国に行っても、当たり前の日常を送る。そんなことを普段は気にも止めないのでしょうが、実はそう簡単に出来ることではないのかもしれませんし、それが出来るのは限られた(恵まれた)国だけというのも現実です。
2017年1月1日日曜日
謹賀新年
あけましておめでとうございます。
本年が皆様にとり素晴らしい一年になりますように。ついでに、この拙いブログもひき続きどうぞよろしくお願いいたします。
さて、新しい年の始まり、元旦には、物事の原点に立ち返ってみるという行為が相応しいという相場観がありますね。今年は是非こうありたい、初心忘れるべからずなどと、あらたまる気持ちは、おそらく日本人だけではないはずです。
そこで、古代ローマの人々が残した名言・格言の中を幾つかご紹介しましょう。
「ローマは一日にしてならず」(作者不明)。・・・あまりにも有名な格言ですが、実はローマ時代に作られたものではないらしい。
「すべての道はローマに通ず」(17世紀フランスの詩人ラ・フォンテーヌ)。・・・いかにも自己中心なローマ人が言ったのかと思ったら、フランス人でした。
「ローマで2番になるより、村で1番になりたいものだ」(カエサル(シーザー))。・・・2番じゃダメなんです。。。「賽は投げられた」「ブルータスお前もか」など、現代まで無数の劇中で繰り返される名科白を残したシーザー。日本ならさながら赤穂浪士の忠臣蔵のようなものか。
「始めたときは、それがどれほど善意から発したことであったとしても、時が経てば、そうではなくなる」(これまたカエサル)・・・社会風刺ですな。
「今日覚悟のできていない者は、明日になればさらに覚悟ができていない」(詩人オゥイディウス)・・・なるほどと考えさせられます。
「二度、考え直した考えがいちばん良い」(政治家・思想家キケロ)・・・余計に迷いそう。
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」(風刺詩人ユウェナリス)・・・日本船舶振興会の人かと思ってました。
「すべての日がそれぞれの贈り物をもっている」(詩人マルティアリス)・・・これがベスト。
本年が皆様にとり素晴らしい一年になりますように。ついでに、この拙いブログもひき続きどうぞよろしくお願いいたします。
さて、新しい年の始まり、元旦には、物事の原点に立ち返ってみるという行為が相応しいという相場観がありますね。今年は是非こうありたい、初心忘れるべからずなどと、あらたまる気持ちは、おそらく日本人だけではないはずです。
そこで、古代ローマの人々が残した名言・格言の中を幾つかご紹介しましょう。
「ローマは一日にしてならず」(作者不明)。・・・あまりにも有名な格言ですが、実はローマ時代に作られたものではないらしい。
「すべての道はローマに通ず」(17世紀フランスの詩人ラ・フォンテーヌ)。・・・いかにも自己中心なローマ人が言ったのかと思ったら、フランス人でした。
「ローマで2番になるより、村で1番になりたいものだ」(カエサル(シーザー))。・・・2番じゃダメなんです。。。「賽は投げられた」「ブルータスお前もか」など、現代まで無数の劇中で繰り返される名科白を残したシーザー。日本ならさながら赤穂浪士の忠臣蔵のようなものか。
「始めたときは、それがどれほど善意から発したことであったとしても、時が経てば、そうではなくなる」(これまたカエサル)・・・社会風刺ですな。
「今日覚悟のできていない者は、明日になればさらに覚悟ができていない」(詩人オゥイディウス)・・・なるほどと考えさせられます。
「二度、考え直した考えがいちばん良い」(政治家・思想家キケロ)・・・余計に迷いそう。
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」(風刺詩人ユウェナリス)・・・日本船舶振興会の人かと思ってました。
「すべての日がそれぞれの贈り物をもっている」(詩人マルティアリス)・・・これがベスト。
2016年12月23日金曜日
どちら様もメリークリスマス
おとといダンボール箱115箱を運送業者に引き渡し、筋肉痛も和らいだ今日からクリスマスを挟んで4連休。それが明けると、家族が帰国します。年末以降はローマに独り。ちと寂しくなりますが、まあしょうがない。
てなことで、世の中は災害やテロやらと物騒な出来事が絶えませんが、この週末はどちら様も平和で幸せなクリスマスをお過ごし下さい。
てなことで、世の中は災害やテロやらと物騒な出来事が絶えませんが、この週末はどちら様も平和で幸せなクリスマスをお過ごし下さい。
2016年12月18日日曜日
時事ネタですが
年の瀬ですな。クリスマス間近のローマから、イタリアの時事ネタを2つ。
一つ目は、ローマ法王が昨17日で80歳の誕生日を迎えたこと。世界中から7万通のお祝いメッセージが届いたとか。で、ご本人はというと、ホームレスの人たちをバチカンに呼んで、朝食をふるまったそうです。メニューはしっそながらも、伝統のケーキを出したそうで、このあたりがフランチェスコ法王の人気の所以なのでしょう。
一つ目は、ローマ法王が昨17日で80歳の誕生日を迎えたこと。世界中から7万通のお祝いメッセージが届いたとか。で、ご本人はというと、ホームレスの人たちをバチカンに呼んで、朝食をふるまったそうです。メニューはしっそながらも、伝統のケーキを出したそうで、このあたりがフランチェスコ法王の人気の所以なのでしょう。
もう一つは、先の国民投票において国民から「Non」をつきつけられたことから、レンツィ前首相は辞任。すぐさまジェンティローニ内閣が発足したわけですが、首相府次官(日本でいうところの官房長官)に抜擢されたのが、マリア・エレナ・ボスキ女史35歳。
以前、美人過ぎるローマ市長と呼ばれるラッジ女史を紹介しましたけど、ボスキさんもこれまたイタリア人が言うところの美人の類。大柄で、まあグラマーというか、色っぽいんだそうです。
それもそのはず、2年前にレンツィ政権の閣僚に初お目見えした際の就任式典では、こんなセクシーなひと幕も。いや~ん。これもまあイタリアらしいといえばらしいですね。
2016年12月12日月曜日
ホームでの勝利は格別
12日夜、我らがASローマは、ホームのスタジオ・オリンピコにACミランを迎え打ち、見事に1-0で勝利しました。パンパカパ~ン!
この日のローマは、しんしんと冷える寒い夜でした。ポケットにしのばせたおにぎりを食べても、砂糖てんこもりのコーヒーを飲んでも、身体は温まりません。それでも、キックオフが近づくにつれ、スタンドをほぼ埋め尽くしたサポーターの熱気で、試合直前には既に熱気ムンムン。全員が立ち上がり、マフラーを高く掲げてチームの応援ソングを歌えば、モチベーションも全開です。
ふと前を見ると、チームカラーのお揃いのニット帽がチャーミングな初老のお二人。冬は誰しもが暗い色のジャケットを着こんでしまいますが、赤と黄色のローマカラーはそんな冬にこそ目立ちますし、可愛いらしくもあるのです。そして、老いも若きも、み~んなローマが大好きなのです。
試合の方は、開始早々にPKを与えたものの、キーパーのシェズニーがこれをスーパーセーブ。そして、0-0で迎えた後半、モヒカン頭がトレードマークのベルギー人MFナインゴランが左足を振り抜いた鮮やかなミドルシュートが決まって、歓喜の瞬間を迎えたのでした。
移籍がささやかれている本田選手も終盤10分間だけピッチに立ちましたけど、見せ場を作ることなく終了。
リーグ首位を走るユベントスとの勝ち点差は4のまま単独2位をキープ。しぶとくついて行こうではないか。フォルツァ・ローマ!
この日のローマは、しんしんと冷える寒い夜でした。ポケットにしのばせたおにぎりを食べても、砂糖てんこもりのコーヒーを飲んでも、身体は温まりません。それでも、キックオフが近づくにつれ、スタンドをほぼ埋め尽くしたサポーターの熱気で、試合直前には既に熱気ムンムン。全員が立ち上がり、マフラーを高く掲げてチームの応援ソングを歌えば、モチベーションも全開です。
ふと前を見ると、チームカラーのお揃いのニット帽がチャーミングな初老のお二人。冬は誰しもが暗い色のジャケットを着こんでしまいますが、赤と黄色のローマカラーはそんな冬にこそ目立ちますし、可愛いらしくもあるのです。そして、老いも若きも、み~んなローマが大好きなのです。
試合の方は、開始早々にPKを与えたものの、キーパーのシェズニーがこれをスーパーセーブ。そして、0-0で迎えた後半、モヒカン頭がトレードマークのベルギー人MFナインゴランが左足を振り抜いた鮮やかなミドルシュートが決まって、歓喜の瞬間を迎えたのでした。
移籍がささやかれている本田選手も終盤10分間だけピッチに立ちましたけど、見せ場を作ることなく終了。
リーグ首位を走るユベントスとの勝ち点差は4のまま単独2位をキープ。しぶとくついて行こうではないか。フォルツァ・ローマ!
2016年12月11日日曜日
カンツォーネな夜
荷造りにも疲れた土曜日の夜、カンツォーネを聴かせてくれるリストランテに出かけました。
店の名前「スコーリオ」は、直訳では岩場、食べ物のメニューになると海鮮という意味になります。だから、スパゲティ・アッラ・スコーリオは海鮮スパゲティ。
子蛸のトマト煮、カルチョーフィ(西洋アザミ)のフライなどの前菜と、紙で包み焼きした海鮮パスタなどをゆっくり食べつつ、キャンティの赤など飲みながら、しばしその時を待ちます。
店の名前「スコーリオ」は、直訳では岩場、食べ物のメニューになると海鮮という意味になります。だから、スパゲティ・アッラ・スコーリオは海鮮スパゲティ。
子蛸のトマト煮、カルチョーフィ(西洋アザミ)のフライなどの前菜と、紙で包み焼きした海鮮パスタなどをゆっくり食べつつ、キャンティの赤など飲みながら、しばしその時を待ちます。
歌い手は、この道なん十年というベテランのお二人。ところがどっこい、まあ声が出ること出ること。高音の伸びも素晴らしい。サンタルチア、オーソレミオ、サンタルチアといった定番を次々に、ノンストップで歌いまくってくれました。いつの間にかお店は満員。
抜けるような青い空、照りつける太陽、海とワインとピッザと男と女。カンツォーネの歌声は、底抜けに明るく、人生を楽しむイタリア人そのものです。お酒も進んで、時間が過ぎるのがもったいない、そんな食事になりました。
お店を出ると、世の中はすっかりクリスマス・モード。つきあたりのサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂まで、美しいイルミネーションが繋がっていました。2016年11月27日日曜日
覚醒した我らがエース・ストライカー
我らがASローマのセンターフォワード、Edin DZEKO(ジェコ)が絶賛覚醒中です。
ボスニア・ヘルツェゴビナから来たこのエース・ストライカー、昨シーズンはチャンスで思うようにゴールを決めることが出来ず、ストレスの多い時期を耐えてきました。ところが、今シーズンに入ると、初っ端から本来の力を発揮。今日のペスカーラ戦でも2ゴールを決め、シーズン14試合にして12得点はセリエAの得点王ハーラートップ。ELでも先日の対ピルゼン戦でハットトリックを達成したばかりです。
長身でがっしりした体躯は、空中戦に強いばかりでなく、胸でピタリとボールを迎えてのポストプレイが、展開のバリエーションを広げます。そのうえ足元も上手でキープ力があるので「溜め」も作れるし、これでもう少しシュートの精度が上がれば言うことなしですが、現状の調子をキープしてくれれば、得点王に向け期待が高まります。
実は昨シーズン中、なかなか調子の上がらないDZEKOを信じ、彼を使い続けるようフロントにも意見をするなど陰で支え続けてきたのが、トッティなんだそうです。テレビもそれをよく解っていて、だからDZEKOがゴールする度に、ベンチでにんまりするトッティの表情を映すのです。
さあ、トップを走るユベントスとの勝ち点差は4。フォルツァ・ジェコ! フォルツァ・ローマ!!
ボスニア・ヘルツェゴビナから来たこのエース・ストライカー、昨シーズンはチャンスで思うようにゴールを決めることが出来ず、ストレスの多い時期を耐えてきました。ところが、今シーズンに入ると、初っ端から本来の力を発揮。今日のペスカーラ戦でも2ゴールを決め、シーズン14試合にして12得点はセリエAの得点王ハーラートップ。ELでも先日の対ピルゼン戦でハットトリックを達成したばかりです。
長身でがっしりした体躯は、空中戦に強いばかりでなく、胸でピタリとボールを迎えてのポストプレイが、展開のバリエーションを広げます。そのうえ足元も上手でキープ力があるので「溜め」も作れるし、これでもう少しシュートの精度が上がれば言うことなしですが、現状の調子をキープしてくれれば、得点王に向け期待が高まります。
実は昨シーズン中、なかなか調子の上がらないDZEKOを信じ、彼を使い続けるようフロントにも意見をするなど陰で支え続けてきたのが、トッティなんだそうです。テレビもそれをよく解っていて、だからDZEKOがゴールする度に、ベンチでにんまりするトッティの表情を映すのです。
さあ、トップを走るユベントスとの勝ち点差は4。フォルツァ・ジェコ! フォルツァ・ローマ!!
2016年11月21日月曜日
ジュビレオ終了
昨年12月8日「無原罪の聖母の日」に始まった「いつくしみの特別聖年(ジュビレオ=特別恩赦の年)」が、「王なるキリストの日」である昨11月20日に終了しました。
簡単におさらいしておくと、聖年(ジュビレオ)とは、カトリック教会においてその年にローマを巡礼することによって、罪からの赦しを得ることができるという特別なものです。もちろん、罪と言っても法に触れ刑事罰が課されるような罪のことではなく、内なる道徳的な罪のことを指すのだそうです。前回のジュビレオはヨハネ・パウロ2世の下で2000年がそれにあたり、慣例に従えば25年毎なので、次回は2025年と想定されていたところを、フランチェスコ現法王が諸般の情勢にかんがみて宣言したという次第。
バチカンの公式統計によれば、世界中にいるカトリックの信者は12億7千万人。そのうちジュビレオだったこの1年の間にローマを訪れた信者は、約2,100万人にのぼるとされています。
この夏休み、禿を馬鹿にしたり水商売のおネエちゃんをブス呼ばわりしてからかったりという日ごろ積み重ねてきた道徳的な罪から赦され、身ぎれいになりたい一心で、カトリック信者でもないくせに日本から来た友人と一緒に四大教会を巡り聖なる扉をくぐった私たち二人も、バチカンの公式統計である2,100万人の中にカウントされているかもしれないと思うと、何やらローマに来ることができなかった圧倒的多数の敬虔な信者たちにちょっと申し訳ないっつうか、でもちょっとラッキーかもっつうか、そんな気持ちにもなっております。
閉幕式典には、イタリアの大統領、首相をはじめ、10万人以上の信者がサン・ピエトロ広場に参集したそうですが、何はともあれジュビレオ期間中のローマが、テロのターゲットにならなくてよかったと、安堵しています。
簡単におさらいしておくと、聖年(ジュビレオ)とは、カトリック教会においてその年にローマを巡礼することによって、罪からの赦しを得ることができるという特別なものです。もちろん、罪と言っても法に触れ刑事罰が課されるような罪のことではなく、内なる道徳的な罪のことを指すのだそうです。前回のジュビレオはヨハネ・パウロ2世の下で2000年がそれにあたり、慣例に従えば25年毎なので、次回は2025年と想定されていたところを、フランチェスコ現法王が諸般の情勢にかんがみて宣言したという次第。
バチカンの公式統計によれば、世界中にいるカトリックの信者は12億7千万人。そのうちジュビレオだったこの1年の間にローマを訪れた信者は、約2,100万人にのぼるとされています。
この夏休み、禿を馬鹿にしたり水商売のおネエちゃんをブス呼ばわりしてからかったりという日ごろ積み重ねてきた道徳的な罪から赦され、身ぎれいになりたい一心で、カトリック信者でもないくせに日本から来た友人と一緒に四大教会を巡り聖なる扉をくぐった私たち二人も、バチカンの公式統計である2,100万人の中にカウントされているかもしれないと思うと、何やらローマに来ることができなかった圧倒的多数の敬虔な信者たちにちょっと申し訳ないっつうか、でもちょっとラッキーかもっつうか、そんな気持ちにもなっております。
閉幕式典には、イタリアの大統領、首相をはじめ、10万人以上の信者がサン・ピエトロ広場に参集したそうですが、何はともあれジュビレオ期間中のローマが、テロのターゲットにならなくてよかったと、安堵しています。
2016年11月20日日曜日
ぜんぶ負け。こんな日もあるさ、ちょいちょいだけど
我らがASローマはアウェーでアタランタに負け、ロンドンで頑張ってた錦織選手はジョコに負け、お馬さん(マイルC)も負け、国内の女子ゴルフも日本人選手が負け、ついでに豪栄道も負け。結局ぜ~んぶ負けの週末でした(ま、こんなこともあるさ。結構ちょいちょいあるんですけどね)。
てなことで、秋だけに哀愁漂う投稿になってしまいましたが、しかし、ぜんぶ負けってことは、次は勝ちに転じるしかないのです。そうポジティブに考えれば、何も悲観することなどないわけです。
さて、秋と言えば、秋冬のローマの名物野菜であるプンタレッレ(日本ではアスパラガスチコリ)が旬を迎えています。こんなやつ。
これを細かく裂いて水にさらすと、あ~ら不思議、くるくると丸まってしまいます。山盛りのプンタレッレに、オリーブオイル、ビネガー、ほぐしたアンチョビ、すりおろしニンニクなどを程よく調合したドレッシングをかけて食べるだけ。
水菜よりも強いシャキシャキ感、爽やかな中にほのかな苦みがアンチョビの風味と絶妙にマッチした、この季節だけの食材です。
てなことで、秋だけに哀愁漂う投稿になってしまいましたが、しかし、ぜんぶ負けってことは、次は勝ちに転じるしかないのです。そうポジティブに考えれば、何も悲観することなどないわけです。
さて、秋と言えば、秋冬のローマの名物野菜であるプンタレッレ(日本ではアスパラガスチコリ)が旬を迎えています。こんなやつ。
これを細かく裂いて水にさらすと、あ~ら不思議、くるくると丸まってしまいます。山盛りのプンタレッレに、オリーブオイル、ビネガー、ほぐしたアンチョビ、すりおろしニンニクなどを程よく調合したドレッシングをかけて食べるだけ。
水菜よりも強いシャキシャキ感、爽やかな中にほのかな苦みがアンチョビの風味と絶妙にマッチした、この季節だけの食材です。
2016年11月6日日曜日
荷造り
この年末に、家族が帰国することになりました。息子の進学という避け難い理由による計画的な帰国です。
アパート地下階の倉庫に山積みしてあったダンボールを数個ずつ部屋に引き上げ、まずは生活に影響のないものから箱詰め開始です。壁に貼ってあった絵や額入りの写真だけでもゆうに5箱以上、いろんな国で買い集めた飾り物やグラス・食器類が数十箱。まだまだ始まったばかりだというのに、既に腕の筋肉がパンパンになり、腰も痛みます。そして、あっという間にダンボール箱が家のそこらじゅうで幅をきかせています。日を追うにつれ、足の踏み場すら無くなっていくでしょう。

残された私のローマでの単身生活がいつまでになるのか、そしてその先がどうなるのか、まだ会社からは何も内示がありません。飛行機が離発着を決断するジレンマゾーンに身を置いているみたいな、落ち着かない毎日です。
アパート地下階の倉庫に山積みしてあったダンボールを数個ずつ部屋に引き上げ、まずは生活に影響のないものから箱詰め開始です。壁に貼ってあった絵や額入りの写真だけでもゆうに5箱以上、いろんな国で買い集めた飾り物やグラス・食器類が数十箱。まだまだ始まったばかりだというのに、既に腕の筋肉がパンパンになり、腰も痛みます。そして、あっという間にダンボール箱が家のそこらじゅうで幅をきかせています。日を追うにつれ、足の踏み場すら無くなっていくでしょう。

残された私のローマでの単身生活がいつまでになるのか、そしてその先がどうなるのか、まだ会社からは何も内示がありません。飛行機が離発着を決断するジレンマゾーンに身を置いているみたいな、落ち着かない毎日です。
2016年10月26日水曜日
イタリア中部でまた地震
26日夜19時過ぎと21時過ぎ、イタリア中部でそれぞれM5.4とM5.9の地震がありました。8月の地震で大きな被害を被ったアマトリーチェのやや北東、山あいの地域です。
夜なので被害の状況は必ずしも明らかではありませんけど、TVの特番では震源地に近い村Castelsantangelo sul Neraの崩壊した建物や、広い駐車場に集まった車の中でひと晩を過ごす人たちの姿が映されています。余震も続いているようです。被災地の人々の無事と、被害が広がらないことを祈るしかありあません。
ここローマでも、1回目が震度2、次の2回目が震度3くらいの揺れを感じました。地方の小さな村よりは建物もしっかりしているだろうとは思うものの、基本的にはレンガを積んだだけに近い構造で、日本のような耐震・免震設計など全くありませんから、これ以上強い揺れが来たらどうなるのかと、不安であることに変わりはありません。怖いです。
夜なので被害の状況は必ずしも明らかではありませんけど、TVの特番では震源地に近い村Castelsantangelo sul Neraの崩壊した建物や、広い駐車場に集まった車の中でひと晩を過ごす人たちの姿が映されています。余震も続いているようです。被災地の人々の無事と、被害が広がらないことを祈るしかありあません。
ここローマでも、1回目が震度2、次の2回目が震度3くらいの揺れを感じました。地方の小さな村よりは建物もしっかりしているだろうとは思うものの、基本的にはレンガを積んだだけに近い構造で、日本のような耐震・免震設計など全くありませんから、これ以上強い揺れが来たらどうなるのかと、不安であることに変わりはありません。怖いです。
2016年10月16日日曜日
モノクロで撮るROMA(その1:クイリナーレ~共和国広場)
良く晴れた日曜日。
3年半を過ぎたローマでの生活も、残りの時間が少なくなってきた予感がしてきましたので、記憶と記録のためにもきちんと写真に撮っておこうと思い立ちました。
見どころ満載のローマの街を巡るには、時間的にも体力的にも一日二日では到底間に合いません。ですから、今日はここからここまでというふうに区域やテーマを細切れに区切って、シリーズで取り組むしかありません。良い散歩にもなります。
ということで、第1回目は、クイリナーレから共和国広場までをたどってみましょう。
古代ローマの7つの丘のひとつ、クイリナーレの丘に建つPalazzo del Quirinaleは、1583年に当時のローマ法王により建造された宮殿で、現在はイタリア大統領官邸として使われています。いわばイタリアのど真ん中からスタートとうわけです。
宮殿正面の広場Piazza del Quirinaleからは、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂も臨めます。そして広場にはオベリスクが。
クイリナーレ広場から9月20日通りに続く道を北へ進むと、2つの公園に挟まれる形でベルニーニの設計によるSant'Andrea al Quirinale教会が右手に見えてきます。
いわゆる官庁街でもあるこの通りは、車の往来もさほど多くなく、気持ち良く散歩できます。それにしても、10月中旬とはいえ快晴のローマの陽射しはこの時期でもかなり強く、コントラストが強く出過ぎてしまうため、撮影には厳しい条件。露出を上げると白い部分が飛んでしまうし、逆に下げ過ぎれば日陰の部分がつぶれてしまいます。
もう少しだけ進んで細い通りとの交差点、Chiesa di San Carlo alle Quattro Fontane聖堂の建物を含む4つの角には、それぞれ異なる彫刻が施された4つの泉(噴水)が迎えてくれます。
なぜモノクロなのかというと、街並みに似つかわしい派手な看板や、工事中であることを示す蛍光色の表示などが絵の中に入ると、途端に生活臭がしてきて残念な気持ちになるからです。さびれた裏道などはそれでも良いのですが。。。
放射状に道路が出入りする大きなラウンドアバウトの南側半分を、馬蹄形のアーケードが囲んでいます。
アーケードの中から、凝った造りの照明とアーチ越しに見える反対側には、古代ローマの遺跡をベースに、ミケランジェロが設計したとされるサンタ・マリア・デッランジェリ・エ・デイ・マルティーリ(Santa Maria degli Angeli e dei Martiri)という長い名前の聖堂が見えます。
第1回目はここまで。次はどの辺りを攻めましょうかね。
因みに撮影機材は、相も変わらず古びたCanon EOS30Dと、レンズはSigmaの17-70です。ISO800。多くの写真は露出を2/3マイナス補正。
3年半を過ぎたローマでの生活も、残りの時間が少なくなってきた予感がしてきましたので、記憶と記録のためにもきちんと写真に撮っておこうと思い立ちました。
見どころ満載のローマの街を巡るには、時間的にも体力的にも一日二日では到底間に合いません。ですから、今日はここからここまでというふうに区域やテーマを細切れに区切って、シリーズで取り組むしかありません。良い散歩にもなります。
ということで、第1回目は、クイリナーレから共和国広場までをたどってみましょう。
古代ローマの7つの丘のひとつ、クイリナーレの丘に建つPalazzo del Quirinaleは、1583年に当時のローマ法王により建造された宮殿で、現在はイタリア大統領官邸として使われています。いわばイタリアのど真ん中からスタートとうわけです。
宮殿正面の広場Piazza del Quirinaleからは、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂も臨めます。そして広場にはオベリスクが。
クイリナーレ広場から9月20日通りに続く道を北へ進むと、2つの公園に挟まれる形でベルニーニの設計によるSant'Andrea al Quirinale教会が右手に見えてきます。
いわゆる官庁街でもあるこの通りは、車の往来もさほど多くなく、気持ち良く散歩できます。それにしても、10月中旬とはいえ快晴のローマの陽射しはこの時期でもかなり強く、コントラストが強く出過ぎてしまうため、撮影には厳しい条件。露出を上げると白い部分が飛んでしまうし、逆に下げ過ぎれば日陰の部分がつぶれてしまいます。
もう少しだけ進んで細い通りとの交差点、Chiesa di San Carlo alle Quattro Fontane聖堂の建物を含む4つの角には、それぞれ異なる彫刻が施された4つの泉(噴水)が迎えてくれます。
なぜモノクロなのかというと、街並みに似つかわしい派手な看板や、工事中であることを示す蛍光色の表示などが絵の中に入ると、途端に生活臭がしてきて残念な気持ちになるからです。さびれた裏道などはそれでも良いのですが。。。
引き続き9月20日通りを、右手に国防省やイタリア中央郵便局などを見ながら歩いて行くと、大きな交差点の左奥にサンタ・マリア・デッラ・ビットーリオ教会が見えてきます。1600年代のはじめに完成したこの教会、ダン・ブラウン著「天使と悪魔」に登場したことから人気が出ました。
教会の交差点から、老舗の高級ホテルST.Regisを横目に大通りを車と同じ方角に南下すると、共和国広場(Piazza della Repubbulica)に出ます。放射状に道路が出入りする大きなラウンドアバウトの南側半分を、馬蹄形のアーケードが囲んでいます。
アーケードの中から、凝った造りの照明とアーチ越しに見える反対側には、古代ローマの遺跡をベースに、ミケランジェロが設計したとされるサンタ・マリア・デッランジェリ・エ・デイ・マルティーリ(Santa Maria degli Angeli e dei Martiri)という長い名前の聖堂が見えます。
第1回目はここまで。次はどの辺りを攻めましょうかね。
因みに撮影機材は、相も変わらず古びたCanon EOS30Dと、レンズはSigmaの17-70です。ISO800。多くの写真は露出を2/3マイナス補正。
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