2016年12月23日金曜日

どちら様もメリークリスマス

 おとといダンボール箱115箱を運送業者に引き渡し、筋肉痛も和らいだ今日からクリスマスを挟んで4連休。それが明けると、家族が帰国します。年末以降はローマに独り。ちと寂しくなりますが、まあしょうがない。
てなことで、世の中は災害やテロやらと物騒な出来事が絶えませんが、この週末はどちら様も平和で幸せなクリスマスをお過ごし下さい。

2016年12月18日日曜日

時事ネタですが

 年の瀬ですな。クリスマス間近のローマから、イタリアの時事ネタを2つ。
 一つ目は、ローマ法王が昨17日で80歳の誕生日を迎えたこと。世界中から7万通のお祝いメッセージが届いたとか。で、ご本人はというと、ホームレスの人たちをバチカンに呼んで、朝食をふるまったそうです。メニューはしっそながらも、伝統のケーキを出したそうで、このあたりがフランチェスコ法王の人気の所以なのでしょう。
 
 もう一つは、先の国民投票において国民から「Non」をつきつけられたことから、レンツィ前首相は辞任。すぐさまジェンティローニ内閣が発足したわけですが、首相府次官(日本でいうところの官房長官)に抜擢されたのが、マリア・エレナ・ボスキ女史35歳。
 以前、美人過ぎるローマ市長と呼ばれるラッジ女史を紹介しましたけど、ボスキさんもこれまたイタリア人が言うところの美人の類。大柄で、まあグラマーというか、色っぽいんだそうです。
 
 それもそのはず、2年前にレンツィ政権の閣僚に初お目見えした際の就任式典では、こんなセクシーなひと幕も。いや~ん。これもまあイタリアらしいといえばらしいですね。


2016年12月12日月曜日

ホームでの勝利は格別

 12日夜、我らがASローマは、ホームのスタジオ・オリンピコにACミランを迎え打ち、見事に1-0で勝利しました。パンパカパ~ン!
 この日のローマは、しんしんと冷える寒い夜でした。ポケットにしのばせたおにぎりを食べても、砂糖てんこもりのコーヒーを飲んでも、身体は温まりません。それでも、キックオフが近づくにつれ、スタンドをほぼ埋め尽くしたサポーターの熱気で、試合直前には既に熱気ムンムン。全員が立ち上がり、マフラーを高く掲げてチームの応援ソングを歌えば、モチベーションも全開です。
  ふと前を見ると、チームカラーのお揃いのニット帽がチャーミングな初老のお二人。冬は誰しもが暗い色のジャケットを着こんでしまいますが、赤と黄色のローマカラーはそんな冬にこそ目立ちますし、可愛いらしくもあるのです。そして、老いも若きも、み~んなローマが大好きなのです。
試合の方は、開始早々にPKを与えたものの、キーパーのシェズニーがこれをスーパーセーブ。そして、0-0で迎えた後半、モヒカン頭がトレードマークのベルギー人MFナインゴランが左足を振り抜いた鮮やかなミドルシュートが決まって、歓喜の瞬間を迎えたのでした。
 移籍がささやかれている本田選手も終盤10分間だけピッチに立ちましたけど、見せ場を作ることなく終了。
 リーグ首位を走るユベントスとの勝ち点差は4のまま単独2位をキープ。しぶとくついて行こうではないか。フォルツァ・ローマ!

2016年12月11日日曜日

カンツォーネな夜

 荷造りにも疲れた土曜日の夜、カンツォーネを聴かせてくれるリストランテに出かけました。
 店の名前「スコーリオ」は、直訳では岩場、食べ物のメニューになると海鮮という意味になります。だから、スパゲティ・アッラ・スコーリオは海鮮スパゲティ。
 子蛸のトマト煮、カルチョーフィ(西洋アザミ)のフライなどの前菜と、紙で包み焼きした海鮮パスタなどをゆっくり食べつつ、キャンティの赤など飲みながら、しばしその時を待ちます。
 歌い手は、この道なん十年というベテランのお二人。ところがどっこい、まあ声が出ること出ること。高音の伸びも素晴らしい。サンタルチア、オーソレミオ、サンタルチアといった定番を次々に、ノンストップで歌いまくってくれました。いつの間にかお店は満員。
 抜けるような青い空、照りつける太陽、海とワインとピッザと男と女。カンツォーネの歌声は、底抜けに明るく、人生を楽しむイタリア人そのものです。お酒も進んで、時間が過ぎるのがもったいない、そんな食事になりました。
お店を出ると、世の中はすっかりクリスマス・モード。つきあたりのサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂まで、美しいイルミネーションが繋がっていました。

2016年12月3日土曜日

イタリア首相の賭け

 イタリアでは明後日の4日(日)、憲法改正の是非を問う国民投票が行われます。
 41歳という若いレンツィ首相は、国民がNOの審判を下すようであれば辞任するとほのめかしていて、まさに政治生命を投げ打った大きな賭けに出た訳です。
 憲法改正の中身は、ざっくり言うと、日本の衆議院に当たる上院議会による内閣不信任案提出の権限をなくし、政治の安定化を図るというもの。
 就任当初はその若さと、大好きな自転車(実は安倍総理からシマノの自転車をプレゼントされました。)で議会に通勤するといった親しみ易さから人々の期待を集め、一定の支持率があったものの、その後に打ち出した政策は狙ったほどの成果が上がらず、国民に実利をもらたすには至っていないとして不満が高まっていました。


 もっとも、この間、南部の海岸に毎日大量に流れ着くシリア難民の受け入れや、二度にわたる震災の復興のために巨額の予算を必要としたことが、経済の底上げにブレーキをかけたのは確かで、そこは政治家としても不運だったと言えるでしょう。そして、日本の自民党のように与党が圧倒的多数の議席を持たず、野党の台頭によりねじれが生じている中で、来年はG7の議長としてサミットを主催しなければなりません。そんな焦りが、無謀とも思える賭けにのめり込んでいった理由なのかもしれません。
 しかし、いくら政治の安定化がイタリアにとって長年の懸案であるとはいえ、高い失業率や教育改革といった国民生活に直結したテーマからは程遠く、もっと他にやることがあるでしょうに、保身あるいは党利党略と受け取られても仕方がありません。
 世の中は、英国のEU離脱やトランプ次期大統領の選出にみられるように、保護主義・排他主義といった内向きの思考が主流になりつつあります。今回の賭けも、下馬評どおりNOという結果が出て、政権が自滅してしまうのかもしれません。
 なんて、たまには大真面目なことも書くのでした。