2019年5月26日日曜日

これじゃない感じ(刀、テック21)

 日米両首脳の大相撲観戦や、北海道で39度を記録とか、日本のいろんなニュースを遠い目で眺めています。
 そんなニュースに混じって、最近発表されたスズキ・カタナと、鈴鹿8耐にエントリーするテック21カラーのヤマハYZF-R1。ちょっと前に出たカワサキのZ900RSからの流れもあって、どちらも往年の名車復活ということで注目を浴びていますね。

 
で、どちらのバイクもそりゃあ素晴らしいのでしょうけど、どうしても「これじゃない」感じが拭えません。確かに30年という時間と共に進化を遂げた工業技術をもって、現代風の形にするとこうなりますということなのだろうと、頭では理解しようとするのです。
 ですが、ハンス・ムートが世界中のライダーに与えたあの衝撃や、良いニオイのするカッコ良い大人になりたい全ての青少年を虜にしたテック21というイメージ、平忠彦・ケニーロバーツというスタアが身にまとった水色のライディング・スーツ。。。
 どちらも一瞬で憧れたし、せめてプラモデルでもいいので、作ってみたいと思わせたものです。
 もっとも、自らの感受性が鈍っていることも否めません。がっちりとハートを鷲掴みされるような体験というのは、もうこの歳になってしまっては、そうそう滅多に出来ないことなのでしょうか。だとすると、ちょっと寂しくもあります。

2019年5月20日月曜日

マジで勘弁してほしいテロ

 昨日、ピラミッドの近くで、また爆発テロがありました。以前紹介したギザの3大ピラミッドすぐ近くに建設中の「大エジプト博物館」から目と鼻の先の路上で、観光バスを狙ったとみられる爆発があり、幸いにも死者は出なかったものの、バスに乗車していた南アフリカの観光客らを含む17人が負傷した模様です。
  ギザでは昨年12月にも、道路脇の爆弾が爆発し、直撃を受けた観光バスのベトナム人乗客らが死亡する事件が起きています。 
 爆発があった道路は、つい一昨日、私もゴルフに行くために通ったばかり。そうでなくても、仕事やプライベートでエジプトを訪れた人をピラミッドに案内する機会は、これからもいくらでもあるのです。いつ、自らに降りかかるかもしれない災難なのです。
 ホント、勘弁してほしい。
 混迷を極めた2012年の革命によって激減した観光客が、ようやく少しずつ回復基調に乗って来たかというときに、こうしたテロが起こります。エジプトの主力産業でもある観光に大打撃であることは間違いないし、投資家たちの関心も下がります。テロとの闘い、治安情勢の安定化が政権最優先の政策であることに変わりはありませんが、こうした事件が繰り返し発生する状況をみると、政府の対策にも限界があるような気がします。
 心の中で日々警戒は怠らないとしても、個人のレベルでは危険を回避しきれません。かといって恐怖に怯え、家に籠って暮らすというストレスフルな毎日を送る訳にもいきません。テロが人々にもたらすこうした心身の苦痛や経済的な不利益を考えるとき、この卑劣な行為がいかに罪深いものであるか、再認識させられます。

2019年5月15日水曜日

キャリーケースにちょっとそそられる

 1~3泊の出張や小旅行に不可欠なのがキャリーケース。そう、コロコロのキャスターが付いた小型のスーツケース。飛行機の機内持ち込みにぴったりのサイズに作られているものが多いので、ターンテーブルで預け荷物を待つ無駄な時間も回避できますね。
 そんなキャリーケースですが、世の中には様々な製品が溢れていて、どれを選んだら良いのか判断がなかなか難しい。せいぜいamazonのレビューを参考にするとかであろうか。どれを買っても大差ないだろうとタカをくくって、最後は値段と色で妥協するのが関の山だ。
 しかしだ。自分が手で引っ張っているキャリーケースに、こんなキャスターが装着されていたらどうだろう。なんと、ロゴが誇らしく映えるGOOD YEAR製のタイヤを履いている。実にカッコ良いではないか。静寂性と耐久性が売りだそうだが、タイヤにはトレッドパターンが掘られているのを見ると、結構グリップ力もありそうだ。グリップ力が必要かどうかはよく解らないが、駅や空港の構内で歩くペースが速くなりそうな気はします。
  しかも、立った状態で上から開くことができるみたい。中に入れた書類などを咄嗟に出し入れするときなどに、たいへん便利そう。これまでならケースを床や椅子の上に置き、人目をはばかりながら、しゃがみこんで横にご開帳していたところだが、こうやって開け閉めできれば、かなりスマートだ。
 加えて、内部にオプションのモバイルバッテリーを仕込めば、ケース上部の2つのUSBポートから端末を繋ぐこともできるというんだが、これは特に必要性を感じないかな。
  製品名は、リージェント・スクエア。今年6月の発売で、お値段は23,780円(税込)。交換用のキャスターは2個セットで2,500円。交換できるのも嬉しい。これが高いか安いかは、使う人によって価値観が異なるでしょう。でも、今まではキャリーケースに抱くことなどなかった所有する喜び、使う喜びみたいなものが感じられるのなら、それほど高くはないように思います。

2019年5月10日金曜日

断食(ラマダン)はダイエット効果なし

 イスラーム教の人たちの間で行われる断食の習慣(ラマダン)が5月6日に始まってから、最初の週末を迎えています。
 もとより、アッラーの神から啓示された言葉を人々に伝承した預言者ムハンマドが、メッカからメディナへと移動した年とされる西暦622年を元年とするイスラム歴(太陰暦=ヒジュラ暦)の第9の月にあたり、新暦では毎年11日ずつズレて早くなります。ムスリムたちは、日の出から日没までの間はいっさい食事をとらず、水も飲まない、タバコも吸いません。
 なんで断食なのかというと、ムハンマドが神の言葉として記したコーランの教えの根幹にある六信五行(6つのものを信じ、5つの行いをしなさいという教え)に説かれているからです。六信は神、天使、啓典、預言者、来世、天命。五行は信仰告白、礼拝、巡礼、喜捨、断食。つまり、天国に行くために神や預言者を信じるのであれば、毎日5回の礼拝や、生涯一度のメッカへの巡礼などに加えて、富める者は貧しい者に施しをしなさい、さらに断食をしなさいということです。
 イスラーム教では、人の左肩には善行(日々の礼拝を怠らないなど)をカウントする天使が、右肩には悪行(酒を飲んだなど)をカウントする天使がそれぞれ乗っていて、死後、最後の審判の際に、善行の数が悪行の数を上回っている場合に、天国に行けると信じられています。ただし、キリスト教のように、生きている間に懺悔することなどによって罪の一部が赦されるといったことはなく、自分のカウントがどうなっているかを生きている間に知る方法はありません。なので、信者たちは、天国に行けないリスクを畏れて、ムハンマドが説いた神の教えをせっせと守るわけです。
 因みに、最後の審判を受けることなく天国に直行できる唯一の例外的な方法があります。聖戦(ジハード)です。そしてそれが、世の中からテロがなくならない理由です。
 さて、ラマダン期間中、日没と共にとる断食明け最初の食事のことを、イフタールと呼びます。正式にはデーツなどの甘いものをちょっとつまんで水を飲み、礼拝をした後に伝統的な料理を並べて食事となるんだそうですけど、多くの人は「待ってました」とばかりに、いきなり肉料理などをむさぼります。そして、夜明けまでの間に数回に分けて、翌日の日中いっぱいお腹が空かないよう、文字どおり食いだめをします。日中は閑古鳥が鳴いていたお店も、深夜まで営業しています。
で、昼間はなるべく喉が渇いたり空腹にならないよう、仕事はミニマムしかしませんよという態勢。なのに、夜になるとこれでもかというくらいに飲み食いするもんですから、約1か月のラマダンが明ける頃には、多くの人がさぞ痩せているかと思ったら全然そんなことはないわけです。むしろ、不規則な時間帯に不摂生なレベルで飲み食いするため、かえって太るという人が少なくない。夜の食事を少なくする一般的なダイエットとは真逆を行くわけですから、まあ当たり前なのかもしれません。
 でもそれって、ムハンマドが教えたかったこととは随分趣旨が違っちゃってるんだろうな。

2019年5月3日金曜日

令和になった日本との温度差

 日本はどこを向いても改元の話題でもちきりなんでしょうね。エジプトなんてところに暮らしていますと、やっぱり遠いところの話に思えてしまうのです。だからという訳ではないけど、令和も3日目にして初めてそれをテーマにする天邪鬼ぶりです。
 だって、行きつけのゴルフ場にはジャカランダが薄紫のきれいな花を咲かせ始めましたし、気温は既に30度を超えているし、週明けからはラマダン(断食)が始まるのです。

ジャカランダは南米原産のマメ科の樹。製材すると、高級家具の材料になるそうです。葉のない枝いっぱいに綺麗な花をつけ、しかし一週間もすると全部地面に落ちてしまうその姿は、日本の桜とイメージが重なります。
 アフリカでもケニア、タンザニア、エジプトなど大陸東側に広く分布していて、あちこちに住む日本人の目と心を癒してくれる象徴的な樹なのです。