2021年2月24日水曜日

名車の予感(GB350)

  ホンダから新しいバイクが発売される。それ自体は珍しいことではないけど、これはちょっと、いや相当に心が踊るニュースだ。

 GB350。空冷単気筒350cc。ホンダのウェブサイトでお披露目されたその姿は、”ベーシック・ロードスター”と銘打ったとおり、どこから見ても「バイクってさ、昔っからこんな感じだったよね」「んで、好きにイジっちゃってよ」とでも言わんばかりだ。もちろん、カフェ・レーサーに仕立てる人が多いだろうことを瞬時に想像させるし、味付けによってはダート・トラッカーも似合いそう。つまり、自分好みのカスタムのベース車両として、これ以上ない素材と言えそうだ。唯一、惜しむらくは、ホイールがワイヤースポークじゃないことくらいか。

 つい先日のエントリで、ヤマハSR400の引退を引き合いに出したばかりだ。そして、それによって市場にポッカリと開く穴を直ちに埋めるが如きタイミングで、GB350の登場が発表された。出来過ぎじゃないかと、穿った見方すらしてしまう。

 老若男女を問わず、一つずつ好みのバイクに仕上げて、休日には心地よいシングルの鼓動を聴きながら、良い景色や良い出会いを求めて、ゆっくりのんびり走ろうよ。そんな楽しみ方を、きっとこのバイクは提案してくれるのではないだろうか。名車の予感がするのです。

2021年2月19日金曜日

オジさんの朝食

  生きていく上で食事というのは避けて通れないものだということを改めて実感する初老のオジさんなのだが、このコロナ禍で毎日の食事、特に朝食の態様が変化した。

 平日は、朝食をとらない。出勤日はせいぜいがオレンジジュースとヨーグルトくらい。で、お昼はバランスよくきちんと食べて、晩飯を極く軽目にする。スープが多いかな。そして、テレワーク日は朝食を抜いて早めの昼(カッコよく言えばブランチか)に麺類をがっつり自炊する。その後は寝るまでほぼほぼ食べない。いずれにせよ炭水化物を極力少なくするダイエットは継続中だ。一日に2回炭水化物を主食として食べた翌日は、ほっぺたがプニプニしているのがわかる。

 そして週末。よっぽど天気が悪くない限り二日間ともゴルフをするので、朝からちゃんと食べる。そうでないと18ホールもたないから。まずは卵を一品。目玉焼きでもスクランブルでも良いのだが、今日は写真を撮るので普段よりちょっとカッコつけて目玉焼きに塩コショウとしてみた。サルモネラ菌が心配なので、フライパンをしっかり熱してターンオーバーする。パンは丸いバゲットか、前日に買っておいたクロワッサン。それにヨーグルトとバナナ。飲み物はオレンジジュースまたは紅茶だ。紅茶はティバッグだが、結構飲む。朝晩2回は飲むので、英国人なみかも。

 なるべく野菜を多く摂り、炭水化物を制限し、間食しない。適度な運動をする。晩酌はしないが、ゴルフの後だけ飲む。言ってみれば健康法はこれだけなのだが、効果はてきめん。人間ドックの各種数値も悪くない。病院にお世話になるどころか、薬の一粒も飲んでない。実に有難い。



2021年2月10日水曜日

残して良いモノ、残さなきゃいけないモノ(ヤマハSR)

  日本が世界に誇る生粋のカフェ・レーサー、ヤマハSR400が国内向け生産終了となります。1978年に誕生してから44年の間に、累計11万台以上が生み出されたそうだ。そして、3月15日に発売される最終モデルに、エラい勢いで予約が入っているのだとか。

 空冷単気筒400cc、スリムなタンクには音叉マーク、低いコンチネンタル・ハンドル、スポークホイールに象徴されるいかにもバイクらしいそのスタイルは、当初からほぼ変わっていない。Final Editionが60万5千円、Final Edition Limitedが74万8千円(いずれも税込)というプライスタグは決して軽くはないけれど、新車でSRを買うことができる最後のチャンスを逃すまいとするファンが多いのも頷ける。

 オジさんがSR400を初めて意識したのは17歳くらいのこと。たぶん初期型だったのかな。いわゆる走り屋ブームに火がつき始めたあの当時、よくバイク仲間と一緒に原付を駆って筑波山に走りに行ったもんだ。ワインディングの途中、うっすらと朝靄が残るまだ誰もいないパーキングに、独りSRと佇む二十代後半とおぼしきお兄さんがいた。黒のレザー・ジャケットと、ジッポーで火をつけたタバコがよく似合っていた。少年の私たちが少し遠巻きに、指を咥えるように眺めていると、お兄さんが「エンジンかけてみなよ」と言った。デコンプなんてものを知らない私たち、先にトライした友人は、キックを踏み下ろすことすらできず、強烈なケッチンに足を跳ね返されてすぐに諦めた。次は私の番、キックペダルをコツコツとやって圧縮を確かめ、全体重をかけて一気に踏み込むと、パンパンッと威勢の良い破裂音がキャブトン・マフラーから弾き出された。「ほお、上手いな」と褒めてくれたお兄さんの言葉がすごく嬉しかった。お兄さんはタバコを吸い終えると、小さなピースサインを残してワインディングに消えてしまった。バイクの姿は見えないのに、SRの排気音だけがいつまでも山肌にこだましていた。

 11万台のSRが、いったい何人のバイク好きを魅了してきたのだろうか。排ガス規制の強化と共にこの世から姿を消すことになってしまったこの素晴らしいバイク、そして頑なにそのスタイルを守りながら作り続けてきたヤマハというメーカーの努力。こういうものを、日本が残さないで誰が残せるのかと、本当に残念に思います。