2009年12月10日木曜日

parisの通勤事情(四輪編)
























 parisの通勤事情第2弾は、四輪です。はっきり言って、オヂさん専門外です。

 地下鉄もバスも、東京にはかないっこないにせよ、結構使い易い。なのに、渋滞することを解っていながら、なぜこれほどparis市民は車で通勤したがるのか。答は、ラクしたいってだけなんです。やっぱフランス人、とりわけパリジャンは、いつまでたっても貴族的なブルジョア意識が根底にあって、絹のハンカチをひらひらさせながら「あ~疲れちゃった。ジョーダンじゃないわよ。ねぇバカンスまだ?」っていうお国柄なんです。だから、ちまちま切符を買って、ホームや寒いバス停に並んで、込み合って座れもしない電車やバスに乗るなんて、可能な限りまっぴらご免なんです。
 さて、paris市内で車の運転をする新参者には、2つの大きな鬼門があります。いずれも運転技術と勇気を磨き上げなければクリアできない、難関ステージです。
 1つめの鬼門は、エトワール凱旋門のロータリー。放射線状に広がる12本の道路からいっぺんに大量の車が流れ込んでくる、いわば鳴門の大渦みたいなところ。直径はゆうに200メートルくらいありましょうか。この大渦を制するルールはただ一つ、「右側優先」です。とにかく自分の右から内側(つまり渦の中心)に向かって入ってくる車に絶対的な優先権があって、逆に言うと自分が右にいるときは、内側の車に対して無敵なのです。腹をくくって、真ん中めがけて直線的に侵入していかなければなりません。しかし新参者はときとして、この無敵マリオの状態を信じることができなくて、躊躇し、減速してしまう。そうすると周囲の車からは「挙動不審車」と認識され、その一角のルールが崩壊する。たちまち自分が渋滞の核になってしまうのです。要するに、右側優先に「根性優先」を付け足して臨む必要があるっつうことです。周りからのクラクションの嵐、エンストでもしようもんなら、焦りと緊張は最高潮に達するでしょう。汗も吹き出します。どうぞ一度はご経験あれ。
 2つめの鬼門は、縦列駐車。築50年ならほぼ新築と言われるparisの建物には、地下駐車場が絶対的に足りない。「わあ、中世の街並みがそっくり現代に残っていて、建物のひとつひとつがいちいちロマンチックよねぇ」と目を♥にするオネエちゃんには、そんなの関係ないんですけど、住んでるこっちは大いに関係ありだ。駐車難を克服するためには、路上でミリ単位の縦列駐車技術を身につける必要がある。と、言ってはみたものの、実はそう考えるのは、縦列駐車で「前後の車に決して触れてはならない」ことを最重視する日本人だけなのかもしれません。フランス人は、一見して、う~ん、こりゃちょっと入らないかもってくらいのスペースだったら、間違いなくトライします。それも、前と後ろの車のバンパーにガンガンぶつけてスペースを作っていくのです。日本だったら即喧嘩でしょ。でも、ここではそれが当たり前。バンパーに傷も凹みもない車なんて、ほとんどありません。
 だから、parisは、より駐車し易い小さな車の宝庫です。上の写真はミニモニ、いえ左からフィアット500、ルノー・トゥインゴ、そしてスマート。いずれも大人気車種。特にスマートは、縦に入らなきゃ横向きに入れて停めることができます。オヂさん四輪専門じゃないので詳しいことは知らないんですが、フィアット500なら「アバルト」、スマートなら「ブラバス」っていうホットなスペックを与えられた車種もあるようです。いずれもキビキビとした走りで、オヂさんの愛車、つまり図体だけはデカくて見栄えのする中古BMW(E39)をひょいひょいと抜いていくお尻がキュートです。アバルトならほんとに欲しいな。
 次回(parisの通勤事情シリーズが続くとすれば、次回が最終回。)は、「自転車編」です。


2 件のコメント:

どろゑびす特急 さんのコメント...

パリの駐車事情はすごいらしいですね。
自分の兄がパリに行った時の縦列駐車エピソードは最高でした。
街中で車列の間に縦列駐車しようとしてるオバチャンのルノーが、後ろ側に停めているトラックは押せないと判断して前側に停めているフェラーリ(!)をガンガン押し、フェラーリのデフューザーを「バキ!!」と割って停めたそうです。
数日後そのフェラーリが割れたまま普通に走ってたのを見た時に駐車事情のスゴさとフェラーリオーナーはホントの金持ちにしかなれない事がよく分かったらしいです。

みやっち さんのコメント...

どろゑびす特急さん
そりゃまたキョーレツなおばちゃんですねぇ。
停まってる車のサイドミラーをバキバキ折っても平然と走り去る車を何度も見たことがありますけど、フェラーリはさすがにねぇ。。。(汗)