2009年12月31日木曜日

良いお年を

 11月にこの拙いブログを立ち上げました際は、生来の三日坊主がどこまで続くもんかいなと、自分をまったく信用しておりませんでした。それでも、御蔭様でほんの少しずつですが覗きに来てくださる方ができ、晴れて年を越そうとしています。これまでお寄せくださったすべてのコメントに感謝申し上げます。
 parisのこと、ヨーロッパのこと、写真のこと、カメラのこと、芸術のこと、生活のこと、、、ご紹介したいテーマはいろいろとあるのですが、そこはやはり引き続きバイク・プラモと写真を中心に、これからも独り言を綴っていこうと考えています。
 皆様、良いお年を。そして、来年もよろしくお願い致します。
 

2009年12月29日火曜日

CB750 Cafe (2)










 製作開始です。
 皆さんは、いつもどこから作り始めますか? オヂさんはその時の気分です。あー、つまり無計画に近いとも言う(笑)。でも逆に、インスト通りの順番で作るモデラーなんて、いるんでしょうか。
 CB750は、メインフレームから始めることにしました。
 このキット、フレームのパイプがちゃんとしていて、内側にプラ材節約のための肉抜きなどありません。好感度大です。その代わり、パーティングラインがけっこうキツめに入っているので、ヤスリで丁寧に消していきます。後で、ペーパーもかけます。いつもならフレームは半ツヤのブラックに塗られてしまうので、多少のアラがあってもほとんど気にならないのですが、今回はちょっと妄想(構想)があるので、表面を整えておく必要があるのです。
 フレームを見渡します。オヂさんは、メーカーさんによるデフォルメはまったく気にしないので、「いくらなんでも、これはあり得ねぇだろー」というインチキ設計以外は、実寸に忠実な再現を必ずしも目指していません。「らしく」あれば、十分です。
 メインスタンドによるディスプレイを考慮して、サイドスタンドはオミットすることにしました。よって、フレーム下部に飛び出しているサイドスタンドのステーは、潔く切り落とします。また、巨大なエンジンガードを吊るす金具のモールドや、4本マフラーのステー兼タンデムステップの軸を支える三角の補助フレームも、バッサリ切り落としてしまいました(オイオイ大丈夫かー)。
 だって、カフェ・レーサーにエンジンガードはご法度だし、マフラーは4in1の集合管にしてしまうし、シングルシートにする予定だから。ということで、随分すっきりとしたフレーム。白プラ材は、粘りがあって加工し易いです。
 フレーム接着の乾燥待ちの隙に、エンジン関連部品のメッキを剥がします。日本ならモデラーご用達のキッチンハイターなんでしょうけど、残念ながら欧州向けに輸出していないようで、こちらの店には当然売っていません。そこで、それに代わるのが「La Croix」という台所洗剤。カルキの多い水道水によるシンクの汚れを分解するだけあって、メッキ剥離力も十分です。ラベルには「plus」の文字が。何か強力な成分が添加されているのでしょう。剥離作業は台所。男子厨房に立ってコソコソとやっておるわけです。
 次回は、エンジン組み立て。

2009年12月28日月曜日

CB750 cafe (1)


 1/6ビッグスケールの第4弾は、CB750です。キットは白バイ仕様ですが、これをベースにカフェ・レーサースタイルに改造していきます。
 先ずはキットのインプレッションから。
 パーツ群を並べてみると、市販モデルに比べて、白バイの装備品がいろいろとあるため、部品点数がかなり多くなっているのが解ります。折角タミヤさんが桜田門の協力を得て(かどうか知りませんけど)用意してくれたんですけど、オヂさんの下に来たからには、ジャンク箱に直行するパーツも多くありそう。
 嬉しいのは、白パーツが多いこと(白バイだからね)。塗装を考えると、いろいろと都合が良い。嬉しくないのはメッキパーツが多いこと。ほとんどはキッチンハイター風呂で裸になってもらいます。ただし、ライトリムなど極く一部のパーツは、効果的に使えばカフェ・レーサーの華やかさを演出してくれるので、何を残すか思案のしどころ。
 市販モデルとのいちばんの違いは、シングルシート(そりゃタンデムの白バイなんてありませんからね)。でもこれは、最初からアテにしていない部分。どの道シートはスクラッチ製作となります。あとは、メーター。タコとスピードの独立2眼ではなく、ヘッドライトのハウスに埋め込まれています。BMW R75/5やモンキーと同じタイプですね。これはこれで、オリジナリティの点でも、オールド・ファッションという観点からも、むしろ好ましいと思います。
 さあて、始まります。日本の静岡で生産され、海を渡ってドイツの業者に仕入れされ、parisに住む日本人のオヂさんに購入されたCB750は、これからどう形になっていくのでしょう。パーツを眺めながら、どこから手をつけようか、どこをどうイジってやろうかと、あれこれ妄想するこの段階が、ひょっとしたら一番楽しいかも。

2009年12月26日土曜日

BMW R75/5 カフェ(最終回)


















BMW R75/5カフェ

 製作所要日数は約3カ月。素組みに近いこともあるけど、自分としては極めて速いペースで完成に至ったことが嬉しい。家の中は採光が十分でないので、外に出て撮影してみました。

 1969年にR50/5、R60/5と共に発表されたこのバイクは、シンプルなフレーム構造や、リア・サスがほぼ直立しているディメンションを見ると、いかにも時代を感じさせる設計だ。シャフトドライブだからリアはほとんど片持ちみたいなものなのかもしれないけど、それにしても左スイングアームなどはとても細い。エンジンは、BMWの象徴たる伝統の水平対向2気筒。左右シリンダーは、上から見ると位置が前後に少しずれていて、面白い。クランクシャフトの向きの問題で、停車状態で空ぶかしすると車体が傾くんだよね。それでも、「静かな巨人」と呼ばれた排気量750ccのR75/5は、当時BMWが技術の粋を集めて世に放ち、ロングセラーとなった。素姓のとても良いバイクであることに異存があろうはずもない。今だに多くのファンがいるだろうし、オヂさんもチャンスがあれば是非実車にもまたがってみたい。
 なお、タンクは、弁当箱とかトースターとか呼ばれる四角い巨大なものではなく、1971年に加えられたUS輸出仕様のスマートな形状。好き嫌いはあるだろうが、カフェ・レーサーとしてはこちらの方がイメージに合うかもしれない。

【主なスクラッチ(自作)ポイント】
(ベースキット:TAMIYA1/6 US輸出仕様)
・タンク溶接リブ・・・キットでは省略されていたので、プラ板0.5mmを裏から貼り付け。
・タンク形状・・・前方両肩にパテ盛りして、ふっくらとしたシェイプに。
・シングル・シートカウル・・・シートベースのみ活かしてプラ板の箱組からスクラッチ製作。形状は、タンクとのマッチングを重視。シート地はオフ・ホワイトの革張りを表現。リベットは虫ピン。なお、本来シート下にある小物入れのスペースは省略。
・テールランプ・・・キットのレンズのみ活かしてリアフェンダーに縦に配置。ランプハウスはフェンダーに合わせて黒塗装。
・前後フェンダー・・・縁の形状をスリム化(うすうす攻撃)。リアは長さを少し切り詰めた。
・フロントフェンダーの風切り・・・0.5mmプラ板。留め金具はアルミ板に虫ピンでリベット。
・前後スポークホイール・・・0.5mm真鍮線でスポーク張替え。ニップルは1mm皮膜線のチューブ。リム及びハブは、塗って磨くクローム塗装。
・前後ブレーキロッド・・・真鍮線に置き換え、スプリングは0.3mm針金をコイル巻き。
・左右マフラー・・・オリジナルから約3cm切り詰めショート化。連結パイプなし。
・エンジン・・・ほぼ素組み。クランクケースは塗って磨く鉄色、シリンダーはフラットアルミ塗装。
・キャブ・インシュレーター・・・結束バンドを0.5mmアルミ板から切り出し、リベット止め。
・バッテリー・・・留め金具及びフレームへの固定ゴムバンドを自作。
・デカール・・・メーターとタンクのエンブレム以外は自作。シートカウルにはカフェ・レーサーの聖地ACE CAFEのステッカー。
・ワイアリング・・・アクセル、クラッチ類は太さの異なるケーブル(皮膜線)を使用。

 製作技術の不足から残念ながら実現できなかった点は、バックステップ。フレームに固定されている大きめのプレートが、タンデムステップの受け(作品では目隠し)とマフラー・ステーを兼ねているため。これをフレームから切り離してしまうと、マフラーの位置決めが難しくなる上、シフト・リンケージもかなり複雑になると思われたため、断念してしまった。それと、ハンドル・バーは、一文字でも良かったかもしれない(BMWはコンチハンでしょう、と勝手に思い込んでしまった)。

BMW R75/5 カフェ(5)

 BMW R75/5カフェが完成しました。明日、写真を撮って、あらためてupします(別に、もったいつけている訳ではなくて、完成祝いっつうことで、もう飲んじゃってますんで、撮影できる状態にないのです。)
 全体の自己評価としては85点くらいかな。
 今回の作品で特に苦労したのは、マフラーの焼け表現。途中、2回程シンナー風呂につかってもらいました。そしたら、プラ材が弱くなったのか、つなぎ目のところでモゲてしまい、心も折れかけましたが、気を持ち直して再度接着。いろんな困難を乗り越えて、製作を進めてきました。
 マフラー塗装はブラックの下地にMr.ColorのSM07メッキ・シルバー(これ、高いのね)。塗って磨くタイプとどっちにしようか迷いましたが、今回せっかく調達したので。で、見せ場のエキパイ曲がり部分には、エナメルのクリアー・オレンジとメタリック・ブルーで焼け色を擦りつけるようにやや大げさに着色。でも、このままだと表面がテラテラというか、ヌラヌラというか、いかにも塗りました~感が残るので、この上から再びアクリルのメタリック・シルバーを今度はドライブラシでコーティングするように。ふむふむ。なかなかよい。でも、全部塗っちゃうと、そのあと触れなくなっちゃうので、持つところを塗り残して車体に組みつけ。この塗料、よく光ります。

2009年12月24日木曜日

ジュネーブ(2)


 震え上がった寒波が少しだけ緩んだので、レマン湖のほとりを散策。ジェドーという呼び名の大噴水の右後方には、晴れていればモンブランがその雄姿を見せてくれます。ん~でもまだ寒い。
 ジュネーブ最終日の今日は、TGVの出発時刻まであまり余裕がなく、ちょっと駆け足でした。
 今回は、フランス国鉄SNCFで、TGVとホテルとレンタカー、旅行保険まで含めて丸ごと全部予約してみたけど、これがこのハイシーズンにして、個々に予約するのに比べて相当におトク。おかげでいつもよりワンランク上のホテルに泊まれて大満足でした。気になるお方にこっそり料金教えちゃいますと、家族4人、4泊5日全部込みで20万円を切ってます。ちなみにレンタル・スキーは3人分、丸2日間で17,000円くらい。これは日本並みか。
 お正月は家でプラモ三昧なので、この冬の出費はここまで。よしとしてます。

2009年12月23日水曜日

ジュネーブ

 19日から4泊の予定でジュネーブに来ています。
 北海道出身のカミさんとその影響をまともに受けている家族がスキーをしたいというので、スキーをしないオヂさんは事前の旅行手配とカバン持ちです。
 出発の19日、大寒波でした。フランスじゅう雪。おかげで、TGVの出発が2時間半遅れ。リヨン駅は人でごった返し、そしてどうしようもなく寒い。やれやれ乗ったと思ったら、最高速度を220kmに落としての運行で、都合3時間遅れ。parisから3時間半で到着するはずが7時間もかかってしまった。予約していたレンタカー屋は既に営業時間終了。
 翌日、気を取り直してレンタカー(チェコのskoda。vw資本が入ってからのモデルはなかなか良い。)をピックアップし、町の貸しスキー屋で一式を借りて、家族は近場jura(ジュラシックパークの時代、jura期に出来た山なのだ。)のスキー場に。ところが、午後から天気は下り坂、山の上は吹雪いていて、スキー場はあえなく閉鎖。今日になってようやく、シャモニー方面で今シーズンの初スキーを一日楽しんできたらしい。
 オヂさんはというと、HONDAの某氏から無理を言って貰ったF1ピットクルー用の防寒ジャケットを着て町の散策に出たものの、あまりの寒さに途中挫折。ホテルでぬくぬくテレビ三昧。これが休暇よ。
 明日、parisに帰ったら、BMW仕上げなきゃ。

2009年12月19日土曜日

サンタさんがね


 家族のところよりも早く、サンタさんがオヂさんのところに来てくれました。そして、オヂさんが欲しくて欲しくて仕方がなかったプレゼントを3つもくれました。ハハハハ。。。。。
 明日からスキーに出かけるので、ちょっとだけ更新をさぼるかもしれません。
 正月休みはCB750に着手します。今回は、製作過程を今までよりちょっとだけ丁寧に紹介していきたいと考えてます。あ、オリジナルは白バイ仕様で、これはこれでファンがたくさんいるのかもしれませんけど、オヂさんは警察に何の思い入れもないので、惜しげもなくカフェレーサーに改造しま~す。

2009年12月18日金曜日

初雪



 日本の冬将軍と息を合わせたのか、parisにも初雪が降りました。ここ1週間くらいの寒さなら、いつ降ってもおかしくはなかったのです。お天道様も、我慢の限界を超えたようです。
 未明から降り始め、朝の通勤ラッシュを更にノロノロにし、午前中で5cmくらい積り、昼にグチャグチャに変わって道行く人の靴を汚し、夕方には道路はすっかり溶けていました。今晩冷え込んだら、明日の朝は路面がツルツルに凍っているかも。オヂさんのポンコツBMWは当然FR車で、まだスタッドレスも買ってない。45扁平オートマですから、凍結路は大の苦手。バスで行くのが賢明です。
 でも、今週末からアルプス、オートサボワ方面にスキーに行くので、雪不足を心配していた我が家の面々は、これでひとまず安心している模様。スキーと言っても滑るのは家族だけで、オヂさんは生まれてこのかたスキーなんぞしたことがない。そして、これからもするつもりはない。だって、この齢になって内股ボーゲンのへっぴり腰ってのは流石にカッチョ悪くて。

2009年12月15日火曜日

トーキョー・メットガール

ガジェット右下に、メットガールの窓を追加しました。カフェレーサー好きだからといって、硬派なわけではないのだ。
でもオヂさん、歳なんでしょうか、若いお嬢さんたちがみんな可愛く見えます。きらきらとまぶしくて、何だか心配にすらなってくるのです。幸せになってくれればいいなあなどと。ああ、こんなふうに書きますと、かなりジジくさーって思われるおそれがありますね。
方向修正しましょう。こんな可愛いお嬢さんたちが、しかもバイク仲間っつうだけで、なにやら親近感を覚えるじゃないですか。皆さんも、こんなお嬢さんたちと一緒にツーリング行けたら、さぞかし楽しいだろうなぁなどと、妄想してニマニマしちゃってください。
(その前に、腹筋と腕立てだろー。)
そのうち、小粋なパリジェンヌ・ライダーも紹介できればなと考えています。お楽しみに。

2009年12月14日月曜日

BMW R75/5 カフェ(4)


 BMW R75/5も終盤に差し掛かってきました。
 シングルシートが出来あがりました。ブラック塗装にお約束のチェッカー模様、両脇にはカフェ・レーサーの聖地ACE CAFEのステッカーを(ステッカーの縁取りがちょい汚いけど、見逃して。)。シート地は、ベージュ系の革をイメージしていたものの、なかなか色表現が難しく、苦労した末にオフホワイトで妥協。厚手の革をなめした感じに見えればよいのですが。シートカウルには虫ピンで大きめのリベット打ち。
 R75/5は、現代のバイクにはないフレーム構造のシンプルさ、無骨さに、ドイツ車のジェントルさが加味した魅力的なバイクです。ただし、素組で製作する場合、エンジンや足回りなどメカの部分には、やはり年代相応に「ヤレ」た感じを出さなくてはなりません。その分、タンクやシートといった外装部分では思い切りcoolでヤンチャな雰囲気作りを目指しています。
この後は、タンクとマフラーという最後の難関を残しています。シートの出来に少し安心し、下がりかけていたモチベーションが回復しました。

2009年12月10日木曜日

parisの通勤事情(自転車編)




  parisの通勤事情シリーズ最終回は、自転車です。オヂさん、不得意分野です。
 フランスといえば、ツール・ド・フランスの国。オリンピック、サッカーWCに次ぐ世界3番目のスポーツ競技会なんだってね。その年のもっともカッチョいい男マイヨ・ジョンヌの栄冠を目指して、自転車野郎達が熱く、長い道のりを全力で走りぬく。各ステージの表彰式では、お立ち台できれいなオネエちゃん二人に挟まれて、両方のほっぺにチューしてもらえるのだ。それくらいは、知っています(それくらいしか知らないともいう。)。
 そんなお国なので、さぞかし市内でも、もちろん通勤でも、ロードタイプの自転車が多いのだろうなと勝手に妄想していました。しかし現実は、ぜんぜんさっぱりでした。自転車通勤の人は、少しはいます。でも、みんなママチャリにちょっと毛が生えたような「ちゃりんこ」で、およそロードタイプというほどのものではなさそう。でも、普段乗り用としてデザインはそれなりに秀逸なんだろうな。どこかオシャレではある。
 団地から駅に向かう日本のサラリーマンと違うのは、ちゃんとヘルメットをかぶって、蛍光テープの貼ってあるチョッキみたいのを着て、手信号をやることかな。でも、なんでだろう。ツール・ド・フランスでは国民全員が大騒ぎするっていうのに。答えは簡単です。盗まれちゃうんです。特に、駅前の駐輪場とか、路上に停めてある自転車は、どれも頑丈なチェーンで盗難防止をはかるのですが、作業着の男がなんだか業務用みたいな大きな裁断マシンを持ってきて、大胆かつ瞬時に盗んでいくんだそうだ。オヂさんの同僚も、この3ヶ月の間に2台やられたって。

 さて、parisの自転車といえば、もひとつ有名なのが、ヴェリブ(velib:フランス語の「vélo」(ヴェロ・自転車)と「libre」(リーブル・自由な)ということばをくっつけた造語)です。市内のあちこちにある専用の駐輪場ならどこから乗っても、どこへ乗り捨てても良いという、一見便利なシロモノ。でも、実際には駐輪場の数がまだまだ少ないこと、自転車専用道路がないので、危なっかしいこと、そして何より料金体系が複雑で解りにくいため、オヂさん的には利用を躊躇しちゃうなぁ。

parisの通勤事情(四輪編)
























 parisの通勤事情第2弾は、四輪です。はっきり言って、オヂさん専門外です。

 地下鉄もバスも、東京にはかないっこないにせよ、結構使い易い。なのに、渋滞することを解っていながら、なぜこれほどparis市民は車で通勤したがるのか。答は、ラクしたいってだけなんです。やっぱフランス人、とりわけパリジャンは、いつまでたっても貴族的なブルジョア意識が根底にあって、絹のハンカチをひらひらさせながら「あ~疲れちゃった。ジョーダンじゃないわよ。ねぇバカンスまだ?」っていうお国柄なんです。だから、ちまちま切符を買って、ホームや寒いバス停に並んで、込み合って座れもしない電車やバスに乗るなんて、可能な限りまっぴらご免なんです。
 さて、paris市内で車の運転をする新参者には、2つの大きな鬼門があります。いずれも運転技術と勇気を磨き上げなければクリアできない、難関ステージです。
 1つめの鬼門は、エトワール凱旋門のロータリー。放射線状に広がる12本の道路からいっぺんに大量の車が流れ込んでくる、いわば鳴門の大渦みたいなところ。直径はゆうに200メートルくらいありましょうか。この大渦を制するルールはただ一つ、「右側優先」です。とにかく自分の右から内側(つまり渦の中心)に向かって入ってくる車に絶対的な優先権があって、逆に言うと自分が右にいるときは、内側の車に対して無敵なのです。腹をくくって、真ん中めがけて直線的に侵入していかなければなりません。しかし新参者はときとして、この無敵マリオの状態を信じることができなくて、躊躇し、減速してしまう。そうすると周囲の車からは「挙動不審車」と認識され、その一角のルールが崩壊する。たちまち自分が渋滞の核になってしまうのです。要するに、右側優先に「根性優先」を付け足して臨む必要があるっつうことです。周りからのクラクションの嵐、エンストでもしようもんなら、焦りと緊張は最高潮に達するでしょう。汗も吹き出します。どうぞ一度はご経験あれ。
 2つめの鬼門は、縦列駐車。築50年ならほぼ新築と言われるparisの建物には、地下駐車場が絶対的に足りない。「わあ、中世の街並みがそっくり現代に残っていて、建物のひとつひとつがいちいちロマンチックよねぇ」と目を♥にするオネエちゃんには、そんなの関係ないんですけど、住んでるこっちは大いに関係ありだ。駐車難を克服するためには、路上でミリ単位の縦列駐車技術を身につける必要がある。と、言ってはみたものの、実はそう考えるのは、縦列駐車で「前後の車に決して触れてはならない」ことを最重視する日本人だけなのかもしれません。フランス人は、一見して、う~ん、こりゃちょっと入らないかもってくらいのスペースだったら、間違いなくトライします。それも、前と後ろの車のバンパーにガンガンぶつけてスペースを作っていくのです。日本だったら即喧嘩でしょ。でも、ここではそれが当たり前。バンパーに傷も凹みもない車なんて、ほとんどありません。
 だから、parisは、より駐車し易い小さな車の宝庫です。上の写真はミニモニ、いえ左からフィアット500、ルノー・トゥインゴ、そしてスマート。いずれも大人気車種。特にスマートは、縦に入らなきゃ横向きに入れて停めることができます。オヂさん四輪専門じゃないので詳しいことは知らないんですが、フィアット500なら「アバルト」、スマートなら「ブラバス」っていうホットなスペックを与えられた車種もあるようです。いずれもキビキビとした走りで、オヂさんの愛車、つまり図体だけはデカくて見栄えのする中古BMW(E39)をひょいひょいと抜いていくお尻がキュートです。アバルトならほんとに欲しいな。
 次回(parisの通勤事情シリーズが続くとすれば、次回が最終回。)は、「自転車編」です。


2009年12月9日水曜日

parisの通勤事情(バイク編)




 プラモの進捗がはかばかしくないので、parisの生活ネタをひとつ。
 華の都、愛の街などと、parisを形容する表現にはこと困らないのですが、parisはまた、渋滞の街でもあります。
 パリ市は、東京でいうところの首都高環状線に相当するペリフェリック(peripheric:そういえば、マツダのロータリー・エンジンのことを、ガレージ雨宮などでは「ペリ」と呼んでましたね。)が周囲をぐるりと回っています。これが実に混む。周辺近郊から通勤する車で毎朝毎晩ぎっしりです。更に、ペリフェリックから市の中心に向かう道路は、無作為な一方通行のせいで、これまたぎっちぎちに混む。そんなわけで、車通勤は時間が読めません。オヂさんも、わずか数キロの通勤に、50分近くかかることもあります。
 そんな中、サラリーマンやOLの多くが、ヒラヒラと車の列をすり抜けて、さっそうとバイク通勤をしているのですが、ほとんどが日本ではヤンキー系おにいちゃんの御用達、ビッグ・スクーターなのです。ま、ウォンウォン系の低重音マフラーをつけている輩はいませんが。中でも、最近パリジャンの熱い支持を得ているのが、イタリアの老舗メーカーpiaggio社の意欲作、250MP3という3輪バイクです。
 前輪が2つあるバイクというと、日本ではピザの配達か、ヤクルトおばさんというのが相場ですが、そこはイタリア製、動力性能でもバイカーを十分に満足させるというのが謳い文句です。実際のところは乗ってみたことがないので、説得力のあるレポートはできませんけど。
 parisのサラリーマン・バイカーの特徴は、車種にかかわらず、みんなハンドルから足元までをすっぽりとカヴァーする風除け(正式に何ていうのか知らないのよ。おばあちゃんの膝かけ?)で、きっちりと冷気対策をしているということ。日本ではダサい部類のオプション装備なんでしょうけど、そこはさすがに実質を重んじるヨーロッパ人、みんなで付ければこわくない、ってとこでしょうか。
 それでも、なかにはドカティやBMW、カワサキなどもいて、それなりに目を楽しませてくれています。意外なのは、走るリビングルーム、ホンダのGold Wingがやたらと多いこと。更に、高速道路に出れば、スズキ隼(アメリカふうには「ブサ」というんだってさ。)が、かっとんだりしている姿もよく目にします。

2009年12月7日月曜日

BMW R75/5 カフェ(3)


 細かな作業が続いています。
 ランプ・ハウスに、上がスピード、下がタコのコンビネーションのメーターが組み込まれているのは、6~70年代のホンダ車にもよくある形ですね。あ、そういやモンキーのメーターもこれとそっくりだ。
 デカールの自作は実に楽しい作業です。特に、週末の夜長に酒をちびりながら、あのステッカーを画像検索で探してみようとか、大きさはこんなもんかなぁなどと考えながら、妄想にふけるのです。
 オヂさんは、年齢相応にパソコンは不得意分野ですが、昔のモデラーにはデカールを作るなんて考えも及ばなかった分野だけに、このときばかりはパソコンとかインターネットの有り難さをひしひしと実感しております。
(完成前なので、デカールの詳細はもうしばらくナイショってことで。)

2009年12月6日日曜日

どこもかしこもイルミネーション
















 Parisのクリスマス・イルミネーションが点灯したと日本のニュースで流れたのは一週間くらい前でしたか。映像を、逆輸入で観ていました。そんじゃ撮らなきゃならんか、やっぱし。と思いつつも、すっごい人ごみだよという周囲の声に、尻ごみしてばかり。それでも今日ようやく、意を決して夕方から出かけてきましたよ。だって地下鉄で一本だし。
 案の定、というか想像をはるかに超える人また人。プランタン前から歩道はすでにぎゅうぎゅう。ここは池袋の駅中かよってくらい。ギャラリーラファイエットの有名なツリーはオミット。オペラからコンコルドを通って、今日の目的シャンゼリゼへ。と、この辺りから雨。これじゃあ折角の夜景も遠くはかすんじゃうし、写真も滲んじゃって、いいところなしです。ほうほうのていで帰ってきました。
 ま、シャンゼリゼの両側の歩道に、白いテントでクリスマスの飾りものや温かいワインを売る出店(マルシェ・ドゥ・ノエルといいます)がずうっと立ち並ぶ様は、それなりにクリスマスの気分を盛り上げてはくれますけど。
 クリスマスを前に彼女がいなくて追い込まれている若者諸君、parisですらこうなのだから、外にばかり目を向けてないで、家で一人静かに焼酎飲みながらじっくりとプラモ作りに励むのも、思えばそれほど悪くないんじゃあないの?

2009年12月2日水曜日

カフェ・レーサー 超cool!


 cafe racer(カフェ・レーサー)。なんてcoolでかっちょいい響きの単語なんだろう。オヂさんは、バイト代をはたいてホンダ・モンキーを買った少年の頃から、カフェ・レーサーという単語に、多大の憧れを抱いてきたんだ。そして今でもその熱は冷めていない。残念ながらいろんな理由から今はバイクに乗っていないのだけど、だから、せめてプラモデルにその想いを込めている。
 ご存知の方も少なくないと思うけど、ひとつおさらい。もとより、「それは同じ生き方をする仲間が集まる特別な場所”カフェ”に行くためのバイク、という意味だ。かつてイギリスのエースカフェ(http://www.ace-cafe-london.com/)という所に多くのバイク乗りが集まった。そのカフェを中心にライダーのファッションやカスタムのスタイルが織りなすパワーの渦がひとつの文化となり、やがてそれが世界に広がるという現象を起こした。そのエースカフェに行くためのマシンが”カフェ・レーサー”の語源だと言われている。」(出典:別冊lightning vol.34)
 俗に言うロッカーズ・スタイルって奴に近いけど、オヂさんの中では微妙に違うかも。ピカピカに磨き上げられたバイク、単気筒から空冷4発まで様々だけど、低いハンドル、ストレッチしたタンク、シングルシートというスタイルが基本だ。そして、タンクには、チェッカー模様が良く似合う。
 今日は、そんなカフェ・レーサーへの憧れに、ちょっとでも頷いてくれるご同輩諸子に、上述の本家本元に加えて、もひとつ超coolなサイトを以下にご紹介します。
 とにかくオヂさんがプラモで表現しようとしているもののほとんど全ての要素がここに詰まっています。
世のオヂさんたち、be cool!

2009年12月1日火曜日

BMW R75/5 カフェ(2)


 こつこつと進めておりやす。今日は、シングルシートの巻。
 写真左と真ん中、座面と背もたれ(って言うの?シートストッパー?)は同時進行中。2mmプラ板の箱組から、座面には短冊状のプラ板を敷き詰めてアクセントに、座面と背もたれの双方には、やや固めのアンコ(シートの中身)が詰まっている感じを出すために、エポパテで肉盛り。
 写真右のシートカウルは、既にプラ板の箱組からパテ盛り、棒ヤスリで指がつるくらいガシガシと削った後、溶きパテでいったん表面をならし、更に削りこんでから、紙ヤスリ320番で整えたもの。
 この後、座面と背もたれはエポパテの乾燥を待ってカウルと同じ工程を行い、3つのパーツをすり合わせます。で、サフを吹いて、塗装に向け勇気とモチベーションが上がるのを待ちます。
 ボディ色は(1)でフロント・フェンダーが黒だったので、既にネタバレしてます。クラシックBMWはやっぱ黒でしょ。で、よりカフェ・レーサーっぽさをアピールするため、シート地の色はベージュ系をチョイスするのがよろしいのではないかと(そうだそうだ)。厚めで丈夫そうな、座り心地の良さそうな革の質感を表現できればなぁ。。。(妄想しつつ既に一杯やってます。)