2018年12月24日月曜日

世の中はクリスマスですが。。。

 今日、世の中はどこもかしこもクリスマス・イブですが、ここエジプトではほとんど関係ありません。
 単身赴任の中年サラリーマンだからクリスマスなどというイベントとは無関係だということを言いたいのではなくて、国民的・宗教的に関係がないのです。
 約1億人と言われるエジプトの人口のうち9割がムスリム(イスラム教徒)で、残り1割がコプト教徒です。

 コプト教というのはキリスト教3大分派の一つである東方正教会系からさらに分かれて主にエジプトで発展した一派。マタイの福音書に、聖なる家族がエジプトに逃避したという記述があることから、聖母マリア信仰がたいへん厚い。豚肉や飲酒を忌避する所謂ベジタリアンで、ムスリムとは異なる時期に断食の習慣もあります。
 さて、エジプトの古代暦であるコプト歴では、1年の始まりは西暦では9月11日にあたり、クリスマスは1月7日なのです。ですから、カトリック教徒がほとんどいないエジプトでは、クリスマスは12月25日ではなくて、1月7日なのです。だから今日はあんまり関係がないのです。
 街中をイルミネーションが飾ることもなければ、サンタの格好をした客引きもおらず、ショーウィンドウにセールの表示が躍ることも鈴の音が響くこともありません。ましてや若いカップルがレストランの予約を争うことも、ケーキを抱えたお父さんが夜中にこっそりプレゼントを子どもの枕元に置くこともありません。
 そういう意味では、寂しい単身赴任の身であっても、何やら「追い込まれてる」意識を持たなくて済むので、精神的にはちょっと救われてるかな。
 ともあれ、どちらさまもメリークリスマス。

2018年12月11日火曜日

オレたちのCBが変わってゆく

 ホンダCB。
 車と言えばトヨタ・カローラ、バイクと言えばホンダCBと言っても過言ではないでしょう(異論は認めます)。それくらい多くの人に親しまれてきたモデルであることは間違いありません。
 最近発表されたCBシリーズ(写真はCB500X/CB125X)を見ると、永年抱いてきた上のようなイメージが最早古いものであり、そのスタイルや楽しみ方が大きく変わってきているんだと思い知らされます。


原付からナナハンまで排気量の大小を問わず、様々な人に様々な感動と思い出をもたらしてくれたホンダCB。
 私の原風景の一つもCBが一緒でした。高校生最後の夏休み、リュックひとつ背負ってCB50Sにまたがり、房総半島一周のソロ・ツーリングに出かけました。反対車線をすれ違いざまにピースサインを交換する嬉しさ、人も車も一切途絶えた杉林の道では、静寂の中にこだまする落ち着いた排気音のみが聞こえ、エンジンの鼓動と会話しているような、或いは抱かれているような錯覚に陥りました。いつまでも、どこまでも走っていたい、そんなふうに感じたあの数日間の体験が、私のバイクに対する思いの原点なのです。
 山間の長い上り坂では非力なエンジンが熱ダレしやしないかと心配になり、夜道では明るさが充分でないヘッドライトのみを頼りに慎重にコーナーを曲がり。。。今のバイクでは考えられませんね。
 テクノロジーの進化は良いことですし、大いに歓迎すべきことです。その時代の役割を終えた人もバイクも、進化した新しいものに取って代わられるのは、運命であり必然です。時代の変化を真摯に受け止めるべきなのでしょう。
 ひとつだけ望みたいのは、進化したモノが、新しい世代の人に、古い世代が体験したのと同じくらい或いはそれ以上の感動と思い出をもたらすものであって欲しい、ということです。特に、ホンダCBというバイクにあっては。

2018年12月7日金曜日

カイロでオペラ「アイーダ」を観るということ

 12月4日から公演中のオペラ「アイーダ」を観てきました。
 ヴェルディ作曲による古代エジプトの首都メンフィスを舞台としたこの作品、初演は1871年、ここカイロのオペラハウスです。こけら落としにこそ間に合わなかったものの、それを想定してヴェルディに作曲を依頼した、エジプトにゆかりの深い作品。
スエズ運河の開通を祝って建てられた初代のオペラハウスは、1971年に火災で全焼してしまいます。しかし1988年に、日本の無償資金援助により現在の場所に見事に再建され、今年はその30周年を迎えた節目の年。何だかんだと言われることもある日本のODAですけど、こういう立派なものを目の当たりにすると、日本人の一人としてちょっと胸を張りたくなるのは私だけではありますまい。
 初日と昨日の2回、主役アイーダを演じるため、日本から中丸三千繪さんがゲスト出演してくれました。マリアカラス・コンクールで優勝した唯一の日本人歌手です。
 エジプトのファラオの王女、敵軍エチオピアの王女、その敵軍を討伐したエジプト将軍の禁断の三角関係。アイーダへの恋心のため国を裏切ろうとした将軍を、しかし彼を愛するが故にその罪から救おうとするエジプト王女、その甲斐もなく死罪となった将軍への愛を貫き、共に生き埋めとなる道を選んだアイーダ。そんなお話です。
 第一人者である中丸さんのステージというだけでなく、古代エジプトの神殿などをモチーフとしたきらびやかで壮大な舞台装置や、イシス神への信仰を裏付ける数々の装飾や衣装は目にも楽しく、僅か900円くらいのチケットがホントにお得に感じられました。
 単身赴任サラリーマンの単調な毎日を送る中、たまにはオペラも良いですね。

2018年11月25日日曜日

新しモノ嫌い

 ワタクシ、新製品は買いません。
 新製品が嫌いということじゃないんです。むしろ、新製品のニュースにはわりと敏感だし、ジャンルによっては大いに関心があります。でも、決して飛びついたりしません。予約して発売当日に購入するなどあり得ません。多分に性格なのでしょう。
 製品に対する世の中(ユーザー)の評価が出揃い、前モデルに比べて何がどう改良・進化したか、逆にどんな欠点が発見されたか、さらには、どういったニーズの人にマッチするかなどといったことが相当に明らかになってからでないと、買いたいところまでいかない。決してケチじゃないんです。むしろ金遣いは荒い方。
 それで、発売から1年以上はゆうに経ってから、ああ、やっぱりこれ欲しいとなるわけですけど、もうその時点ではその製品に対する知識がぎっしりと頭につまっていて、他の選択候補は全て比較され排除されているので、そりゃあもう悩む余地もなく欲しくて欲しくて仕方がないという状態になってしまうのです。
 そんなふうにして最近購入したのがこれ。
ゴルフのアイアン。20年ぶりにアイアンを新調しました。
 そう、知る人ぞ知る三浦技研のMB5005。2015年発売の製品です。兵庫県の金型職人・三浦勝弘氏が創業したこのメーカー、純度99.3%を誇る軟鉄素材から、鍛造製法にこだわり抜き、1本ずつ職人さんが丹精込めて削り仕上げするクラブです。
http://www.miuragiken.com/about-us/miura/
 何がどうという以前に、見て下さい、この圧倒的な美しさ。もはや工業製品の域を超えて、芸術作品を見ているようです。所有する満足感がハンパない。これを我が手に収め、眺めたり、撫で回したりするだけでも酒が進みます(ご飯3杯は年齢的に無理だけど)。因みに、あのタイガーウッズが一時期ナイキのクラブを使用していたことがありましたが、実はナイキとは名ばかりで、中身は三浦が作ったアイアンだったと、関係者の間でまことしやかに語り継がれているのだとか。
 さて、新しモノ嫌いには当然に短所もあって、いつもそんなふうなもんだから、考えに考え抜いてようやく購入を決めた頃には、そろそろニューモデルの噂が出ていたり、買った直後に本当に発表されてしまったりということが頻繁に起こります。
 いまだに使ってるiphoneは6ですし、欲しいカメラは2年前のものだし、このブログをパタパタと打ちこんでる自宅のPCは2012年のwindows7です。時代遅れというか、完全に何シーズンも取り残されていますけど、別に困っていないので良いのです。

2018年11月19日月曜日

航空会社ランキング~その裏側で切実な航空会社選び~

 格付け会社による2018年の航空会社ランキングが発表されたという記事は、目にされた方も多いと思います。それによると、今年のワールド・ベスト20・エアラインは次のとおりだそうです。
   1位:シンガポール航空/前年2位
   2位:カタール航空/前年1位
   3位:全日空(ANA)/同3位
   4位:エミレーツ航空(ア首連)/同4位
   5位:エバー航空(台湾)/同6位
   6位:キャセイパシフィック航空/同5位
   7位:ルフトハンザ航空/同7位
   8位:海南航空/同9位
   9位:ガルーダ・インドネシア航空/同10位
  10位:タイ国際航空/同11位
  11位:カンタス航空(オーストラリア)/同15位
  12位:スイスインターナショナルエアラインズ/同14位
  13位:日本航空(JAL)/同16位
  14位:中国南方航空/同23位
  15位:エティハド航空(ア首連)/同8位
  16位:オーストリア航空/同17位
  17位:ニュージーランド航空/同19位
  18位:ターキッシュエアラインズ(トルコ航空)/同12位
  19位:KLMオランダ航空/同22位
  20位:香港航空/同24位
 「えー、ワタシANAとJALしか乗ったことないし~」と、悲観する必要は全くありません。我れらが日本の航空会社はいずれも世界有数の優秀な航空会社なのですから、むしろそういう人の方が贅沢してるんだと胸を張ればよろしい。
 翻って、日本の人々は海外旅行するときに、いったいどんな基準で自分が乗る航空会社を選んでいるのか、少し気になりました。発着時刻や曜日は、この際、度外視して考えます。
  ・日本語が通じるから
  ・機体が新しいから
  ・機内食や機内エンターテインメントが充実してるから
  ・料金が安いから
と、概ねそんなところでしょうか。旅行代理店が組んだフライトだから、というのもあるでしょうし、中にはキャビン・アテンダントの制服が素敵だからというのもあるかも。
 ところが、これがアフリカなど途上国の航空会社から選ばざるを得ないとなると、状況は一変します。
  ・オーバーブッキングが少ない
  ・フライトの遅延や突然のキャンセルが少ない
  ・乗継で荷物がなくなることが少ない
  ・テロの脅威が少ない
  ・事故や機体トラブルが少ない
 いずれも「少ない」という表現を使ったのは、実際しょっちゅうそういう目に遭うからに他なりません。要は、機内食やエンターテインメントなどは、どうでもいいのです。だって、そもそも機内食なんて病院の入院患者でも食べないような粗末なものばかり(それでも皆んなモリモリ食べますが)ですし、山のような手荷物を機内に平気で持ち込む出稼ぎ労働者たちがわんさかいて常に満席ですし、かと思えば乗ったら乗ったで「宗教上の理由から男性の隣には座れない」などと延々クレームする女性のおかげで30分も出発が遅れたり、そんなのばっかりですから。
 なので、とにかく優先すべきは上に列記したようなリスクをなるべく最小化するという発想なのです。飛行機に乗るのが仕事みたいなところがある私のようなサラリーマンにとっては、航空会社選びは切実だったりします。
さて、写真は、私にはお馴染みのエジプト・エアー。機体と垂直尾翼には古代ホルス神をモチーフにしたシンボルマークがあしらわれていて、見た目はカッコ良いんですけどね。。。 

2018年11月8日木曜日

クウェートのKFCに感激

 昨日まで、クウェートに行っていました。
 イラクの南端に接した湾岸の海沿い、国土の面積は四国とほぼ同じという小さい国ながら、世界第4位の原油埋蔵量を誇る「お金持ちの国」です。
 首都クウェート以外はほぼ砂漠ですから、400万にも満たない人々が一か所に集中して暮らしていることになります。ただし、そのうちクウェート国籍人は半分未満、つまり半分以上はエジプトやインド、パキスタンなどからの出稼ぎ労働者なのです。
 石油のおかげで遊んで食ってる人たちを除けば、働いているクウェート人のほとんどが国家公務員。下世話な仕事はぜんぶ外国人の安い労働力に任せて、彼らを顎で使って左うちわということでしょう。
 湾を臨む市の中心街には高層ビルが乱立し、そこかしこに輸入ブランドのテナントが入ったショッピングモールがあります。きちんと舗装された道路には高級車ばかりが走っています。そのへんは周辺の産油国であるア首連やオマーンとよく似た雰囲気。
 仕事を終えて、近ごろ血糖値が心配な中年真っ盛りのオジさんは、炭水化物を避けて満足できる夕食がないかと挙動不審気味にキョロキョロしていたわけですが、そこにKFC(ケンタッキーね)の看板を見過ごしませんでした。
メニューを見ても全部アラビア語で、値段すらわかりません。でも大丈夫。店員はアジア系の人で、英語が通じます。
 なんといっても日頃エジプトにあるKFCが果てしなく貧相で、大袈裟じゃなくてホントに1つのピースが親指大くらいの残念なサイズしかなくて、しかも何だか油がべしゃっとしているもんですから、ちゃんとしたのを食べたいなぁと、かねがね思っていたわけです。
 はたして、クウェートのKFCは、、、ちゃんとしてました。一つが大きいし、サクサクで美味しいです。50も大きく越えたこの歳になって、はからずもKFCに感動してしまった。
 とはいえ、クウェートに住みたいかというと、答えはノーです。
 1年のうち200日以上は暑すぎて外を歩けません。夏場のピーク時の気温はゆうに50度を超えます。もっとも、200日間エアコンをつけっ放しにしたところで、電気代はたかが知れてます。水よりガソリンの方が安い国ですから。
 じゃあ、エジプトとどっちが良い?と、訊かれました。目下、答えに困っています。

2018年11月3日土曜日

電気モペッド~これは良いかも~

 ドイツのSOLモーターズ社が開発したという電動モペッド、その名も「ポケット・ロケット」です。最高速80km/h、フル充電での航続距離80km。そして専用アプリをインストールしたスマートフォンを装着すると、デジタル・メーター兼コントローラーになっちゃう。問題はお値段。現時点ではクラウドファンディングで6,000米ドルというから、量産して価格が下がってからでないと、高すぎて誰も買わない。
でも、ちょっと待て。これは現代の私たちの「生活」を予感させるという点で、期待が持てるかもしれない。 
 それは。。。個人で所有するというよりは、駅前の駐輪場など街のあちこちに充電スタンドを備えたステーションを設け、パリの共有自転車みたいに必要なときに必要な時間だけ借りて使う形。スマホをかざせば走行可能となり、同時にお財布機能で支払いも完了。スマホの充電にもなると。さらに、アプリの開発を進化させれば、自動運転をサポートしたり、空きバイクが最寄りのどのステーションにあるかがマップ上で分かるといったことも。。。大型スーパーではこれの利用者には割引があるとか。。。ああ、どんどん際限なく妄想が広がります。
 年齢や体力を選ばずに使えるものにするためには、自転車くらいの車格と取り回しというのは良いが、できればまたがないでも乗れるようにしてもらいたい。最高速などはもっと30km/h程度にぐっと抑えて、その代りにフェンダー、バスケット、風防や、ランフラットタイヤがついてたらもっと良い。盗難や借りっ放し防止は、ソフトでいくらでも制御可能でしょう。

 対して、下はヤマハのコンセプト電動バイク「モトロイド」。世界的なデザイン・コンテストで最優秀賞をとったんだそうです。触れ込みは、「人とマシンが共響するパーソナルモビリティを目指し、知能化と自律技術を適用した高度なバランス制御を実装、マシンが自らの状態をセンシングして重心移動によって起き上がりそのまま不倒状態を保つ。また、ユーザーを認識して歩み寄ってくるほか、ライダーアクションに呼応するような反応を見せるHMI機能などを備え、まるでパートナーのように振る舞う。。。」だそうです。
人工知能を搭載して、まんまSF映画に出てきそうなスタイルは、確かに「今」ではなく、近未来的です。でも、近未来においてさえ、誰の、どんなシチュエーションでの使用をターゲットにしているのか全く分からない上に、仮にお値段をつけるとしたら、相当なもんでしょう。
 で、私にはこのバイクを日常の足として生活するピクチャーは、とうてい描けません。申し訳ないけど、こんなことやってるから日本のメーカーは解ってないって言われちゃうんです。毎度辛辣な意見でゴメンナサイ。

2018年10月22日月曜日

古代の天文学なのか

 アスワン・ハイ・ダムという名称は、誰しもが教科書で学んだ記憶があろうと思います。そのアスワンから約3時間、砂漠に浮かぶ蜃気楼を見ながら車で走ると、唐突に現れるのがアブシンベル神殿。
 古代エジプトのファラオの中でも、最も権力基盤が強固だったラムセス2世が、ナイル川をどんどん南の上流に向かって、果てはこんなところにまで治世が及んだことを民に示すために作ったとされています。3000年以上も前の話。
神殿の門には座像が4体並んでいます。これ、4つともラムセス2世です。
 そして、中央の入口からずーっと奥まった突き当りの壁際に、太陽神ラーなどと共に4体の立像があるのですが、2月22日と10月22日(今日)の年に2回だけ、朝日が真っ直ぐに入口から通路の一番奥まで差し込み、ラムセス2世像を照らすのです。
 おお、なんという古代天文学の素晴らしさよと感じるでしょう。
 でも実は、この神殿自体が、ハイダムを建設する際に、湖に水没するおそれがあったため、元々の場所から数十メートル移設されているのです。どうやって移設したのかまではよく解りませんけど、年に2回の朝日の角度は、現代の天文学でもちゃんと計算して復元されたっつうことなんでしょうかね。
 まあそれらが何の日なのかについては未だに諸説あるそうです。ラムセス2世が権力を絶対的なものとするため、自らを神格化させるための壮大な仕掛けだったのではないかとも考えられています。いずれにしても、毎年大勢の観光客がその神秘のパワーにあやかろうと押しかけているのですから、正解は謎のまま残しておいても良いのではと思いますね。

2018年10月14日日曜日

カムバックがブームのようですが

 カワサキのH2やZ1の後に続けとばかりに、スズキ刀がカムバックを果たしますね。ただ、そのスタイルには賛否両論というか、どちらかというと「これじゃない感」を訴える声の方が多いような気がします。私もその口かな。ハンス・ムートの衝撃はあのときの一度だけ。
ここ数年の間、二輪も四輪も、往年の名車と呼ばれた車種が次々にカムバックしている状況は、一面では嬉しいし、間違い探しをするみたいな楽しさも覚えます。
 我らがモンキーは、125ccの大猿に成長して早々に戻ってきました。ツーリングバイクの代表選手だったセローも、もっと大きいアフリカ・ツインも。
 四輪では、86を筆頭に、ランクル、ジムニー、S660などやはり個性的な車が多いですね。すごいところではルノー・アルピーヌなんてのもそうでしょう。
 ちなみに、個人的には、3シリーズといった数字や、Cクラスなどアルファベットでグレードを表す車種表記よりも、ジュリエッタなどの固有名詞が冠されている方が、なんとなく愛着が沸く気がします。モンキーはZ50じゃなくて、やっぱりモンキーなんです。マッハもZ2も。
 翻って、世代を幾つも超えてひとつの車種が乗り継がれるのは素晴らしいことだと思います。そういう意味では、スーパーカブの60周年や、ヤマハがSR400の生産を再開したことには、心から敬意を表したいと思いますし、将来はそのどちらも新車で乗ってみたいとすら思っています。
 ただ、それと最近のカムバック・ブームは、何がどうとはっきり言えないながらも、どこか意味が違うことのような気がしてならないのです。
 車離れ、バイク離れが進む中、或いはエンジンの電気化が加速する中で、二輪・四輪メーカー共に「生き残るための販売戦略」が見え隠れしてならない。確かに、動力性能や技術の進歩は目覚ましく、中身は往年の名車とは比べものにならない進化を遂げているのでしょう。
 でも、私が拙ブログで何度も繰り返して主張してきているように、バイクや車は、いつだって私たちの生活の中に寄り添い、生活を豊かにする様々な経験を共に歩むための相棒でなければならない。現代の素晴らしいテクノロジーは、時代の移り変わりや消費者のニーズに対応するだけにとどまることなく、これからどんな乗り物を相棒に、どんなライフスタイルを提案していけば人の暮らしが豊かになるか、いわば新しい時代をまるごとデザインしてほしいと思うのです。
 オジさん世代のお財布と共感をアテ込んだ「往年の名車復活」という錦の御旗を掲げる各メーカーさん、前を向きましょうよ。誰が乗ってもカッコ良く、若者にも手の届く価格で、新しい時代ごとセンス良くデザインされた乗り物。さすがだ日本と世界に言わせましょうよ。

2018年9月30日日曜日

日本は美味しい(夢の後は厳しい)

 ちょうどひと月ぶりの更新です。先週末、日本から戻ってきました。台風が近づく前の出発で助かりました。
 さて、ひと月弱という比較的長期間の一時帰国でしたが、その間、やっぱり美味しい物を食べ、美味しいお酒を飲むことが最優先となりました。
 旬の食べ物がたくさん出回る非常に良い季節、まずは脂の乗った秋刀魚の塩焼き、イスラム圏勤務では決してかなわない豚肉料理の数々。晴れた週末には深大寺までお出かけして日本蕎麦。ちょっとお高いけど折角なので回らないお寿司。そしてラーメン、またラーメン。
 とどめは軍鶏の肉と卵を贅沢につかったトロトロの親子丼。
鶏の専門店がお昼に提供する唯一のメニューというだけあって、人生で一番美味いレベルと言っても大袈裟ではないお味でした。しかも漬物と味噌汁が付いて、お値段は並盛りが980円。大盛りでも100円増し。
 そんな食欲にひたすら身を任せた、夢のようでもあり無節操でもある毎日を2週間ほど過ごした後に待っていたのが、恐怖の人間ドック。都合の良い数値が出るはずもなく、中性脂肪とコレステロールと血糖値という、いわばオジさん世代の大三元がすべて「C」判定。経過観察の身となりました。特に血糖値は要注意と言われ、日々の食事で炭水化物の摂取量を大幅に減らすべしとのドクターからのキツい警告。
 だけど、こちとら単身赴任の身ですから、ラーメンもパスタも白米も駄目と言われたら、いったい何を食べて生きていけばいいのでしょう。
 さっき、リンゴとヨーグルトを食べたけど、ぜんぜんお腹が膨れません。でも時差ボケで眠いから、寝ちゃおうかな。

2018年8月30日木曜日

物欲と食欲の一時帰国

 明日から久しぶりの一時帰国です。
 前回の帰国から1年も経っていませんけど、その間に溜りにたまった物欲と食欲をどこまでコントロールできるのか、できないのか。イコール出費をどこまで抑えられるか、それともノーブレーキで欲望を開放するのかということでもあるので、たいへん楽しみでもあり、かつ、おおいに不安でもあります。
 かねてから行きたかった金沢や伊勢神宮には行かねばなるまい。windows7のサポート終了を見込んで自宅用のPCも検討せねばなるまい。そして、買うとなれば20年ぶりになるゴルフのアイアンセットに至っては、これから先、生涯を共にするであろう道具を選ぶことになるわけで、それはそれは冷静・慎重な目で選ばねばなるまい。
 更に、細君には内緒で、スーパーカブの野望も視野に入っている。
 食欲の方は、言われなくても日々順調に欲望を昇華していくに違いありません。呑んだ後のラーメンのために、海外で頑張っていると言っても過言ではないのです。問題は、肝臓と中性脂肪と体重という数値的なコントロールだけ。あ、人間ドックにも行かなければいけないのでした。

2018年8月12日日曜日

飛んでみたイスタンブール(1)~東西の交差点

 今日までの3泊4日で、イスタンブールに行ってきました。カイロからの実飛行時間は2時間ほど。あっという間に到着です。
ブルガリアの東端と中東諸国の間をつなぐ細長い渡り廊下のような地形、その渡り廊下を北の黒海から南のマルマラ海に分断するボスポラス海峡を挟んで、西はヨーロッパ大陸、東はアジア(中東)ということです。東西の交差点であるイスタンブールは、シルクロードの終点であり、或いはオリエント急行の終着駅でもあるのです。
 古くは4世紀ころのビザンチン時代から、ヨーロッパを中心に覇権を謳歌したオスマントルコの時代は、コンスタンチノープルという都市名であったことは広く知られています。
 イスラムの世の中になってからは、ヨーロッパでありながらも中東でもあるという独特な立ち位置。まさに人と文化が幾重にも交錯する歴史を繰り返してきた街です。
 写真は、新市街の小高い坂の上に立つガラタ塔の上から川を挟んで中央右手が旧市街。アヤソフィア、ブルーモスク、トプカピ宮殿といった観光スポットがぎっしり詰まっています。そして海峡を挟んで左手奥に見えるのがアジア側。マルマラ海の先は西にギリシャを見ながらエーゲ海に、さらには地中海へとつながります。
 8月のこの時期でも日中の最奥気温は30度を超えません。日が落ちると20度前後まで下がります。寒暖計が37~8度に張りついたままのカイロとは大違いで、実に過ごしやすい。濁りなく抜けるような青い空、紺碧の海。
 現地で働く古い友人が、至れり尽くせりの案内をしてくれたおかげで、ゆったりと時間を使い、久しぶりの休暇気分を満喫しつつも、内容のある旅になりました。詳しくはまた後ほど。

2018年8月6日月曜日

友人にしてやられた(カブ購入計画)

 友人に、してやられました。
 かねてから私が年に1、2度だけ会う機会にスーパーカブの良さを説き、酒の肴にしていた長年の友人。ミリオタで、プラモデラーで、チャリ乗りの友人。しかも、生まれてこのかたオートバイを所有したことがないというので、すっかり油断していました。つい昨日のこと、その友人から、近所のホンダ特約店で60周年記念モデルの予約をしてきたと、唐突に報告がありました。
まあ、なんてカッチョ良いんでしょう。ホンダのレーシングカラーを瞬間的に想起させる赤白のツートンが鮮烈です。そして、フロントには実に誇らしげなアニバーサリーのエンブレムをまとっています。
 完全受注生産とのことで、納車は早くても11月末、ひょっとしたら12月になるかもとのこと。初心者だからボクたん何も解らないのでなどと言いつつ、メットはどうしたらいいか、オプションは何を買ったらいいのか、納車したらどこへ行こうかなどと、まあ五月蠅いこと五月蠅いこと。くやしー。
 待ってろ、俺もすぐに買ってやる。そして、カブ連ねて、ツーリングに行こうね。

2018年7月27日金曜日

皆既月食を騒がないエジプト人

 今、これを書いている現在、絶賛皆既月食中です。
 今日は世界中の多くの地域で観測できるそうなので、月食それ自体を述べても仕方がない。それに、月食のメカニズムは皆んな知ってるし、不思議でもないので神秘性は感じられないから、言っちゃなんだけどそれほど興味はないのです。とは言え、外に出て、チラっとは見ましたよ。

 さて、古代エジプトには、有名な太陽神であるラーのように、「月」属性の神が3人もいたそうな。トト神、コンス神、イアフ神です。
 先ずはトト神。これはもう古代の神々の中でもオールマイティな知識と能力を持つトップスタアみたいなもんで、太陽が沈んだ後の夜の世界を守護したことから、月の神でもあるとされています。頭に月が乗ってますね。
次にコンス神。月が満ちている時は癒しの力、欠けている時は鋭い刃で邪気を祓う力を発揮します。月の光で病を癒す一方で、三日月をナイフとして振るう、いわばツンデレな神。
最後にイアフ神。実はこれが最も原始的な月の神だったようなんですが、やがてコンス神に吸収合併されてしまったことから、マイナーな扱いがされている浮かばれない神。
ところで、エジプト人は私と同じで、いえずっと太古の昔から、皆既月食にそれほど関心がなかったように見受けられます。
 ラーや3人もの月の神がいた古代では、太陽や月が欠けたりするのはきっと一大事で、民は、さぞや良からぬことが起こるからに違いないという恐れを抱いたのではないだろうか、そんなふうに容易に想像できます。それなのに、歴代のファラオや神官たちは、あれほどたくさんの壁画やレリーフを残したくせに、日食や月食といった天体現象については一切の記録がないんだそうです。何故なんだろう。
 一説には、見て見ぬふりをした、あるいは無かったことにした、ということなのですが、それはそれで何となく分からないでもありません。恐怖のあまり見なかったことにしとこうってね。♪オバケなんかないさ、オバケなんて嘘さ。です。

2018年7月16日月曜日

エジプトのお米がなぜかドーハ

 意外と思われるかもしれませんが、エジプト人の主食は国産のお米です。
 広大な砂漠の真ん中を南北に流れるナイル川、その流域だけで9千万以上の人が住み暮らしています。9千万人の胃袋を支える米を、肥沃なナイル・デルタで作っているのです。まさにナイルの恵なのです。
で、エジプトで高級とされるブランド米がこれ。名前はエジプト産なのに、なぜか「ドーハ」。ドーハってカタールの首都です。少し細長いですね。
 日本製の炊飯器で炊く場合は、水を少し多めにすると、それっぽく炊き上がります。コシヒカリやササニシキなどの日本のお米と比べると、甘みがなく、もちもちした食感もありません。でも、そんなことを気にしなければ普通に食べられます。
 ですが、エジプト人はそもそも白米のまま炊くってことを余りしないようです。
 油だの香辛料だのを最初から混ぜて炊くんだそうです。
 こんなふうになります。 
  レストランなどに行ってもライスを頼むとこんなふうにして出てくるわけですけど、ま、これはこれで肉と合わせたり、モロヘイヤのスープをかけて食べたりすると、それなりに美味しかったりもします。ただし、カロリーは結構ヤバいかもしれません。
 炊飯器で保温して翌日には既にパサパサになってしまいます。ちょうど良いパラパラのチャーハンができそうという人もいるかもしれません。私はもちもちしたチャーハンの方が好きですけど。
 ああ、それにしても炊きたての日本の美味しいお米で卵かけご飯食べたいなぁ。こっちで生卵を食べるのは自殺行為ですから。

2018年7月1日日曜日

夏は飲み食いに要注意(マジ)

 また永らく投稿をサボってしまいました。
 その間に、中東の夏の厳しさを思い知らされています。
 ラマダンが明けて、やれやれと普通に飲み食いできる生活に戻った訳ですけど、日中の気温は38~40度に張りついたまま。夜中でも30度を下回りません。
 何が怖いかって、そりゃ食あたりです。細菌天国なのですよ。
 先週末は、夏バテ予防にと、久しぶりに中華レストランで肉料理を中心に精のつきそうなもん食いに行こうぜと、職場の同僚と連れだって勇んで食べに行ったのですが...
 土曜日の朝から激しい下痢と腹痛に見舞われています。お医者さん的に表現すれば、感染性胃腸炎。でも、食べたうちの何が悪かったのか、まったく解りません。だって、同じものを食べた同僚はへっちゃらだったんです。
 正露丸や太田胃酸がこんなにも無力だとは。とにかくずっと痛い。
で、そんなときはこれ。
 お腹が痛いのは、身体に有害な毒素を体外に排出しようと、胃腸がさかんに収縮するからなのです。そして、ブスコパンというお薬は、そうしたせっかくの胃腸の動きを止めるためのお薬。つまり、痛みからは解放されるものの、根本的には治ってません。
 だから、治そうとするのであれば、痛みは我慢して、お腹の中の菌がぜんぶ外へ出るまで自然治癒を待つか、抗生物質を飲むしかないのです。
 お医者さんに言われました。ペットボトルは口をつけて飲んじゃダメだよ。口の中の細菌がボトルの中で大繁殖しちゃうからと。お前さんは女房か(いや、いつも女房から注意されていたことなので)。
 運転手に、こんなとき、エジプト人は何を食べるのか尋ねてみました。う~ん、野菜スープかな。油を使っちゃ駄目だよ。だそうです。普通すぎて、参考になりませんでした。

2018年6月8日金曜日

ガチで欲しいレゴ

 レゴ(LEGO)がやってくれました。
 1/8ビッグスケールで、ブガッティ・シロンを超精密再現したテクニック・シリーズが発表されたそうです。世界中のレゴファンだけでなく、中年のパパさんたちを狙い撃ちする高等戦略です。私もまんまと撃たれそうです。

3,500ピースを超える専用パーツで、ドアやステアリングはおろか、エンジンのピストンまで稼働してしまう。それだけでも既にワクワクが止まらない勢いですし、完成写真も素晴らしくカッチョ良いのですけど、モデラーの端くれとしては、そのまま組むなんてことはハナから考えません。
 ジョイント部分の余計な凹凸を削ったり、パーツの隙間をプラ板で埋めたり、実車に忠実にパーツに塗装を施してみたりと、ゆっくりと、いくらでも時間と手間を加えながら組み上げていく作業を妄想すると、4万円弱というお値段も見なかったことにできるかもしれません。

2018年5月30日水曜日

イフタールで太る

 絶賛ラマダン中です。
 世界中のイスラム教徒たちが断食をするラマダンの期間中、日没と共に一斉に飲み食いを始めるわけですが、その食事のことをイフタールと言います。
 イフタールは、家族で食卓を囲むばかりではなく、社交の場としても広く使われるイスラムの食文化と言って良いでしょう。
 海外駐在する者として、日ごろ仕事でお世話になっている関係各方面の担当者たちを招待し、食事会を開催するのも、この時期の大事な仕事のひとつだったりします。
40度を超える日中に一滴の水すら口にしておらず、しかも腹ペコの状態ですから、みんなエジプト人とは思えないくらい、約束の時間をきちんと守って集まります。普段もこうあってほしいんだよな。
 昨日の日没は18:49。先ずは水又はマンゴージュースで喉を湿らせてから、小皿に盛られたデーツをひと口。これがイフタールの作法だとか。
 料理を皿に盛ると、一心不乱に黙々と食べます。折角なのでいろいろ仕事や仕事以外の話もしたいんだけどなと思うところを、ぐっと我慢します。だって皆んな、とにかく食べたいんだもん。さすがに邪魔しちゃいけない。
 レストランやホテルでは、特別にイフタール料理が用意されます。と言っても、何がどう特別なのか、よく解りません。いつものエジプト料理と見た目ほとんど変わらないし。メニューはやっぱり肉料理が中心。お店によっては卓上バーベキュー的な感じでソーセージなどの各種肉が出てきます。あ、豚はもちろんありませんよ。
 すごく甘いけど割と美味しいデザートと、紅茶で締めます。お酒は1mmもありません。
 それにしてもこのイフタール料理、量もカロリーも相当すごいのです。お昼を食べる我々外国人は、ですからラマダン中は気をつけないと逆に太ってしまうのです。本末転倒も甚だしいですね。

2018年5月14日月曜日

ラマダンの季節

 カイロの街中では今、そこここに鳳凰木が真っ赤な花を咲かせています。日本の桜の木よりも一回りくらい大きな木ですから、綺麗というより結構なインパクトがあります。
 これを火炎樹だと言う人も少なからずいるようですけど、ちょっと調べてみたら、同じく真っ赤な花をつけるのですが、似て非なるものだと分かりました。マメ科の鳳凰木には、50センチほどもあるサヤエンドウのような形の実がなります。でも、食べられないので、エジプト人はこの木にそれほどの関心はないみたいです。

 さて、桜のような薄紫の花を咲かせるジャカランダに続いて、鳳凰木の赤い花が咲いたことで、ああ、ここでの生活もぐるっと1年が過ぎたのだなぁと感慨深く思っていたのもつかの間、この17日からは聖なる月ラマダンが始まります。
 まあムスリム(イスラム教徒)以外には関係がない断食の習慣なのですけど、太陽が見えている間は一切の飲み食いができないラマダンに入ると、昼間は元気が出ないので当然に仕事の能率はガタ落ちします。人口の90%をムスリムが占めるエジプト全体がそうなので、何事も前に進みません。
 で、日没(今は日没時刻を知らせるアプリがあるんだそうです)になると、途端に大騒ぎ。毎晩がプチ断食明けなのです。お店は軒並み深夜まで営業。当然、こちらの生活もペースを合わせなければならない局面が出てきます。
 ま、何事も郷に入れば郷に従えということではあるのですけど、多くのスタッフが飲まず食わずでいるのを横目に昼飯を食べるときだけは、ちょっぴり申し訳ない気持ちにもなるもんです。でも食べますけど。

2018年5月1日火曜日

愛を込めてエジプトをディスってみる

 そりゃあどんなところでも、1年も住んで暮らせば、良い面も悪い面も見えてくるのです。それが何対何でバランスするかというと一概には言えないのですけど、今日は、海外生活でストレスを溜めない秘訣の一つとして、エジプト(及びエジプト人)のここが嫌っていうポイントを吐き出してみることにしました。
 ただし、デトックスとばかりに毒を吐くようにディスるだけでは、身勝手ですし、これを読んでいる方にとっても聞き苦しいだけの悪口になってしまいます。ですからそこは、悠久の大国エジプトに一定の敬意を払いつつ、また、ここに住まわせてもらっている一介の外国人のとしての謙虚な態度として、愛情込めてディスってみたいと思います。

【エジプト(及びエジプト人)のここが嫌】
●とんでもない慢性的な渋滞
 そりゃね、信号機の数が圧倒的に少なかったり、車線が消えていたり、道路が凸凹だらけだったり、車両を整備するためのスペアパーツがなかったり、高速道路でふつうにロバが荷車を引いていたり、交通整理の警察官はただそこに佇んでいるのが仕事だったりするからってのもあるんで、多分に同情できる面もあります。
●とんでもない交通マナー
 渋滞の最大の原因はこれ。イタリアに住んでいたときは、イタリア人の運転マナーって世界一最悪って思ってましたけど、エジプトに来てみたらイタリアなんて可愛いもんです。むしろイタリア人を見習えと思ってしまいました。でも、1年も経つと、交差点のど真ん中で人が乗り降りしてても、無理やり割り込まれても、クラクションが聞こえない瞬間がほとんどなくても、不思議とそれほど腹が立ちません。歩行者も同様で、どこでも平気で道路を横断してきますし、なんなら闘牛士みたいにスレスレで車を避ける技術を見せつけるショーマンシップ溢れる人も少なくありません。きっと、横断歩道という概念が育たない土地柄なのでしょう。
●どこもかしこも砂埃
 そりゃね、ちょっと街を外れれば周りはぜんぶ延々と砂漠ですから、道路も建物も看板もすべてが埃まみれになっても仕方がないですよ。いくら掃除したってきりがない訳で。でもね、ちょっとくらいは小奇麗にしようっていう気持ちがないのかな。ないんだろうな、小さいことは気にしない砂漠の民だから。砂と共に生きることが当たり前なんだろうな。飛行機に乗って上空から見るエジプトは、砂以外の色は見えません。
●停電、断水、ネット回線
 とにかくライフラインのインフラが全部老朽化していて、とんでもないクオリティなので、たまに雨が降ればすぐ停電、そうでなくても日ごろからしょっちゅう停電。断水もしばしば。でも、事前のお知らせなんてありませんよ。インターネット回線なんかすんごく弱いし、遅いから、つながらなくてイライラするのは日常茶飯事。夜の間中ネットがつながらないとか、コロす気かよ。でも、電気もネットもあって当然という日本人の方が、ひょっとしたら思い上がってるのかもしれません。砂漠の真ん中でここまで街づくりしてくれて有難うと、感謝しなきゃ。
●一見、人当たりは柔らかくて優しいけど、自己中で無責任でテキトーで病弱
 発想の根本がインシャラー(神のご意志のままに)なのですよ。仕事が途中だろうが平気で定時退社します。だって仕事が片付かないのは仕事が多すぎるからであって、彼らのせいじゃないんだもん。意味不明な言い訳も数多く常備してますが、いわゆる説明責任という観点からは評価すべきなんでしょう。そもそも仕事に重きを置く人生が、必ずしも豊かな人生ではないということを教えてくれています。そして、しょっちゅう体調を崩して休みます。医者に行くと医療費が高いので、薬局でアンプルを買って、その場で注射してもらうんだそうです。1本300円。そんな薬で治るわけがない。だから、彼らのせいじゃないんです。
●豚肉がない、魚が買えない
 豚は売ってません。そりゃそうでしょ。国民の90%がイスラム教徒なんですから。ないと余計に食べたくなるのが人情というものですね。でも、こちらも天邪鬼なもんで、たまに日本へ帰ってラーメン屋に行っても、チャーシュー麺は食べませんし、焼肉よりもホルモンに行ってしまいます。魚はスーパーに売ってます。けど、それを食べるのは相当な勇者か、恐れを知らないチャレンジャーだけです。エジプトでは、魚というのは港町に行った時にだけ食べる食材なのです。
●夏場はいっさいの生鮮野菜が姿を消す
 これは結構つらいです。特に青物野菜は全滅です。あるのは乾燥させたモロヘイヤとかパセリくらいか。あ、西瓜はある。しょうがないので、冷凍のグリーンピースとかインゲンとかを料理に使うのです。たまに輸入食材店にサラダ菜が超高額で並んだりするときは、運良く居合わせた人が買い占めます。青物を食べないとビタミンC不足で健康を害するというのは、先進国の人間がいかに脆弱かということを示しています。言ってみれば、エジプト人は生態系が違うということです。
●カイロ腹
 恐怖の食あたりのことです。私は暮らし始めてから3ヶ月で洗礼を浴び、半年後におかわりをもらいました。何にあたったのか、わかりません。丸1日以上、七転八倒の腹痛におそわれますが、これがガチで痛い。陣痛かってくらい痛い。正露丸も何も効きません。トイレから出られません。恐怖です。完治するまでには1週間くらいはかかります。でも、エジプト人はカイロ腹になりません。それだけでも尊敬に値します。
●ハムシーン(砂嵐)
 今年もハムシーンの季節になりました。1か月ほど断続的に発生します。ひどい日は、視界が悪いとかそういうレベルを超えてまして、直ちに健康被害が生じることを予感させる不気味によどんだ景色になります。そういうときは、一歩も家から外に出ません。ちなみに、アップル社のiOSが実にすぐれた製品であることを、ここエジプトでも思い知らされました。iphoneの天気表示を貼り付けてみました。「ほこり」って、天気の一種だったんですね。って、ホントかよ。アップルにも認識されてるハムシーンすげえ。
たぶん、そのうち第2弾もやると思いますが、今日はこの辺で勘弁しておきます。

2018年4月27日金曜日

エジプトのサッカー小僧が世界の大スター選手に

 モハメド・サラー(Mohamed Salah)選手です。
 イタリア・セリエAからイングランドに移籍し、リバプールで大活躍中のフォワード。目下、プルミエ・リーグで得点王争いのトップをひた走っています。チームもリーグ3位からマンUに迫る勢い。
 古巣ローマで背番号11を付けていた頃から、彼の大ファンです。身長170cmちょいしかない小柄ながらも、目を疑うような足の速さ(これは目の前で何度も見たので
すが、ホントかよってくらい速いのです)、ボールを自在に操る左足の器用さが最大の武器です。
1年前に転勤でローマを離れてから私の日常生活の真ん中にサッカーがなくなってしまい寂しいと思っていたのもつかの間、何の因果かサラーの母国であるエジプトに来てみれば、リバプールでの目覚ましい活躍に加えて、エジプト代表を数十年ぶりにワールドカップに導いてくれたのも、サラーに他なりません。
 そして、チャンピオンズリーグでもリバプールは準決勝に進出、先日はホームにローマを迎え、サラーの2得点2アシストの大活躍で5-2と幸先よく勝利(でも、この勝利はローマニスタである私には若干複雑)。
 おかげでエジプトの新聞、テレビなどのスポーツニュースはもちろんのこと、リバプールのゲームがある日のスポーツカフェは、サラー見たさのファンたちで満員。街のあちこちにも彼のポスターや看板が掲げられています。エジプト人たち、6月中旬のワールドカップ初戦を待ちきれないといった状況です。
 今季の活躍で、彼の商品価値は何十倍にもハネ上がったに違いありません。まだ26歳。早くも移籍先や金額が噂され始めています。エジプト人の、サクセス・ストーリィそのものなのです。

2018年4月2日月曜日

でっかくなったモンキーはモンキーなのか

 惜しまれつつも昨年ついに生産を終了したホンダ・モンキー。
 多くの男の子たちの青春の1頁に小粋なスパイスを与えてくれたアイコンが、125ccになって戻ってきますね。
でも、どうなんでしょう。このサイズに成長したモンキーは、果たしてモンキーと呼べるシロモノなのか。
 確かに愛らしいデザインを残してそのまま拡大コピーしたような出来映えには、大いに心がくすぐられます。免許さえあれば、二段階右折もしなくて良いし、スープアップされたエンジンは、モンキーとしては考えられないくらいの遠乗りにも余裕で対応可能でしょう。
 でもなぁ、なんか違うんだよな。
 私の中でのモンキーは、あくまで日常生活のちょっとした用事を済ませるために、燃費も駐車スペースも気にすることなく、いつでもトコトコと身軽に移動する足であって、それ以上に大きな行動半径を想定したバイクではないんです。どうせ125を買うのなら、これじゃないと思ってしまう。皆さんの評価はどうなんでしょうね。いずれにせよ非常に気になるバイクであることは間違いありません。

2018年3月18日日曜日

海外単身赴任サラリーマンの日常

 日記を書いたり写真をアルバムに整理したりする代わりに始めたこのブログが、私の日常を自身に代わって記録してくれているのです。誰ひとり興味も関心もないに違いない話題でもあっても、自分勝手に気まぐれに書くわけです。ですから、海外に単身赴任しているこんな中年サラリーマンの、それこそ大した変哲もない日常がどんなふうであるかを書き記しておくのも、誰かの為なんかでは全然ないし、特に誰かに共感してもらいたいわけでもないのです。後になって、あの頃自分は何を考え、どんな時間の使い方をしていたか、それが思い出されればそれで良いのです。
朝は7時に起床。目覚まし時計のうるさい音を聞きたくないが故に、たいてい10分前くらいには起きてしまいます。煙草を一服してから、歯を磨き、シャワーを浴び、布団の乱れを直し、着替える。冷蔵庫のオレンジジュースをグラス1杯、フルーツ入りのヨーグルトをひとつ。スマホでメールをチェックし、さらにPCを立ち上げ日本のニュースをチェックする。お抱え運転手が待つ車に乗って家を出るのが8時15分。
 仕事は8時半から。給湯室で緑茶のティバッグにウォータサーバーからお湯を注ぎ、お仕事開始。外のアポやイベントなどがない限り、基本的にはデスクワーク。その間に社員食堂で昼食。夕方ともなれば、PC画面に貼りついて疲れ切った老眼が悲鳴を上げるので、18時過ぎにはお仕事を強制終了。
 帰り道にスーパーに立ち寄り、何度見ても品数が少なくてがっかりする野菜売り場や美味しくなさそうなお菓子を横目に、パスタ用のトマトソースなどをちょろっと買い物して帰宅。
 夕食はだいたい自炊。といってもパスタや麺類中心で、その代り味付けを変えたり、具だくさんを心がける。何十回作っても、いまだに分量の加減が判らず、つい作りすぎてしまう。食べ過ぎた時は、すかさず太田胃酸。
 台所の洗い物を早めに済ませてしまってから、ゆっくりとネットサーフィン。晩酌はしない。紅茶を飲みながらお気に入りのサイトをひととおり巡る。木曜の夜は、その週末の競馬予想のためのお勉強。ベッドに入るのは深夜零時から1時。スマホで子守唄代わりの音楽を聴き始めれば、1曲もたずに就寝。これが平日のパターン。
 週末(イスラムなので金、土が週末)における近頃のルーティーンといえば、金曜日は休息。家の中でひたすらぐだぐだと、一日中タブレットやPCでネット三昧して過ごす。最近、IKEAで座り心地の良いデスクチェアを買ったので、基本、引きこもりニートみたいに机にへばりついている。ベッドは長時間うつ伏せになると必ず腰が痛くなるから机が良い。徹底してダメ人間になり、頭と身体をリラックスさせる。人との会話は一切なし。発する言葉は、ときおりyoutubeのお笑い動画に思わず漏れてしまった笑い声くらい。先週末は懐かしいイニシャルDを全部観た。藤原文太みたいな渋い父親に、自分もなれているだろうか。
 反対に土曜日は、これじゃいかんとばかりにアクティブに過ごす。朝8時半に来るメイドに起こされないよう早起きする。パンやサラダを食べてる間に、家の掃除、洗濯、アイロンがけをぜんぶメイドに任せて、日本の家族とLINEで交信。そして昼前からゴルフ場へ。プラクティスレンジで100球ほど打って身体をほぐしてから、電動カートでコースへ。お一人様のラウンドは2時間もあれば18ホールを回ってしまう。コースが空いていてリズム良くプレイできた日は気分も上々。疲れが溜まった視神経にはゴルフ場の緑色がいちばん効く。ゴルフから帰宅してシャワーを浴びたら、夕方に早めの夕食。土曜日は一日2食だ。夜は紅茶と、ちょっと美味しいチョコレートがあれば十分。気が向けばこうしてブログを書いてみたり。12時くらいにはなるべく就寝するつもりが、つい2時くらいになってしまうことも。
 取り上げて何もスペシャルな出来事もないこうした平坦な毎日を、飽きもせず、いや飽きたとしても、ひたすら淡々と繰り返す。そこは何十年というサラリーマン生活で否応なく身についた耐久性というものでしょう。つまらないとか寂しいとかそういうことを言い始めるときりがないけど、もとより単身赴任というのはそういうものでしょうから、そこは意識しすぎないよう心がけ。
 ましてや海外勤務というのは、日本とは異なるストレスの要因には事欠かないわけで、その中で自分の心身の振れ幅を最小限にコントロールするためには、生活を単純化するのもひとつの方法論だと思う。シンプルで簡単そうに見える生活パターンを確保し、それを続けること自体、実はなかなか容易でないのかもしれない。そういう意味では、長くやってるだけのことはあるのではないかな。

2018年3月10日土曜日

オマーンというよく知らない国に行ってみた

 先週は、オマーンの首都マスカットに出張してきました。
 オマーンって言われても、よく知りません。アラビア半島のいちばん外側(南)に位置し、ホルムズ海峡を通過しなくてもよい海の要衝です。
 そうなんだろうが、まだ解らない。ならば、アラビアンナイトに登場する船乗り、シンドバッドがオマーンの港から出航したんだ言われればどうか。へえ。
 マスカットの空港に到着しターミナルの外に出ると、こういういかにも中東という格好をした大量の男たちが待ち受けています。なんのことはない、TAXIの運転手なんですけど、まあこれだけでも異国に来たなぁという強い印象を受けることは間違いありません。
 街中を走るTAXIが白xオレンジのツートンカラーであるのに対し、空港TAXIは下のようにまるでBMWのMシリーズを丸パクリしたようなカラーリング。カッチョイイので許しましょう。
そして、流石は産油国と思わせるのが、穴ボコやツギハギなど一つもないツルツルの道路と、その上を走るピカピカの車たち。メルセデスやBMWだけでなく、マセラティもムスタングもなんでもピカピカ。
 そんな印象を語ると、迎えに来てくれた運転手が解説してくれました。曰く、国王が大の綺麗好きで、それが故に「車は常に綺麗にしておかなければならない」法律があるのだそうです。国王の指示は忖度どころか絶対なので、そこらじゅうに洗車場や車洗いのアルバイトがいるんだとか。車検制度すらないところはアンバランスではありますが、まあ良いことではあります。
 白亜の建物が並ぶ緑豊かな街並みとも相まって、実に美しい街マスカット。南に1時間ほど車で下れば、海沿いのリゾートもあるんだそうです。
 でも、4月にもなれば気温は40度、5月には50度を超える日も。とにかくひたすら暑いのです。

2018年3月3日土曜日

エジプト生活1年が過ぎ

 カイロに赴任してきてから、ちょうど1年が経過しました。時の速さに少し驚いています。
 いくら海外生活慣れしているとは言え、エジプトでの1年間は、これまでの人生で自分の中になかったいくつかのことが発見できた濃密な時間でした。
 ひとつには、古代エジプト文明への大きな関心。もちろん、これまでもギザのピラミッドについては世界の七不思議レベルでの知識と関心は持っていたのですけど、実際現地に来てみてナイル川沿いに点在する遺跡を目の当たりにしてしまうと、いやおうなく知的探究心が次から次へと湧いてくるのでした。
 紀元前2500年前のピラミッドの時代に始まり、ラムセム2世やツタンカーメンといった有名なファラオが国を統治した黄金の時代、そしてクレオパトラが多くのエピソードを残したプトレマイオス朝からグレコローマンの時代へと続く、壮大な歴史のうねりの前に圧倒されるのです。
そしてもうひとつは、宗教に対する関心。古代からの歴史と切っても切り離せない関連の中で宗教を見るべきだと考えるようになったのは、エジプトに来てからのことです。
 太陽神ラー、ホルスやイシス、私の好きなフンコロガシの化身であるケプリなど、有史以前からある自然信仰から民の宗教が始まるのは、いずこも同じでしょう。そして、歴代のファラオたちも自らを神格化しつつも、民の支持を集めるためにはそうした自然神たちをないがしろにできなかった。
 やがて十戒で有名なモーゼが、ユダヤの人々を連れてエジプトにやって来て、割れた海を渡りシナイ半島に戻ることからユダヤ教が始まる。少し遅れてキリストが誕生し、処刑され、復活することからキリスト教が始まる。どの宗派が正当であるのかを、民の純粋な信仰心ではなく、統治のための権力抗争として宗教指導者たちだけで決める。イスラムが台頭する。権力を握った者が、その都度過去の遺産を破壊する。。。そういう意味では、宗教と政治権力の密接な関係は今もなお現在進行形であるのです。太古の純粋さ、自然に対する感謝と畏れを失ったというだけで。

 エジプトに今も残るコプト教は、古代キリスト教の一派ですが、紀元後の宗教会議で少数派として切り捨てられて以降も、エジプトの約1割の民により今も根強く信仰されています。日本にも教会が建てられました。残りの約9割の民はイスラム教(ムスリム)です。預言者ムハンマドの教えを守り、毎日数回の祈りを捧げ、5月には約一カ月の断食をします。ナイル川流域だけで約9000万の人々が、4500年前のピラミッドやファラオたちの神殿のすぐ隣で今なお暮らすエジプト。なかなか奥が深いのです。

2018年2月27日火曜日

UFOを確認したことはない。。。そりゃそうだ

 今日、日本では重大なニュースがありましたね。
 野党からの質問主意書に対し、日本政府は、「政府としては『地球外から飛来してきたと思われる未確認飛行物体』の存在を確認したことはない」「わが国に飛来した場合の対応について特段の検討を行っていない」旨の答弁書を閣議決定したというもの。
 日本政府は過去においても「(UFOの)存在を確認していない」旨の答弁書を閣議決定していますから、政府の公的な立場は従来から変わっていないのです。それなら何が重大なのかって、そりゃUFO飛来やゴジラの襲撃があった場合の対応は、水面下でちゃんと備えておきましょうよ。ま、優先順位は相当低くならざるを得ないのは理解できますんでね。
 もっとも、ちょっと深読みすれば、政府が表向きそんなことを言えるはずはないでしょうし、なんなら「特段」の検討はしていないけど、実はふつうに検討してますけど何か、と解することも可能なのかもしれません。
翻って、それが何モノなのか未確認だからUFOという名称な訳で、確認できた瞬間にUFOではなくなってしまうので、「UFOを確認していない」とした場合には、言葉に矛盾が生じますけど、「UFOの存在を確認していない」とする答弁なので、これは深読みせずとも、将来において存在を確認することがあるかもしれない余地を含んでいるのだということで、そのニュアンスを残すあたりは、日本政府もやるなぁと少し関心もしたのでした。

2018年2月11日日曜日

レバノンと言ってもピンと来ない

 レバノンに出張してきたのです。
 と言っても、レバノンってどこ?っていう人の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。では、首都ベイルートと聞けばどうでしょう。ほんの少しだけ、国名よりは耳にする回数が多いかもしれません。
 では、どんなところかというと、ヨーロッパの小都市とドバイを足して2で割ったようなところです。ああ、余計に訳わからなくなってしまいますね。
 岐阜県と同じくらいの国土しかない海岸沿いの小さな国レバノンは、実はまあまあ美味しいワインの産地だったりもします。
 これは、レバノン産ワインの代表ブランドの一つ、KSARAというシャトーのワインです。今は何かと危なくて行けないベッカー高原の麓にあるこのシャトーからは、白、赤、ロゼの各種ワインが生産されます。お値段は10米ドル~高くても40米ドルくらいでしょうか。
 赤はミディアムボディでわりとスッキリしており、料理を選ばない感じでした。思いのほか美味しかったイタリアン・レストランでガンガン飲んできました。
 
そして、仕事の合間のほんの30分くらい余った時間にベイルートのishopに飛び込み、ほんとに今更なのですが2017年3月発売の無印ipadを買ってしまいました。だって、エジプトでは目ん玉飛び出るくらい高いので。
 wifi仕様の128GB。まだ何にもアプリを追加してないし、このipadでメールやらLINEやら煩わしい作業をするつもりもありません。毎晩ベッドで横になって眠る直前に、疲れた頭をほぐしてくれるアルファー波の出そうな音楽を聴いたり、或いは出張中のホテルで夜のお供にひたすら動画を観たりする、それだけのためにずっと欲しくて、いよいよ我慢できませんでした。今年はipadもニューモデルが出るかもしれないとか。5万円位のお安いうちに、そしてホームボタンがあるうちに買っちゃいたかった。
 この歳でipad初購入。豊かな動画ライフを過ごせそうです。ん?宝の持ち腐れ?電子書籍くらいは読むかもね。

2018年2月1日木曜日

ニューZ1=おじさんホイホイ

 カワサキの新しいZ900RSに、ビキニカウルをまとったライムグリーンのカフェレーサー・バージョンが出るという今日のニュース。
はいカッチョイイ。ていうか、なんというか絵に描いたような「おじさんホイホイ」ですね、これは。だって、130万円もするわけですから、ノスタルジーにかられた、お金にちょっと余裕のあるおじさん世代でなければ、簡単に手が出ません。
 尤も、私たちおじさんが若かった頃とは貨幣価値も違うし、製品としての品質は格段に向上しているのは間違いありませんから、プライスタグを全面否定するものではありません。でも、人生のある一時期にバイクを生活の中心に置いて、相棒であるバイクと共に泣き笑いする。そんな経験は、おじさんたちではなくて、やはり若者にこそしてもらいたいと思ってしまいます。

2018年1月14日日曜日

不思議大好き(ネッシー)

 ネス湖のネッシー目撃件数が近年急増というニュースが流れていました。
 子どもの頃からUFO、UMA、世界の七不思議とかそういうミステリー話がホントに大好物でした。雑誌「ムー」も、更にはその前身の「UFOと宇宙」も定期購読する少年でしたので、ニュースの見出しだけでもワクワクしちゃうのです。
 さて、そのネッシーですが、実はもう20数年前のことですが、なんとしてもこの目で見てみたいと思い立ち、現地に行ったことがあるのです。
 ロンドンからインバネスに向かう国内線の機内で、若かりし私と妻君の隣には60すぎくらいの見るからに上品なご婦人が座っていました。
 「あなたたち、ネッシーを見に行くのね?」
 教科書のようにきれいなクイーンズ・イングリッシュで話しかけられたことよりも、ご婦人のちょっと悪戯っぽい目の輝きに少したじろぎました。
 「ネッシーはね、風がやんで、湖の水面が鏡の様にぴたーっと静かに止まった日に多く見られてるのよ」
 まさにこれから目撃してやろうと勇んでいた私たちにとって、実に貴重な情報を提供してくれたのです。
 「ネス湖の辺りはいつも風が強いからそんな日は少ないんだけど、ううん大丈夫。実は私も先々週に見たばかりだから。きっと出てくれるわよ」
 ご婦人に背中を押されて更に勢いづいた私たちは、その日から1週間、湖畔のホテルに投宿し、レンタカーを借りて明けても暮れてもネス湖の湖面に視線を泳がせたものの、ネッシーは現れてはくれませんでした。
そりゃあ、この有名な写真は作り物だったわけですし、最近の映像技術を駆使すればもっと信憑性の高いフェイクも出てくるでしょう。
 でも、私は断言します。
 ネッシーはいます(STAP細胞はあります、のノリで)。大地の裂け目の様に細く長いネス湖は、水深が200m以上もあり、海にも通じていると言います。スコットランドの大地はまだまだ手つかずの自然を多く残していますし、外来種などによって生態系が乱されることもなかったのではないか。
 なにより、今でもネッシーに会いたいその一心で、世界中から多くのファンたちが湖に張りついているのですから。

2018年1月1日月曜日

Wishing you all a Happy New Year

 2018年の初日の出は、ナイル川に浮かぶ船の上から拝むという珍しいお正月を過ごしています。
 皆様にとりこの1年が安全で健やかな年になりますように。