今日、世の中はどこもかしこもクリスマス・イブですが、ここエジプトではほとんど関係ありません。
単身赴任の中年サラリーマンだからクリスマスなどというイベントとは無関係だということを言いたいのではなくて、国民的・宗教的に関係がないのです。
約1億人と言われるエジプトの人口のうち9割がムスリム(イスラム教徒)で、残り1割がコプト教徒です。
コプト教というのはキリスト教3大分派の一つである東方正教会系からさらに分かれて主にエジプトで発展した一派。マタイの福音書に、聖なる家族がエジプトに逃避したという記述があることから、聖母マリア信仰がたいへん厚い。豚肉や飲酒を忌避する所謂ベジタリアンで、ムスリムとは異なる時期に断食の習慣もあります。
さて、エジプトの古代暦であるコプト歴では、1年の始まりは西暦では9月11日にあたり、クリスマスは1月7日なのです。ですから、カトリック教徒がほとんどいないエジプトでは、クリスマスは12月25日ではなくて、1月7日なのです。だから今日はあんまり関係がないのです。
街中をイルミネーションが飾ることもなければ、サンタの格好をした客引きもおらず、ショーウィンドウにセールの表示が躍ることも鈴の音が響くこともありません。ましてや若いカップルがレストランの予約を争うことも、ケーキを抱えたお父さんが夜中にこっそりプレゼントを子どもの枕元に置くこともありません。
そういう意味では、寂しい単身赴任の身であっても、何やら「追い込まれてる」意識を持たなくて済むので、精神的にはちょっと救われてるかな。
ともあれ、どちらさまもメリークリスマス。
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