2014年11月29日土曜日

1/9 Ducati Desmosedici (製作検討編)(その6)

  一体の部品としては、そう悪くない造形と言えるかもしれません。しかしよく目を凝らして見ると、嘘ばっかりなんです。なんといっても、模型にとって最も肝心な要素である精密感にイマイチ乏しいのです。

 あーだこーだした結果、こうなりました。スロットル・ケーブルはダブルに。ブレーキ・マスターのサブタンクはトップブリッジから切り離して作り直し。キルスイッチも付けました。
 
取り付けは、実車を模しています。ちょっと贅沢して、アルミ板を使いました。雰囲気はぐっと良くなりました。
 手をかけた分だけ目に見えて改善されるキットであることは間違いありません。

2014年11月27日木曜日

良薬はお財布に苦し

 鬼のかく乱と言えば少し大げさでしょうか、平素は疲れて休みたくてもそれ以上に具合が悪くなるところまでいかなくて結局休まないのが不満なほど健康な私が、一日半ほど寝込んでおりました。熱が出て、身体じゅうがバキバキに痛む辛さは、かなり久しぶりです。
 TVを見るか、パソコンでネットを見ることくらいしかできないこんなとき、いちばんの薬は、お買い物です。
 てなことで、かかりつけの医者ならぬイタレリ社さんに、2つばかりキットをネット注文。何をポチったかは、近いうちに明かします。
 そしてもう一つの買い物が、これ。
12月21日、ローマのオリンピコ・スタジアムで行われるASローマ対ACミランの観戦チケット。トッティ選手擁するローマが、本田選手擁するミランを本拠地で迎え撃つわけです。
 内心では本田選手を応援しつつも、よもやそんな素振りを見せないよう注意しながらローマ側のスタンドで観戦です。まあ、万が一周囲にバレてしまっても、以前ローマで活躍した中田選手の記憶がいまだ鮮やかに残るローマニスタ(ローマのサポーターをこう呼びます)たちは、きっとそんな日本人たちを許してくれるでしょう。
 こうしたおかげで体調は回復しましたが、良薬はお財布には決して優しくないのでした。

2014年11月23日日曜日

1/9 Ducati Desmosedici (製作検討編)(その5)

V4のマフラーは4in2in1なんですね。ただ、キットのパーツはプラ材が非常に硬い上に、パーティングラインだの押しピン跡がくっきりと付いていて、そのままではガッカリな状態。ここからヤスリでひたすら削るなど、下ごしらえには、やたらと手間暇がかかります。
 
 とは言え、カウルにほとんど隠れてしまい、先っちょだけしか見えなくなるマフラーですから、あまり仕上がりのクオリティを気にすることなく、チタンシルバーを塗ってみると。。。これが案外悪くない。ふ~ん、て感じにはなるのです。あとでちょっとだけ焼け色でもつけてみましょう。
 
ところが、シートカウル下に折角ちょこっと見えるマフラー先端部分の、カウル底部の造形がよろしくない。再びガクッと落とされます。レーサーの後姿に力強い印象を与える結構重要なところなのに。

これが正解。なるほどね。
 それにしてもこのキット、ガッカリさせられたと思ったら、ちょっとイジればふ~んとなり、次の段階で再びガッカリとふ~んを繰り返しを余儀なくされる、何とも不思議なキットです。間違いなく言えるのは、実車を忠実に再現しようとすればするほど、たくさんの落とし穴にハマるということです。
 もう少し様子を見続けましょう。

2014年11月19日水曜日

これもCBの血統

お昼にふらっと出歩いた近所に停まっていたのは、4本マフラーが勇ましいCB500four。1971年から73年にかけて市販されたモデルですから、40歳を超える大ベテラン。きっとオーナーさんが大事に乗っているのでしょう。フルノーマルで、エンジンガード付き。手入れが行き届いているのが、ひと目で判ります。

かわってこちらは現代のCBR500R。40年という時間は、同じCBの血を受け継ぐ同排気量のバイクを、ここまで進化させるのですね。これも今日、街中で走っているのを見かけましたけど、ものすごくカッコ良い。

最後に、オジさんが今いちばん欲しいバイクがこれ。CB223S。カフェレーサーに仕立てるのも良し、ワイルドなスクランブラーにイメチェンするのも良し、ということで、カスタムベースにこれ以上ない素材だと睨んでいます。
 ある試乗インプレッションでは、大きなCB50と例えていました。ものすごく解り易い。懐古趣味ではなく、良い音のするマフラーをつけて、現役のバイクとして元気に走りたい、これで温泉までツーリングしてみたい。

2014年11月18日火曜日

1/9 Ducati Desmosedici (製作検討編)(その4)

このキットを製作するかどうかの検討過程が、徐々に進行しています。
 スイングアームも、例に漏れず全部くっついています。工作の手間が省けるので、便利っちゃあ便利です。

ひと目見ただけで気に入らないのが、チェーン引き機構。プラのチェーンが伸びるとは思えませんが、完全に埋まっており何も引っ張れません。ものは試しと、掘り込んでみることにしました。バイスで穴を開け、棒ヤスリでシコシコと。

くり抜けたので、1mm真鍮線を通して、色をつけてみました。そう悪くないのです、これが。よく見れば、スイングアームの溶接痕もきちんとモールドされていたりと、好感が持てるところも少なくありません。
 検討過程はまだ続きます。

2014年11月16日日曜日

1/9 Ducati Desmosedici (製作検討編)(その3)

ぜ~んぶくっついてるフロントフォーク。サブタンクがアウターチューブとくっついてしまっているので、最早サスの役割すら果たせない構造。オーリンズが泣いてます。しかも、くっついているだけじゃなくて、裏側は角ばっていました。 わーお。

サブタンク、フェンダーステーの棒、キャリパーのホース取り出し口を切り落とします。インナーチューブの裏側も、削り込んで丸くしました。

インナーチューブには、こんなこともあろうかと大切にしまってあったゴールドのメタルックを貼りました。サブタンクはプラ棒で代用して塗装。この2つのゴールドは、色・質感ともに違いを明確にしたいところです。キャリパーのホース取り出し口も、それっぽく工作してみました。
 あれ? これでキャリパーにブレンボのロゴ・デカールを貼ったりすれば、結構イイ感じに見えるかも?
 いやいや、騙されてはいけない。まだ作るかどうか、決められません。

2014年11月15日土曜日

1/9 Ducati Desmosedici (製作検討編)(その2)

  このキットを製作するかどうか決めるために、もう少し詳しく様子を見てみましょう。先ずはエンジンブロック。左右から合わるだけの簡単な構造で、上に乗っかっている部分も一体形成。
 しかも、このキットのプラ材が非常に硬い上に、プラ材を溶かすタイプの接着剤(タミヤセメント)では全く接着できません。難儀しそうなこと、この上ないです。

とりあえず色を塗ってみました。シリンダーヘッドとクラッチだけゴールドでアクセントをつけています。う~ん。

こちらは反対側。フレームをあてがっています。でもエンジンのパーツはこれが全て。とてもすっきりしているのは結構なのですけど、素っ気ないというか、物足りない感じがします。

そこで、資料画像などを見ながら、ちょこっとだけディテールを追加してみることにしました。真ん中にケーブルが集中している何やら黒い箱は、ディストリビュータなのか。また、それにくっついている水色のパーツは、自分で作っていながら、これが何なのか全く理解していません。実は私がこれまでGPレーサーを手掛けてこなかった理由のひとつは、GPマシンのメカに関する知識が全然ないことなのです。

 さて、このキットを製作するかどうか、まだ態度は決まりませんでした(続く)。

2014年11月10日月曜日

1/9 Ducati Desmosedici (製作検討編)

 以前、1/6モンキーとのハイブリッド(ニコイチ)製作を見送った、イタレリ製1/9デスモセディッチです。その後、手をつけることなく棚で眠っていました。
 2007MotoGPで、カピロッシ、ストーナー両選手が駆ったこのマシン、最高出力200hp、最高速330km/hと誇らしげな文字が躍っています。これまでレーサーは殆ど手掛けない私ですが、箱絵はひと目惚れするほどのスタイルの良さで、製作意欲をかきたてられます。

 開けてビックリ。パーツはこれが全てです。1/12TAMIYAに比べても圧倒的に少ない部品点数。そして何もかもが一体形成されています。中学生に接着剤と一緒に渡したら、10分くらいで出来てしまいそうです。しかし、これがイタレリ・クオリティ。考えようによっては、ここまで割り切った設計には、逆に清々しさすら覚えます。

 カウル。3つのパーツ構成で、アッパー部分はスクリーンごと透明部品です。取説を見ると、車体が全部でき上がった後で、左右と上からハメなさいとなっています。随分と無茶をおっしゃる。

 倒立フロントフォーク。なんとインナーチューブから棒が生えていて、ここにフェンダーを取り付けなさいと。わーい、ブレーキかけるのも命がけだぁ。トップブリッジやハンドルも全て一体。折角のブレンボも、サブタンクと同化してしまっています。ここまでくると逆に気持ち良い。

 スイングアーム回り。カーボンふうのパターンが入った豪華なフェンダーがもれなく付いています。


 さて、この現実を前に、私は幾つかの難しい選択に迫られています。
 私はこのキットを、①作らない、②作る、どっちだ。
 ①の作らないを選択する場合は、タイヤやディスクローターなど、後で流用できそうなパーツだけが、ノアの方舟ならぬジャンク箱で、いつか日の目を見るまでの間、永い眠りにつくことになります。
 ②の作るを選択する場合は、更に厄介な選択を突きつけられることになります。
 オプションA:イタレリ・クオリティのまま素組みする。(作る意味があるの?)
 オプションB:見えるところだけちょこっとディテールアップしてみる。
 オプションC:長期戦を覚悟してやれるところまでやってみる。(いばらのM道)

 当然のように①を選択することを念頭に置いてますが、どこか良心の呵責に耐えがたい部分があります。モデラーの性なのでしょうか、成仏させてあげたいとも思うのです。実に悩ましい。悩み抜いた上でなら、①の選択も許されるのか。
 

2014年11月9日日曜日

CB750 (リハビリ:完了編)

  CB750のリハビリが完了しました。
 壊れた個所の修復と合わせて実施したサイドカバーの修正と、シートの張り替えも割と上手くいき、大好きなカフェレーサー・スタイルでディスプレイに復帰です。

  かぶっていた埃を落とすため各所を拭き取りましたけど、スポークほかのメッキパーツを、敢えてピカピカに仕上げないようにしました。適度な汚れと、ヤレを残したかったのです。


 タンクのマリリンも嬉しそう。

2014年11月8日土曜日

CB750 (リハビリ:その2)

これは、以前スクラッチしたセミダブルのカスタム・シート。ある程度イメージを形にすることは出来たのですけど、思ったほどカッコ良くなかった。今見れば、座面は平坦だし、仕上げの精度も低いです。

そこで、一度アッパーを全部剥がして、ハーレーのキット部品を流用してみることにしました。前後を切り詰めて美味しい所だけを使おうという魂胆。
 シートカウルはプラ板からスクラッチ。丸みをつけながらの工作は、角度調整が難しい。

出来上がったシートカウルには、いわゆるメタルックを貼り付けてみました。アルミの無垢材を叩いて形成し、丁寧にバフがけしたようなフィニッシュに見えれば、大成功という算段です。どうだろうか。

2014年11月4日火曜日

CB750 (リハビリ:その1)

  ローマに引越してきて以来、長らく机の上に放ったらかしにしていたカフェレーサー仕様のCB750。埃にまみれているだけでなく、ハンドルは折れ、ヘッドライトのレンズもシートも外れ、キャブレターは宙ぶらり。
 1100Rが完成し、ちょっと手が空いたので、ここらでリハビリしてやることにしました。

 まずは、サイドカバー。実は製作している時に気づいていながら、面倒なのでオミットしていた工作をします。ご覧のように、異常に膨らんだ形状で、かつ、取り付け位置が正しくありません。後ろすぎるのです。
 あれ? 壊れた個所のリハビリではなかったのか。まあいい、ずっと気になっていたので。そうこうしているうちに、ヘッドライト・ユニットが明後日を向いています。
 
 諸悪の根源は、この大きなオイルタンク。邪魔くさいったらありゃしません。そして、フレームのダウンチューブにもサイドカバーがささる穴があいています。実際には穴はありませんし、後ろ側のダウンチューブは丸見えになるべきなのです。

 てなことで、オイルタンクは小さめのものを作ってしまいました。取り出し口にもちょいとした工夫を施しています。

 そして、サイドカバー自体も幅を詰めます。点線を描いたリブの部分は切り飛ばし、更に削り込んでしまいましょう。ステーは、シートレールに取り付ける形にします。

 取り付けてみました。左側が加工前、右側が加工後です。ライディングの邪魔をしていたサイドカバーがフレームに沿ってぴったりと納まり、しかも正しい位置にセットされました。気分爽快です。でも、代償として、エンブレムのデカールが剥がれてしまいました。

2014年11月2日日曜日

HONDA CB1100RB2(その23:完成編)

 連載23回目にして完成です。製作日数約3カ月、まずまずのペースだと思います。
 今回の製作においては、少年の頃からのまさに憧れのマシンだった1100Rを自ら手掛けることができる喜びに胸をときめかしつつも、素材の良さを壊すことなくその魅力をより引き出すことを強く意識しました。そのため、うずく気持ちを抑えて、カスタムは最小限にとどめました。
 フロント19インチの胸を張った姿勢が特徴のRBでしたが、フロントカウルをRC/RDふうに加工したことによって構えが低くなり、よりプロダクション・レーサーと呼ぶに相応しいスタイルを身にまとうことに成功したと思います。
 
 バイクの顏となるそのカウルは丸目一灯から角目に変更し、進化の途中にあるプロトタイプを目指しました。非常にボリューミーなボディに、ホワイト/レッドの2色に割り切った大胆なカラーリングが、このバイクの良さをストレートに表現しています。また、ブラックアウトした集合マフラーも純正を思わせるメガホン形状とし、主張しすぎないデザインとしました。
 ガレージの前でずっと眺めているのも良し、箱根ターンパイクをルルルルルと流すのも良し、ひとときそんな妄想にかられます。
 1/6ビッグスケールの迫力と精密感を存分に堪能できる、素晴らしいキットでした。

HONDA CB1100RB 【ベースキット:TAMIYA1/6】

【主なカスタム・ポイント】
・フロント・カウル加工
・4in1集合マフラー
・フロント・ディスクローター大型化
・前後フェンダーのショート加工
・スィングアーム加工
・オイルクーラー加工
・キャブレター加工(スロットルワイヤー、エアファンネル)
・ハーネス追加
・自作デカール(一部)





お付き合い下さった読者の方々に感謝します。次回作品もお楽しみに。

2014年11月1日土曜日

HONDA CB1100RB2(その22)


 タンクとシートカウルをセットして、完成が近づいてきました。こうして見ると、ネイキッドでもイケるのではないかと思えてきます。実にカッチョ良い。
 さあ、もう一息です。フロントカウルのスクリーンを何とかしなければなりません。この週末でコンプリートできるでしょうか。