晴天の日曜日お昼過ぎ。ブローニュの森の端にあるロンシャン競馬場へ、凱旋門賞観戦に行きました。お目当ては勿論、日本から参戦のオルフェーブル。
地下鉄10番線Porte d'Auteilの出口から、無料のナベット・バスが往復しています。バス乗り場には、ジョッキーのユニフォームをまとった人たちが、ノベルティグッズを持ってお出迎え。
ロンシャン競馬場入り口です。
日本と違って、G1を何レースも並べるこの日だけは、さながらお祭りです。ここ数年来のスポンサーであるカタールのイメージカラーなのでしょうか、入場口は薄紫色の看板で華やかに染められていました。
入場口から入ってすぐのところで、競馬ジャーナリストの合田直弘氏に遭遇。ひと言ふた言お話しした後、握手をしてもらい、ついでに写真も撮らせてもらいました。並んで映っているのは、この日いっしょに観戦した友人のK君。
ロンシャン競馬場本館を正面から。3階建てのスタジアムです。スタジアム手前の広場には、BARだのお土産の特設ブースがいくつも出ていて、嫌でも気分が盛り上がってきます。早速に競馬新聞を買い込み、ペンとビールを持って、馬券の検討です。
ゴール正面近くの1階スタンドに、座る場所を確保できました。周囲を見回すと、たくさんの日本人の姿と、日の丸も見て取れます。すぐ近くには、日本のTV中継なのでしょう、おぎやはぎとDAIGOの姿も。
オヂさんの戦績は、どうだったでしょう。
第2レース:Abbaye賞(オープン1000m)、馬連2点買い、負け。
第3レース:Marcel Boussac賞(2歳牝馬、1600m)、馬券回避。
第4レース:Jean-Luc Lagardere賞(2歳オープン1400m。日本で言うところの阪神2歳ステークスG1)、馬連1点買い、見事的中。
第5レース:Prix de l'Opera(牝馬オープン2000m。日本で言うところのエリザベス女王杯G1)、3連複1点買い、負け。
そして、いよいよ待ちに待った第6レース:凱旋門賞(2400m)。16:25の出走。
直前のオッズは、オルフェーブルを僅かにかわして前走で仏G1を制したサオノワが一番人気。オルフェーブルは2番。キャメロット、シャレータと続きます。
ずらっと並んだ馬券売り場は、窓口の人に買いたい馬券の種類、金額、番号などを口頭で告げて買う方式。フランス語ができないと、かなり難儀するでしょう。もう一つ、日本の競馬と決定的に違うのは、出走を知らせるファンファーレがないこと。大観衆が手拍子で一体感をかもし出すあの雰囲気がないのです。
オヂさんは、オルフェーブル、サオノワを軸に、3連複を3点買い。
期待の6番オルフェーブルは、大外枠の出だしから後方2番手くらいで足を貯め、下り坂から最終コーナーを過ぎたあたりで一気の加速。スミヨンの騎乗でほぼ完璧なレース展開だったと言っていいでしょう。誰もが日本馬の凱旋門賞初勝利という歴史的瞬間を確信したその刹那、先行していったんは沈んだはずなのに何故か末脚が残っていた伏兵ソレミアに、最後の最後で刺し返されてしまいました。
これが競馬の難しさなのか。これが凱旋門賞の壁なのか。たしかに前日の雨で馬場は相当に重たかった。ロンシャンのゴール前の長い直線は、それほどまでに馬の真の底力を要求するものなのか。。。
足早に家路に着く観客の群れにまぎれて、場外のベンチで独りうつむく、黒いハットを被った日本人紳士が目に留まりました。池江調教師(父)でした。自らが果たせなかった夢、息子の調教で再び目指した夢が破れた瞬間を、直に見ることなく、この偉大な調教師は独り場外でかみしめていたのでしょう。
3 件のコメント:
パチンコを含めて博打の類を全くしない自分としては正直「ああ、そうなんだ」位の反応ですね。単純にレースとして見る分には競輪やボート、競馬も面白いんですけどね。
自分の会社にも競馬を熱く語るのがいて、そういうのに限ってWINSにしか行ったことがなくて「なんだ、結局丁半のサイコロと同列じゃん」とか思ってしまうんですよ。要するにギャンブル嫌いなんですね。
ミステリ好きの私はディック・フランシス氏の競馬シリーズで
しかこの世界の事を知りません。
ですが競馬もバイクもレースの一種であることに変わりなく、
それを陰で支えるメカニック、調教師の姿も、
どこか共通項を感じます。
みやっちさんが、ふと目をとめた紳士とその姿が
まるでひとつの映画やドラマの様に頭の中で展開しました。
何事もそうですが勝利をつかむ難しさと、
それ故の勝者の偉大さ、
敗者の切なさをあらためて痛感しました。
>どろゑびす特急さん
ギャンブルに良い印象を持たない人が国民の大半を
占めているからこそ、日本人の品位と民度が保たれて
いるのだと思います。
かくいう私も、誰の何の役にも立たないパチンコは
今すぐなくなってもらいたいと思います。
>迷走さん
生き物である馬か、鉄馬と称されるバイクかの違いは
あっても、ほんのひと握りの勝者に与えられる賞賛と、
大多数の敗者に残されるその後は、つり合いがとれて
いるとは思えません。運命というには残酷に過ぎると
感じてしまいます。逆に言うと、それほどまでに勝利
することは難しく、賞賛に値する。。。堂々巡りです。
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