2012年10月13日土曜日

サッカー日本vsフランス観戦記

 サッカー日本代表vsフランス代表の舞台となったスタッド・ドゥ・フランスは、Paris市から北の近郊サンドニに所在します。仕事で職場から出発するのが少し遅れたため、晩御飯も食べずにTAXIを拾いました。20ユーロくらいですから、許容範囲でしょう。サッカー好きの運転手だったのが幸いし、9時キックオフの日仏戦だと告げると、「絶対間に合うように連れて行くよ。でも、ゲームはいいとこ1-1で引き分けさ。ま、アレ・ジャポン(日本ガンバレ)」と。


 スタジアムに到着した頃からポツポツと降り出した雨は、入場ゲートのセキュリティチェックで長蛇の列に並んでいる頃にはかなり雨脚が強まり、試合のコンディションが危ぶまれましたが、キックオフのホイッスルが鳴るまでには上がってくれました。
 ネットで購入したシートは、ほぼハーフウェーライン上の前から9列目。滅多にない折角のチャンスなので、75ユーロを奮発しました。おかげで、タッチラインから約20mという近さ。TV中継のカメラからは正反対のアングルになります。
 スタンドを見渡すと、ほぼ全てを埋めるトリコロールの国旗。周囲には日本の応援団も相当いたのですが、そこはやはりフランスのホームです。スクリーンでスタメン紹介の後、選手が入場してきました。両国の国歌斉唱。気分が盛り上がります。

 試合の内容は、日本でも詳しく報道されている通りですので、ここでは触れません。少年の頃からサッカー小僧だったオヂさんが、間近に目にした主要選手に関する個人的な評価を、印象の強い順に述べておきたいと思います。

             

【日本代表】
★香川選手・・・これまでの歴代の日本代表選手の中で、やはり別格。一瞬のスピード、ボディバランス、ボールタッチ、パスのセンス、ゴール感。いずれも群を抜いています。前半は、中盤から前線への有効なフィードがなく苦労していましたが、後半にスイッチしたトップ下が正解のポジションでしょう。
★長友選手・・・素晴らしいスピードと、それが最後まで落ちることのないスタミナ。つまならないミスをしないのは、優れたDFの証拠。攻撃では、相手ゴールラインぎりぎりまで切り込んでのマイナスの折り返しは、相手ディフェンスにとっては恐怖です。
★川島選手・・・まさに守護神。普通のGKだったら、間違いなく2点以上とられていたでしょう。香川選手、長友選手と共に、真にワールドクラスはこの3人だけ。(もう一人、本田選手は残念ながら足の故障で今日はベンチ組。)
●乾選手・・・高い素質を感じさせるプレイでした。スピードもそこそこありますが、とにかくキビキビとよく動き、かつ、ボールのタッチが素晴らしい。ボールが足に吸い付いているように感じさせるのは、香川選手と乾選手だけ。あとはフィジカルの強さが欲しい。
●長谷部選手・・・ネット上では酷評する向きもあるようですけど、それほど悪くなかった。遠藤選手が最早ゲームメイキングに貢献できなくなってしまった分、守備型ボランチとして頑張っていたと思います。
■遠藤選手・・・オヂさんはずっとファンなのです。ひらめきのあるプレイスタイルで長く日本代表を支えてきてくれた素晴らしい選手ですが、年齢・体力的に第一線の選手としては最早限界かもしれません。
■中村選手・・・まったく見るべきところなし。前方からプレスをかけるという意識がまるでないし、ボールをキープしてためを作ることもできていない。Jリーグならともかくも、香川や本田のいるチームではレベルが違いすぎて、この選手に日本代表のゲームメイキングは無理。
■ハーフナーマイク選手・・・精彩を欠きました。体調悪かったのかな。いずれにしても、スピードのあるパスをつなぎ、動きの中で敵陣の裏をつくというパス・サッカーのスタイルには全く不向きなトップ。
●内田選手・・・終了間際にちょっとしか出ませんでしたが、それでもキラっと光るものが見えるあたりは、さすが欧州組。最初から見たかった。
●清武選手・・・まだ自分のカラーが固まっていないのか、ヤル気が少しカラ回りしている印象。

【フランス代表】
★ベンゼマ選手・・・大柄な選手の割には、しなやかなボールさばきが印象的。ゴール付近でボールを持つと得点を予感させるのは、一流の証。
★リベリ選手・・・素晴らしい突破力。複数のディフェンスにつっかかられても突破できるのは、ボディバランスが優れており、常に身体の真ん中でボールをコントロールできるているから。


 こういった親善試合では、お互いに怪我がいちばん怖いので、おのずとファールが少ない(その代わり今イチ本気っぽくない)試合になるもので、今日もイエローは長谷部がもらった1枚だけ。あのイエローは、抜けてしまったら即、決定機につながっていただろうから仕方がないとは思いますけど、できればカードは見たくなかった。


 前半のピンチを耐え抜いた末に、長友選手からのラストパスを香川選手が決めるという最高の形で勝利し、サンドニの悲劇を見事に払拭した日本。そして負けはしたものの、思っていたよりも全体のレベルが高く、強豪国の実力の高さを見せつけてくれたフランス。どちらも素晴らしい。観に行ってよかった~と思わせてくれる試合でした。
 スタジアムから駅に向かう人ごみ、丸めたトリコロール旗を手にした多くのフランス人たちが、日本人に向けて「ジャポン、すごいじゃん。」と笑顔で声をかけてくれていたのが、いちばん嬉しかった。

2 件のコメント:

どろゑびす特急 さんのコメント...

各選手評、興味深く読ませていただきました。仏代表はまだ再建途上ですし数年後に対戦したらどうなるか分かりませんね。
日本は天皇杯も3回戦。わが街のチームはJ1相手の二度目のジャイアントキリング失敗しました。
でもBSでの全国中継で衝撃のユニフォームを披露できたから良しとしますw

みやっち さんのコメント...

>どろゑびす特急さん
サポーターたちの、がんばれ~っていう切実なくらい
純粋な気持ちは、選手達に必ずや届いていますよね。
地域密着型のチームなら、なおさらです。
これからも愛情たっぷり応援しましょー。