2017年12月22日金曜日

スーパーカブご成約。。。ならず

 今回の一時帰国は、毎日ひたすら歯医者に通う日々となりました。
 歯茎に麻酔の注射を打ち、歯周ポケットの奥を特殊な器具でゴリゴリとこそぐクリーニング。すべての歯についてこれをやって、とにかく歯茎の健康を取り戻さなきゃ話は始まらないと。マスクで顔半分が隠れていても、涼しい目と愛らしい声からきっと素敵な女性なんだろうと容易に想像できる歯科衛生士。ごめんなさいねと言いながら、やってることは結構えげつないんでしょう。限られた日数で予約をフルに詰め込んでくれました。お世話になりました。
 てなことはどうでもよくて、歯医者通いの隙間に訪れたのはドリームホンダ練馬店。目白通り沿いの三角地に建つ建物に入るや否や、2台の新型スーパーカブが店内の中央に、どーんと鎮座していました。
 平日の昼間っから訪れた中年の客(私)にただならぬ気配を感じたのか、店員さんが何も言わずにカタログと、60周年1億台を記念して作られた冊子(非売品)をすっと差し出すのでした。以下、店員さんとのやりとり。
店「カブ、かっこいいですよね(手をこねこね)」
み「ぶっちぎりでカッチョ良いです」
店「今度のカブは前後サスが進化して、走りが違います(キリッ)」
み「角型スイングアームになりましたね」
店「メイドインジャパンですから」
み「今発注したら、納車はいつごろになりますか?」
店「この黄色でしたら、即納です。昨日熊本から入荷したばかりです」
み「えっ」
店「諸費用込み乗り出し25万円を切ります」
み「うあぁ買っちゃいたいなぁ。本気で今すぐ買っちゃいたいけど、おかあちゃんに相談しなきゃなぁ」
店「買っちゃった、テヘペロじゃだめですかね」
み「www。必ずここに戻ってきます」
 家に帰っておかあちゃんに報告。自分で払うなら好きにすれば、との有難いお言葉。すかさず不動産屋に電話。しかし現実は厳しく、アパートの駐輪場に空きがないことが10秒で判明。あえなく今回の購入は見送ることになりました。ぐぬぬ、今日のところはこのくらいで勘弁しといたるわ。



2017年12月6日水曜日

赤提灯に誘われて(一時帰国)

 明日から一時帰国します。
 カイロに来てから9カ月の間に、短い休暇と短い出張を含めればこれで3回目の一時帰国ですから、カレンダーを見つめて待ち遠しくなるほど日本を離れていた訳ではないのですけど、それでも休暇らしい休暇は夏休み以来ですので、やっぱり嬉しい。
 はちきれんばかりの物欲もさることながら、赤提灯が私を呼んでいる。
寒い季節には、唐辛子をたっぷりかけた煮込みだろうか。それともやっぱり忘年会のシーズンなので、鍋にするんだろうか。魚も美味しいだろうな。ラーメンも食べたいな。。。
 とはいえ、年末にはエジプトに戻ってくるのです。まだちょっと先ですけど、今年の大晦日の晩は、ナイル河に浮かぶ船の上、砂漠から上る初日の出を見ることになりそうです。

2017年11月30日木曜日

カイロの街はハイエースだらけ

 平日のカイロの街中は、時間を問わず、どこへ行っても激しい交通渋滞です。
 車線や信号なんてものは、あって無いのと同じ。車検も排ガス規制もありませんので、あらゆるメーカーの、しかも当たり前のように整備不良の中古車が路上にひしめき合っています。そこへ荷車を引いたロバだの、ノーヘル上等で幼い子供を前後に乗せたバイクだの、自殺覚悟なの?ってくらい勇敢に道路を渡る歩行者たちだの、もうカオスもいいとこ。イタリアでは運転マナーの悪さにさんざ辟易としましたけど、ここへ来るとエジプト人たちも少しはイタリア人を見習えと言いたくなってしまうほどです。

  そんな酷い交通事情の中、市民の大切な通勤の足となっているのが、乗り合いのミニバス。こちらでは「セルビス」(サービスのフランス語読みなのか)と呼ばれていて、そのほとんどがトヨタ・ハイエースです。主要な幹線道路には常時無数のハイエースが走っていて、路側帯のないところだろうが、信号の交差点だろうが、後続車が詰まって渋滞を悪化させようが、まるでお構いなしにどこでも止まって客が乗り降りします。料金は、ちょっと遠くても多分100円するかしないかくらいでしょう。
エジプトではつい先日も、シナイ半島でモスクが襲撃され、死者300人を超える悲惨なテロ事件が発生しました。2012年の革命を境に、世界中からエジプトを訪れる観光客は激減し、ようやく回復の兆しをみせてきた矢先の出来事です。
 しかし、観光客の少ない今ですらこの渋滞なのですから、政情が安定して客足が戻って来たら、いったいどうなってしまうのでしょう。

2017年11月22日水曜日

物欲の季節

 すっかり物欲の季節になりました(なんじゃそりゃ)。
 エジプトに赴任してきて9ヶ月が経ちますが、師走に一時帰国の休暇を強行することにしたものですから、日頃エジプトでまったくできない買い物欲が否応なく煽られている状況です。さあて日本で何を買ってやろうかと、日々ネットでターゲットの製品をリサーチするのが楽しいのなんの。いい歳したオジさんの心を揺さぶる罪深きモノたちを発表します。


その① 物欲の先頭を走るのは、ご存知ipad pro。持ち運びも楽な10.5インチのやつが欲しい。apple penでメモ書きもしてみたい。手持ちのiphoneでテザリングしちゃうので、安いwifiモデルで十分とみた。なんやかやで合計10万円くらいか。


その② 次にゴルフクラブ。ミズノのアイアンセットと、ホンマのユーティリティが欲しい。前者は養老工場でクラフトマンたちが丹精込めて作ってる、その名もMP66。セミキャビティのニクい奴。メーカー直営店で親切なスタッフに丁寧にフィッティングしてもらって、新品を揃えたい。歳をとると人の親切がとても嬉しい。なにせ、今持っているアイアンは5カ国も持ち歩いて都合20年近く使い続けたポンコツ、いや、ベテランなので。ホンマの方はまあ中古でもいいや。双方で合計約12~3万円ほどか。


その③ で、あとデジカメ。欲しいのはLeicaV-lux。非交換タイプの高倍率ズームレンズが付いてて、これ1台ですべて事足りちゃう。お洒落なバッグとストラップのexploreセットが20万円弱。まあなにせお高いですから、手持ちのCanonの古い一眼とレンズたち、富士フイルムのデジカメもすべて売っぱらって、それでも差額は13~14万円に及ぶのではあるまいか。

その④ そして最後はスーパーカブ。保険やヘルメット代を含めれば乗り出し30万円ほどだろう。即納車できれば、日本にいる20日あまりの間に、歯医者に通ったりゴルフショップに行ったりするのがどれだけ楽しくなるか。  
 
 と、まあこんなふうに並べてみたものの、4アイテム全部買ったら70万円を超えてしまいます。超万馬券でも当たらない限り、到底お話になりません。ボーナスなんか一撃で木端微塵です。なので、ここは自らをクールダウンさせるため、そして我に返って現実的な選択をするため、それぞれについてプロ・コン(良い点・悪い点)を考えてみようと思います。

①については、自宅で使っているノートPCがそろそろ限界を迎えつつあるのです2012年夏モデルというシールが貼ってあります。OSはWindows7で、サポート終了まであと1年。早晩、買い換える必要に迫られるでしょう。
 一方、今後とも単身赴任の自宅にどうしてもノートPCが必要かというと、これは相当に怪しい。実際PCの使い道は、年1回の年賀状の作成と、月数回のブログの書き込み。日々の使用はくだらないネットサーフィンだけ。youtubeばかり見てます。であれば、安くないノートPCを買うよりも、タブレットの方が遙かに使い道が広がるのではないだろうか。ベッドで動画も見られるし、出張にも持って行けるし。問題は10.5インチという画面のサイズが老眼にフィットするかどうかですが、それ以外は否定的な要素があまり見当たりません。
②については、今現在、手持ちのクラブで特に困っているかというと、実は困っているというところまでは行ってない。見た目は傷だらけでくたびれてるけど、機能に不満はない。単に20年モノじゃなくて新しいのが欲しいという、言わば純粋な物欲ですかね。あと1~2年なら我慢できなくもない。
③については、正直なところ贅沢品であることは解ってます。しかも、ものぐさが進行している最近では、スマホでしか写真を撮らなくなってしまってる現実もあります。使用頻度の点からも、コスパの点からも、今買うべき積極的理由はほとんどなさそうです。ただね、いつか鎌倉あたりをゆっくり散歩するのが週末の楽しみ、なんて歳になったときに、首から下げてるカメラがこのLeicaだったら、どんなにカッチョ良いだろうかと、妄想するのですよ。ええ。
④については。。。だって、駅まで歩いたり、チャリ漕いだりするの、嫌なんです。。。

2017年11月4日土曜日

ヘルメットにブレーキランプとか

 最近のニュースで、二輪のヘルメットに装着するブレーキランプってのがあるのを知りました。
 減速を感知して勝手に光るメカニズムなので、ライダーのブレーキ操作とは関係なく作動します。だから、エンジンブレーキのみで減速したときも光るんだそうです。2時間の充電で8時間の使用に耐える。お値段19,690円。
 パッと見のデザインは、悪くないなと思います。
 でも、充電性能がイマイチですね。スマホ関連だけでも電池切れの心配から解放されない毎日だというのに、ヘルメットまで充電を気にしなきゃいけないとなると、結構なストレスになりそう。あ、タンデムはできませんね。
かと思えば、自転車用のヘルメットに至っては、ワイアレス接続のスイッチをハンドルにつければ、ウィンカーまで作動するものがありました。こちらは1日30分の使用なら1週間もつ充電性能で、16,280円。

 オートバイも自転車も、安全性が向上するのは良いことであるのは間違いありません。でも、なんとなく違和感を覚えてしまうのは、歳のせいなのでしょうか。
 オートバイのテールランプは、デザインを重視するあまり年々小さくなっているし、ウィンカーは小型化に加えて幅も狭くなってきています。
 もちろん国が定めた安全基準を満たしてはいるのでしょうけど、昔のFZ750やZ1300みたいな巨大なテールランプはデザイン的にも嫌いではなかったし、大きく左右に張り出したウィンカーも、前後を走る車に対して確実に意思が伝わるという安心感がありました。安全性が犠牲となるデザインは人の為にはならない。本当の意味でのデザインではないと思ってしまうのです。
 自動車は四方をカメラで認識するようになり、AIによる自動運転制御に道路交通が支配される世の中は、すぐ目の前まで来ています。技術の革新はしかし、人間の感性をどんどん鈍くするものでもあります。人間が本来持っている検知能力や感性が薄らいでいく未来、なんだか怖くもあります。

2017年10月19日木曜日

祝!和製スーパーカブ復活

 今日は実に嬉しいニュースが入ってきましたね。
 世界中の人々から愛され、ついに生産台数が1億を突破した、日本が世界に誇る名車スーパーカブの新型が登場します。
 しかも、生産拠点をこれまでの中国から日本に移すということで、ようやく「中華カブ」などというレッテルが外れるのです。LED化された丸型ヘッドライトは、和製カブであることの証明です。熊本工場から世界に向けて、きわめて質の高い超ロングセラーがこれからもどんどん発信されることでしょう。
何が嬉しいかというと、まずはエンジン。50ccがラインナップに残りました。電気モーター化の噂がささやかれることもありましたけど、新型にも伝統のカブ系4ストが採用されました。ホンダさん、やればできるじゃないの。なら、同じエンジンのモンキーはどうしてやめちゃったのよ~と突っ込みたくなります。
 そして嬉しいもうひとつの理由は、お値段。税込23万2200円と、非常にお求めやすく設定されています。
さらに嬉しいことに、前後に小径14インチのホイールを履き、バスケットと大型キャリアを装備したプロ仕様も25万3800円で同時発売。これまた捨てがたい魅力的なフォルムで、新聞配達や郵便屋さんだけのものにしておくのは勿体ない。
 次に帰国することがあれば、絶対にカブを買おう。そして毎日乗って、末永く愛でてあげよう。そう決心するオジさんでした。

2017年10月6日金曜日

古代エジプト文明と地球外生命体

 こういうタイトルを書くだけで、なんだかドキドキします。
 ルクソールの旅をガイドしてくれたのは、日本語ペラペラのエジプト人でした。このガイドさん、もともといろいろな文字が大好きで、大学でヒエログリフを勉強しただけでは飽き足らず、日本語もついでに勉強したのだとか。古代エジプトの歴史や遺跡に関する豊富な知識は、素人観光客である私たちの知的好奇心を大いに満足させてくれました。
 しかし、そのガイドさんをもってしても、やはり古代エジプトの遺跡には、人間の知恵と技術だけではどうにも説明のつかないものが幾つもあるのだそうです。
 4500年前に作られたギザの大ピラミッドの四辺は正確に東西南北を指していて、その誤差はミリ単位。春分と秋分の日には、太陽の光が四角垂の一辺の角度とぴったりと重なり、影がなくなります。3500年前の様々な遺跡に使われた巨大な一枚岩はどのように正確に切り出され、また、どのように運ばれ、どのように積み上げられたのでしょう。
 現代の科学と技術でもきちんと説明ができないこれらの謎、実はカイロ考古学博物館にひっそりと解説もなく展示されているいくつかの発掘品が、その答えを示唆してくれています。
  黄金の船がどうして車の上に載っているのか解りませんが、前後と真ん中に3体、オールを漕ぐ人間とは明らかに色も大きさも異なる人型の姿が認められます。船頭というより、監督にあたる者のように見えます。

そして船の上の3体に酷似したこの2体に至っては、まんま宇宙人そのものではありませんか。ファラオでもないのに、金箔で覆われた身体、青く光る眼、大きな耳、長い手足、高価な装飾品。きっと特別なステータスを持った者に違いありません。
 UFO大好き、不思議大好きなオジさんとしては、これからも古代エジプトを独自の視点から見ていきたいと思うのでした。

2017年10月1日日曜日

古代エジプトの入口を覗く旅(ルクソール)

 仕事の都合により、今年の夏休みは随分遅い時期になりました。
 エジプトに転勤してきてから半年を過ぎた先週、ようやく古代エジプトの都、ルクソールを訪れることができました。
 カイロからナイル川を南下すること600km以上、飛行機で約1時間の距離にあるルクソールは、約3500年前にはテーベと呼ばれるエジプトの首都でした。
 古代エジプトの歴史は、いわばファラオの歴史。家系(血筋)によって第〇王朝というふうに区切られています。織田家が第10王朝、豊臣家が第11王朝、徳川家が第12王朝などと例えれば解りやすいでしょうか。
 ルクソールに残る遺跡は、大きく言えばナイル川東岸の寺と、西岸の墓。歴代のファラオは没すると東岸の神殿で葬式を行い、ミイラにして西岸の墓に埋葬し、いつか訪れる復活を願ったということです。
 世界最大の寺であるカルナック神殿や、ライトアップされたルクソール神殿は、まさに息を飲むほどの規模、荘厳さ、美しさでした。圧巻という簡単な言葉ではとても間に合いません。そして、60を超えるファラオの墓が密集する王家の谷も、言葉を失う空気に支配されているようでした。

 さて、現存する古代エジプトの遺産の中でも群を抜いて知名度の高いものが、ツタンカーメン王の遺品でしょう。1922年にカーター教授が掘り当てたツタンカーメン王の墓は、王家の谷の第62番目の墓ですが、別のファラオの墓のすぐ真下に位置し、大量の瓦礫に覆われていたため、墓泥棒による盗掘被害を受けることなく、奇跡的に残ったということです。
ツタンカーメンのこの有名な黄金のマスクは現在、カイロの考古学博物館に、墓の中に収納されていた玉座など数々の遺品と共に展示されています。ただし、自身のミイラは王家の谷の墓に今も静かに眠っています。写真撮影が禁じられているのでご紹介できませんが、19歳の青年としても小さな身体でした。
 ところで、ツタンカーメン一族は、歴代のファラオを年代順に並べた古代の王命表に、その記載がありません。第18王朝と第19王朝の間にあるべきツタンカーメン一族が、歴史から抹消されてしまっているのです。
 というのも、ツタンカーメンの父であるアクナートン王は、最高神アメンに代えて実体を持たない太陽神を崇拝することを民に求め、都をルクソールの北300kmほどの別の地に移してしまった、いわば異端のファラオだったからなのです。
 政治や催事を司る神官たちや民の信仰心は、権力だけではそうそう変わるものではありません。アクナートンが変死した後、共同統治者の地位を得て後のファラオとなる妻ネフェリティティもわずか3年で変死、さらに、ネフェリティティとの間にできた子供6人はすべて女の子ということで、下女に産ませた息子ツタンカーメンが僅か6歳にしてファラオに即位したものの、19歳でこれまた変死。最後はネフェリティティの父アイが国を治めたころには、すっかり一族の権力は崩壊していたのでした。
 ただし、王命表にその名を刻むことがなかったことが逆に幸いし、探す者もおらず盗掘から守られてきたというのも、歴史の綾だなぁと思わされます。王家の谷の墓守たちは、その昔、盗掘の限りを尽くした墓泥棒の子孫だと聞いて、これまたなんとも皮肉なもんだと感じました。

 実はツタンカーメンの話には今なお続きがあって、王家の谷の墓、ツタンカーメンの棺が置かれていた玄室の壁の向こうに空間が続いていることが、最近の調査で分かっています。問題は、世界遺産である玄室の壁に描かれた絵に一切のダメージを与えることなくその背後をどうやって発掘するかということです。
 壁の向こうには、クレオパトラと人気を二分するという絶世の美女ネフェリティティの墓があり、ミイラと埋蔵品が眠っているのかもしれないのです。3500年前のロマンは、まだまだ終わっていないのです。

2017年9月17日日曜日

何かしっくりこない

 広く国民に愛されたホンダ・モンキーの生産終了という悲しいニュースは、バイク好きやプラモデラーだけの関心事ではありますまい。
 先の8月末をもって、50周年アニバーサリーモデルを最後に、二度と新車を買うことが叶わなくなったモンキー。限定500台に全国から予約が殺到、抽選となったわけですが、それにしてもそのお値段。ひとつ前のクマモンが税込み約33万円、白赤ツートンのアニバーサリーが約35万円、クロムメッキのスペシャルに至っては約43万円。ネットで見ると、既に高額プレミア付でオークションに出回っており、平気で60万円を超える値札がついています。
さて、私が人生初めてのバイクとしてホンダ・ゴリラを購入したのが高校生の頃、40年近く前のことです。漫画750ライダーで喫茶店ピットインのマスターが乗っていたモンキーよりも少しだけ高かった記憶があり、当時のお値段はちょうど10万円。
 40年前の貨幣価値を現在の市場価格との比較で一様に論じるのは、品目によって随分差があるのできっと難しいのでしょう。で、ちょっと調べてみたのが公務員の初任給。40年前と2017年の公務員の初任給を比べると、約1.7倍になっていました。高卒公務員の初任給が当時8万5千円のときにモンキーが10万円。つまり給料の約1.18ヶ月分。長期月賦を組みましたよ。かたや現在の初任給14万5千円に対して上のアニバーサリーモデルの税抜き定価(40年前は消費税がなかったので)32万6千円は約2.25ヶ月分に相当します。税込にすると約2.43ヶ月に達します。
 では、この40年の間に、モンキーにそれだけの技術革新が導入されたかというと、実はさっぱりです。大きく変わったところといえば、キャブがインジェクションになったのと、バッテリーが6Vから12Vになったくらいではないでしょうか。
 ホンダさんは、モンキー終了の理由を、新たな排ガス規制に対応しきれないからとしています。本当にそうなのでしょうか。車離れ、バイク離れが叫ばれる昨今、やはり最大の原因は販売台数の落ち込みにあって、落ち込みの最大の理由は価格にあるのではないでしょうか。現代の若者たちが初任給の2.4倍を払ってまでモンキーを買うかというと、それは到底無理な相談というものです。
 ホンダのみならず、バイクメーカー各社さんにおかれては、今一度、人とバイクの距離感をこれ以上に広げないような価格設定と、そのためにも技術開発はほどほどに留める勇気を持ってもらいたいと思います。

 他方で、ファンの要請を背景に、四輪も二輪も一部では過去の名車が復活する傾向がありますね。86しかり、スープラしかり。カワサキからは間もなくZ1(Z900RS)が復活すると言います。確かにティアドロップのタンクや特徴のあるテールカウル、2連メーターや4本マフラーにその面影を見ることはできます。大型バイクは今や排気量も様々ですから、わざわざ750ccにスケールダウンしたZ2を出す必要すらないのかもしれません。
 でも、どうでしょうか。エンジン、前後サス、ブレーキ、どこもかしこも最新テクノロジー満載という印象しかありません。確かに良くできているのでしょうし、動力性能的にも相当のお値段を払う価値はひょっとしたらあるのかもしれませんけど、「ああ、懐かしい」とか、「やっぱバイクはこれだよ」という情緒に訴える感想は出てきませんし、何より若者にはおいそれと手の届かないお値段設定に違いありません。若い頃に買うことができなかったけど今ならノスタルジーに大金を突っ込めるオジさんたちがターゲットなのでしょう。
 ひとことで言うと、モンキーも、Z1も、何かしっくりこないのです。
 やはり、乗り物それだけではなく、ツールを超えて生活の中で時間と思い出を共にする相棒、そのために必要なだけの現実的な性能、若者にも求めやすい価格、そういった人とバイクの近い関わり方をあらためてデザインし、スタイルごと提案することが、今の時代に要請されているのではないかなと思います。 

2017年8月15日火曜日

3Dプリンターはモデラーの神ツールなのか

 今日のニュースで、3万円ちょっとで買える家庭用オールインワン3Dプリンターが出たという記事が飛び込んできました。
 「マイクロSDカードリーダーが付属し本体にはLCDディスプレイが搭載されているので、PCレスで出力が可能。寝ている間にPCのない部屋で出力させておくことも可能です。本体サイズは幅210×奥行き195×高さ279mm、2.4kg。最大出力サイズは幅110×奥行き110×高さ125mm。。。」
これはあれでしょうか、3Dデータを作成するためのソフトを追加購入する必要はあるながらも、データさえ作れればプラモの部品なんかにぴったりのサイズってことだと思えてならないのです。なんなら製品開発のターゲットは、実はモデラーなんじゃないかとさえ勘ぐりたくなってきます。
 これまで長いこと、特にスクラッチ製作においては、平たいプラ板を切ったり曲げたりパテ盛りして削ったりという気が遠くなるような作業を強いられた訳ですけど、例えば1/9スケールのロケットカウルがあったとして、それをデータに取り込んだら、このプリンタで1/6スケールで出力できちゃったりするのでしょうか。ゆうに数週間はかかっていた作業がそれこそあっという間に、しかも工業製品と同じような正確さで作れてしまう。
 しかも、これまでは何をどうやってもプラ材では不可能だったタイヤの複製なんかも難なくできてしまう。さらに、実物のデータさえあればジオラマ用のリアルな小物がいくらでも作れちゃったりして。。。妄想をちょっと広げただけでクラクラしてきます。
 モデラーにとってまさに神のようなこの機器が、3万円ちょっとで手に入る時代になりました。はたしてガラパゴス代表みたいな私たちオジさん世代のモデラーは、この先端機器を自分のプラモ工作に取り入れるのが主流となるのか、はたまた「邪道」と決めつけて見て見ぬふりをするのか。悩ましい限りです。

2017年8月6日日曜日

倶楽部ライフ

 カイロは相も変わらず連日気温38度前後の日々が続いています。とにかく毎日、晴れなのです。
 この8月から、ウェスティン・ホテル系列のホテル・スパ・ゴルフがくっついた総合施設のメンバーシップをとりました。自宅から車で約30分ちょっと。
27ホールの素晴らしいゴルフ・コースは、さがなら砂漠のオアシスです。ヤシの木の向こうには広大な砂の大地が広がります。 フェアウェイの緑が、PCで痛めつけられた老眼を優しく癒してくれます。
これまでは、週末が近づく度に、土日を共にラウンドする仲間を探し、スタートの予約をし、早起きして出かける。グリーンフィを支払い、人の練習にも付き合う。4人の中には初心者もいるので、小姑みたいに作法や技術を教えたりしつつ、18ホールでたっぷり4時間半はかかった後、慌ただしくハンバーガーなどをシェアしてつまみ、やおら帰る。。。
 もうオジさんもいい歳です。
 そういう手続きやらなにやらを、煩わしく感じるようになってしまいました。他人を気にせず、気を使わず、もっと純粋に、我が儘にゴルフを楽しみたい。メンバーになった最大の理由も、そこです。
 予約などせず、スタートが込み合わない11時頃にふら~っと行って、馴染みのスタッフと軽く挨拶。年会費を払っているメンバーは、365日プレイし放題です。
 独りで気ままにティオフ。ショットに納得がいかなければもう1球打つことも。電動カートですから、スイスイと進みます。複数人でプレイしている他のメンバーたちは、こちらが独りだと分かれば、気持ち良くパスさせてくれます。18ホールに2時間もかかりません。
ラウンド後は、クラブハウスで生ビールと、お昼。ウェスティンの厨房ですから、これが結構美味しい。今日は、ペンネ・アラビアータ。カウンターでヨーロッパのTV中継を観ながらだと、ビールが進んでしまいます。どうせ運転はおかかえのドライバーがするので、気にしませんし、食事の代金もメンバー割引がききます。
 10時過ぎに家を出て、午後2時過ぎには帰宅。シャワーを浴びて、クーラーの効いた部屋でビールを飲みなおす。過酷な地で勤務するご褒美として、心身の健康維持のための、ちょっと贅沢な週末なのです。

2017年7月17日月曜日

〇〇してみた

 ブログの更新を、まるっとひと月、放置してみた。
 先日、友人から、「つらそうな記事ばかりだね」と指摘されました。でも、楽しい事ばかりがある訳でもないので、いっそ楽しいネタが出てくるまで放置してみようと思ったのでした。
 日々生活しておりますので、なんやかやと出来事はありますし、この間、ちょびっとだけ日本に一時帰国したりしました。
 そして、言い訳になってしまいますけど、とにもかくにも暑いのです。
 最高気温は連日40度を超えています。夜中でも30度以下になる方が少ない。これがずっと続いていて、これからも続くのです。この部屋も、あっちの部屋も、廊下も、トイレも全部暑いのです。この「逃げ場がない」暑さは、地味に精神的に堪えます。エアコンはガンガン使っているのですけど、身体に力感がみなぎることなどなく、なんとなくボーっとしてしまう。
 それに加えて、生活パターンの変化が少ないこと。
 日曜~木曜まではお仕事、金曜日は40度の炎天下でゴルフと食料品の買い物、土曜日はフィリピン人の家政婦が家に来て掃除洗濯。これの無限ループです。
 。。。ごめんなさい。また愚痴になってしまいました。
 少し涼しくなったら、生活のモチベーションを上げていろんなことに取り組みたいと考えています。
 
 

2017年6月17日土曜日

ハン・ハリーリに行って来た

 エジプト最大規模と言われるハン・ハリーリという市場(スーク)へ行ってきました。
 市の中心、いわゆるオールド・カイロと呼ばれる地区に、それはあります。食料品、衣服、土産物、お菓子屋、水タバコ屋、カフェ、なんでもあります。
 
  地区の入口にはきれいなモスクが。今日は、通訳兼値引き交渉補佐として運転手に一緒に歩いてもらいました。なんでもかんでも値引きしないと、ふっかけてきますんでね。
まあ、なんだ。言ってみればアメ横みたいなもんです。
 狭い路地に、ところ狭しと様々な店が軒を連ねている訳です。中にはベリーダンスの衣装なんかもあって、ほんとにカラフルです。こういうところが好きな人なら、何時間も見て回るんだろうなと思うものの、今日の気温は37度。あまりの暑さに1時間ちょいでギブアップ。
 それでも、今日の釣果は、Tシャツ2枚(各350円)、女性が頭に巻くヒジャブ2枚(各300円)、そしてこのパピルス画(フンコロガシ=スカラベと、その神ケプリの2枚に猫のおまけを付けて全部で1800円)。まずまず満足です。

2017年6月11日日曜日

暑いところにはつきものではありますが(インセクト問題)

 カイロは連日暑い日が続いています。先週はこんな日もありました。さすがに長時間、屋外にいるのは辛いですし、健康に良くないに決まってますから、冷房の効いた職場から昼間は一歩も出たくありません。
 それでも、イスラムの人達はラマダン中ですので、夜7時までは一滴の水すら口にできません。敬虔な信者は、自らの唾液さえも飲みこまずに吐き出すんだとか。
で、暑くなってくると、当然のように湧いてくるのが、インセクト=害虫問題です。
 蠅、蚊、Gといった連中は、さすがにこの暑さで活動が鈍っているのか、あまり頻繁に視界に入って来なくなりました。ただ、そいつらに代わってここ数日の間、新規に悩ませてくれているのが、台所に突如現れ始めた小さな蟻。体長2ミリくらいのニクい奴。スプレー式の殺虫剤ひと吹きでイチコロなんですけど、なんせまあ数が多いもんだから、1回で出て来なくなるほど甘くはない。
 そして、あろうことか、こいつら噛むんです。おそらく駆除作業中に服や腕に付くんでしょう。朝起きたら何か所も噛まれてて、しかも蚊よりも痒い。
 ところで賢明な皆さんは、虫刺されにはどんな薬をお使いでしょう。ムヒあたりが一般的ではないかと思います。私はいつも、ステロイド系の万能軟膏リンデロン。特にしつこい痒みや腫れを伴う虫刺されには効きますよ。
 なお、本当かどうか分かりませんけど、痔のお薬であるボラギノールが、実は痒み止め効果という点では最強なんだと聞いたことがあります。試してみる前に、購入する勇気がありません。

2017年6月2日金曜日

「3」の洗礼

 よく、新しく事を始めた際に、3日続けば3週間、3週間続けば3カ月、3ヶ月続けば3年はやっていける。こんなふうに言います。三日坊主を裏付ける発想ですね。そしてこれは、海外生活についても同じことが言えるでしょう。
 エジプトに転勤してきたのが3月2日ですから、今日でちょうど3カ月。この測ったようなタイミングで、以前より同僚から3カ月以内と警告されていた「洗礼」を、ガッツリ受けました。一昨日の夜に始まった原因不明の腹痛と下痢は、3日目の朝にして依然回復しきらず。昨日は一日中トイレのそばから離れることができませんでした。「カイロ腹」というんだそうです。
 折しも今はラマダン。外気温は毎日30℃を大きく超える暑さが続く中、昼間は一切の飲み食いができないエジプト人たちの労働意欲は極度に低下し、結果として物流も停滞、スーパーで売っている生鮮食品の鮮度はガタ落ちします。そんなときに限って、運悪く自宅のメインの冷蔵庫が故障。2日間くらい常温で保存していた卵がダメだったのか、火を通したんだけどなぁと、今になって後悔してみても時既に遅し。
これを書いている今もなお、お腹はシクシクと痛み、固形物の摂取を拒んでいます。それでも今回、わりと効いているのがこれ。腸内から減ってしまったビフィズス菌を補い、腸内細菌のバランスを整える優しいお薬。ちょっと調べてみたら、1961年発売のロングセラーだとか(オジさんとほぼ同い年)。正露丸をもってしてもダメだった症状が、少しずつ改善に向かっているのですから、菌の力はすごいです。
 それにしても、「3」という数字は古来からいろいろと重要視されていたり、ときに神秘的な力を持つとされているようです。カイロ腹を見舞った私も、3という数字が持つ大いなる意思に支配されているということなのでしょうか。イテテテ。

2017年5月27日土曜日

今日からラマダン

 今日の夕方から約ひと月にわたって続く聖なる月、ラマダンに入りました。
 ラマダンそのものについては、私などが下手な解説をするまでもなく、ググればすぐに意味は分かりますし、昼間の断食の習慣は、広く知られていますね。
 でも、こちらに来てから知った豆知識も幾つかはあります。
 まず、その年のラマダンの開始日については、だいたいこの日あたりということはあらかじめ解っているのですが、実際には1~数日ずれることがあります。これは、イスラムの偉い長老さんたちが会議を開いて、月の満ち欠けを見ながら、そろそろ良いあんばいなんでそれじゃあ明日からにしようとかいう最終判断を行わないと確定しないからなのです。人々は確定情報をテレビやラジオで直前に知ることになります。


 次いで断食ですが、要するに太陽が上がっている間は、飲み食いはおろか、タバコすらも禁じられているというのです。水くらい良いんでしょ?と訊いても、ダメと言います。じゃあ子供はどうなんの?赤ちゃんに授乳しないわけ?とたたみかけてみました。12歳くらいまでの子供は、昼間のうちの半分の時間だけ我慢すればよくて、乳児の授乳はもっともっと短い時間になると。まあ、そりゃそうだろう。
 ラマダン初日の今日、人々は18:45から朝食(Break Fast=断食明け)を食べ始めるとされています。では、これから夏に向けてどんどん日照時間が長くなるヨーロッパなどに住むイスラム教徒はどうすんの?陽があるうちは食べちゃいけないんだったら、夜は22時位まで余裕で明るいんだけど? これに対する答えは、そういう土地でもせいぜい20時とか遅くても21時くらいには食べ始めていいとされているんだそうですよ。
 とは言え、最初の一週間くらい、身体のリズムが慣れてくるまでは、エジプト人でもやっぱりきついんだそうです。

2017年5月21日日曜日

フンコロガシの話

 カイロはいよいよ暑くなってきました。気温は連日30度を大きく上回っています。暑くなると元気になるのが虫たちで、我が家にも数は少ないながらもハエ、蚊、蟻、何ていうんだか分からないすごく小さな蛾みたいなやつ、それに、Gまで出没します。日本のみたいな黒くて大きいG、ひたすら恐怖です。
 さて、実はエジプトには、古代から人々に太陽の神として崇められている虫がいます。フンコロガシ(スカラベ)です。虫界最強と言われる後ろ脚で糞団子を転がす姿が、Gなどと比べると何とも愛くるしいと言ったら、えこひいきだろうか。
古代エジプトの有名な太陽神「ラー」の姿には、「朝のケプリ、真昼のラー、夕刻のアトゥム」の3形態があり、「日の出」を表すケプリ神は、顔がフンコロガシという衝撃的なビジュアルをしています。古代の絵画にもたくさん登場しますし、宝飾品のモチーフとしてもたいへんにモテはやされています。
ところが、そんな古代エジプトの有力な神様が、実は現代の日本でも現役で活躍しています。しかもゲームの世界で。ご存じの方も多いだろうパズドラに、暁天の蒼空神ケプリというモンスター・キャラがいるのです。おじさんゲームやらないのでよく解らないんですが、高校生の息子は知ってました。こんな可愛らしい萌えキャラなわりには結構強いみたいです。しかも攻撃手段は糞をコロコロ転がすんだとか。

 さて、そもそもフンコロガシはなぜ糞を転がすのかというと、エサとして自分で食べるためと、糞の中に卵を産み付けるための2つの目的があるんだそうです。しかも、自分が確保した糞を仲間のフンコロガシや他の虫に横取りされないよう、なるべく遠く離れたところまで効率よく運ぶ、そのために団子状に丸めて運ぶのです。まあここまでなら昆虫の習性として解らない訳ではない。でも、これはどうでしょう。
 2013年、あのナショナル・ジオグラフィックが紹介した論文によれば、アフリカのフンコロガシは天の川を手がかりに方位を知るナビゲーション能力を持っているというのです。他のいかなる生きものに見られない特殊な能力です。また、他の昆虫のように物理的な道標を利用しない点でもフンコロガシは珍しいのだとか。たとえば、夜は月を主な手がかりに移動する蛾も、月のない日中はモノを道標に使います。しかし、フンコロガシは赤い納屋や木の幹があるところを左に曲がったりはしません。あくまでも空に注目する。たとえ曇りや空が見えない状況においても、フンコロガシのナビゲーション能力はちょっとは鈍くなるものの、それでも物理的な道しるべを頼りにしないんだそうです。
 七夕生まれのおじさんとしては、常に天の川を見つめるフンコロガシに運命的なものを感じ、大きな関心を寄せざるを得ないのです。

2017年5月14日日曜日

案の定からの凹(泣き)

 引っ越し荷物の最後の荷ほどきは、プラモ作品です。過去の苦い経験から学び、今回はふわふわのコットンやプチプチでくるんだ状態で個別の小箱に入れ、さらに段ボール詰めという念入りな梱包をしたつもりでした。段ボールたちも家の前まで木枠のコンテナに入っていましたので、港の荒くれ作業員たちに放り投げられるようなこともなく到着したはずなのです。
 それなのに、ああそれなのに。
   私がプラモ復帰する大きなきっかけとなった初期の代表作、CB750Fスペンサー号。哀れバーハンドルはぽっきり折れ、フロントのゼッケンプレートは落ち、リアサスが折れました。メーターのガラスも1つ行方不明です。
さらにひどいのは、自分の中では会心作のハーレー・カフェレーサー。シートカウルは外れ、ステップバーが折れました。サイドスタンドもウィンカーもとれてます。エンジンマウントが外れて、ぐらぐらしてます。
 かたや四輪の作品のうち、ミニモニ・シリーズ(ミニ・クーパー、トラバント、ルノー4、スバル360)はというと、テントウ虫のタイヤが1個だけ外れていましたが、それ以外はおおむねセーフ。やはり突起物が少ない四輪は、ダメージも最小限で済みます。
 ですが、未開封の作品がまだまだあるんです。でも、いっぺんに全部開ける勇気はありません。一つ一つ涙をこらえて修理しながら、徐々に開封していくことにします。一度にたくさんの作品が壊れている様を見るのは、さすがに精神的に辛いものがありますので。

2017年5月7日日曜日

エジプトでゴルフ再開

 随分長いこと、さぼってしまいました。
 日本の大型連休とは関係なくカイロで淡々とした毎日を送る中、ようやく配達された引っ越し荷物をほどき、真っ先にゴルフを再開しました。
 約2年ぶりとなるラウンドは、家から車で30分ほどのドリームランドという名前が素晴らしいゴルフ場。グリーン・フィは、練習ボールひと籠と電動カート代を含めて約2500円。安い。
 初夏のこの時期、コースのあちこちで木々が花を咲かせ、実にきれいです。とくに、過去のアフリカ勤務を瞬時に思い出させてくれたのが、薄紫の花を枝いっぱいに咲かせるジャカランダ。青い空と緑の芝に、この紫色が鮮やかに映えます。
肝心のプレイの方も、たまたまでしょうがまるでブランクがなかったかのようなデキで、大満足。日頃パソコン画面の見過ぎでさんざん痛めつけられた目の保養にもなりました。
 ところで、エジプトでゴルフって、砂漠なんじゃないの?と素朴な疑問を持つ方も多いでしょう。私もそうでした。どっこい、フェアウェイもグリーンもちゃんと芝が整備されていて、立派なもんです。違いといえば、いわゆるラフというのはほとんどなくて、その代わりに「土漠」と呼ばれるむき出しのベアグラウンドがフェアウェイ両サイドの木立ちの足下に広がっています。
 それと、ラウンドは例外なく電動カート。夏場は40度を超える暑さの中でのプレイですから、カートなしでは干からびてしまいます。もちろん帽子着用、凍らせた1リットルのペットボトルも不可欠です。単身赴任、原則スケジュールなしの暮らしですから、これから毎週末せっせとゴルフに通って、真っ黒に日焼けすることになるのでしょう。
 そういえば、エジプト人のプロゴルファーって、聞いたことがなかったな。いるのか、そもそも。そんなことがふと気になったので、調べてみました。
 いました。下の写真のお嬢さん、2007年にLPGAのプロになったNaela El Attarさんが、実はエジプト人として史上初のツアープロなんだとか。現在は母国に戻って、ジュニアの育成に力を注いでいるそうです。
 最後に、エジプトとゴルフというお題で、第一次大戦期の英国の首相デービッド・ロイド・ジョージ氏が残した科白をご紹介しましょう。
 曰く、
「私が最も尊敬するゴルファーは、誰あろうエジプトのスフィンクスだ。2千年になんなんとする間、バンカーに居ながら、泣き言ひとつ言わんじゃないか。」

2017年4月23日日曜日

はじめてのコシャリ

 エジプトの国民食といわれる「コシャリ」を今日、初めて食しました。
 位置づけとしては日本でいうところのラーメンか立ち食い蕎麦のようなものかと思いますが、実は歴史はそれほど長くないみたいです。ホントかどうか知りませんけど、インド料理をベースにイタリア人兵士がパスタを混ぜて作ったのが始まりだとか。第一次大戦の頃のことだそうです。
仕事の帰り道、運転手にコシャリが食いたいと言うと、やや考えた後、隣町のコシャリ専門店に車を走らせました。
 マカロニのような短いパスタ、スパゲティの切れ端、ヒヨコ豆、レンズ豆、米などを薄味でごった煮した上から、トマトベースのソースやスパイシーなチリソースをかけ、カリカリに揚げたニンニクとオニオンをトッピング。これをぐちゃぐちゃに混ぜて食す。
 思いのほか、美味い。そろそろイタリアンが恋しくて仕方がなかったというのもあるっちゃあるのですが、運転手がお勧めするだけのことはありました。まあ2週間に1回程度なら食べても良いかもしれない。しかも一人前とは思えない量なので、がっつり行きたいとき向きです。
 明朝からの出張準備のため今日はテイクアウェーにしたので、他にどんなバリエーションがあるのかを見ることは出来ませんでしたが、ちゃんとした店のものでないと「not safety」だと、これは運転手の助言。勿論、お腹にとって安全でないという意味です。従っての高級店ながら、お値段は20エジプト・ポンド、つまり約120円。これまた衝撃的。そして食べきれなかった分は、猫たちがぺろりと平らげてくれました。猫缶よりもはるかに安いし。
 日本にもコシャリを出すレストランがあるそうなので、関心のある方は是非一度。

2017年4月19日水曜日

待ちきれなくて、つい

 カイロに住み始めて約50日。
 引越し荷物を載せた船はおそらくアレキサンドリアの港に着いているのに、まだ配達されません。タンスも本棚も食器棚もまだほとんどからっぽのまま。限られた仕事着と僅かな普段着、プラモやゴルフ道具といった遊び道具もない。夜な夜なネットサーフィンに明け暮れる毎日。
 待ちきれなくて、つい、買ってしまいました。
近所の楽器店に飛び込み、出てきたのがこれ。YAMAHAのC70というクラシックギター。ナイロン弦の優しい音色が独りの夜を癒してくれるだろうと、何の知識もないまま値段だけで購入。値切ってもまけてくれませんでしたが18,000円位で買い求め、家に帰ってから調べたところ、市場の相場はもう少しだけ上。それに初心者向けにしては割と評価が高く、どうりでなかなか良い音がします。
 何十年も弾いているのに一向に上手くならないし、今日は指が思うように動きませんけど、それも徐々に慣れてくるでしょう。ちょっとだけウィスキーでも飲んじゃおうかなと。

2017年4月8日土曜日

猫がいる日常

 アパートに入ったその日から、猫がそばにいる暮らしが始まりました。
 古代エジプトでは、猫をライオンに見立てて崇拝し、バステト女神として神格化していた訳ですから、エジプト人の猫好きは数千年前からということになりましょう。象形文字にもたびたび猫が登場しますね。

  さらに、イスラム教においても、猫をこよなく愛でた預言者ムハンマドが「猫への愛は信仰の一側面だ」と言い放ったことから、人々は猫を大切な生き物として扱うようになったとか。猫は信仰上も汚れなき綺麗なものとされていて、それが故にモスクへの侵入も許されているのだそうです。それに対して豚や犬は汚れたものとされていて、だから不浄な豚肉は決して食べないし、イラクなどでは犬を飼っただけでムチ打ちの刑に処されるんだとか。
 エジプトから海を渡ってヨーロッパに伝わったとされる猫は、伝染病を媒介するネズミ対策としてもたいそう重宝され、家のペットとして広く根づくことになるわけです。

 さて、我が家の猫たち。
 もちろん野良です。上述の次第から近所にはいたるところに野良なのか飼われているのか分からない猫たちがうじゃうじゃいるのですけど、主に我が家をテリトリーとしているのは黒トラと茶トラの2匹。私が仕事から帰って来ると、どこからともなく現れて、足にまとわりついてきては、餌をねだります。 
 郷に入ればなんとかと言いますので、ここはイスラムの教えに従って、私も猫を邪険にしないことにしました。ま、もともと猫好きなんですけどね。
 多い時にはこの2匹に加えてさらに2~3匹が、植込みやフェンスの向こうから、わらわらと湧いてきます。ときには、身体が他の猫よりもふた回りほど大きくて人相(猫相)の悪いボスキャラふうの黒ブチも現れ、遠巻きに若い猫たちを威圧していたりします。
 「猫缶はけっこう高いので、今日もカリカリだよ」と声をかけても、フガフガと食べるのに忙しくて、聞こえないみたいです。それとも日本語が通じてないだけなのか。

2017年4月1日土曜日

寛大な心

 年度があらたまって、随分と久方振りのエントリとなりました。エジプトに来てちょうどひと月が経ったのかと、これまでの1か月をぼんやりと思い返す週末。
 イスラムの国に暮らし始めて最初に戸惑ったのが、チップと似て非なるバクシーシという習慣。富める者がそうでない者にほどこしを与える「喜捨」という考え。喜んで捨てると書くくらいですから、お金に対する考え方が日本人とは随分と異なります。
 まあしかし、とにかくどこへ行っても何をするにしても、常に小銭をポケットに用意しておく必要があります。観光地でスマホやカメラを構えようもんなら、すぐに俺がシャッターを押してやると。はては公共のトイレや駐車場まで。スーパーの駐車場では、ガラガラに空いているスペースにすんなり停めただけなのに、帰り際には「俺が見てやってた」とバクシーシをねだる男がどこからともなく湧いてきます。でも、面倒くさいからとこれを拒んでしまっては、イスラムの教えと文化に従わないことになってしまうのです。
 そしてもう一つは、あらゆる場面・局面に通じる「インシャラー」という言葉。意味は、アッラーの神のご意志のままに、ということだそうですが、まあこれが実に万能というか、どんな言い訳にも使えるわけです。
 頼んだ仕事が上手くできなくても、約束の時間に来れずに遅刻しても、なんなら買った野菜が痛んでいようとも、すべてインシャラー=大いなる神の意志なのだから、たかだか人間なんぞにはどうしようもないのだと、まあそういうことです。
 こうしてみると、エジプト生活のはじめの一歩に共通するキーワードは「寛大さ」ということなのかもしれません。
でもほら、近所の庭の大きなハナミズキが満開です。桜を思い出せよ、インシャラー。と言ってくれているようです。

2017年3月18日土曜日

砂嵐:ハムシーン

 砂嵐(ハムシーン)の季節なんだそうです。どうりで朝から空がどんよりと黄色っぽく濁っています。
 今日は車でショッピング・モールにお買い物と決めていたので、吸い込む覚悟で出かけました。車内からの景色は、遠くが霞んで見えません。PMいくつくらいなんだろう。健康に良くないことは明らかですし、車にも悪いだろうなぁ。
ハムシーンは、エジプトのいわば春を告げるこの季節特有のもの。強い風に巻き上げられた砂漠の砂埃に街が覆われるわけです。季節の変わり目に強い風というと、日本の春一番にも似てますけど、こちらは一日で終わってしまうのではなく、ひと月くらい続くんだそうです。ただ、必ず毎日じゃなくて、こんな日が何日かあるんだそうです。
 幸い私の家の窓はサッシですので、比較的砂埃の侵入がありません。窓とカーテンを閉め切って、室内では空気清浄器をつけっぱなし。快適です。
 そして、ハムシーンが終わると、その後には暑い夏がやってくるんだとか。しばらく汗をかかない生活でしたので、暑くなって汗をかき代謝が良くなるのは歓迎です。
 そういえば、エジプト人で大砂嵐という四股名の力士がいますね。十両に落ちてしまったけど、頑張ってます。うん、エジプト人男性って、あんな感じです。力持ちで、思いのほか優しい。

2017年3月10日金曜日

カイロでの愛車

 エジプト生活の相棒となった車は、ランサーEX。三菱の車といえば、遥か遠い昔にアフリカ勤務していたときに、ギャラン・ラムダに乗って以来。
 詳しいスペックすら知らないままに前任者から引き継いだわけですが、昨年11月に購入したばかりのほぼ新車という状態。内装は、合皮かもしれないけどいちおう革張り。よく見ればリアにウィングの付いたニクい奴。おー、スポーティじゃんと思ったものの、高速道路でさえも道はガタガタ、しかもハンドルを握ると荒くれ者になるエジプト人だらけという状況では、週末の空いた時間帯でも120km/hが精いっぱい。
相棒とはいえ、この車が稼働している時間の95%以上は、おかかえの運転手がドライバーズシートに座ることになるでしょう。因みに運転手の給料は月1万5千円くらい。胸のすくようなドライビング・プレジャーを体感することもないであろうエジプト生活の中、この金額で日々の渋滞のイライラが少しでも緩和されると思えば、安いもんだ。お使いも頼めるし、帰りを気にせず飲酒もできる。あ、エジプトはイスラム圏なのに、結構お酒が飲めるんです。因みに、いちばんよく飲まれているのはこれ。
事務所の屋上からもナイル川の向こうに小さく見えるのが、階段状のサッカラ・ピラミッド。これに因んだサッカラ・ビールは、普通に美味しい。追々、お酒事情も詳しくレポートしましょう。

2017年3月6日月曜日

エジプトでプラモデルって

 カイロで生活を営むことになる家が決まり、15日に入居することになりました。ただし、ローマからの引越し荷物が配達されるのは、おそらく4月の上旬になるだろうと見込まれます。車は既に決まっています。10日にはマイカー通勤。とはいえ、未曽有の交通渋滞の中ルールなき道を走るためには運転手を雇うのが賢明で、だから自分ではほとんど運転しないのです。
 さて、棲家と通勤が落ち着けば、今度はどう毎日を過ごすのかということが課題になります。健康増進のためゴルフを再開することは決めていました。そして、YASUさんからもコメントをいただいたプラモですが。。。

 実は、ローマの引越し業者から、荷物の中には液体を入れてはならないと口酸っぱく言われたのです。そのため大量の塗料、うすめ液、スプレー、サラサラ系の接着剤などは、すべて大泣きしながら廃棄処分せざるを得ませんでした。
実に困った事態です。かろうじて瞬間接着剤は残したものの、何も塗れません。気に入った完成作品数点と共に、工具と未開封キットを7、8個持って来たのはいいけど、ネジひとつ塗れないとなると、作品として成立しません。特に痛かったのは、メタル系の塗料と、デカール液。
 まだ何もリサーチしたわけではないけど、カイロにプラモデル屋なんてあるはずもなく、途方にくれています。もちろん、フランスやイタリアの業者から通販で注文すれば送ってくれるような気はします。ただし、エジプトの税関を通すのにいったいどれだけの手間暇と時間がかかるのか、まったく見通せません。
 果たしてこうした事情をどうやって乗り越え、プラモ製作を再開できるのか、生温かい目で見守っていただければ幸いです。

2017年3月4日土曜日

カイロ3日目

 一昨日の昼前、フィウミチーノ空港内にできたばかりの味千ラーメンを食べてローマを発ち、カイロに到着してから3日目を迎えています。
 同僚に出迎えられてそのまま長期滞在用のアパートメントホテルに投宿。近所のスーパーで水やお菓子やシャンプー、石鹸などを買い込んだ後、アパート内のwifiを確認、スマホ用のSIMを購入するなどしてとりあえずネット環境も確保。
 カイロ中心部からナイル川沿いに10kmほど離れたマーディの街中は、どこかで見たことのある景色。インドにも似ているけど、ちと違う。
 とにかくどこを歩いても砂埃で靴がすぐ白く汚れます。舗装が壊れてそこここに穴が開いた道、走っているのが不思議なくらいポンコツな車たち、絶え間ないクラクションの音、たくさんの野犬、そしてたくさんの人。
 幹線道路が渋滞する理由は様々で、セルビスと呼ばれるワンボックスタイプの乗り合いバス(トヨタ・ハイエースがほとんど)、故障してエンコした車、どこでも渡る人、そしてトゥクトゥク(tuktuk)と呼ばれる三輪車。
国土の95%が砂漠というエジプト、つまり僅か5%のナイル川沿い地域(といっても、ほぼカイロに集中)に9千万人が暮らしているのですから、人の多さは推して知るべし。そして多くの人が英語を解します。
 アパートの近くには多くの小売商が軒を並べ、でもその中には西洋並みのレストランもあり、さらに市内には、IKEAも、フランスのカルフールも、果てはH&Mもマックもケンタッキーもあるのです。つまり、早々にここでの生活は何とかなるんじゃないかと見積もって良いだろうというのが第一印象。
 後は早いとこ金土が週末という曜日の感覚と、朝から気持ちよさそうに大音響のマイクで歌い上げるコーランに慣れることでしょうか。
 これからエジプト生活が始まります。どんな暮らしになるのでしょう。

2017年2月28日火曜日

ローマを離れる二日前

 明後日の朝、ローマを離れます。
 先週は、金曜日にダンボール30箱を船便で送るため引越し業者により集荷、これでようやく明けても暮れてもパッキングの日々から解放されたと思ったのもつかの間、月曜朝の退居に向けて土日ぶっとおしでアパートの大掃除に追われました。
 まあ人生50数年の中で、これだけ掃除したこともなかったなというくらい、そして、二度とやりたくないと思うくらい掃除しましたよ。しかしあれですな、掃除はケミカル用品に頼るのがミソですな。4年間の汚れも科学の力で難なく綺麗に回復しますから。苦労の甲斐あって大家さんはニコニコ、敷金も全部返してくれましたとさ。ただし、こちらはもう心身ともにぐったりなんですけど。
 そんなわけで無事アパートを引き払った後は、事務所から徒歩圏内のホテルに投宿。出発前々日のディナーは、会社の帰り道にホテルのすぐ近くのトラットリアにふらっと入って、お一人様を楽しみました。
 生ビールで喉を潤した後、前菜は水牛のモッツァレラと生ハム(プロシュート)。オリーブオイルとコショウをかけていただきます。 素朴だが実に旨い。
  そしてメインにはムール貝、あさり、海老、イカがたっぷり入った海鮮スパゲッティ(スコーリオ)。ローマ最後の思い出になりそうな食事は、奇をてらうことなくイタリアンの王道メニューにしたっていうことです。初老のご夫婦が家族経営する名前すら知らないお店でしたが、お味の方はモルト・ブオーノ。
 そういえば、事務所の裏庭では、アーモンドの樹が桜そっくりの花を満開に咲かせています。これが咲くとローマに春が来たことを実感するのが毎年の恒例でしたけど、今年ばかりは、あたかも日本の桜の様に、ローマからの卒業と、新天地への旅立ちを祝ってくれているようで、少し切ない気分になります。
次回の投稿は、カイロからの初エントリとなるでしょう。

2017年2月19日日曜日

任期最後のスタジアム観戦

 ローマ勤務中で最後となるスタジアム観戦に行ってきました。もちろん、我らがASローマ戦。相手はトリノ。落とせない一戦です。
今夜のローマは冷え込みました。でも、赤と黄色に身を包んだローマニスタたちは、寒さなんかに負けません。試合開始直前のスタメン紹介に続いて、ローマローマを合唱すれば、その時点で気持ちは既に充分に高ぶっています。
 試合は、開始10分、右足を振り抜いたジェコの今季19ゴール目が鮮やかにネットを揺らしたかと思えば、17分にはサラーがこれに続く。後半開始後の中だるみした雰囲気を、地を這うようなロングシュートで観客の目を覚ませてくれたのは、パレデス。そして後半35分過ぎに満を持して登場した我らが王子、トッティの絶妙なアシストから、ラジャ・ナインゴランがアディショナル・タイムにダメ押しの4点目。苦戦が予想されたトリノ戦を、結果的には4-1で圧倒したのでした。それにしても、このところのジェコとナインゴランのプレーは、まさにキレッキレ。
 さて、ほぼ4年を過ごしたローマ。振り返れば生活の中心にはASローマがいました。郷に入れば~という言葉どおり、ローマで楽しく幸せに暮らすコツがあるとすれば、その一つは間違いなくASローマ・ファン、すなわちローマニスタになってしまうことです。
 東洋人だろうとなんだろうと、赤と黄色のマフラーを巻いて観戦する者は皆同じ。応援するチームを常に愛し、開けても暮れてもサッカーの話をすれば皆友達になれるのです。なにより、自分自身もこの上なく楽しいのです。
 そんな充実した沢山の時間をくれたASローマには、感謝の気持ちしかありません。転勤しても、これから先も、ずっと応援しています。フォルツァ・ローマ!

2017年2月9日木曜日

ついに見た、見てきた

 「待てばカイロの日よりあり」。ことわざを信じて、生きている間に一度でいいから、いつの日かカイロを訪れ、ピラミッドとスフィンクスをこの目で見てやるのだ。これまで数十年にわたり、そう願い続けてきました。そして、ついにその時が訪れた訳です。
 来月はじめの転勤を前に、現地で行われた会議に出席するためカイロに3泊、出張してきたのです。そして見ましたよ。ギザの3大ピラミッドとスフィンクス。
 ああ、あまりの感動に立ちすくむ私。そして、シャッターを押すだけでチップをねだる邪魔くさい連中のことも全く気になりませんでしたよ。
 詳しくは、現地に赴任した後に、ひとつずつ拙ブログで紹介していくことにしましょう。まずは感激が冷めやらぬうちに。

にしても、わずか10kmの移動に車で1時間半もかかるカイロ中心街の大渋滞、そしてナイル河に沿って発生する朝靄と車の排ガスと砂埃の混じった空気の悪さ。きちんと洗礼も浴びてきた気分です。
 冒頭のことわざにいうカイロは実は「海路」のことで、これまた数十年にわたって勘違いをしていた無学なオジさんでした。