2017年4月8日土曜日

猫がいる日常

 アパートに入ったその日から、猫がそばにいる暮らしが始まりました。
 古代エジプトでは、猫をライオンに見立てて崇拝し、バステト女神として神格化していた訳ですから、エジプト人の猫好きは数千年前からということになりましょう。象形文字にもたびたび猫が登場しますね。

  さらに、イスラム教においても、猫をこよなく愛でた預言者ムハンマドが「猫への愛は信仰の一側面だ」と言い放ったことから、人々は猫を大切な生き物として扱うようになったとか。猫は信仰上も汚れなき綺麗なものとされていて、それが故にモスクへの侵入も許されているのだそうです。それに対して豚や犬は汚れたものとされていて、だから不浄な豚肉は決して食べないし、イラクなどでは犬を飼っただけでムチ打ちの刑に処されるんだとか。
 エジプトから海を渡ってヨーロッパに伝わったとされる猫は、伝染病を媒介するネズミ対策としてもたいそう重宝され、家のペットとして広く根づくことになるわけです。

 さて、我が家の猫たち。
 もちろん野良です。上述の次第から近所にはいたるところに野良なのか飼われているのか分からない猫たちがうじゃうじゃいるのですけど、主に我が家をテリトリーとしているのは黒トラと茶トラの2匹。私が仕事から帰って来ると、どこからともなく現れて、足にまとわりついてきては、餌をねだります。 
 郷に入ればなんとかと言いますので、ここはイスラムの教えに従って、私も猫を邪険にしないことにしました。ま、もともと猫好きなんですけどね。
 多い時にはこの2匹に加えてさらに2~3匹が、植込みやフェンスの向こうから、わらわらと湧いてきます。ときには、身体が他の猫よりもふた回りほど大きくて人相(猫相)の悪いボスキャラふうの黒ブチも現れ、遠巻きに若い猫たちを威圧していたりします。
 「猫缶はけっこう高いので、今日もカリカリだよ」と声をかけても、フガフガと食べるのに忙しくて、聞こえないみたいです。それとも日本語が通じてないだけなのか。

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