2015年9月29日火曜日

1/8 HONDA CB72(その14)

 シートに着手しました。
 ストッパー付のシングル・シートはデザイン的に捨てがたいところですけど、スクラッチしなくちゃならないのがちと辛い。そこで、先ずはキットのノーマル・シートが使い物になるかどうか、検証します。
 座面のシボ加工は評価できても、表面のベルトも一体、サイドにぐるりと回した金属のモールも全て一体。全体に直線的で角ばっています。ということで、このままではちょっと使えません。

 ベルトとモールを全て削り落として、代わりに掘り込みを施すためのガイド線を油性ペンで引きました。

 スジ堀りナイフなどという文明の利器は持ち合わせがないので、普通のカッターで「V」溝を掘った後に、丸棒ヤスリの先端で仕上げました。まあ何とかなるのです。堀った溝に合わせて、柔らかめの針金を埋め込んでいきます。瞬間接着剤を溝に流し込んでおいて、少しずつ進めました。

 針金の接着も、何とかなりました。
 次いで、ベルトは家内からくすねた手芸用の布テープ(裏がツルツルに加工してある素材なので、接着し易く、ほつれない優れもの)を使い、留め金具は0.5mmアルミ板から切り出しました。シートへの取り付けは、1mmプラ棒でリベット留めにします。
 ぐっと雰囲気が出てきました。でも、まだ何となく固い、プラスチッキーな印象が拭えません。よく見れば、座面とサイドの境目が、単なる段差になっているだけでした。ここはパイピングのトリムのはずです。

 パイプの幅を残して、削り込んでいきます。ついでに、ベルトが被さる部分を少し凹ませたり、座面の角が柔らかいカーブになるよう削りました。

 あらためてベルトを通してみました。全体にふっくらとした印象に変わり、思わず跨ってみたくなるシートに変身したと思うのですが、どうでしょう。
 さて、何色に塗装しようか思案しています。赤も良いですね。針金の部分は、塗料がのってしまっても、ナイフでこりこりと塗料を削り落としてあげれば金属の肌が現れてくるという寸法です。

2015年9月26日土曜日

1/8 HONDA CB72(その13)

 マフラー工作の続きです。
 サフを吹く前に、ステーを取り付けます。エキパイの左右への開き方を考えながら、ステップ・プレートの端から吊るす形です。

 肝心なのは、左右のマフラーエンドの高さと開く角度が揃うこと。マスキングテープで仮どめしつつ、現場合わせで何度も微調整をしました。

 斜め前から。エキパイが太く、逞しい印象です。

 今回、ブラックサフを購入したので、早速使ってみました。ぐっと引き締まった印象に変わり、ブラック仕上げも悪くないなぁと思えてきます。

 この角度から見ると、打って変わってスリムに見えます。CRレーサーをほうふつとさせる雰囲気すらありますね。シンプルな造形が美しい。

2015年9月24日木曜日

SKYチャンネルでスポーツ中継を満喫

 仕事がやたらと忙しく、プラモの方は進捗がありません。
 さて、サッカー・ワールドカップの中継見たさに有料視聴を始めたSKYチャンネル。これがもう大正解で、サッカー(セリエA、ブンデスリーグ、リーガ・エスパニョーラ)、ゴルフ、テニス、バレーボール、大リーグ、WWEプロレス、自転車、スヌーカー、ダーツ、フィッシングとまあ毎日チャンネル選択に困るくらい、プログラムが満載なのです。
 中でも、モーター・スポーツの中継は、その質・量ともに今がまさに人生最大レベル。四輪はF1、FE、ルマン、WRCからフェラーリやポルシェのワンメイク・レースも、二輪はmotoGP~moto3、スーパーバイク、モトクロス、マン島TTまでカバーしてくれている上、ローソンやガードナーなどレジェンド・ライダーの特番も。
 先週末は、Bol d'or24時間耐久レースを、何と24時間ぶっとおしでLIVE中継。これにはたまげました。
  優勝したのは、KAWASAKI。耐久レースにカワサキが強い理由は、その乗り易さだという解説が印象的でした。
 
 そして、表彰台に上った中でも、マシンの美しさで他を圧倒していたのがアニバーサリー・カラーのYAMAHA。これを見てカッコ良いと思わない男の子はいませんね。

2015年9月21日月曜日

1/8 HONDA CB72(その12)

 マフラーの工作です。
 ノーマルのマフラーは、膨張部にたっぷりと容量を持たせたモナカ・タイプの貼り合わせもの。CB72の特徴の一つであることは勿論わかっています。でもオジさんは、このぼってりした形がどうしても好きにはなれません。かといって、丁度良い具合にラッパ状に広がったプラパイプが手元にある訳もなく、どうしようかとしばし悩みました。

 ものは試しと、プラパイプに、こんなふうに切り込みを入れました。パイプはエバーグリーン社の外径7.9mm。材質が柔らかくて、とても工作し易いので、気に入ってます。

 たっぷり接着剤をつけ、マスキングテープをきつ~く巻き付け、更にクリップでガッチリ固定して充分乾燥させます。

 まあ、出来るもんだと。繋ぎ目の中間にひと回り細いパイプを挟んで、強度を確保しています。

 あてがってみました。
 ちょっと細すぎるでしょうか。ちょっと短すぎるでしょうか。本当はもう少しだけ排気口の角度を上向きに跳ね上げたいところではありますが、それでは今ふうになってしまいます。敢えて水平に近い方が、時代考証に適っているのかなとも思うのです。 

2015年9月19日土曜日

1/8 HONDA CB72(その11)

 前回工作の様子をお伝えしたステップ周りを、フレームに取り付けました。
 ブレーキペダルは、踏み込む部分の縁を落とすなどして、使い込んだ感じにしてみました。

 こちらはシフト側。延長したリンケージの辻褄合わせも上手くいったようです。

 いつの間にかフロント・ユニットを仕上げて、自立に漕ぎつけています。ポッキリ折れたフェンダー・ステーは、修復して塗装している間に再び折れました。でも負けない。強い心でもう一度接着。
 黒とシルバーの2色だけなのに、カッコ良いです。本来、バイクとはそういうものですけどね。シンプルな造形のツィン・エンジン、前後大径のブレーキディスク、そしてワイヤースポーク。機能がもたらす美しさなのでしょう。

 外装の工作に着手する段階に来たようです。
 とりあえずフューエルタンクとノーマル・シートを眺めています。もちろん、キットのダサいシートをそのまま採用することは、最初から想定していません。

 シートエンドが跳ね上がり、ストッパーになっているこのタイプに加工できないか、検討してみることにします。これって、純正のオプションですよね?

2015年9月17日木曜日

観た、興奮した、応援した(ローマvsバルサ)

 行って来ました。欧州CL予選リーグ初戦、ASローマvsFCバルセロナ。結果から言えば、ホームの大声援を背に受けたローマが大健闘、1-1のドローで貴重な勝ち点をゲット。惨敗を覚悟していたローマ・ファンにとっては最高の結果と言えるでしょう。

 チケットを握りしめ、せっかちにも試合開始3時間前くらいにスタジアムに到着。道路の大渋滞を避けるためで、実は会社を早退させてもらっちゃいました。先ずは、スタジアムに入る前にオフィシャル・ショップで記念のマフラーを購入。12ユーロで気分高揚を図ります。
 
  スタジアムの座席には、3つのブロックに分けてローマのチームカラーである赤、黄色、白の小旗が用意されていました。選手入場を前に、もうワクワクが抑えられません。喉もカラカラです。しか~し、今日はサポーターの過熱防止のため何とビールの販売は禁止ですと売り子のお嬢さんに言われて、おじさんガッカリ。欧州CLの最大スポンサーがハイネケンだというのにね。
 スクリーンでやおら始まった出場選手の紹介でスタンドは一気に最高潮、スタジアムを埋め尽くした7万人のローマニスタたちによるチームソングの大合唱。ローマ、ローマローマ~♪
 対するバルサのサポーターは、コーナーのほんの一郭で警備員にがっちり取り囲まれて、こじんまりと応援。その人数比500対1くらいか。

 選手入場。テレビでよく見る光景が目の前で行われているというのに、イマイチ現実感がありません。ぼーっと、のぼせちゃってるみたいな感覚。

  でも、試合が始まればそこはもう一瞬を見逃すまいと、目を皿にしてゲームを追いかけました。これは前半のメッシがフリーキックを狙う場面。

 こちらは後半、ネイマールのコーナーキック。この試合、バルサのボール・ポゼッションは実に前半71%、後半72%に達しました。ま~よく守り切ったもんだ。
夢見心地の90分があっという間に過ぎてみれば、例えて言うなら有名なサーカス団のショーのような上質のスペクタクルを見終えたときに抱くであろう、心地よい高揚感が残っていました。バルサの選手たち、素晴らしいサッカーを見せてくれてありがとう。ローマの選手たち、GJ。今シーズンはますます期待を膨らませて応援するよ。

2015年9月14日月曜日

どっちを応援?世紀の一戦を目撃せよ!

 明後日16日の夜、我らがASローマは、欧州CL予選リーグの初戦に、なんとあのFCバルセロナをスタジオ・オリンピコで迎え撃ちます。もちろん、お安くないチケットを速攻でゲットしました(それでも、スタンドのかなり上の方)。
ご存知メッシ、スアレス、ネイマールのフォワード陣の3人は、リーガ・エスパニョーラで昨シーズン合計100得点を超える世界最強の破壊力。イニエスタ、ラキティッチ、マスケラーノ、ピケといったそうそうたるメンバーの名前を思い浮かべただけでも、ワクワク、ドキドキが留まるところを知りません。
 よもや全盛期の生メッシをこの目で見ることができるチャンスが訪れようとは。ああ、日頃にわかローマニスタを自称する私は、いったいどちらの応援をすれば良いというのでしょう。バルサのユニフォームの上からローマのマフラーを巻いても、熱狂的なローマニスタ達はきっと許してくれないと思います(でも、本音ではみんな同じ気持ちなんじゃないの?)。
 ローマに勝利を期待するのは酷な注文というものでしょう。それでも、メッシの芸術的なシュートと同じくらい、セリエAで今季好調なローマがバルサからゴールを奪うシーンも見てみたい。だから、精一杯応援することにします(で、どっちを?)。

2015年9月13日日曜日

1/8 HONDA CB72(その10)

 曇天から雨模様の日曜日、横目に見ていたサンマリノGPの結果にがっかりしつつ、折れてしまったフェンダー・ステーはちょっと放っておいて、ステップ周りの工作に進みます。
 ステップのポジションを前、中、後の3つの中から選べるのが、CB72の大きな特徴の一つです。キットは、ノーマル仕様の一番前のポジションに合わせてパーツが作られています。今回の作品では、真ん中のポジションを選択し、タンデム・ステップはオミットすることにします。
 そのためには、シフト・リンケージを延長する必要があるので、一体形成のリンケージを切断して、代わりに1mmプラ棒を使うことにしました。

 ステップ位置を変更すると、チェンジペダルの取り付け角度も変わるので、要注意です。キット部品のままでは、半月形の穴の角度が違うので、ペダルがとんでもなく上を向いてしまうのです。
 チェンジペダルそのものも、細く加工しました。また、結果的に空き家になった前と後ろのステップ取り付け箇所には、実車と同じようにズレ防止のためのギザギザを掘り込んでおきました。実は、個人的にここがツボだったりします。

 ブレーキ側は、もう少し複雑です。
 ケーブルを引っ張るところがキット部品ではインチキな構造になっていましたので、ゴムノパイプなどを用いて、少しでも本物に近づけるよう工夫しました。本当は、ストップランプのスイッチ・ワイヤーもあったりするのですけど、限界です。

2015年9月11日金曜日

1/8 HONDA CB72(その9)

 工作は、フロント・セクションに進みます。
 トップブリッジも、そして全部が一体形成でバリだらけのハンドルも、落ちないピカピカメッキが目にも眩しい。くらくらします。

 仕方がないので、ナイフの先っちょでコリコリとメッキを削り落としました。サフを吹いて、ようやく形がはっきり見えるようになった段階に来て、スイッチ類が何も付いていないことが分かりました。急きょ、細かいプラ板をそれらしく貼り付けました。

 で、塗装してみたのがこの図。くれぐれも拡大で閲覧しないようにお願いします。バーハンドルにはメタルックを貼り、手抜きながらもまあなんとか見られるくらいにはなったでしょうか。よしよし。

 などとホクホクしていると、やってしまいました。
 フェンダー・ステーの1本が途中から見事にポッキリ。あ~あ、どうしましょう。解決策が浮かびません。

2015年9月7日月曜日

1/8 HONDA CB72(その8)

 フレームにリア・ユニットを組み込み、エンジンが吊り下がりました。センタースタンドと後輪だけで自立しています。やはり、リッタークラスのバイクに比べると、フレーム、エンジン回り共に非常にスリムです。
 リアサスのスイングアームへの取り付け金具をコの字に加工したり、チェーンプラーを作り直したり、トルクロッドを細く加工したりと、目につきやすいディーテイルには、なるべく深追いしすぎない程度に手を入れてあります。
 そういえば、フレームや外装の塗色は、ブラックにしました。

 仮組みを何度か重ねて調整した結果、リアホイールはきちんとセンターに収まり、歪みやグラつきもありません。スイングアームを薄く削った分だけ、左側ハブ(ブレーキ側)とスイングアームの間に、2mm厚のスペーサーをかませてあるのです。実は古いキットには、後輪が真っ直ぐにならず、かつ、センターが出ないものが多いので厄介なのです。
 リアサスもほぼ垂直に取り付いており、まあよしとしましょう。

2015年9月5日土曜日

1/8 HONDA CB72(その7)

 ようやっと数時間まとめて作業に集中する時間が取れる週末、スポーク張りを終えました。
 先ずは、リムとハブをそれぞれ仕上げてしまいます。ハブ側スポーク穴の外側、角を少し削ってテーパーさせておくと、スポークを無理なく通せます。

 プラ板で簡単な治具を作り、外側のスポークから通していきます。
 真鍮線の先端をリムに通してからハブの穴にひっかけ、瞬着をつけたニップルをリム当たるまでスライドさせるのです。いつも、これと全く同じ工程です。

 すべてのスポークを通し終えたところ。ニップルも塗装しておきましょう。

 ホイール径もリム幅も同じなのに、タイヤのサイズで前後の大きさがこんなに異なります。タイヤのパターンは、前輪がほぼ縦溝だけ、後輪はブロックに近いもの。こういうパターンでないと、クラシックなモデルは雰囲気が出ませんね。

2015年9月3日木曜日

エンブレムとかロゴが気になる

 東京オリンピックのエンブレム問題で大騒ぎですね。
 エンブレムやロゴマークは、とにかくひと目で覚えられるオリジナリティが際立ってないといけませんね。そんな目で周囲を見回してみると、イタリアものにはちょっと気になる共通点が。。。動物があしらわれているものが多いのですが、何だかワタシ的にツボだったりします。

 これは、拙ブログで何度も紹介しているASローマのチーム・ロゴ。狼の乳を飲む双子は、ローマ市の紋章にもなっているローマ建国伝説のロムルスとレムスの兄弟。

 狼つながりということで、イタリアの古いスーパーカー・メーカーとして知られるCIZETA。こちらはASローマと同じ伝説の狼を採用しているらしい。でも何故か目の形が異なる3匹。

 さらに狼だとばっかり思っていたのにそうじゃなかったのは、ガソリンスタンドのAGIP。実はこれ、犬なんだそうです。6本の脚は、車の4輪+運転手の足2本を加えて6本。AGIPのガソリンを入れると、火を吐くほど速くなるんだって。私のトヨタはいつもAGIPで給油してますけど、特に速くなった実感はありません。

 ちょっと面白くなってきたところで、誰でも知っている跳ね馬。なんでも、ドイツの飛行機を撃ち落としたパイロットが自身の飛行機に貼っていた紋章で、しかも撃ち落とされた方のドイツの飛行機にもよく似た紋章がついていて、それがポルシェだと。ほんまかいな。

 そのフェラーリからバカにされたのがあまりに悔しかったので、耕運機メーカーだった自分の会社でスーパーカーを作ってしまった創業者フェルッチオ。田舎のおっさんらしく、フェラーリの馬に対抗して、もっと強そうな猛牛をシンボルにしたのは有名な話。

 老舗のバイク・メーカーCAGIVAは、象のマークが可愛らしい。象が採用された由来は調べがつきませんでした。ただ、社名は3人の創業者Castiglioni、Giovanni、Vareseの頭文字をとったらしい。あ、そういえばBIMOTAも、Bianchi、Morri、Tamburiniの3人の名前からとっているけど、最初は空調設備会社だったとか。

 再び誰でも知ってるアルファロメオ。赤の十字はミラノ市の紋章、王冠を被った蛇はミラノを治めていたヴィスコンティ家の紋章というのが通説。面白いのはこの蛇で、なんと、その口に少年を咥え、今にも呑みこまんとしています。これには諸説あるようで、有力なのは、ミラノの森に棲み市民から恐れられていた人食い竜が、まさに子どもを捕えて食べようとしていたところを、ヴィスコンティ家の創始者が退治したんだそうじゃ。5世紀の話じゃよ。めでたし、めでたし。

 最後はアバルト。創業者カルロ・アバルトの誕生月の星座がサソリ座という単純な由来。まあでも、レースでは、小さくてもその猛毒で大きな獲物を仕留めるっつうイメージは確かにありますわな。