2020年1月22日水曜日

エジプトで歯医者を初体験

 ついさっき、歯医者に行ってきた。というか、行かざるを得なかった。エジプトで歯医者のお世話にはなりたくないなぁと、かねがね不安に思っていたので、ドキドキでした。
 年末に一時帰国した際、グラグラしている下の前歯をきちんと治す時間がなかったもんだから、応急処置として両隣の歯に歯科用接着剤で固定してもらったんです。でも、ひと月で取れてしまった。まともに物を食べることすらできない。一日中、気になってしょうがない。
 日本のお医者さんからは、「この歯はすでにだめですね。残しておいても良いことが一つもないので、本来なら抜いてしまって、部分入れ歯でしょう。でも、その時間はありませんね。とりあえず接着しますけど、いつ取れてもおかしくないし、いつ抜けてもおかしくないので、覚悟しといてね。」と言われていたのです。
 さて、実は、古代エジプトは歯科では先進国だったようなのです。なんと今から4500年以上前のサッカラ(階段ピラミッドが有名)の墓から出土した杉の木には、ヒエログリフで歯医者と読める記述が発見されているし、さらに3500年前になると、パピルスに書かれた記録に歯磨き粉が登場します。
古代エジプト人は何かと凄かったことがここでも証明されるわけですが、だからと言って現代のエジプト人が同じくらい優秀かというと、ことごとくその期待を裏切られることが多い。なので、どうせエジプトの歯医者も、衛生面、技術面、機材のいずれをとっても怪しいもんだと、勝手に想像していました。
 しかしながら、冒頭の次第から、止むを得ず近所の歯医者を訪ねたのです。何人かの同僚も治療したことがあるという歯医者。たまたまキャンセルが出たとかで、すぐに診てもらえたのはラッキーです。
 行ってみて、びっくりしました。今日は教授先生はいなかったので、エジプト人の若い女医さんが対応してくれたんですけど、女医さんも、歯科衛生士のお姉さんたちも、みんな留学経験があるんだとか。まあ実に流暢な英語を喋ります。機材は全てドイツ製。X線撮影に至っては、練馬区の歯医者でも導入していなかった3D撮影で、治療箇所の骨の密度まで測定できる優れもの。消毒などの衛生状態も完璧で、こんなことならもっと早く来れば良かったと、いい意味で裏切られました。
 今日はとりあえず、取れてしまった接着剤の残骸を削って、ガッチリと接着し直してもらいました。で、X線の写真を見ながら来週また教授先生と、インプラントの可能性を念頭に今後の相談をしましょうということに。因みに今日の治療費、1万5千円くらいでした。お値段も立派です。

0 件のコメント: