2020年1月12日日曜日

オジさんはいまだにウルトラマンが好き

「親父、スマホのケースはファッションではあるけど、今や身だしなみでもあるんだよ。」
「どゆこと?」
「電車の中とかで人が身につけている時計や鞄を見るだろ。スマホケースもあれと同じさ。値踏みされるってこと」
 つまり、あんまり安っぽいものをつけてるのは恥ずかしいことなんだと。
 営業職でもない息子のそんな口車に、ホンマかいなと猜疑心を抱きつつも、日本の今どきの世情に疎い私は、コロッと信じちゃうんです。こりゃ、将来はオレオレ詐欺にひっかかるタイプだな。
 売り上げの一部がエイズ基金かなんかに寄付されるっていうんで、ほんのちょっとだけ善いことしたような気分になれるプロダクション・レッドのiPhoneを購入した私は、せっかくの綺麗な赤が隠れちゃうのは勿体ないと思って、どこぞのクリアケースを被せていたんです。お値段1000円。それを息子にあざとく見咎められたのが癪に触って、「ふ〜ん。そんなもんかねぇ」とうそぶきながらも、スマホケース売り場を目にするたびにちょっと気にして見ていたわけです。
 で、見つけてしまいました。手触りの良いマテリアルに、うっすらとピグモンのシルエットが描かれています。ユニケースというブランドの製品ですが、他にもバルタン星人やブースカの柄もあってかなり迷ったんですけど、やっぱり赤が良いのでこれにしました。2500円くらいだったかな。よく見れば、パッケージには円谷プロ承認済のステッカーが貼ってありました。こりゃ、パチもんじゃない証。
息子にこれどうよと質すと、「良い」と言う。1000円が2500円になったからといって、たちまち人の見る目が変わるとは思えないが、まあ良い。そんなことより、この控え目なピグモン柄がいたく気に入ったのでした。所有することの喜びを感じるという観点からは、コスパに優れた良品ということなんだろう。そしてやっぱり男の子は、何歳になっても、こんなオジさんになっても、ウルトラマンが大好きなんだということが身をもって確認できました。
 早速、このケースを付けて電車に何度も乗ってみた。
 私もそうですけど、誰も他人のスマホケースなんて、ちっとも気にしませんね。

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