昨日と今日は、イスラーム教の5行の一つであるハッジ(大巡礼)です。世界中からおびただしい数の教徒が、サウジアラビアのメッカを目指し、聖地で巡礼の儀式を行います。
モスク中心の四角い建物(中には何もありません)の周りを、反時計回りに練り歩くだけでなく、郊外の砂漠で行う故事の疑似体験などもするそうです。
このハッジですが、航空機、ホテルといった旅行業界を中心に、サウジアラビアに莫大な収入をもたらす一方で、将棋倒しになって多数の巡礼者が亡くなるなどの事故も頻発することから、サウジアラビア政府は巡礼者の数を制限するために、巡礼ツアーの料金を高額に設定しています。エジプトからの巡礼ツアーには、ひとり100万円近い料金を払わなければなりません。エジプト人の平均月収は2~3万円くらいですから、どれだけのことか想像いただけると思います。
ムスリムにとってハッジは、まさに一生に一度のこと。私の運転手を務めてくれているおじさんに尋ねたところ、家や車を買うよりも優先したい夢なのだそうです。エジプト政府も、労働法に雇用主は、従業員が生涯に一度ハッジのための特別休暇を申請した場合はこれを認めなければならない」と定めています。
そして、ハッジが終わった明日から3日間は、犠牲祭(イード)です。
神に捧げる生贄として、富める者によって買われた羊などの動物が大量にさばかれ、貧しい者たちと分かち合うのです。これも5行の一つである「喜捨」の教え。
ハッジも犠牲祭も関係ない私は、お盆休みとも被る真夏の連休に、ゴルフをしたり家でのんびりしたりするわけです。テロのリスクが懸念される宗教施設や繁華街には近づきません。これは、神でも預言者でもなく、日本の外務省のありがたい教え。
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