多分あと2日でラマダンが明けます。多分と書いたのは、月の満ち欠けを見て長老が決めるから、直前までその日を確定することができないという、ずいぶんと牧歌的な習慣によっているからなのです。でも、エジプトでは3大ピラミッドが建てられた4000年前には、少なくとも設計者は既に天文学に精通していたと考えられるというのに、現代でもなお、科学的な計算ではなく目に見える月の満ち欠けを尊重するというのは、実に素朴というか、ある意味で合理的でない感じもします。
さて、なぜ月の満ち欠けなのかと言うと、イスラームの暦がヒジュラ暦という、いわゆる太陰暦によっているからに他なりません。
イスラームの世界では年に2回の大きなお祭りがあります。断食をするヒジュラ暦第9月のラマダン月に続く、シャッワール月の1日から3日までがイード・アルフィトル(断食明けの祭り)と呼ばれます。
ムスリムたちがイードの祭りに何をするかというと、まあ断食が明けたっつうんで、要は仕事は休んで朝から好きなだけ飲み食いするわけです。ラマダンの約ひと月の間、夜中に何回も食事をするという偏った生活リズムの後に、今度は時間を問わずに思い切り食べるわけですから、余り健康的とは思えないんですけど、2千年近く続いている習慣というか、それが彼らのルールなので、変えようがない。
で、ムスリムでない私達には全然関係ないのですが、現地スタッフがみんな仕事を休んでしまうので、会社も当然休みになる。なので、連日40度近い(超える日も)中で、わざわざ無駄遣いしたくもないから、せっせとゴルフでもするかと。
とは言え、我々日本人は、日本でも各地で様々な神様などに因んだお祭りを行いますが、大きなお祭りほど商業的になりすぎてしまって、個々のお祭りの起源や云われまでに関心を持とうとする人は、それほど多くないような気がします。そういった意味では、ムスリムにとってのイードや、キリスト教徒にとってのイースターやクリスマスは、純粋なものと言えるのかもしれません。
因みに、イスラームのもう一つのお祭りは、ハッジと呼ばれるメッカ大巡礼(今年は8月)に合わせて行われるイード・アルアドハー(犠牲祭)がそれにあたります。犠牲祭については、またその時期にご紹介することにしましょう。
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