2019年6月3日月曜日

草木に寄せる思い

 今、カイロの街中そこらじゅうに、鳳凰樹が真っ赤な花を咲かせています。砂の薄茶色とコンクリートの灰色しかない景色に、天から赤の絵の具をまき散らしたような、それは見事なものです。
仕事で外出した車の中から鳳凰樹の並木を見つつの、エジプト人同僚との会話。
私 「いやあ、実にきれいだねぇ」
エ 「そうですね」
私 「この樹、アラビア語だと何ていう名前?」
エ 「え、知りません」
私 「そうなの? これだけ街中で毎年咲くのに?」
エ 「はい。すみません」
私 「いや、別にいいんだけど。。。でも、エジプト人の間で、『ああ、またこの赤い花が咲く季節になったんだねぇ』とかいう会話になるんじゃないの?」
エ 「なりませんね」
私 「そうなんだ。。。」

 日本人は、桜の花に特別な思いがありますよね。
 散り行く花びらには卒業や別れを重ね、あるいは満開に咲く花には入学、就職といった新しいステージの門出を重ねる。美しい花を愛でるという以上の意味や、思い入れを、誰に教わるともなく心に持っています。日本人特有の精神文化であり、誇って良いものなんだと、あらためて思います。
 そういや、もう何年も花見してないなぁ。

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