2014年7月22日火曜日

夏の夜の不思議なプラモ話

 つい先日のこと。
 静かな週末の夕刻、工作机に向かって、いつものようにチマチマとプラモを作っておりました。フロントフォークの工作の途中で、さっきまで目の前にあった大きさ1cmほどのパーツが、工作マットの上に見当たりません。工具や塗料などをどけてみても机の上にはありません。こりゃまた床に落としたかと、椅子をどけてしばし探しますが、ありません。リング状のパーツだったので、思いのほか遠くまでころころと転がってしまったかと、机の周辺のカバンやらをどかし、はたまたベッドの下やらをくまなく探したものの、見つかりません。吸い殻の入ったゴミ箱の中を、手を汚しながら掻き分けてみても、ありません。
 はは~ん、これはあれだ、反対の手に持っているモノを探してみたり、頭の上に乗せたことを忘れて眼鏡を探してみたりする、あれだ。過去に学習した「灯台下暗し」的なポカを思い出した私は、捜索の間に二度三度と、机の上を確認することを怠りませんでした。が、ありません。
 どれくらい探したでしょう。15分か20分か。もういい加減いやになって、仕方がない、なくなったのなら作ればいいや。そう気持ちを切り替えて机に向かった私の目の前、工作マットの真ん中に、お目当てのパーツがちょこんと乗っかっていました。
 細君にこのことを話すと、「からかわれたのよ」と。誰に?
 日本だったら、座敷童の仕業だとすぐに連想したでしょう。でもここはイタリア。さすがにこんな遠くまでは来ないのではないか。言葉も違うし。さすれば悪戯な天使か、それとも小さいおじさんか。そういえば小さいおじさんは、妖精の類だと聞いたことがあります。西洋には、様々な呼び名の妖精がいることは、数ある書物が物語っています。
 からかわれた。その割には、腹が立つこともありません。むしろ、夏の夜にぴったりな、ちょっと不思議な体験を楽しむ私がいるのでした。

4 件のコメント:

迷走 さんのコメント...

若い頃の私なら自分の記憶を信じて疑う事を知らずに猪突猛進出来ました。ですが、最近は都合の悪い事は忘れ、益のあることばかり憶えている様です。さて、それはそれ、日本では妖怪、そちらでは妖精と言うのでしょうか。人が人を騙すのとは異なり、何とも可愛いイタズラですね。

ラグにゃん さんのコメント...

これは有りますね〜。
次の日に見ると出て来たりとか、有り得ない所にあったりして。

やはり小人さんがいるんでしょうね。

みやっち さんのコメント...

>迷走さん
歳を重ねるというのは、そういうことなのかもしれませんね。世の中こんな可愛い悪戯ばかりなら、もう少し心穏やかに過ごせるのかもしれません。

みやっち さんのコメント...

>ラグにゃんさん
でしょ~。これはプラモあるあるなんでしょうけど、それはたぶんプラモに戯れて童心に帰っている大人のところにも、来てくれるんじゃないかと思っているのですよ。