冬時間となった30日の朝、またまたイタリア中部は大きな地震に見舞われました。ペルージャ県ノルチャ村で負傷者20名を出したM6.6の地震は、ローマでもかなり強い(おそらく震度3ないし4)揺れを感じたそうです。
「そうです」と他人事のように言ったのは、実はこの日、モンタルチーノのワイン祭りに早朝から出かけ、地震発生の時間はツアーバスの中でしたので、感じることはありませんでした。
さて、地震のことは心配なのですが、心配ばかりしていても暗くなりますので、ワイン祭りのお話をしましょう。
ローマからフィレンツェに向かう高速を途中で降り、一般道でシエナ方面へと向かうと、モンテプルチャーノなどの村を通過して約2時間半で、小高い丘の上にあるモンタルチーノ村に到着しました。トスカーナ地方のど真ん中、村の周辺は、こんなブドウ畑が延々と続く丘陵地帯です。
ブドウはとうに収穫を終え、この時期は枝に残った葉が黄色く色づいて大地を明るく染め、息を飲む美しさです。
モンタルチーノ村の城壁の入口。手前に停めたバスから歩いてアプローチします。
村の入口では、キアニーナ牛と老人たちが迎えてくれました。
村の目抜き通りでは、中世の衣装をまとった一団が、鳴り物と共にちょうど行進しているところでした。
この伝統のお祭りは、正確には「(鳥の)ツグミ祭り」と呼ばれ、毎年10月の最終日曜日に行われます。60年ほどの歴史を持つとされるこのお祭り、実は中世の時代に、長い猟から村に帰ってきた狩人の夫たちを、村の女たちが収穫物を調理してふるまい、村人みんなでブドウ酒でお祝いしたというのが起源だとか。
さて、村には何軒あるか分からないくらいのエノテカ(酒屋)があります。日よけに書かれた文字のとおり、「ブルネロ・ディ・モンタルチーノ」と「ロッソ・ディ・モンタルチーノ」という2種類の赤ワインが、イタリアではつとに名が知れています。
特に、ブルネロ・ディ・モンタルチーノは、樽の中で4年間たっぷり熟成させてから瓶詰されるワインで、従って今売っているいちばん新しいものは2012年ということになります。せっかくなので、1本だけ買って帰りました。
これは、今が旬のポルチーニ茸(フンギ・ポルチーニ)。ものすごく肉厚の椎茸のようです。焼いてよし、フライにしてよし、スープにしてよしという万能選手。日本ではなかなか生のポルチーニ茸は売っていないようですね。
こちらは、串刺しにした地鶏の若鳥をぐるぐる回しながら炭火で焼くおじさん。
村の広場にはテントが立ち並び、集まった大勢の人々が、ポルチーニ茸、サルシッチャ(ソーセージ)、地鶏、ペコリーノ・チーズなど地元の旬のつまみを食べながら、ワインをじゃんじゃん飲んで、一日中ワイワイと騒ぐわけです。
我がファミリーは敢えて喧騒を避けて、こじゃれたリストランテでお昼をいただきました。
ピチという地元特産の手打ちパスタ、ポルチーニ茸のクリームソースあえ、メインはキアニーナのフィオレンティナ(Tボーン)ステーキ。もちろん、ブルネロ・ディ・モンタルチーノを奮発しました。まあ、たまには良いでしょう。
車が入り込まない村の細い道は、こんなふうに一斉に旗が掲げられ、夕方まで人通りが途切れることはありませんでした。年に一日だけの、村を挙げてのお祭りなのです。
2 件のコメント:
日本でもイタリアの地震が大きく報じられてます。
心配ですが、あまり影響がないようですね。
よかったです。
>YASUさん
ご心配下さり有難うございます。
一連の地震は火山性ではなく、震源地周辺一帯の地盤にボロボロと亀裂(断層)が生じているのだとか。
熊本と同様、沈静化してくれることを願っています。
コメントを投稿