2011年11月23日水曜日

将来のバイクのエンジンを考える

模型製作が思うようにはかどらないばっかりに、日々ない頭で考えていることを書きとめる楽な方へと、つい逃げ込みがちです。

 Parisの街中で石を投げれば、必ずディーゼル車に当たります。D、CDI、TDなど、メーカーによって名称は様々ですが、特に排気量の大きな車種は目にするほとんどがディーゼルです。と、大雑把なことばかり言っても説得力がないので、調べてみました。ここフランスでは、2008年時の新車登録台数の約77%!!を、ディーゼル・エンジンが占めていました。ベンツ、BMWを擁するドイツですら、約44%。これに対して我が日本は、僅か0.1%!!!。

http://www.bosch.co.jp/shared/templates/subwindow-flash.html?src=http://www.bosch.co.jp/jp/diesel/trends/images/graph-01.swf&title=Graph

 欧州の四輪各メーカーは、これまで日本とは全く異なるアプローチでディーゼル・エンジンの開発を推し進めてきました。その結果、ガソリン・エンジンと比較しても出力の点で不満はほぼ解消され、他方で排気中のCOxなどの有害物質を著しく削減することに成功。環境に優しいエンジンと、財布に優しい軽油とのマッチングは、やはり大きな合理性と説得力があり、これほどまでのシェア拡大も頷けます。オヂさん自身、今度欧州で車を買う際は、ディーゼルを選択すると思います。

 良いことずくめのディーゼル・エンジンならば、どうして二輪には採用されないのだろうか。再び調べてみますと、あるんです。ディーゼルのバイクが。英国の老舗ロイヤル・エンフィールド(現在はインドに身売り)が開発したエンフィールド・ロビンという、412cc単気筒モデル。エンジンは、なんと富士重工製。かつて日本にも輸入販売されたようですが、既に生産は終了しているとのこと。それもそのはず、200kgを超える車重に対して、出力は僅かに10hp。こりゃダメだ。ま、それなりに良いところもあって、燃費はリッター70kn超というギネス記録があるようです。


 さて、オヂさんも、アプリリアなど極く一部を除き二輪の世界から2スト・エンジンが姿を消してしまった現実を、いまだどうしても受け入れることが出来ない元バイク乗りの一人です。
 つらつらと将来あり得べきバイクの姿を思い浮かべる場合、SFチックなスクーターがすぐにイメージされますが、やはりバイクには、燃料と空気を吸い込んで、エンジンで燃焼して、マフラーから排気する機械であって欲しい。その機械から生じる動力や熱や振動や音といったファクターが、バイクから失われてしまうのは、余りに淋しい。軽量小型のバイクなら、直噴式の2スト・エンジンで元気よく走りたい。決して、四輪のように、充電池で動く別の乗り物に変わっていって欲しくないと、切に思うのです。

 世界にその技術力を誇る我が日本のメーカーさん、どうかお願いですから、環境に対応した二輪用のディーゼル・エンジンを開発してください。きっとできるはずです。二輪メーカーにヤル気がないのだったら、四輪メーカーだっていいのです。日産は、その昔は日産ディーゼルだったじゃないですか。工業の歴史をひもとけば、2スト・ディーゼルだって開発されたことがあるっていうじゃないですか。
 どうか近未来のバイクが、充電池式だけに集約されてしまわないよう、よろしくお願いしたいと思うのですが、こういうことって、さていったい誰に言えばいいのだろう。

2 件のコメント:

迷走 さんのコメント...

非常に興味深く記事を拝読させていただきました。
ディーゼルエンジンバイク、ぜひ造ってもらいたいものですね。
これまでとは異なる出力特性の面白いバイクが出来そうです。
まずはパリダカあたりのレーサーで性能を実証し、
トップライダーが魅力を語れば市場は自ずとついてくる気がします。
新しい世界の扉、どのメーカーが切り開いてくれるのでしょう。

みやっち さんのコメント...

>迷走さん
我々ぐらいの歳になりますと、バイクに動力性能を
求めなくなりますから、エコで穏やかな乗り味の
ツーリング・モデルを期待したいですね。イメージ
としては、セローのような方向性が好ましい。