12日夜9時、自宅を後にしカイロ空港を飛び立ってから実に26時間余りの旅を終え、ロサンゼルス空港に降り立った。時刻は昼過ぎ、気温は20℃弱といったところか。今まさに、アメリカ西海岸での新たな生活が始まろうという瞬間。とは言え、年男にこの長旅は正直過酷だ。HPは限りなくゼロに近い。
離任前に色々ありすぎたんだ。船便で送る引越し荷物の荷造り、後任との引き継ぎと挨拶回り、送別ゴルフに連日の飲み。そこまでは想定の範囲内。違ったのは、出発1週間前に後任が濃厚接触者になり、後任と接触のあった私が濃厚接種疑いの圏内に。折りしも疲れが溜まってうっすらと風邪気味だったところに感染の可能性が重なり、激弱のメンタルを最高水準で刺激されたもんだから、なんなら微熱と頭痛に見舞われた。フライト前日に不安レベルMAXで受けたPCR検査の結果が出るまでは、本当に生きた心地がしなかった。よもや陽性判定が出るようなことがあれば、自分の赴任が遅れるだけでは済まない。その具体的な影響をシミュレートすることさえ怖かった。心も身体もズタボロ。ゴルフ仲間たちの優しさが身に染みた。
そんなふうに、すったもんだでエジプトを発ったのに比べて、ロス到着時には陰性証明などの審査すらヌルッと素通りできちゃうくらいの緩さで、すっかり拍子抜け。高層オフィスビルが立ち並ぶダウンタウンには、リトル東京と呼ばれる地区があるが、その真ん中にある都ホテルが当面の宿。荷物を部屋に放り込んで、銀行口座開設など優先度の高いことだけその日のうちに済ませると、夜は新たな職場の前任者と居酒屋で一杯。生ビールも麒麟かアサヒを選べるとは、なんという贅沢。入店時に接種証明の提示を求められ、逆に安心。LA生活初日は、こうして穏やかにスタートしたのでした。
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