2019年10月20日日曜日

感謝されているらしい(Boss's Day)

 先週水曜日の午後、エジプト人スタッフの一人が私の執務室に来て、「ちょっと、ツラ貸せ」と私に言う。実際は、それを30倍くらい丁寧にした感じだったが。
 なになにと彼らの大部屋へ。そして、いきなり大勢の拍手に迎えられ、テーブルにはケーキがセットされていた。
「。。。誕生日はとっくに過ぎてるけど?」
 目をぱちくりさせて困惑する私に返って来た答えは、International Boss's Day(上司の日)なんだそうだ。つまり、勤務3年目にして晴れて私は、部下たちから「良い上司」認定をされたということのようだ。
 私がエジプトに転勤してきたのが2017年の春。エジプトは、その前の年の秋、外貨融資源であるIMFに良い顔をするため、唐突に変動相場制と14%の付加価値税を導入した。その結果、エジプト・ポンドの価値は半減まで急降下、そして35%にも達するインフレに喘いでいた。つまり、輸入品や石油由来の製品の値段が、それまで10,000円だったものが27,000円になってしまったということを意味する。当然、現地スタッフの家計は大打撃を受け、一刻も早く彼らの生計費を回復する必要に迫られていた。
 でも、私の立場でこっそり言わせてもらえば、実はこういうときほど本社を説得しやすい状況は他にない。こちらの言い値プラスアルファのベースアップを認めてもらっただけでなく、それまで手当されていなかった医療保険の適用範囲を扶養親族まで広げるなどの各種待遇改善を、この際だからと全部申請して、全部獲得した。
 こうした変化を目の当たりにした部下たちから「神」扱いされるのも、理解できる。でも、自分でなければ絶対できなかったかというと、そうでもないんだ。巡り合わせってやつだ。そう彼らに言ったところで、謙遜も甚だしいと返されるのは解っているので、敢えて言わないだけでね。
 とはいえ、なんにせよ現地スタッフから感謝されていることが実感できて、嬉しくないはずもなく、まあ、少しは役に立つことができたのかなと、五十肩の痛みもそのときばかりは少し和らいだという、どこにでもあるお話でした。

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