先ずはローマ。目下、フランチェスコ法王が宣言した大恩赦の特別聖年(ジュビレオ)の真っ最中です。ただし、過去の罪に対する赦しを得るためには、ローマにある4大聖堂を訪ね、ジュビレオの間だけ封印が解かれる聖なる扉をくぐらなければなりません。
私も友人もクリスチャンでもなんでもないのですが、日ごろ積み重ねた小さな罪から赦されたい気持ちだけは人一倍ある身なのです。更に友人は、寺社仏閣の類には目がないときていますから、ここは旅の始めに先ずは4つの扉をくぐりに行こう、話はそれからだということになりました。
午前9時ともなれば既に気温は30度近くなろうという真夏のローマ。ここに住み暮らす者の特権として自家用車をフル活用して巡るにしてもなお、陽射しは肌から直接身体の内部まで刺さるように強く、細胞という細胞から水分が汗となって噴き出すわけです。とは言え、聖堂を見学するためには、袖のついたシャツ、長ズボン、靴というドレスコードが立ちふさがります。この季節のイタリアでは当たり前のタンクトップ、短パン、サンダル履きという出で立ちでは、入口で入場NGとなりますので、お気をつけください。ただし、各大聖堂の入り口付近には、女性向けに肩からまとう薄いヴェールを売るちゃっかりした商人もいたりします。
はじめに、カトリックの総本山であるご存知サン・ピエトロ大聖堂(Basilica di San Pietro in Vaticano)。イエスの使途ペトロ(聖ピエトロ)の墓が祀られています。バチカン宮殿やコンクラーベが開催されることで有名なシスティーナ礼拝堂を擁するバチカン美術館とも繋がるこの大聖堂は、バチカン市国の中心部にまさにそびえ立ち、コンチリアッツィオーネ通りから正面に見るその姿は、まさに威風堂々、いつ見ても圧巻の一言です。
バチカン宮殿の入り口では、イケメンでガチムチのスイス衛兵が、眉一つ動かすことなくがっちりガードしています。
2つ目は、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂(Santa Maria Maggiore)。テルミニ駅からカブール通りを南西に500mほど下りた左側にそれはあります。この大聖堂は、世界中に数えきれないほどある聖母マリアに捧げられた教会の中の、言ってみればこちらも総本山にあたります。
ここだけではありませんけど、大聖堂正面からは、建物の全体像はとてもじゃありませんけどカメラの画角に収まりません。それくらい大きいです。
3つ目は、サンタ・マリア・マッジョーレの正面側からメルラーナ通りを約1.5km真っ直ぐ南下したところに位置するサン・ジョバンニ・イン・ラテラーノ大聖堂(San Giovanni in Laterano)。城壁のすぐ手前にあり、これまた実に大きな建物ですが、こちらは法王のローマ司教としての司教座とされています。
聖なる扉です。ここから入らなければ意味がありません。
どの大聖堂も、建物自体の規模もさることながら、天蓋付の祭壇、讃美歌の演奏のためのパイプオルガン、内部ファサードの装飾、絵画、彫刻、ステンドグラスなど、どれをとっても見る者を圧倒するレベルにあります。宝物庫なども当然に備える4大聖堂に、バチカンから与えられた絶大な権威は、世界中の人々の永遠の信仰を集めるのも当然といった「重み」を感じざるを得ないのでした。
最後4つ目は、サン・パオロ・フォーリ・レムーラ大聖堂(San Paolo fuori le mura)。その名の示すとおり城壁(le mura)の外(fuori)にあり、ローマ市の南のはずれの住宅街に位置しfます。バチカンからは車で20分以上かかるでしょうか。交通がやや不便な場所ですから、旅行者が自力で辿り着くのは少々難易度が高いかもしれません。
因みに、サン・ピエトロ大聖堂以外はすべてバチカン市国の境界の外にあるものの、いわゆるラテラノ協定により大聖堂を含む関連施設の敷地は、バチカンの飛び地となっています。
聖堂内部の壁には、初代サン・ピエトロから続く歴代法王の肖像画が。光が示す列の最後には、勿論、フランチェスコ現法王の姿が認められます。
この日は、日曜の朝から早起きして昼までに4つの大聖堂を巡ったおかげで、すべての大聖堂でミサが行われている様子を見ることができました。が、さすがにミサをやってる横でバシャバシャと写真を撮りまくるのは不躾なのかなと自重したため、写真は思ったほど残っていませんでした。ですが、これで私と友人は、晴れてバチカンから赦しを得られた(つもり)という、まさに免罪符を手にしたわけですから、この後の旅に向け、テンションは初日にして既にMAXに達したのでした。
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