さぁ、面倒くさいスポーク張りをしましょう。いつものことですが、手順を簡単にご紹介しておきます。
プラのスポークを切り落としてしまう前にしておかなければならない大事な作業は、リムとハブの位置関係を正確に測っておくことです。
こうして見ると、ハブの幅がリム幅よりも広いことが解ります。段差の部分にプラ版を重ねて測ったところ、幅の差は両側共に約1.3mmくらい(テキトー)。
これを踏まえて、治具(じぐ)を作ります。幸いなことに、リムのサイズもハブとの幅のギャップも、前後輪とも全く同じなので、治具は一つ作れば事足ります。
厚手のプラ板に描いた円周上に、1mmと0.3mmのプラ板を重ねて貼りつけます。ここにリムを乗せれば下駄を履いた状態になり、ハブが底面にちょうど収まるという寸法。更に、下駄の上でリムが前後左右にぐらぐら動かないよう、四方から抑えるためのプラ板を重ねます。プラ板はどれも切れっぱしです。
そして、センターにはビスを立てる小さめの穴を開けておきます。
リムとハブをセットしてみました。治具ができると、こんな私でも不思議と少しヤル気が出てくるのです。作業中にリムが回転してしまわないよう、マスキングテープなどで底板に固定しておくことをお勧めします。
スポーク素材は0.5mm真鍮線。1/9スケールですから、実車換算では4.5mmは実はちょっと太いんですけど、短いのでこれくらいの方が力感があって良いかもしれません。ニップルは、園芸用の被膜線の芯を抜いたもの。貴重な真鍮線を無駄にしないよう、なるべく短く切って使いたい。
リムにマジックで書いておいたガイド線に角度を合わせて、先ずは内側にくるスポークをセットしていきます。ハブ側は穴に刺しっ放しですが、この状態でニップルをぎゅっとリムに寄せますと、それだけでもぶらんぶらんしなくなります。
この工作でいちばん気をつけなければならないのは、怪我しないことです。太さ0.5mmの真鍮線は、特にニッパーで切った断面がとても鋭いため、指の腹で押したりすると、実に簡単に指に刺さります。万が一、刺してしまった場合は、瞬間接着剤で一発完治です(実は何度も痛い思いをしてます)。
仕上げは、リムの裏側から瞬着です。ここさえ押さえておけばガッチリ止まりますので、強度の不安はありませんし、仕上がりも汚くなりません。飛び出した余分なスポークは後で切り落としておきましょう。
あとは、老眼と時間が許すペースで、単純作業の繰り返しです。
2 件のコメント:
10万アクセス、おめでとうございます。
それにしても膨大な作業と大変な手間暇ですね。
ですが次のエントリの完成写真を見ると、
ノーマルスポークとは比較にならない質感の差、
たしかに作業する価値があると納得させられます。
それが例え自己満足のためだとしても……。
>迷走さん
有難うございます。
迷走さんのドゥカいじりのように安全面で最新の注意を払う必要もなく、しょせんは模型ですから実に気楽なものです。ただ、手を入れるからには、手間をかけただけの満足感を求めたくなるのは、実車も模型も同じですね。
コメントを投稿