コロナ禍でいわゆる「おうち時間」が増えているのがその理由なのかもしれないが、プラモデル作りが再び流行っているような気がする。ハセガワやフジミといった国産の老舗メーカーも元気に新製品を発売しているし、エヴァンゲリオンの影響もあってガンプラの人々も気を吐いているように見える。
Youtube上には、数多のモデラーたちが素晴らしい製作過程を披露している。それらを目にする度に、もうこの種の発信は動画でなければ訴求力が全くなくなってしまったことを、嫌でも確信するわけです。きっと、動画を上げること自体は、技術的にはそれほど難しいことではないのだろう。しかし、機材、セッティング、通信環境、セキュリティ対策など、クリアすべきハードルがあまりに多く、エジプトにいる間にそれらをある程度のレベルで満足させることはおそらく叶わないだろう。そういう意味では、すっかり時代遅れのモデラーを自覚しなければならない。
とはいえ、純粋にプラモを作りたい熱は約4年のブランクを置いてなお一向に冷めることはない。どころか、世のモデラーたちの奮闘ぶりを見るにつけ、再び老眼に鞭打ってやってみたいという気持ちを抑えることが難しくなってきた。
何も予定がない金曜日、棚の奥の方に仕舞い込まれていた段ボール箱を開けてみた。宝箱かタイムカプセルを開けるような気分だ。果たして、工作マット、ナイフ、ヤスリ、ピンバイス、ピンセット、サンドペーパー、マスキングテープ、クリップ、筆などの工具類はほとんど揃っている。そして、プラ板、プラ棒、洋白線、各種ケーブル、ネジ、デカールなどの素材もひと通りある。
なんだこれならすぐにでも再開できるんじゃないかと小躍りして喜んだのも束の間、接着剤と塗料が一切ない。セメントタイプも流し込みタイプも、それにあれだけ買い集めたアクリル塗料もエナメル塗料も、どれひとつ見当たらない。
しばしフリーズした後に、思い出してしまいました。ローマから転勤してきた際、引っ越し荷物に強い可燃性のものを入れることはできないと業者から言われて、泣く泣く全部処分してきたのだった。接着剤と塗料がなければ、プラモデルは作れません。いや、塗料はなくても組むことだけならギリギリできるのかもしれないが、そんなレベルで満足できるはずがない。
すがる思いで机の引き出しを開けると、百均の使い切り瞬間接着剤ミニというのが2つ残っていた。これで戦えるのか。戦えと言うのだろうか(誰が?)。
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