2021年1月25日月曜日

食欲は厄介だが美味しいもんが食べたい

  エジプト単身生活でいちばんのストレスは食生活だと感じます。一日3食どころか、昼1食だけの日もままある訳ですが、それもこれも生きている限り、生きていくためには、人は「食欲」という厄介なシロモノから解放されることはないからなんですね。食欲さえなければ、食べなくたって生きていけるのであれば、これほど便利なことはないのですから。

 ただ、そうは言っても、どうせ食べるのであれば美味しいものを食べたい。たくさん食べるわけではないから、量はちょっとだけでも良いので、美味しいものを口にしたい。そんなささやかな要求が、エジプトで満たされることはまずありません。スーパーで売っている食材は何年経っても目新しい商品が入荷することはありません。駐在員たちのオアシスとなっている日本レストランがかろうじて1店あるんですけど、ここへきて日本酒と焼酎の提供が止まってしまいました。ホントに何とかしてほしいです。

 比べるのが間違っているとはいえ、年に1回くらいの一時帰国で日本のスーパーに所狭しと並ぶ食品を見るたびに、涙が出そうになります。惣菜売り場なんか目の毒すぎて、近寄ることができません。レトルトなんて全部買って帰りたくなります。安売りの値札がついた大福とか、悶絶します。

 そんなことをぐだぐだ語っていても一向に埒が開かないので、美味しいもんを食べたかったら自分で作るしかないわけです。テレワーク日の昨日は、具沢山のビーフカレーを多めに作りました。二日目の今日は、もっと美味しくなっていることでしょう。写真を家族に送って、いいねってコメントしてもらうわけです。最後に残った分は、麺つゆを加えてカレー南蛮にするんです。ささやかな食欲を満たし、ささやかな幸せを感じるために。



2021年1月16日土曜日

今年の初ラウンドは暖かくて快適

  今年初のゴルフに行ってきました。カイロの日中の気温は20℃、空は快晴。寒い東京で終始縮こまっていた身体がほぐれていくのを実感しながらのラウンドは実に気持ちが良く、眼下に広がる緑色はテレワークで疲れた老眼を癒してくれます。

 今回の一時帰国中に日本で購入したゴルフ・グッズは、シューズ1足、グローブ2枚といった消耗品の他は、レーザー距離計のケースだけ。特に、距離計のケースは2年間の酷使によってズタボロになっていたので、是非とも購入したかった。

 新宿の小田急ハルクにゴルフ・フロアーがあることを知り、いそいそと出かけましたよ。有名ブランドの商品が所狭しと立ち並ぶ中で、オジさん世代のキラー・コンテンツとも言えるパーリー・ゲイツを差し置いて選ばれたのが、ニューバランスのケース。機械を収めている無骨な感じがなくて、かなりキュートなデザインが二重丸。サイズが合うかどうかを心配する初老のオジさんにかけてくれた「たいていの距離計は収まりますよ」という売り子のおネエさんの言葉を信じて購入。果たして、その言葉どおりにピッタンコでした。

 初ラウンドのスコアはともかくも、真新しい距離計ケースを腰のベルトに通しただけで、ちょっとだけゴルフのレベルが上がったように錯覚してしまいそうな、またそんなふうに楽しくラウンドできること自体が、この息苦しいコロナ禍では有り難く感じます。



2021年1月13日水曜日

静けさや。。。

  楽しくて何でも美味しかった一時帰国からカイロに戻ってきて今日で5日目。未だ体内時計が7時間の時差をアジャストしきれるはずもなく、朝4時くらいには必ず目が覚めてしまいます。

 昨日職場に出勤してみたら、案の定、仕事は山ほど溜まっているというのに、マネジメントの方から「せめて今週いっぱいは自宅で自主隔離をお願いします」と言われ、ほうほうの体で帰宅してきました。いやいや、いちばん最近PCR検査を受けて陰性が証明されているし、今や陰性証明をもった人しか飛行機に乗ってないんだから、なんなら職場で私がもっとも安全ということにはならないのかな。日本でもやっている水際対策も、陰性者に対して2週間の自主隔離、公共交通機関の利用すら禁止となっているけど、これって誰が決めたんだろう。ホントに意味がわからない。

 というわけで、日がな一日ほぼパソコンの前から離れない生活(これをテレワークというらしい)が再開されたのだが、何だろう、家の中が不気味なくらいにシーンと静まりかえっている。時おり聞こえるのは、冷蔵庫がウーンと低く唸る機械音と、上の階の住人の無神経な足音くらい。静けさや…と詠んだ芭蕉には、それでも蝉が声を聞かせてくれていたのだが、こちらは鳴きもしない蟻んこくらいしかいない。その蟻もほぼ退治してしまった。

 日本を発つ前日、PCR検査を受けるため八重洲口のクリニックに行った際、検査結果と証明書の発行を待つ間、東京駅から皇居あたりをぐるっと散歩した、あの時の静けさも格別だった。走っている車の音の他は、何も聞こえなかった。東京の、いや日本のど真ん中に立っていて、この静けさは何なんだろうと、随分と違和感を覚えたものだ。

 それにしても最近のスマホはホントに綺麗な写真が撮れるので感心しきりだ。撮った後も、スマホ内で相当程度の画像加工が施せる。これじゃあカメラが売れなくなるのも無理もない。


2021年1月10日日曜日

ナイル川の水を飲んだ者は。。。

 「ナイル川の水を飲んだ者は、またエジプトに帰ってくる」という古い言い伝えのとおり、1ヶ月の一時帰国からカイロに戻ってきました。

 非常事態宣言が発動された8日の夜に都内の自宅を出発してから30時間。実に長く、年寄りには辛い旅です。自宅から最寄り駅まで徒歩10分、最寄り駅から新宿まで約25分、新宿のバスターミナルから羽田空港まで約35分、チェックインから出発まで約3時間半、羽田からフランクフルトまで約12時間、フランクフルト空港内で乗り継ぎ便まで8時間の待合い、フランクフルトからカイロまで約4時間、カイロ空港の入国手続き等で約1時間、カイロ空港から自宅まで約30分。もうヘトヘトです。その上、羽田もフランクも、空港内の店、特にレストランは完全に全滅。この30時間、サンドイッチのようなものしか食べてません。食欲もありません。

 そして、帰ってきたカイロの家の中は、床に数百匹と思しき蟻の死骸があったほかは、無事でした。まあ、この状態を無事と言えるのか大いに疑問ではありますけど、疲れているのでそこは深く考えることをせず、全部死んでるんだから良いやと、見て見ぬふりをして明日の朝にやってくるメイドに任せることにします。

 エジプトは1日あたりの新規感染者が1000名を少し超えるくらいと、日本よりは随分ましな状況。もっとも、公表されている数字を信じるのならばという前提です。それにしても家の中が静かです。家族と過ごしていた時と比べると、静かすぎて奇妙です。

2021年1月4日月曜日

草津良いとこ一度は・・・

 正月二日、三日と1泊で草津温泉に行ってきたぞ。年に一度くらいしか日本に帰ってこない生活の中、一時帰国中の温泉旅行はこのコロナ禍でちょっと無理してでも定番化したい。ただ、お宿の関係者にご迷惑をおかけしたくないので、抗原検査キットを購入して家族みんなで自主検査・陰性確認した上で、特急に乗った。

 長いトンネルを抜け、山を越えた先の草津は、雪景色でした。そして、寒い。エジプト暮らしで毛穴が開き切っていたためか、余計に寒さが堪える。湯畑も西の河原もうっすらと雪化粧をして綺麗なことこの上ないのだが、とにかく寒い。小道の脇に流れる温泉に指先を浸すと、その時だけは天国なのだが、その後がヤバい。

 ひいひい言いながら宿に戻って露天風呂、そして夕食にお節を食べながら地酒をちびる。内陸なのに、お魚が旨い。仕入れが良いのだろう。

 源頼朝の時代からこんこんと湧き出る強い酸性のお湯のおかげで、細菌はほとんど滅せられてしまうそうだ。「五寸釘を入れといたら1週間で針くらいの細さに溶けますよ」とは、タクシーの運ちゃんの科白だが、まあそこまでではないだろうよ。でも、だからここ草津にはコロナはない。Go toを停止する必要なんかないんじゃないか。







2021年1月1日金曜日

謹賀新年

   あけましておめでとうございます。

 元気に元旦を迎えられていることに感謝しつつ、一日も早く健やかで平和な世の中が戻ってくることを願って、今日は近所の小さなお稲荷さんをお参りしようと思います。