2020年6月22日月曜日

切なく訴える視線に耐えきれず

 昨日の朝、玄関を開けると扉の前に白いヌコ(猫)が座って、まっすぐこちらを見ていた。同時に、四方に飛び散ったちっこい毛の塊が、子猫だと分かった。連日35度を超える暑さの中、空腹でおっぱいも出ないだろう痩せ細った母猫の視線が切なく訴えかけていた。食い物をくれと。
「ごめんよ。今から仕事行かなきゃだし、何にもないんよ」
 我が子にお腹いっぱい飲み食いさせてやりたい。私も子を持つ親として、この母ネコの気持ちが痛いほどわかる。だが、ひと度エサをあげてしまうと、うちに居ついてしまう。そうなっても面倒は見切れない。心を鬼にして、白ネコの視線をなんとか振り切って出勤した。
 そして早起きしてしまった今日の朝、裏庭の芝生に親子が固まって寝ていた。もうダメです。冷蔵庫にあった太いソーセージを食べやすい大きさに細かく切って、親ネコに声をかけた。
「ほれ、食べれ」
ガラス戸の向こうで最初は遠慮がちに、しかしすぐに猛然と食べ始めた。程なくチビ猫たちもそれに続いて、モリモリと食べている。数分のうちに器がきれいに空になった。チビ子たちは既に飛び跳ねて遊び始めている。かわいい。さて、明日からどうしよう。
 コロナの感染拡大が身の回りに迫っていることを実感する日々の中、せめて親子ヌコを手助けしてあげるくらいの広い心を持たねばなるまいか。

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