エジプト考古省が、ビールの銘柄にもなっている階段ピラミッドで有名なサッカラの古代遺跡で、ライオンと思われるミイラ5体をはじめ、猫やワニなど多数の動物のミイラを最近発掘したとして、メディアに公開した模様です。
とはいえ、階段ピラミッドが造られたとされる紀元前3,000年頃のものではなく、紀元前6~7世紀の第26王朝時代、ネコの頭をした女神バステトを祭る神殿の下から見つかったということなので、それほど古い感じはしません(いや、十分に古いんですけどね)。
もとより、猫は古代エジプトでは神々の象徴として崇拝されていたし、ヨーロッパで猫を飼う習慣が根付いたのもそのあたりが起源です。イスラム教徒が大部分を占める現代のエジプトでも、預言者ムハンマドの教えに基づいて、猫は大事にするべき生き物とされていますので、中東ではどこへ行っても街中に猫がたくさんいます。
だから猫のミイラが古代遺跡に埋葬されていてもまったく不思議ではないし、ワニのミイラだってルクソールなど他の地方では既にたくさん見つかっているので珍しくはないのです。が、ライオンが見つかったのは今回が初めてなんだとか。90センチくらいの大きさであることから、生後約8か月の雄の赤ちゃんライオンである可能性が高いと推定されているとのこと。
サバンナに生息するはずのライオンが、ほぼ砂漠しかない古代エジプトには野生で生きていたのか、それとも珍重される動物として権力者が南方から買い付けて来たのか、はたまた外国からの献上品なのか、今後そのあたりも検証されるかもしれないと思うと、ちょっとワクワクします。そういえば、スフィンクスの胴体もライオンですね。
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