2016年1月26日火曜日

LGB。。。なんでしたっけ

 たまにはイタリアの時事ネタなどをひとつ。
 明後日28日に予定されるUnion Civili法案の上院での審議開始を前に、市民を巻き込んだ論争が過熱しています。
 。。。これだけじゃ、なんのことだか解りませんよね。
 ここイタリアでも、いわゆる「事実婚」、とりわけ同性婚を認めるとする法案が議会にかけられている訳です。去る23日には全国98都市で同性カップルの権利を求める集会が行われ、100万人が参加したとされています。一方、30日にはローマで、カトリック組織を中心に法案に反対するfamily dayなる集会が行われます。興味深いのはバチカンのフランチェスコ法王の発言。「神が求める家族と他のいかなる結びつきとを混同してはならない。」と、きっぱり反対の立場を表明。それでも政府与党は法案を撤回することはないと強気の姿勢。野党はおろか、連立与党内でも賛否両論、まさに国論を二分する議論なのです。
 さて、無宗教かつノーマル性向のワタクシとしては、別にどっちでもいいんですけど、あえて個人的な印象を述べれば、カップルの多様性を認めようとするのが人間社会のトレンドなんだろうというところに異論はないのですけど、「法」で律することまでには、やや違和感を覚えます。
 翻って、パリに暮らしていた頃は、街中で女性が連れの男性の頬をひっぱたく光景を頻繁に目にしました。パッチーンというそれはそれは大きな音で。そんなふうに女性がことさらに強い社会では、男性同士のカップルが増えるのも無理のないことだと妙に納得していたものです。実際、石を投げればゲイに当たるという表現が大袈裟でないくらい、パリでは同性カップルが珍しくはありませんでしたし、仲良く手を繋いで歩くおっさんたちが普通にいたりするのです。
 でも、ここはイタリア。男性は誰もが女性の気を引こうとし、女性は誰もが男性へのアピールを忘れません。年老いても変わらないのです。職場の男性たちに聞いてみても、誰ひとり同性カップルを良しとしない。それなのに、法案が議会にかけられた途端に、国を分けるほどの議論が巻き起こる。今までこの人たちは、いったいどこに潜んでいたんだろうと訝るくらいに。
 さて、どうなるのでしょうか。
 
 

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