2014年6月17日火曜日

小排気量バイクでツーリング

十九歳か二十歳の頃だったでしょうか。ある日、突然思い立って、CB50Sで房総半島一周のツーリングに出かけました。たいした荷物も持たず、ただし、街乗りの小僧と見間違われないように、ジャケットもブーツもちゃんとしたものを身に着けて、南へ南へと独り一般道を走りました。
 お金のない青年のCBは、ハンドルを一文字に交換しただけのフルノーマル。脇を締め、ステップにつま先を載せて、法定速度+アルファの低速で走り続けました。
 山道に差し掛かると車の往来は途絶え、小排気量シングルの小気味良い音だけが林の中に響きました。たまにすれ違うツーリング・ライダーとのピースサインの交換が、更に遠くへと私の背中を押してくれるようでした。。。

 最近、何故かこの光景を幾度となく思い出すのです。今となっては、どの道を通ったのか、途中で何を食べたのか、翌日の何時頃に帰って来たのかすら全く覚えていないというのに、杉林の一本道をひたすら走る絵だけが脳裏に焼き付いているのです。そして、もう一度あの道を小排気量バイクで走りたいという、憧れにも似た思いが湧きあがって来るのです。
 モデラーである前に、バイク乗りでありたい。せめて気持ちだけでも。そんな思いが、私をバイク・プラモに向かわせているのは、疑いようもありません。

4 件のコメント:

どろゑびす特急 さんのコメント...

自分もツーリングではないですが学生時代中免を取るまでは当時下宿してた愛知県瀬戸市から香川県まで原付で帰省してました。
当時でも10数年落ちの2stオフ車で夏の炎天下ではエンジンが抱き付き起こしながら汗まみれになりながら走ってました。
さすがに今ではできませんね。

ホンダもエイプみたいなのでなくてCB50のようなので出してくれたら、とエイプが出た時思いました。

みやっち さんのコメント...

>どろゑびす特急さん
私の周りにも2スト50ccで元気に走る仲間が何人もいました。毎月オートバイ雑誌の発売日を待ちわびて、待ち合わせはいつもバイク屋の前とか。懐かしい。

yocchi さんのコメント...

お邪魔します。
僕はNSR50でした。
夜な夜な埼玉から、東京、神奈川と都会や工業地帯の夜明けの景色の中を走りました。
きっと、自由だった頃の匂いが不自由な今の心に沁みるのではないでしょうか?
昔に比べて酒の味が歩く感じるのは、責任のせいだと思っています。

みやっち さんのコメント...

>yocchiさん
こんばんわ。お久しぶりです。
ようやく大人になったってことでしょうかね。いろいろなものを畏れるようになったとしても、肯定的に捉えなければいけませんね。NSRもカッコ良かったなぁ。