2021年7月6日火曜日

大谷翔平はアジア人差別をも場外に吹き飛ばしてくれるかもしれない

  毎朝のルーティーン。起き抜けに用を足し、脇に体温計を挟み、期待を胸にiPadで日本のニュースを開く。また大谷君がホームランを打っている。期待が現実として起きる頻度が高すぎて、逆に困惑する。いったいどこまで凄いことをやってくれるんだろう。そんなふうに彼を見ている日本人が、日本中だけでなく海外にもたくさんいるはずだ。

 大谷翔平、松山英樹、井上尚弥、笹生優花、大坂ナオミ。。。プロスポーツの世界ではこの数年、幾人もの日本人選手が世界の頂点に立った。鬼滅の刃、サブカル、日本食、ゲーム。。。日本の新しい文化がブームを作る。日本はもはや、自動車や家電製品をはじめとする先端産業や、日本古来の伝統風習といった従来のガイドブック的な売り文句の枠を大きく超えてきている。「最近の日本の若者はだらしがない」などと闇雲に批判していた団塊世代のジジイたちも、すっかり脱帽ではないだろうか。

 一方で、欧米諸国にはアジア人に対する根強い差別意識があり、SNSによってそれが様々な形で表面化し、政治問題にもなっている。大坂ナオミに対する礼を失したインタビュー、FCバルセロナの選手によるホテル従業員に対する悪態など、枚挙にいとまがない。尤も、アジアを十把一絡げにする知的水準の低い人たちが大勢いることも確かで、英語やフランス語を母国語としないアジア人の語学力を馬鹿にするのはとんだお門違いだ。「英語が話せないのなら母国に帰れ」となじられて悔し涙を流しているアジア人が、アメリカには大勢いる。じゃあ逆にお前らは日本語やタガログ語をカタコトでも話せるのかと言いたい。

 そんな中で、大谷翔平に対するアメリカ人の熱狂ぶりは目を見張る。ファンだけでなく、アナウンサーも解説者も、こぞってオオタニに夢中だ。そして、彼が活躍すればするほど、少なくともアメリカにおける日本人差別が薄れていくような気がしてならない。そんなことまで彼に期待してはいけないのだろうが、そんな期待すらも彼ならば現実のものにしてくれちゃうのかもしれない。

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