2023年7月19日水曜日

静かなものだ

  母を亡くして10日ほどを数える。ヒリつくような悲しみは既に薄れ、心の平穏を取り戻している。もう毎月お金を送ってこなくていいからねと、妹が言う。兄弟姉妹で施設の費用を出し合って母を支えてきたが、その中から葬儀代を賄い、部屋の後片付けも済んだので、今後は要らないと。納骨の心配もなくはないものの、急がねばならない話ではないので、一旦保留にして、ゆっくり時間をかけて話し合いましょうとなった。

 ロサンゼルスのアパートに、妹が細君に持たせてくれた母の小さな写真を額に入れ、一輪挿しとお線香、お水を備えた。細君がやってくれた。痛みもなく眠るように逝った時と同じ、穏やかな顔をしている。

 これで実の両親を亡くし、面倒見る対象がいなくなった。後は自分が、息子たちに面倒をかける日々が来るのか。にしても、今すぐどうこうではないだろう。長男はフィアンセとの入籍を来年に伸ばしたと言うし、次男も卒業旅行で西海岸まで来る気はなさそうだし、しばらくは静かな日々が続くのかな。

 ヨットハーバーに沈む夕陽は美しいけれど、自分が黄昏てしまわないよう、一気に老け込んでしまわないように気をつけなきゃ。てなことで、今週末は近所の映画館にMission Impossibleの最新作を観に行くことにした。トム・クルーズだって年老いてもまだまだ頑張ってるんだから。

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