2023年7月27日木曜日

トム君、俺にはインポッシブルだよ

  Mission Impossible〜Dead Reckoningを観てきた。何でかって言うと、トム・クルーズ君が私と同い年だからだ。61歳。なんなら私より4日だけ年上。なのにあのアクション。いやはや全く恐れ入りました。たいしたもんです。

 もとより童顔の人が歳をとるとイメージが壊れてしまう方向にビジュアルが進化してしまう人が少なくない。けど、トム君は、いわゆるいい感じの歳のとり方をしているように思う。体型を維持できているのは一重に努力の賜物だろうけど、努力ではどうにもならない髪もまだフサフサだしね。え?植えてるかもしれない?ま、そりゃそうだけどさ。

 ともあれ、コロナ禍だったら考えられなかっただろうくらい莫大な製作費を使ったんだろうなとか、このチームはどんだけヨーロッパのロケハンが好きなのよなどと思わせてくれる内容でした。見応え十分。ちなみにアメリカでは観劇代12ドル。日本より少し安いのかな。

2023年7月19日水曜日

静かなものだ

  母を亡くして10日ほどを数える。ヒリつくような悲しみは既に薄れ、心の平穏を取り戻している。もう毎月お金を送ってこなくていいからねと、妹が言う。兄弟姉妹で施設の費用を出し合って母を支えてきたが、その中から葬儀代を賄い、部屋の後片付けも済んだので、今後は要らないと。納骨の心配もなくはないものの、急がねばならない話ではないので、一旦保留にして、ゆっくり時間をかけて話し合いましょうとなった。

 ロサンゼルスのアパートに、妹が細君に持たせてくれた母の小さな写真を額に入れ、一輪挿しとお線香、お水を備えた。細君がやってくれた。痛みもなく眠るように逝った時と同じ、穏やかな顔をしている。

 これで実の両親を亡くし、面倒見る対象がいなくなった。後は自分が、息子たちに面倒をかける日々が来るのか。にしても、今すぐどうこうではないだろう。長男はフィアンセとの入籍を来年に伸ばしたと言うし、次男も卒業旅行で西海岸まで来る気はなさそうだし、しばらくは静かな日々が続くのかな。

 ヨットハーバーに沈む夕陽は美しいけれど、自分が黄昏てしまわないよう、一気に老け込んでしまわないように気をつけなきゃ。てなことで、今週末は近所の映画館にMission Impossibleの最新作を観に行くことにした。トム・クルーズだって年老いてもまだまだ頑張ってるんだから。

2023年7月11日火曜日

そういうことだったのかな

  6月に3週間の一時帰国を許され、息子の婚約者ご両親と顔合わせをしたり、親父の墓参りをしたり、施設にいる母親を見舞ったりと、家族のイベントに時を費やした。特に、母は長寿家系の一族らしく87歳の割に元気で、決まった薬を飲んでいることもないというので、まあまだしばらくは安心だろうとタカを括ってアメリカに戻ってきたのが今月のはじめ。

 昨夜、妹から母急逝の報が舞い込んだ。青天の霹靂と言えばその言葉どおりなんだが、何年か振りに、そしてまたしばらくは会えないだろうからと顔を見せたのがきっかけになったのだろうか。それとも神様が、存命のうちの再会に間に合うようなスケジュールを用意してくれたのだろうか。いずれにせよ大いなる意思が決めたことのような気がしてならない。

 あいにく、夏の西海岸は言わずと知れた超ハイシーズン。ギリギリ葬儀に間に合うよう日本に帰ることすら怪しく、さらにLAに戻って来るフライトに至っては全く空席が見当たらない。親の死に目に会えないどころか、見送ることすらままならないのは、海外勤務につきもののことなので、ずいぶん以前から実際そうなった時のことは覚悟はしていた。一足遅れてアメリカに戻る予定としてまだ日本にいる細君と、兄弟姉妹に委ねるしかない。

 母の死が意味するところを自分の中でどう整理解釈すべきか、まだ考え始めるにも至っていない。施設の面会所で、LAに住む叔母(母の義理の妹)と母を、LINE通話で70年振りに会話させた。叔母が尋ねたのに対して母が「幸せよ」と応えていたのが何よりの救いだ。母には老いた肉体と長年の苦労や苦痛から解放され、安らかに休んで欲しい。合掌。