2021年3月24日水曜日

濃厚接触疑い、からのPCR検査、からの…

  先週金曜日にとある食事会で同席した仲間の一人がコロナに感染し、接触から約2日後に発症したもんだから、ギリギリ48時間以内で濃厚接触疑いという窮地に立たされました。当然のことながら出勤は控えて自宅に自主隔離、接触から4日後の昨日、PCR検査を受け、翌日のつい今しがた、陰性結果が送られてきました。

 テラス席だったとはいえ、お酒も入って声も大きくなっていたので、今度ばかりは流石にヤバいかもと気を病むあまり、何だか熱っぽく感じ始めて一日に何度も体温を測ったりと、ソワソワというかザワザワした数日間を過ごしました。

 カイロでPCR検査を請け負う医療機関は結構ありますが、今回は出張検査を頼みました。約束の時間をちょっと過ぎたくらいに、ウーバーイーツみたいなバイクに乗った私服のお兄ちゃんが一人で来て、綿棒で検体を採取。あっという間に帰って行きました。こちらは、防護服を来た医師や看護婦を想像していただけに、かなり拍子抜け。料金は?と訊くと「俺に払うな」と言い、結果は?と尋ねると、「24時間以内にワッツアップで送る」と。で、ちゃんと送られてきました。これで出張費込みで約12,000円。安いもんです。

 エジプトでは一日の新規感染者が600人台でずっと横這い。まだまだ気を抜いてはいけないんですね。可愛い濃厚接触の写真でも見て、癒されましょう。



2021年3月12日金曜日

異国から思いを寄せる(東日本大震災10年)

  10年前の今日、私と家族はパリに暮らしていました。早朝からテレビに流れるNHKのニュースは、信じがたい映像を何度も何度も繰り返し映し続けていて、それをただ食い入るように見ては、祖国日本がどうにかなってしまうのではないかという不安と恐怖に震えました。

 当時、長男は中学3年、次男は小学4年生でした。それが今や25歳の社会人と、19歳の大学生。おかげさまで二人ともすこぶる元気です。翻って、震災で、或いは津波でお子さんを亡くされた親御さんがどれだけいたことでしょう。運命とはいえ、ご遺族は、この10年の間にすっかり大きく成長したはずの我が子たちを見ることが叶いません。あまりに残酷です。同じ境遇にない限り到底共感できないほどの深い、激しい悲しみに違いありません。その運命が自分に降りかかっていたとしたら、その後の人生を生きていけたか、全く自信がありません。

 地下鉄サリン、阪神淡路大震災、熊本地震、アメリカの9.11も、大きな災害や事件があったのは、いつも外国に暮らしている時でした。現場にいたどころか、遠く離れた異国にいたわけです。それでも、尊い命を奪われた方々に向ける哀悼の気持ちは、日本に住んでいる方々と少しも変わりありません。事務所では半旗が掲げられました。黙祷を捧げ、被災を免れた私たちに出来ることは何なのか、それを強く思い、考え、そして懸命に一日を生きていこうとする気持ちもまた一緒です。合掌。

2021年3月5日金曜日

英語のお勉強はYouTubeで気楽に

  テレワークの日、会社のシステムにログインできるわけでもないため、家でできる仕事は実際そう多くない。パソコンの前に一日じゅう張り付いている中、余った時間に何をするかというと、英語のお勉強という言い訳の下にいろんな動画を見るわけです。

 数あるYouTubeチャンネルの中から今日お勧めしたいのは、裁判ショーものだ。日本では馴染みのないジャンルだが、これが実に良い。

 一つ目は、Judge Judy。20年以上続いているアメリカのTV番組で、5千ドル以下の少額民事訴訟のみを扱う裁判の公判の様子をショー化したものだ。歯切れの良さは超一流。だが、こんな人を嫁にはもらいたくないかも。

 対するこちらは、英国のJudge Rinder。四十代半ばと思しきまだ若い裁判官が、同様に少額の民事訴訟を裁くショーである。廷吏(アシスタント)を務めるミシェルという名の美しい女性も、人気に一役買っている。

 米英で大人気のこの二人の裁判官に共通するのは、頭の回転の速さ、洗練された言葉の選択、正義を尊び悪を断罪する毅然とした態度、そしてユーモア溢れる人柄であろう。特に、英語のお勉強という視点から見るとき、アメリカ英語とクイーンズ英語の発音の違いが明確に分かるだけでなく、それぞれの言語において誰もがお手本とすべき語り口であることは異論を挟む余地がない。この二人のように喋ることができれば、英語はもう学ぶことはない。

 最近は、上の二人以外にも、Caught in Providenceというチャンネル名のJudge Caprioがお気に入りに加わった。イタリア系移民の家系に育ったこの判事が裁くのは、ロードアイランド州の首都プロヴィデンスにある交通違反専門の簡易裁判。主に信号無視や駐車違反で反則切符を切られ裁判所に召喚された人々から、当日のやんごとなき事情を聞き、温情深く罰金を軽減または免除してくれる、まさに人情の裁判官なのだ。

 裁判モノ、しかも英語のお勉強と聞くと、なんだか正座して観なければいけないような気になるが、決してそんなことはない。紅茶でも飲みながら、魅力的な裁判官だけでなく、登場する原告も被告もみんなキャラが立っていて、彼らが織りなす人間模様を、バラエティ番組でも見る気分で気軽に楽しめばよい。それでいて、次第に耳が英語に慣れてくる。次の日に自分の口から出てくる単語が、ほんの少しずつソフィスティケイトされていく(ような気になる)。とにかくお得なのです。