2020年4月24日金曜日

ラマダンの精神(コロナで人の批判はやめよう)

 昨23日の日没から、ラマダンが始まりました。ヒジュラ暦で9月を意味するラマダーンに、コーランが預言者ムハンマドに啓示されたことから、ムスリム(イスラム教徒)にとってラマダンは「聖なる月」とされています。このひと月の間、ムスリムたちは日の出から日没にかけて一切の飲食を断つことによって、空腹や自己犠牲といった、ムハンマドが自身の故郷であるメッカで迫害を受けメディナに移動した厳しい道中を追体験し、飢えた人や平等への共感・施しの精神を育むとされています。また、断食中は飲食を断つだけではなく、喧嘩や悪口や闘争などの忌避されるべきことや、喫煙や性交渉などの欲も断つことにより、自身を清めて信仰心を強めると教えられています。
 日本の状況を外からネットやテレビで見ていると、政治や個人に対する誹謗中傷にも似た非難や批判ばかりが溢れているように見えて、とても悲しくなります。今は誰もが感染拡大の防止やお互いの心身の健康を思いやるべき時なのに、「こんなことする奴はバカだ」「何も解っちゃいない」などの攻撃的なフレーズが無数に飛び交っています。やることなすこと互いにダメ出しし合っている、傷つけ合っているみたいに見えるのです。
 あらゆる事業や商売が滞り、収入が減り、行動が制限された生活が続く中で、解消しようのないフラストや生活不安が溜まる一方です。イライラするのは誰もが同じです。肉体的にも精神的にも極めて厳しい状況を全ての人が平等に体験・共感しているわけですから、言ってみればラマダンのようなものです。
 コロナ感染者数が4千人に迫るエジプトでは、ラマダンにおいてもモスクでの礼拝を禁止し、夜間外出禁止を継続して、日々の断食明けの食事(イフタール)は自宅でと政府は促しています。政府の指導者もまた、同じムスリムなのです。苦渋の決定でしょう。
 「明けない夜はない」というのは、シェイクスピアのマクベスに出てくる台詞、「止まない雨はない」は誰が言ったのだったか。ありふれた言葉だけれど、前を向くことを促してくれるこんな言葉は信じたいと思います。

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