2019年9月11日水曜日

バイク業界はどんな世界を見据えているのか

 日本では大型台風の直撃だとか、内閣改造だとか、新型iphoneの発表だとか、なにかと慌ただしくニュースが流れていますね。ここカイロは特筆すべき出来事もなく、通常運転です。
 さて、先月、タイでヤマハの新しいバイクがリリースされていることを知りました。その名もXSR155。私の大好物である小排気量の単気筒エンジンを積んだネオ・クラシック。スクランブラーにも小粋なカフェ・レーサーにもカスタム可能なモデルで、なんといってもお値段が現地価格で30万円ちょっと。カブに5万円くらい足せば買えちゃう。これこれ、こういうのが良いのですよ。
思い起こせば1970年代後半から80年代、日本のバイク業界は、後にも先にもない全盛期を迎えていました。特に、高出力で、カラフルなカウリングをまとったレーサー・レプリカは、若者たちのハートをがっちりと掴み、どこもかしこも走り屋だらけ。CB、RZ、FX、GSXなど、現代にも受け継がれる数々の名車を生み出してきたのもこの年代です。
 でも、それは同時に無数の暴走族をも生み出し、社会から嫌われ、高校生を中心に「3ナイ運動」に発展しました。7.2hpを誇る2スト原付は姿を消し、バイクの市場自体がどんどん縮小していきました。今では、スクーターと、ノスタルジーに浸るおじさん世代がカムバックする大排気量の2極化と言っていいでしょう。
 急加速で下降の一途をたどってしまったバイク・ブーム。世界中で支持される日本の4大バイクメーカーは、本拠地である日本で、どこをどう間違えたから、このような現状に至り、なおも喘いでいるのでしょう。
 専門家でもない素人が勝手なことを言うだけなのですが、誤解を恐れずに言えば、私は125ccクラスの小型車に力を注がなかったのが大きな原因のひとつだと思っています。
 日本の一般道の速度域や移動距離を現実的に考えれば、毎日の足として、或いはちょっとしたツーリング程度であれば、小型車がベストなチョイスだと思います。燃費=エコという観点からも時代の要請に適っています。
 莫大な資金を投じて開発したレース車両の技術を、そのまま市販車両にレプリカという形でフィードバックするという発想が、そもそも間違いだったのではないか。安全性や燃費といった良い部分だけを取り入れればよくて、それ以外は現実の社会に最適な大きさと実用性能を追求していたら、日本のマーケットは今のようにはなってなかったんじゃないか、と。
 ちょうど良いサイズのお洒落な小型バイクが市場のマジョリティを占めていれば、法律の方だってそうした現実に沿って、もっと身近に乗れるよう、免許制度や規制を緩和する方向に改正されていたのではないか。そんなふうに思います。
 そして、残念ながら、四輪と共にバイクも遠くない将来、すべて電池を動力源とするようになるでしょう。近未来的なフォルムの乗り物が、音もなくスルスルと道を行き交う、そんなピクチャーを日本のバイク・メーカーは思い描いているのでしょうか。そしてそこでは、風や鼓動を肌で感じ、愛機と対話するような感動は得られるのでしょうか。

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