2019年9月23日月曜日

ちょっと真面目に停電の話


 先週金曜日、大統領の政治姿勢などに反対するデモがエジプト各地で行われました。声を上げたのは、ヤリ手のビジネスマン。この主宰者が呼びかけを拡散し民衆の参加を募ったのが、youtube動画だそうです
 デモは比較的穏やかなもので、当日の夜中には収束し、幸いなことに人的・物的損害は生じなかった模様。ですが、来週以降も再びデモを呼びかける予定だとしていることもあって、翌日にはLINEが全く繋がらない状態に、そして、その日以来、ネットの接続がきわめて不安定な状態が今なお続いています。おそらくは、当局が何らかのネット規制を施しているのではないかと。
 こんなエジプトくんだりでも、ネットが繋がらないだけで何もできないような暗い気持ちになるのですから、長期間の停電に苦しむ千葉県の台風被災者の皆さんの心労がいかに深刻か、想像に難くありません。もちろんエジプトでも停電は頻繁に発生しますし、短時間とはいえその都度イライラのボルテージが急上昇するんですけど。
 日本のニュース番組のインタビューで、2週間ぶりに電気が通ったお寺の住職が言ってました。「電気は現代の希望の光だということが実感できました」と。
 電気とインターネット。この2つが奪われるだけで、人間の社会はいとも簡単に機能停止状態に陥ってしまうし、それが長期に及べば崩壊にまで至るでしょう。そんな脆さ、危うさが常に背後にあることを忘れないようにしなければなりませんね。
 あ、話がちょっと真面目すぎたでしょうか。でも、接続に時間がかかるので、このエントリをアップするのにも、結構な時間がかかってしまいました。

2019年9月11日水曜日

バイク業界はどんな世界を見据えているのか

 日本では大型台風の直撃だとか、内閣改造だとか、新型iphoneの発表だとか、なにかと慌ただしくニュースが流れていますね。ここカイロは特筆すべき出来事もなく、通常運転です。
 さて、先月、タイでヤマハの新しいバイクがリリースされていることを知りました。その名もXSR155。私の大好物である小排気量の単気筒エンジンを積んだネオ・クラシック。スクランブラーにも小粋なカフェ・レーサーにもカスタム可能なモデルで、なんといってもお値段が現地価格で30万円ちょっと。カブに5万円くらい足せば買えちゃう。これこれ、こういうのが良いのですよ。
思い起こせば1970年代後半から80年代、日本のバイク業界は、後にも先にもない全盛期を迎えていました。特に、高出力で、カラフルなカウリングをまとったレーサー・レプリカは、若者たちのハートをがっちりと掴み、どこもかしこも走り屋だらけ。CB、RZ、FX、GSXなど、現代にも受け継がれる数々の名車を生み出してきたのもこの年代です。
 でも、それは同時に無数の暴走族をも生み出し、社会から嫌われ、高校生を中心に「3ナイ運動」に発展しました。7.2hpを誇る2スト原付は姿を消し、バイクの市場自体がどんどん縮小していきました。今では、スクーターと、ノスタルジーに浸るおじさん世代がカムバックする大排気量の2極化と言っていいでしょう。
 急加速で下降の一途をたどってしまったバイク・ブーム。世界中で支持される日本の4大バイクメーカーは、本拠地である日本で、どこをどう間違えたから、このような現状に至り、なおも喘いでいるのでしょう。
 専門家でもない素人が勝手なことを言うだけなのですが、誤解を恐れずに言えば、私は125ccクラスの小型車に力を注がなかったのが大きな原因のひとつだと思っています。
 日本の一般道の速度域や移動距離を現実的に考えれば、毎日の足として、或いはちょっとしたツーリング程度であれば、小型車がベストなチョイスだと思います。燃費=エコという観点からも時代の要請に適っています。
 莫大な資金を投じて開発したレース車両の技術を、そのまま市販車両にレプリカという形でフィードバックするという発想が、そもそも間違いだったのではないか。安全性や燃費といった良い部分だけを取り入れればよくて、それ以外は現実の社会に最適な大きさと実用性能を追求していたら、日本のマーケットは今のようにはなってなかったんじゃないか、と。
 ちょうど良いサイズのお洒落な小型バイクが市場のマジョリティを占めていれば、法律の方だってそうした現実に沿って、もっと身近に乗れるよう、免許制度や規制を緩和する方向に改正されていたのではないか。そんなふうに思います。
 そして、残念ながら、四輪と共にバイクも遠くない将来、すべて電池を動力源とするようになるでしょう。近未来的なフォルムの乗り物が、音もなくスルスルと道を行き交う、そんなピクチャーを日本のバイク・メーカーは思い描いているのでしょうか。そしてそこでは、風や鼓動を肌で感じ、愛機と対話するような感動は得られるのでしょうか。

2019年9月5日木曜日

それでもネッシーはいます

 ニュージーランドのオタゴ大学の教授が主宰する科学者の国際調査チームが、「ネス湖のネッシーの正体は、おそらく巨大化したウナギではないか」という調査結果を発表しました。
 このニュースを見たおじさんが真っ先に抱いた感想は、「んなこたぁない」です。
 調査は、250か所の湖水サンプルから生物由来のDNAを分析したっつうことですけど、まあ言ってみれば「存在しないことの証明」イコール悪魔の証明なわけです。で、ウナギのDNAが大量に確認できたからといって、ネッシーが存在しないことの証明にはなってないと、素人的には思ってしまいます。
 それに、昆虫や魚介類などの生物が巨大化する熱帯地域ならばともかくも、真夏でもひんやりと涼しいインバネス地方で、湖の、それもウナギだけが巨大化するというのも実に解せない話です。
 ニュースを深読みすれば、調査実施を許可したであろうスコットランドの観光当局が、この調査結果の公表を簡単に認めたのは、おそらく調査結果を誰も信用しないと踏んだからに違いありません。つまり、観光収入の目玉であるネス湖の魅力を損なうものではないと判断したのではないかと、そんなふうに勘ぐっています。
この有名な写真が実はフェイクであったことは、今や世界中に知られています。それでも、ネス湖にはネッシーはいるんです。いると信じていたいのです。なんたって現地に行って湖畔で一週間を過ごした私が言うのですから間違いないんです。そう、STAP細胞はあります、と叫んだ人の気持ちが、今なら解る気もします。