2019年7月1日月曜日

海外で活躍する日本人アスリートを応援したい(藤田菜七子くん)

 競馬を趣味としない人でも、今日のこのニュースは目に留まったのではないか。
 JRAが生んだ女性騎手・藤田菜七子が30日、スウェーデンで開催された国際女性騎手招待競走「ウィメンジョッキーズワールドカップ」に日本代表として出場し、海外初勝利を含む5戦2勝2着1回という成績で見事、総合優勝を飾ったのです。
 菜七子くんにとって4回目の挑戦となった世界という舞台、各国から選ばれた10人の女性騎手を相手に、名実ともに「女性騎手世界一」の称号をもぎとったのだ。拍手。
21歳という若さ、そしてその可愛らしいルックスから、デビューしたての頃からマスコミを中心にアイドル的なもてはやされ方をされてきました。たしかに、彼女の知名度や人気をアテ込んでか、馬主からの騎乗依頼も他の若手騎手より多く、そういう意味では恵まれていると言えるでしょう。ただし、本人はその点たいへん謙虚で、それがまた良いという相乗効果。
 ただし、赤鉛筆を耳に挟んだガチの競馬ファンは、それだけでは馬券は買いませんでした。ま、話のネタと、応援がてら500円くらい買っておくかてなところがせいぜいではあるまいか。基本的に、配当をもたらさない騎手に用はないのです。
 ところが、菜七子くんはデビュー以来、地方開催を中心に着々と勝ち鞍を積み重ね、ついには今年、G1にも初騎乗。手綱さばきもなかなかのもんで、逃げてよし、差してよし。これまでシビアな見方をしていた辛口競馬ファンのおじさんたちも、可愛いから、若い女の子だからという理由ではなく、配当になる3着以内が期待できる騎手として彼女を見るようになってきています。
 公営ギャンブルである競馬が「スポーツ」のカテゴリーに分類されていることに違和感を覚える方も少なくないと思います。でも、TV特番や動画などだけでも、プロの騎手という職業がいかにタフな肉体と精神力を要求されるものであるか、またそのため過酷なトレーニングと体重管理に日々取り組んでいるのを知ることができます。馬も騎手も、共に純粋なアスリートに他ならないのです。しかも、騎手には男女の区別がありません。馬主、厩舎、トレーニングセンター、調教師、騎手といった関係者がチーム一丸となってひとつのレースに臨むという形態も、コーチやトレーナーが常に周囲で選手をサポートするその他のプロスポーツと同じです。
 種目を問わず、あるいはスポーツというジャンルを超えて、海外で活躍する日本人の姿を目にするとき、海外に暮らすひとりの日本人として純粋に応援したい気持ちにかられます。大リーグの大谷選手が昨日の試合でまたホームランを打ったか、ゴルフの畑岡選手は順位を上げているか、ルマンやF1でトヨタやホンダは勝ったのか。毎朝期待を込めてネットをチェックし、そのとおりだった日は実に気分よく出勤できるのです。こっちも頑張ろうっていう気になるのです。

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