2021年9月26日日曜日

59歳オッサンのアイドル考

  乃木坂46の星野みなみちゃんに熱愛スクープからの活動自粛というニュースが流れて、椅子から転げ落ちそうになった。そう、何を隠そう、私、齢59のオッサンにして、そこそこのアイドル好きオタク予備軍だったのです。大島、前田のダブルセンター時代のAKB48なら全員、乃木坂なら卒業したメンバーを含めてほぼ全員の名前を言い当てることができます。因みに、オッサンの推しメンは秋元真夏タソ。まなったん。ちっちゃくて、実に可愛い。

 アイドルの熱愛が発覚すると、必ず世論は真っ二つに分かれますね。一つは、アイドルというのはファンに疑似恋愛という夢を与える仕事なんだから、ガチの恋愛はご法度だと。百歩譲って、してもいいけどバレないようにやれよプロなんだからという主張。確かに、一人のアイドルに1000人、10000人のファンがいるとして、個々のファンはアイドルから見れば1対1000、1対10000であることを分かり切った上でなお、1000分の1、10000分の1の恋愛関係を夢見る。

 かたや、アイドルとはいえ人格もプライバシーもあるひとりの人間、ひとりの女性なのだから、若くいちばん綺麗なときに恋愛はあって当然、むしろないほうがおかしい。オタクさんたちには残念でした、つうかキモいんだよ。だけど敢えて言わせてもらうとさ、相手も独身ならなおさら、推しメンの恋愛を見守り、幸せを願うことこそファンとしてとるべき態度なんじゃねぇのという主張。だが、オジさんはそのどちらとも少し違うことを思うのよ。

 アイドルは職業としてそれをやっている限り、プロだ。一方、アイドルを追いかけるオタクも、相当の時間、情熱、お金を費やして推しメンの人気と地位を支えている以上、ある意味プロのファンと言える。そして、アイドルの側はいつまでプロとしての姿勢を貫くことができるかが勝負。恋愛に走るなどのゴシップで自らの価値を失うリスクと、一人の女性としての本音との綱引きに勝つか負けるかのギリギリで刹那的に生きている。逆にファンの側では、今はキラキラと虹色に輝いているけれど、いつ弾けて消えてしまうかもしれないシャボン玉を追いかけているようなもので、推しメンに裏切られ酷く傷つくリスクを常に背負いつつも、熱中し、応援する。そうしたアイドルとファンの間に成立するいわば「我慢比べ」みたいな関係性を、オジさんは尊いと思う派だ。世の中のマジョリティはバカバカしいと言うだろうことなど、当たり前に分かっているんだけどね。息子よりも年下の女の子たちが、大人の中で頑張っているのを見ると、無条件で応援したくなる。なんたってみんな可愛いし。可愛いは大正義だ。古代エジプトのネフェルティティだって、クレオパトラだって、ギザかわゆすだったに違いない(ギザのピラミッドにかかっているのは偶然です)。

2021年9月17日金曜日

何をすればこんなに寝違えるのかと

  見事に1ヶ月も更新をサボった。何も書くことがない訳ではない。むしろ、世の中ではいろんなことが起こりすぎていて、それらをいちいち書き言葉にする手間ヒマが面倒で仕方がないのだ。オリパラが終わった、アフガン情勢、メッシのバルサ退団、総理の総裁選不出馬、新型フェアレディZのお目見え、ゴルフの伸び悩み、緊急事態宣言の再延長。。。

 オジさんのそんな忙しい?日々の生活を支える資本は、もちろん肉体である。だが約60年間使い続けた身体の現実は、嫌というほど年相応に満身創痍だ。そんな折、約2週間くらい前に、左肩甲骨の少し内側少し下を痛めた。夜な夜な寝っ転がった不自然な姿勢でiPadを見続けた結果、起きてるでもなく寝てるでもない間に、壮絶に寝違えたらしい。2、3日すれば治るだろうというナメ切った経験則は完全に裏切られ、今もまだ痛みが続いている。特に、ベッドに横になったときに、どんな姿勢をとっても痛くて眠れなくなったところで、ようやく湿布薬を貼るという当たり前の対処療法を思い出した。

 いざ湿布薬である。身体の柔軟性という今からでは到底改善が見込めない難題に加えて、元より致命的な方向音痴を自負する初老には、手の届かない背中へ鏡に映った反転イメージを頼りに湿布薬を貼るという難易度Maxのタスクをこなせるはずがない。案の定、粘着面同士がくっついて団子になってしまい、患部に到達する前に貴重な湿布を何枚もダンクシュートする羽目に。独身・単身者にとって何が辛いかって、背中に湿布を貼れないことがダントツ1位だろう。

 そんなアナタ、世の中にはこんな製品があるらしい。その名も「ひとりでペッタンコ」。990円。だがこの湿布を貼れない切実な思いを人は平均して年に何回くらい味わい、「ああ、やっぱこれ買っといて良かったわぁ」と溜飲を下げるのだろうか。しかも、練習なしの一発勝負で果たして本当に上手く貼れるのだろうか。仮に上手く貼れたとしても、人のぬくもりが全く感じられないプラスチック製品に心から感謝の念を抱くというのも何だかとても虚しい。そんなふうに考えると、990円が高いのか安いのかよく分からない。