2019年2月11日月曜日

いろんな顔を持つ都市アレキサンドリア

 アレキサンドリア1泊の小旅行から帰って来ました。
 人口約500万人を抱えるエジプト第2の都市アレキサンドリアは、アレキサンダー大王に征服されて以降、プトレマイオス朝、グレコローマン時代を経て現代に繋がる地中海沿いの歴史ある街です。
 街には2000年前の古代遺跡あり、ローマ帝国の名残あり、キリスト教とのゆかりありという正に混沌。かたや、インドから渡って来る香辛料を運んでイタリアに運んだ貿易船が頻繁に出入りする港町であり(荷揚げ港であったベネチアに、だから胡椒富豪がたくさんいた)、エメラルドグリーンの海や美味しい海産物を楽しむサマー・リゾート地でもあります。
 現地に着いてその足で行ったレストランで、新鮮なスズキの塩焼きを食べてお腹を満たしてから足掛け2日、駆け足で見て回りました。
 撮影機材は、新兵器のEOS80D。レンズはEF-S10-22USMです。35mm換算で16-35mmに相当するこのワイドレンズ、旅行のスナップには無敵ですね。2日間これ1本でした。心配された周辺光量落ち(四隅が暗く映る)もなく、とても優れたレンズです。
コルニッシュ通り沿いのホテルの部屋から見下ろしたアレキサンドリアのビーチ。まだ寒くて泳げないよ。風も強いし。
カーイト・ベイの要塞。
 古代世界の七不思議の一つであるアレキサンドリア大灯台が、湾の突端に位置するこの場所に建っていたそうです。14世紀に起きた大地震によって、しかし大灯台は倒壊してしまいます。その瓦礫を利用して建てられたのが現在ある要塞。ギザのピラミッドと合わせて、古代の七不思議の2つがエジプトに残っているわけです。

  要塞内部の覗き窓から見た湾と海岸の様子。
  1対のスフィンクスの後ろに立つのがポンペイ柱。紀元前3世紀ごろ、セラピス神に捧げるために建造されたセラペウム遺跡は、どっぷりダウンタウンの中、ほんのりと隆起した丘の上にあります。神殿は、391年にキリスト教徒によって破壊されてしまいました。ローマもひどいことをします。神殿の図書館を支える400本の柱のうちの1本だけが残ったという説があるんですけど、いやいや、最初から1本だけだったという人もいるとか。
 中国人の観光客がバス2台で来ていましたっけ。いるなぁ、どこにでも。
  アレキサンドリアを離れて西に約50km走ると、突然現れるのがアブ・ミーナ。ひどいローマ帝国によるキリスト教弾圧の一環として死罪に処されてしまった聖人メナスゆかりの地で、遺跡は世界遺産です。今は遺跡のすぐ脇に大小3つの聖堂が固まって建てられています。
 聖メナスが埋葬された墓地の周辺から湧き出た水は病を治す癒しの力があると信じるキリスト教徒の巡礼地として、5世紀ころから今に至るまで信仰されています。奇跡の水はテラコッタという壺に入れて持ち帰られたそうで、多くの壺が発掘されているほか、メナスの遺骨は小さく無数に砕かれ、その欠片がエジプト中のコプト教(古代キリスト教)の教会に分祀されているんだそうです。
 聖書の一部を構成する出エジプト記だったり、聖メナスだったり、やはりエジプトはキリスト教と切っても切れない歴史があるんだなぁ。
  大聖堂の内部。フラスコ画とステンドガラスがたいへん美しい。
 それにしても、よくもまあ海からも遠くて、周りに何~んにもない、なんでこんなところに聖メナスを祀ったのだろうと、つくづく思います。今でこそ畑が広がっていますけど、2000年前は間違いなく砂漠のど真ん中です。まったく謎です。
  お土産屋が軒を並べています。ほとんどが聖メナスゆかりのもので、巡礼者と思しき人たちが何やら買い求めていました。
最後は、羊を追うベドウィン(遊牧の民)の写真で、ほのぼのしていただきましょう。写真を撮るよってつもりで手をふったら、良い笑顔で手を振りかえしてくれましたよ。

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