2023年5月3日水曜日

アメリカで医療のご利用は慎重にね

  先日、細君が脇腹の激痛に苦しみ、近所のUrgent Careに駆け込んだくだりを投稿した。結局、その晩はステロイド系の強い薬を点滴で投与したのが効いて、いったん落ち着いたものの、翌々日の午後には再び激痛が襲う。腎結石という診断はビンゴで、腎臓から膀胱につながる尿管の途中で石がつっかえているという。もう飲み薬を飲んでも、背中のツボを押しても、焼け石に水状態。

 てなことで、今度は車でサンタモニカにある大きな病院の救急外来(Emergency Room)に駆け込んだ。どうして救急車を呼ばないかって? アメリカで救急車は有料なのです。しかも、州によって違いはあれど、基本料金$2,500プラス走行距離加算、救急救命士が同乗すればそれもまた加算てな具合で、ダイアル911を呼ぶのは簡単だが、あっという間に$3,000以上の請求が来る。

 流石に大病院の救急外来だけあって、ほとんど待つことなく受診、専門の医師も常に待機していて、CTスキャン、血液検査、点滴など手際良く処置する。約2時間後、ケロッと爽やかな顔つきの細君の手には、診断結果などが書かれたレポートが。病院が気を利かせてアパートの近所に指定してくれた大型薬局に寄って、処方された薬をピックアップして帰宅。これが4月20日のこと。

 それから約1週間後、病院から請求書がメールで送られてきました。代金は約$8,500。今のレートで110万円。ご丁寧に「お支払い方法についてはお気軽にご相談ください」という趣旨のことが、えげつない金額をカモフラージュするように、実に優しい表現で書かれている。いえ、相談しません。相談する相手は、保険会社です。言うが早いか、医療保険会社に請求書を転送し、無事、代わりに支払ってもらいました。そう、キャッシュレスタイプの医療保険です。世界最高水準と言われるアメリカの高額医療費の支払いプレッシャーを回避するためには、キャッシュレスで医療機関を利用できるタイプの医療保険に加入していなければなりません。国民皆保険が当たり前の日本では考えられないことでしょう。雇用主が、提携ネットワークの広い、自己負担の少ない医療保険を、家族の分まで含めて従業員に提供できるかどうかが、労働市場において質の高い従業員を維持確保するための条件になっているってわけです。

 風邪をひいて医者に行き問診されただけで数千ドル、盲腸の手術したら3万ドルなんて話が当たり前の世界。保険なしでは怖くて生きていけません。

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