2017年11月30日木曜日

カイロの街はハイエースだらけ

 平日のカイロの街中は、時間を問わず、どこへ行っても激しい交通渋滞です。
 車線や信号なんてものは、あって無いのと同じ。車検も排ガス規制もありませんので、あらゆるメーカーの、しかも当たり前のように整備不良の中古車が路上にひしめき合っています。そこへ荷車を引いたロバだの、ノーヘル上等で幼い子供を前後に乗せたバイクだの、自殺覚悟なの?ってくらい勇敢に道路を渡る歩行者たちだの、もうカオスもいいとこ。イタリアでは運転マナーの悪さにさんざ辟易としましたけど、ここへ来るとエジプト人たちも少しはイタリア人を見習えと言いたくなってしまうほどです。

  そんな酷い交通事情の中、市民の大切な通勤の足となっているのが、乗り合いのミニバス。こちらでは「セルビス」(サービスのフランス語読みなのか)と呼ばれていて、そのほとんどがトヨタ・ハイエースです。主要な幹線道路には常時無数のハイエースが走っていて、路側帯のないところだろうが、信号の交差点だろうが、後続車が詰まって渋滞を悪化させようが、まるでお構いなしにどこでも止まって客が乗り降りします。料金は、ちょっと遠くても多分100円するかしないかくらいでしょう。
エジプトではつい先日も、シナイ半島でモスクが襲撃され、死者300人を超える悲惨なテロ事件が発生しました。2012年の革命を境に、世界中からエジプトを訪れる観光客は激減し、ようやく回復の兆しをみせてきた矢先の出来事です。
 しかし、観光客の少ない今ですらこの渋滞なのですから、政情が安定して客足が戻って来たら、いったいどうなってしまうのでしょう。

2017年11月22日水曜日

物欲の季節

 すっかり物欲の季節になりました(なんじゃそりゃ)。
 エジプトに赴任してきて9ヶ月が経ちますが、師走に一時帰国の休暇を強行することにしたものですから、日頃エジプトでまったくできない買い物欲が否応なく煽られている状況です。さあて日本で何を買ってやろうかと、日々ネットでターゲットの製品をリサーチするのが楽しいのなんの。いい歳したオジさんの心を揺さぶる罪深きモノたちを発表します。


その① 物欲の先頭を走るのは、ご存知ipad pro。持ち運びも楽な10.5インチのやつが欲しい。apple penでメモ書きもしてみたい。手持ちのiphoneでテザリングしちゃうので、安いwifiモデルで十分とみた。なんやかやで合計10万円くらいか。


その② 次にゴルフクラブ。ミズノのアイアンセットと、ホンマのユーティリティが欲しい。前者は養老工場でクラフトマンたちが丹精込めて作ってる、その名もMP66。セミキャビティのニクい奴。メーカー直営店で親切なスタッフに丁寧にフィッティングしてもらって、新品を揃えたい。歳をとると人の親切がとても嬉しい。なにせ、今持っているアイアンは5カ国も持ち歩いて都合20年近く使い続けたポンコツ、いや、ベテランなので。ホンマの方はまあ中古でもいいや。双方で合計約12~3万円ほどか。


その③ で、あとデジカメ。欲しいのはLeicaV-lux。非交換タイプの高倍率ズームレンズが付いてて、これ1台ですべて事足りちゃう。お洒落なバッグとストラップのexploreセットが20万円弱。まあなにせお高いですから、手持ちのCanonの古い一眼とレンズたち、富士フイルムのデジカメもすべて売っぱらって、それでも差額は13~14万円に及ぶのではあるまいか。

その④ そして最後はスーパーカブ。保険やヘルメット代を含めれば乗り出し30万円ほどだろう。即納車できれば、日本にいる20日あまりの間に、歯医者に通ったりゴルフショップに行ったりするのがどれだけ楽しくなるか。  
 
 と、まあこんなふうに並べてみたものの、4アイテム全部買ったら70万円を超えてしまいます。超万馬券でも当たらない限り、到底お話になりません。ボーナスなんか一撃で木端微塵です。なので、ここは自らをクールダウンさせるため、そして我に返って現実的な選択をするため、それぞれについてプロ・コン(良い点・悪い点)を考えてみようと思います。

①については、自宅で使っているノートPCがそろそろ限界を迎えつつあるのです2012年夏モデルというシールが貼ってあります。OSはWindows7で、サポート終了まであと1年。早晩、買い換える必要に迫られるでしょう。
 一方、今後とも単身赴任の自宅にどうしてもノートPCが必要かというと、これは相当に怪しい。実際PCの使い道は、年1回の年賀状の作成と、月数回のブログの書き込み。日々の使用はくだらないネットサーフィンだけ。youtubeばかり見てます。であれば、安くないノートPCを買うよりも、タブレットの方が遙かに使い道が広がるのではないだろうか。ベッドで動画も見られるし、出張にも持って行けるし。問題は10.5インチという画面のサイズが老眼にフィットするかどうかですが、それ以外は否定的な要素があまり見当たりません。
②については、今現在、手持ちのクラブで特に困っているかというと、実は困っているというところまでは行ってない。見た目は傷だらけでくたびれてるけど、機能に不満はない。単に20年モノじゃなくて新しいのが欲しいという、言わば純粋な物欲ですかね。あと1~2年なら我慢できなくもない。
③については、正直なところ贅沢品であることは解ってます。しかも、ものぐさが進行している最近では、スマホでしか写真を撮らなくなってしまってる現実もあります。使用頻度の点からも、コスパの点からも、今買うべき積極的理由はほとんどなさそうです。ただね、いつか鎌倉あたりをゆっくり散歩するのが週末の楽しみ、なんて歳になったときに、首から下げてるカメラがこのLeicaだったら、どんなにカッチョ良いだろうかと、妄想するのですよ。ええ。
④については。。。だって、駅まで歩いたり、チャリ漕いだりするの、嫌なんです。。。

2017年11月4日土曜日

ヘルメットにブレーキランプとか

 最近のニュースで、二輪のヘルメットに装着するブレーキランプってのがあるのを知りました。
 減速を感知して勝手に光るメカニズムなので、ライダーのブレーキ操作とは関係なく作動します。だから、エンジンブレーキのみで減速したときも光るんだそうです。2時間の充電で8時間の使用に耐える。お値段19,690円。
 パッと見のデザインは、悪くないなと思います。
 でも、充電性能がイマイチですね。スマホ関連だけでも電池切れの心配から解放されない毎日だというのに、ヘルメットまで充電を気にしなきゃいけないとなると、結構なストレスになりそう。あ、タンデムはできませんね。
かと思えば、自転車用のヘルメットに至っては、ワイアレス接続のスイッチをハンドルにつければ、ウィンカーまで作動するものがありました。こちらは1日30分の使用なら1週間もつ充電性能で、16,280円。

 オートバイも自転車も、安全性が向上するのは良いことであるのは間違いありません。でも、なんとなく違和感を覚えてしまうのは、歳のせいなのでしょうか。
 オートバイのテールランプは、デザインを重視するあまり年々小さくなっているし、ウィンカーは小型化に加えて幅も狭くなってきています。
 もちろん国が定めた安全基準を満たしてはいるのでしょうけど、昔のFZ750やZ1300みたいな巨大なテールランプはデザイン的にも嫌いではなかったし、大きく左右に張り出したウィンカーも、前後を走る車に対して確実に意思が伝わるという安心感がありました。安全性が犠牲となるデザインは人の為にはならない。本当の意味でのデザインではないと思ってしまうのです。
 自動車は四方をカメラで認識するようになり、AIによる自動運転制御に道路交通が支配される世の中は、すぐ目の前まで来ています。技術の革新はしかし、人間の感性をどんどん鈍くするものでもあります。人間が本来持っている検知能力や感性が薄らいでいく未来、なんだか怖くもあります。