2019年12月13日金曜日

どちら様もよいお年を

 これが年内最後のエントリになると思います。
 平成最後、そして令和最初の年は、どんな年だったでしょうか。私は日本を離れていますので、天皇陛下ご即位の礼もニュースで見るだけで、生活実感はありませんでした。
 ただ、確実に一つ歳を重ねた中で、体重を落としたおかげで持ってる服がぜんぶブカブカになったのと、ゴルフの飛距離が落ちた以外は特段新しいこともなく、大きな喜怒哀楽もなく、淡々と生活をしてきた一年だったと振り返ることができます。家族を含め深刻な状況に陥ることも、健康を害することもなく過ごせたという意味では、むしろ平安無事を感謝しなければならないのでしょう。
 ちょっと早いですが、この一年もお世話になりました。
 皆さまにおかれては、どうぞ良いクリスマス、そして新年をお迎えください。

2019年12月10日火曜日

物欲が沸騰する年の瀬

 今週末から定期健康診断などのため、一時帰国します。さて、久しぶりの日本では、早々に人間ドックを受診してしまえば、その後は、年の瀬に向けて絶賛沸騰中の物欲との闘いになります。激しい闘いになる予感しかしません。
 目下、欲しいモノ。
 第1位、Mac Book Air。2012年発売のWindows7パソコンを使い続けて早8年。来年1月でサポート終了のお知らせがバンバン配信されてきます。んなこたぁ分かっちょるわい。てなことで、この休みの間に何としても後継機を買う必要がある訳で、iPhone、iPadは既に持っているので、これにMacを加えれば三種の神器が揃うという図式。Apple製品同士の連携も楽しんでみたい。税込約13万円。
第2位、Martin D15M Street Master。少年の頃から家の中の手が届くところには必ずギターがありました。一時期バンドにハマり、エレキにも手を出したことはありますが、基本的にはアコースティックが好き。今でもカイロのアパートにはいわゆるフォークとクラシックの2本がありますし、日本の家に帰れば息子2人がそれぞれのアコギを持っている。何十年と弾いてきたけど、ちっとも上手くはならない。でもね、好きなんです。で、アコギと言えば、やっぱりいつかはMartinなんですよ。もうあと何年かで定年退職して所得もなくなると、もう高い買い物などできそうにない。ならば、今この時に、残りの人生これ1本さえあれば幸せでいられるというギターを手に入れたい。そんな願いを形にしたのが、Martinなんです。型番のDは、ドレッドノートというボディ形状を、また、Mはマホガニー材が使われていることを示しています。税込約25万円くらいか。新しいモデルなので、まだ中古は出回ってないだろうなぁ。
第3位、Red Wingタイプのブーツ。こういう形のブーツをRed Wingというそうですが、厚底のマウンテン系よりも、街中でも服装を選ばないこんなソールのものが欲しい。2~3万円は見なきゃならない。
これらを全部買うとした場合、約40人の諭吉さんがすっ飛んで行ってしまいます。いくらなんでも衝動買いの範疇を超えている。悩みは尽きないのです。

2019年12月2日月曜日

ア首連で豚を食らってみた

 先週、アラブ首長国連合の首都アブダビに出張した際、某ホテルのレストランで豚肉を満喫してきました。
 もとより、イスラム教徒が大多数を占めるエジプトでは、宗教上の理由で忌避されている豚肉を入手することは非常に困難です。ところが、同じイスラム圏であるア首連では、豚肉料理を出すお店が少なくありません。特定のスーパーなどに行けば肉のコーナーで普通に買えたりもするようです。石油がたくさん出るお金持ちの国は、輸入できるものなら何でもあるんです。様々な国籍の人達が働いているし、だから食生活も多様なのです。
 日本人にとって豚肉がない毎日というのは、思ったよりも辛いものだったりします。トンカツ、チャーシュー、肉じゃが、生姜焼き、コロッケ、しゃぶしゃぶ、粗挽きウィンナー。。。と、そういえばしばらく食べてないメニューがどんどん頭に浮かんで来ると、もういてもたってもいられなくなりますから、普段はあまり考えないようにするしかないですね。
で、アブダビで食らいついたのが、ちょうどこんなかんじの豚グリル盛り合わせ。涙こそ出ませんでしたけど、美味しかったなぁ。ビールが進んじゃいました。日本の業界は、和牛の海外への売り込みに熱心ですが、いやいや、日本の豚もいいですよ。

2019年11月24日日曜日

ライオンのミイラが見つかったとさ

 エジプト考古省が、ビールの銘柄にもなっている階段ピラミッドで有名なサッカラの古代遺跡で、ライオンと思われるミイラ5体をはじめ、猫やワニなど多数の動物のミイラを最近発掘したとして、メディアに公開した模様です。 
とはいえ、階段ピラミッドが造られたとされる紀元前3,000年頃のものではなく、紀元前6~7世紀の第26王朝時代、ネコの頭をした女神バステトを祭る神殿の下から見つかったということなので、それほど古い感じはしません(いや、十分に古いんですけどね)。
もとより、猫は古代エジプトでは神々の象徴として崇拝されていたし、ヨーロッパで猫を飼う習慣が根付いたのもそのあたりが起源です。イスラム教徒が大部分を占める現代のエジプトでも、預言者ムハンマドの教えに基づいて、猫は大事にするべき生き物とされていますので、中東ではどこへ行っても街中に猫がたくさんいます。
 だから猫のミイラが古代遺跡に埋葬されていてもまったく不思議ではないし、ワニのミイラだってルクソールなど他の地方では既にたくさん見つかっているので珍しくはないのです。が、ライオンが見つかったのは今回が初めてなんだとか。90センチくらいの大きさであることから、生後約8か月の雄の赤ちゃんライオンである可能性が高いと推定されているとのこと。
 サバンナに生息するはずのライオンが、ほぼ砂漠しかない古代エジプトには野生で生きていたのか、それとも珍重される動物として権力者が南方から買い付けて来たのか、はたまた外国からの献上品なのか、今後そのあたりも検証されるかもしれないと思うと、ちょっとワクワクします。そういえば、スフィンクスの胴体もライオンですね。

2019年11月20日水曜日

アストン・マーティンのバイクだってよ

 アストン・マーティンがバイクを出したってよ~。
 ミラノの二輪モーターショウEICMAで発表されたというこの記事を観て、ワーオと叫んでしまいそうになりました。そして、ひょっとしたら、相当がんばったら手の届くお値段だったりする?と期待した私がバカでした。
 世界限定100台、10万ユーロ(1,200万円)を超えるプライス・タグが付けられるようです。はいはい、やっぱりね。中東の石油成金のボンクラ息子たちの手に渡るのね。な~んだ。
それにしても、エイリアンにも似たフォルムに、ドゥカティみたいな1,000ccVツインを積んで、ターボまでくっつけちゃったこのバイク、いったいどんな音を出して、どんな走りをするのでしょうか。さっそく、007の最新作に使われそうな予感がします。

2019年11月11日月曜日

ベルリンの壁崩壊から30年(~その頃と言えば)

 一昨日の11月9日は、ベルリンの壁崩壊から30年の記念の日なんだそうですね。
 1989年のこの日、プロパガンダによって同じドイツ民族を東西に隔てていた堅牢な壁が、国境通過の自由を求める人々の手によって壊されたと記憶している人も多いと思いますが、実はそうではないんです。翌日に閣議決定を控えた政府当局が11月9日に誤った発表をしたばかりに、その日の夜、国境検問所に押し寄せた数万という群衆の圧力に耐え切れず、ついに11月10日未明(零時2分)に全ての国境検問所のゲートを開放したのです。つるはしなどを手にした人々によって壁が壊され始めたのは、それから数時間後のことですから、壁を崩壊して自由を勝ち取ったのではなくて、自由化されたので壁を壊したというのが正解。
 さて、そのころ私は、やはりアフリカの某国に駐在していました。若かったですね。海外生活も既に2か所目になっていたので、ベルリンの壁崩壊前の5年間くらいは日本の世情をあまり詳しく知りません。今でこそネットもメールもあるし、年に2回くらいは一時帰国しているのですけど、30年前当時はまだ航空賃もたいへんお高くて、おいそれとは日本を往復することができませんでした。
 アフリカの片隅で、在留邦人が肩を寄せ合うようにして暮らしていた中で、夜な夜な誰かの家に集まればカラオケで盛り上がるというのが常でした。特に、1985、6年頃に流行ったのが、テレサ・テン。おじさんたち皆んなが『空港』や『つぐない』などの大ヒット曲をさかんに歌ってましたね。
 で、懐かしさにかられてyoutubeでテレサ・テンの動画をいくつか観て、はたと膝を打ちました。ワタクシ、30年という時間をかけて今さら気付いてしまったのです。この歌姫のお顔も声も、私の好みのド真ん中でした。ふくよかな頬にすべすべのお肌。そして透明感そのものと言って良い透きとおった声も。晩年は何やら悲運の最期だったようですが、彼女と彼女の歌は今なお、おじさんたちの憧れとして生き続けています。

2019年11月5日火曜日

\(^o^)/クオーター・マルチ

 先の東京モーターショウで、カワサキさんがやってくれちゃいましたね。ニンジャZX-25R。250cc水冷!DOHC4気筒!!
 その昔、中型免許で乗れる初のDOHC4気筒を誇ったZ400FXが大人気を博したときに、その弟分としてほぼ同時で発売されたのが、Z250FTというツィンでした。スリムで角ばったフォルムは確実にZの血筋を主張するものでしたし、それなりにカッコ良かったんですけど、OHCツィンというパワー・ユニットには、どうしても「これじゃない」感が残りました。1979年のことです。
 それが、40年の時を経た今、素晴らしい技術の進歩と共に見事なリベンジを果たしたのです。オジさんは、久しぶりにこのニューモデルに興奮しておるんです。
ほかの3大メーカーさんに追随してもらわなくても全然構いません。むしろ、孤高の存在である方が好ましいぐらい。だって、いまどきは、ぱっと一目でカワサキ(またはニンジャ)と解る強いアイデンティティを持つバイクは、他のメーカーではなかなかないですから。
 話はちょっと変わりますが、youtube動画で新型カタナの実車レビューを観て、感心しました。最新のバイクは、ABSなんてのは当たり前で、アクセルonしなくてもハンクラッチだけで発進できちゃう(エンストしない)ローRPMアシストだの、逆にウィリー防止にもなるトラクション・コントロールだのという機能が満載なんですね。
 まあでも、私は古い人間なので、そういうのは要らないかな。最新のiPhone買ったって、限られたアプリしか使ってないくらいだし。

2019年10月29日火曜日

日本でいちばん有名なエジプト人

 1984年ロス五輪の柔道無差別級で山下康裕選手と金メダルを争ったモハメド・ラシュワンさんが、日本の勲章を受章しました。準決勝で対戦相手のカニばさみを足にくらった山下選手が痛む片足を引きずって臨んだ決勝戦、ラシュワン選手は山下選手の痛めた足をあえて攻めることなく、辛くも銀メダルに甘んじました。でも、結果的にこの一戦で彼は、世界中の人々からフェアプレイ精神を讃えられるところとなりました。一定の年代以上の日本人であれば、あの決勝戦はいつまでも忘れることがないでしょう。
 ラシュワンさんは、おそらく日本人にとって最も有名なエジプト人のひとりであるに違いありません。リバプールで活躍するサッカーのモハメド・サラーと肩を並べるのではないか。
 そして、もちろんエジプト人の間でも、ラシュワンさんは永遠の国民的ヒーローのひとりであるわけです。
 エジプトがオリンピックに初参加した1912年から前回大会の2016年までの間に、エジプト人アスリートが獲得したメダルの数は通算で26個。そして、1964年の東京大会から2000年のシドニー大会までの10大会に限れば、その間に獲得したメダルは、ラシュワンさんの銀メダル唯一つなのです。この時代のメダルの価値がいかに大きいか、察することができます。
 63歳になったラシュワンさん、相変わらずの巨漢です。今は足を悪くしており、杖を手放せなくなっていますが、人懐っこい笑顔が印象的で、日本人の奥様と悠々自適の暮らしをしておられます。来年には日本で足の手術を受ける予定とのことです。いつまでもお元気でいて欲しいと思います。山下さんの言葉を借りれば、世界の柔道界にとって大切な人ですし、日本人の一人としてリスペクトしています。

2019年10月26日土曜日

企業戦士という名のオッサンたちだけのゴルフ合宿

 昨日と今日の1泊2日、カイロに駐在する企業戦士と呼ばれるオッサンばかり10名ほどの一団で、紅海沿いのリゾートホテルにゴルフ合宿に行ってきました。
 カイロから車で約1時間半、夕食/朝食込み、ゴルフ1ラウンド込みで2,000エジプト・ポンドを切ります(1万円ちょっと)。実に安い。2日目におかわりの18ホールを回るのでも、追加のグリーンフィは400ポンド=2,400円。
 思う存分ゴルフをして、みんなでワイワイと飯を食い、酒を飲み、バカ話に花を咲かせ、寝て、朝からまたゴルフ。
 日本経済の一端を背負って立つ海外進出企業戦士たちが、いっとき羽を休めて充電するわけです。しかも参加者全員が40代後半以上の単身赴任者。そりゃそうか。
  ドライビング・レンジには、無粋な人工芝のマットなどありません。天然の芝から練習できる、しかも打ち放題という贅沢さ。
プールを取り囲むように建てられた長屋コテージふうの客室。コスパは最高です。ちなみにこれは、iPhone11の夜景モード。強風の中でしたがこれだけ明るくきれいに撮れます。

2019年10月20日日曜日

感謝されているらしい(Boss's Day)

 先週水曜日の午後、エジプト人スタッフの一人が私の執務室に来て、「ちょっと、ツラ貸せ」と私に言う。実際は、それを30倍くらい丁寧にした感じだったが。
 なになにと彼らの大部屋へ。そして、いきなり大勢の拍手に迎えられ、テーブルにはケーキがセットされていた。
「。。。誕生日はとっくに過ぎてるけど?」
 目をぱちくりさせて困惑する私に返って来た答えは、International Boss's Day(上司の日)なんだそうだ。つまり、勤務3年目にして晴れて私は、部下たちから「良い上司」認定をされたということのようだ。
 私がエジプトに転勤してきたのが2017年の春。エジプトは、その前の年の秋、外貨融資源であるIMFに良い顔をするため、唐突に変動相場制と14%の付加価値税を導入した。その結果、エジプト・ポンドの価値は半減まで急降下、そして35%にも達するインフレに喘いでいた。つまり、輸入品や石油由来の製品の値段が、それまで10,000円だったものが27,000円になってしまったということを意味する。当然、現地スタッフの家計は大打撃を受け、一刻も早く彼らの生計費を回復する必要に迫られていた。
 でも、私の立場でこっそり言わせてもらえば、実はこういうときほど本社を説得しやすい状況は他にない。こちらの言い値プラスアルファのベースアップを認めてもらっただけでなく、それまで手当されていなかった医療保険の適用範囲を扶養親族まで広げるなどの各種待遇改善を、この際だからと全部申請して、全部獲得した。
 こうした変化を目の当たりにした部下たちから「神」扱いされるのも、理解できる。でも、自分でなければ絶対できなかったかというと、そうでもないんだ。巡り合わせってやつだ。そう彼らに言ったところで、謙遜も甚だしいと返されるのは解っているので、敢えて言わないだけでね。
 とはいえ、なんにせよ現地スタッフから感謝されていることが実感できて、嬉しくないはずもなく、まあ、少しは役に立つことができたのかなと、五十肩の痛みもそのときばかりは少し和らいだという、どこにでもあるお話でした。

2019年10月10日木曜日

おっさんのくせにと言われても

 iPhone11を買いました。iPhone6からの買い替えです。
 おっさんのくせに新しもん好きとか、どうせ使いこなせないのにミーハーなんだからと言われても構いません。
 実際、iPhone6でも日常生活に何も困っていませんでしたよ。けど、iOS13にバージョンアップできる対象機種からついに外れてしまった。もともと、OSを最新版にアップデートさえしておけば相当高いセキュリティが確保されるというのも、iPhoneが持つ大きなアドバンテージの一つだと思うので、それが担保されなくなるということなら、買い替えるしかないだろうということと、向こう3~4年使うことを考えると、今が買い時と思った次第。そして、これを使っている3~4年の間に還暦を迎えることもあって、色はProduction Redにしました。歳をとったからか、最近は赤が好きになってきました。
で、11を手に入れて、何か新しい使い方をするようになったかと言うと、そんなこたぁないわけです。お金の無駄?いえいえ、日本に帰ったら息子たちに教えてもらって、いろんなアプリを入れてみたいと目論んでいるんです。
 新型iPhoneのレビューなんか、世の中に溢れていますんで、おっさんがわざわざ解説するような愚挙には及びません。ただ、誰だか忘れましたがどこぞのIT評論家の書いた記事に、「iPhoneは今やインフラ」という記述がありました。この短いセンテンスが、今まで見聞きしたことがないくらいに上手い表現だなぁと、いたく感心しました。
 因みに、手元に残ったiPhone6は、職場のエジプト人スタッフのおじさんに乞われて格安で譲ってあげました。これまたいたく感謝されたので、それはそれでよかった。

2019年10月7日月曜日

やってもうた。人生2度目の勘違い

 先週金曜日は、かなり蒸し暑かったんです。だもんだから、ゴルフで大量の汗をかいた後に飲んだ酒が、細胞の隅々まで沁み込んじゃったんだと思います。夕方まで飲んで、かなり酔っぱらって家に帰りシャワーを浴びると、そのままバッタリと眠ってしまいました。
 で、目を覚ますと枕元の目覚ましの針は10時を指しています。うわぁ、久しぶりに結構よく寝たなぁ、流石に疲れてたんだなぁ。あれ?そういや、なんで女中が来てないんだろう。。。
 毎週土曜日の朝は、フィリピン人の女中が家に来て、掃除、洗濯、アイロンがけなどの家事を代行してくれているんですが、何かあったのだろうか。それならば電話のひとつもないのはおかしい。一週間分の洗濯物が溜まってるし、Yシャツのアイロンがけもしてもらわないと週明けからのローテーションがきつい。
 てなことで、女中のおばさんにTEL。このときに、カーテンを開けて外を見ればよかったんです。
 「なんで今日は来ないの?待ってんだけど」
 「サー、今日は金曜日ですけど。。。」
 「いやいや、昨日ゴルフに行って、その翌日なんだから、今日は土曜日に決まってんじゃん」
 「隣にいるハズバンドにも確かめましたが、今日は金曜日です。サー」
 「いや、だからさぁ」
 いくら噛み砕いて話をしても、私の英語が相手に通じません。そりゃそうなんです。だって、まだ金曜日の夜10時なのですから。
 そのことに気がついたのは、短くない電話を終えて、なんだかんだぐだぐだした後に、パソコンを立ち上げたとき。PC画面の日付はたしかに金曜日。あれ?と狐につままれたような気持ちでカーテンを開けたら、外は真っ暗。もうパニックです。
 もう夜の11時だけど、やむなく再び女中にTEL。ひたすら勘違いを謝ったら、笑って赦してくれましたとさ。
 人生おそらく二度目の勘違い。一度目がどんなシチュエーションだったかは最早ちゃんと覚えていませんけど、たしかそのときは他の人に迷惑はかけなかったと思われます。今回の件、反省はしてないけど、ちょっとショックでした。ちゃんちゃん。

2019年10月1日火曜日

B級映画が大好き

 食欲の秋、芸術の秋、ツーリングの秋、いろんな楽しみ方がある秋の夜長。ですが、ここエジプトではそれも限られています。だから私は、家でせっせとB級映画を観るのがこよなく好きなのです。
 特に洋画。中でも、アクションやミステリーが良い。誤解のないようにリスペクトを込めて言えば、B級といっても、監督も出演者も実力派ぞろいなのに、なぜか大ヒットはしなかったという類の作品が良いですね。隠れ家的な美味しいレストランを探し当てるみたいな感じでしょうか。そんな優れたB級作品の中から、お勧めの洋画を3本紹介します。
 1本目は、これ。「Live from Bagdad」。湾岸戦争のきっかけとなった、1990年のイラクによるクウェート侵攻が作品の舞台。報道各社が一斉に退避する中で、唯一現場に残ったCNNのチームが命がけで撮った映像を世界に配信するお話です。中年以上の人なら、「あー、TVのニュースで観たわ、この映像」と、思い出すはずです。
  2本目は、これ。「Shooter」。腕っこきのスナイパーだった元海兵隊の軍人が、協力を求めてきたはずの政府の陰謀によって、大統領暗殺未遂の犯人に仕立てられてしまうというお話。窮地をひっくり返すラストの展開は、スカッとします。
 そして3本目が、これ。「The Kingdom」。サウジアラビアで外国人居住区をターゲットとした自爆テロが発生、現地調査に乗り込んだ4名のFBI捜査官チームが、テロ首謀者一味と思いがけぬ銃撃戦になってしまうというもの。撃たれたテロリストの長老が死の直前に孫に耳打ちした最後の台詞が、テロとの戦いのすべてを物語ります。
まあ以上の3本とも、とにかく無数の銃弾、砲弾が飛び交います。男の子は、いくつになっても好きなんですね、こういうタフガイが活躍する映画が。もちろん軍事オタクにも充分に満足いただけるんではないだろうか。

2019年9月23日月曜日

ちょっと真面目に停電の話


 先週金曜日、大統領の政治姿勢などに反対するデモがエジプト各地で行われました。声を上げたのは、ヤリ手のビジネスマン。この主宰者が呼びかけを拡散し民衆の参加を募ったのが、youtube動画だそうです
 デモは比較的穏やかなもので、当日の夜中には収束し、幸いなことに人的・物的損害は生じなかった模様。ですが、来週以降も再びデモを呼びかける予定だとしていることもあって、翌日にはLINEが全く繋がらない状態に、そして、その日以来、ネットの接続がきわめて不安定な状態が今なお続いています。おそらくは、当局が何らかのネット規制を施しているのではないかと。
 こんなエジプトくんだりでも、ネットが繋がらないだけで何もできないような暗い気持ちになるのですから、長期間の停電に苦しむ千葉県の台風被災者の皆さんの心労がいかに深刻か、想像に難くありません。もちろんエジプトでも停電は頻繁に発生しますし、短時間とはいえその都度イライラのボルテージが急上昇するんですけど。
 日本のニュース番組のインタビューで、2週間ぶりに電気が通ったお寺の住職が言ってました。「電気は現代の希望の光だということが実感できました」と。
 電気とインターネット。この2つが奪われるだけで、人間の社会はいとも簡単に機能停止状態に陥ってしまうし、それが長期に及べば崩壊にまで至るでしょう。そんな脆さ、危うさが常に背後にあることを忘れないようにしなければなりませんね。
 あ、話がちょっと真面目すぎたでしょうか。でも、接続に時間がかかるので、このエントリをアップするのにも、結構な時間がかかってしまいました。

2019年9月11日水曜日

バイク業界はどんな世界を見据えているのか

 日本では大型台風の直撃だとか、内閣改造だとか、新型iphoneの発表だとか、なにかと慌ただしくニュースが流れていますね。ここカイロは特筆すべき出来事もなく、通常運転です。
 さて、先月、タイでヤマハの新しいバイクがリリースされていることを知りました。その名もXSR155。私の大好物である小排気量の単気筒エンジンを積んだネオ・クラシック。スクランブラーにも小粋なカフェ・レーサーにもカスタム可能なモデルで、なんといってもお値段が現地価格で30万円ちょっと。カブに5万円くらい足せば買えちゃう。これこれ、こういうのが良いのですよ。
思い起こせば1970年代後半から80年代、日本のバイク業界は、後にも先にもない全盛期を迎えていました。特に、高出力で、カラフルなカウリングをまとったレーサー・レプリカは、若者たちのハートをがっちりと掴み、どこもかしこも走り屋だらけ。CB、RZ、FX、GSXなど、現代にも受け継がれる数々の名車を生み出してきたのもこの年代です。
 でも、それは同時に無数の暴走族をも生み出し、社会から嫌われ、高校生を中心に「3ナイ運動」に発展しました。7.2hpを誇る2スト原付は姿を消し、バイクの市場自体がどんどん縮小していきました。今では、スクーターと、ノスタルジーに浸るおじさん世代がカムバックする大排気量の2極化と言っていいでしょう。
 急加速で下降の一途をたどってしまったバイク・ブーム。世界中で支持される日本の4大バイクメーカーは、本拠地である日本で、どこをどう間違えたから、このような現状に至り、なおも喘いでいるのでしょう。
 専門家でもない素人が勝手なことを言うだけなのですが、誤解を恐れずに言えば、私は125ccクラスの小型車に力を注がなかったのが大きな原因のひとつだと思っています。
 日本の一般道の速度域や移動距離を現実的に考えれば、毎日の足として、或いはちょっとしたツーリング程度であれば、小型車がベストなチョイスだと思います。燃費=エコという観点からも時代の要請に適っています。
 莫大な資金を投じて開発したレース車両の技術を、そのまま市販車両にレプリカという形でフィードバックするという発想が、そもそも間違いだったのではないか。安全性や燃費といった良い部分だけを取り入れればよくて、それ以外は現実の社会に最適な大きさと実用性能を追求していたら、日本のマーケットは今のようにはなってなかったんじゃないか、と。
 ちょうど良いサイズのお洒落な小型バイクが市場のマジョリティを占めていれば、法律の方だってそうした現実に沿って、もっと身近に乗れるよう、免許制度や規制を緩和する方向に改正されていたのではないか。そんなふうに思います。
 そして、残念ながら、四輪と共にバイクも遠くない将来、すべて電池を動力源とするようになるでしょう。近未来的なフォルムの乗り物が、音もなくスルスルと道を行き交う、そんなピクチャーを日本のバイク・メーカーは思い描いているのでしょうか。そしてそこでは、風や鼓動を肌で感じ、愛機と対話するような感動は得られるのでしょうか。

2019年9月5日木曜日

それでもネッシーはいます

 ニュージーランドのオタゴ大学の教授が主宰する科学者の国際調査チームが、「ネス湖のネッシーの正体は、おそらく巨大化したウナギではないか」という調査結果を発表しました。
 このニュースを見たおじさんが真っ先に抱いた感想は、「んなこたぁない」です。
 調査は、250か所の湖水サンプルから生物由来のDNAを分析したっつうことですけど、まあ言ってみれば「存在しないことの証明」イコール悪魔の証明なわけです。で、ウナギのDNAが大量に確認できたからといって、ネッシーが存在しないことの証明にはなってないと、素人的には思ってしまいます。
 それに、昆虫や魚介類などの生物が巨大化する熱帯地域ならばともかくも、真夏でもひんやりと涼しいインバネス地方で、湖の、それもウナギだけが巨大化するというのも実に解せない話です。
 ニュースを深読みすれば、調査実施を許可したであろうスコットランドの観光当局が、この調査結果の公表を簡単に認めたのは、おそらく調査結果を誰も信用しないと踏んだからに違いありません。つまり、観光収入の目玉であるネス湖の魅力を損なうものではないと判断したのではないかと、そんなふうに勘ぐっています。
この有名な写真が実はフェイクであったことは、今や世界中に知られています。それでも、ネス湖にはネッシーはいるんです。いると信じていたいのです。なんたって現地に行って湖畔で一週間を過ごした私が言うのですから間違いないんです。そう、STAP細胞はあります、と叫んだ人の気持ちが、今なら解る気もします。

2019年8月31日土曜日

残暑お見舞い申し上げます

 日本では猛暑のピークは過ぎたのでしょうか。それでも残暑は厳しいのでしょうか。
ここカイロは、比較的しのぎ易い夏でした。去年の様に寒暖計が40度を大きく超える日は数えるほどで、夏の時期を通じてゴルフができるレベルにとどまってくれました。今日の日中はそれでもちょっと暑くて、体感でおそらく37度くらい。
 で、ゴルフの後の飲み物といえば、何はともあれビールに決まっています。できれば生であるに越したことはない。キンキンに冷えた(チンカチンカならなお良し)ルービーのためにゴルフをしていると言っても過言ではないです。
 で、クラブハウスで飲んできた後に、家に帰ってシャワーを浴び、部屋着に着替えてリラックスした状態で飲むのが、これ。
ビール&スプライトのハーフ&ハーフです。
 ビールはエジプト産のステラ。日本で言うとアサヒのようなドライでキレのある感じ。で、スプライトは糖質ゼロのダイエット・タイプ。これがまあなんとも飲み易くて、悪魔の様にするすると、汗で水分を失った身体に吸収されていきます。
 話変わって、エジプトの夏が日本のそれに比べて遥かに気温も高いのに、日本の夏の方が何故ことほど左様に暑苦しく不快に感じるのか。湿度が高いとか、ヒートアイランド現象とかいろいろあるんだろうが、これだというのをひと言で説明してくれたゴルフ仲間がいます。
曰く、「エジプトにはいないセミの鳴き声が日本では五月蠅いから」。
 確かに。膝を打ちました。

2019年8月25日日曜日

エジプトで交通事故はイコール泣き寝入り

 今日の昼間、私のプライベート運転手から携帯に着信。
「タクシーに車の脇腹を擦られました」
「で? タクシーは逃げたの?」
「いいえ。でも、お金がないから修理代なんか払えないと」
「で?」
「責め立てたら泣き出してしまいました」
「警察には?」
「タクシーの認可を取り消されたら生活できないと、余計に泣かれて」
「で?」
「周囲にいた人たちも許してやれと」
「だから?」
「放免しました」
「名前も電話番号も聞かずに?」
「だって泣くばかりで話にならないんです」
 まあ、相手の素性が分かったところで、修理代が払えるとは到底思っちゃいない。だけど、だからと言って即時に無罪放免するのが癪に障るだけなんです。
 カイロの街中は、車とバイクと人で常時溢れかえっています。信号や横断歩道なんかほとんどありません。割り込み、追い越し、なんでもありです。そこへ荷車を引くロバや馬、車スレスレで横断する勇者たちが大勢いたりします。
 そしておそらく95%以上の車が無保険です。かろうじて一部の個人や法人が保険に入っていたとしても、対人対物保険が補償する賠償額は最高(相手が死亡した場合)でも4万ポンドくらい=25万円といいます。
 タクシー運転手の月収は、せいぜい2万円もあれば良い方でしょう。自動車保険どころか、健康保険も厚生年金も未加入という人が圧倒的多数です。つまり、エジプトで交通事故に巻き込まれた場合、それはイコール泣き寝入りを意味します。新車1台が全損しようが、大怪我して入院しようが、泣き寝入りです。
 イスラーム教には、富める者が、貧しい者に施しをする「喜捨」の教えがありますが、交通事故当事者にもそれが適用されるんです。どっちが悪いか、どっちに責任があるのかなんて関係ないんです。どっちが富める者なのかという基準しか、最後は残らないんです。非イスラーム教徒にとっては、たまったもんじゃありません。
 そんな、なんでもありの道路交通事情の中、もっとも許し難いのがこれです。
ノーヘル上等、3人、4人乗りは当たり前。胸に赤ん坊を抱いたまま横向きでタンデムする母親とか、もう正気の沙汰ではありません。クフ王のピラミッド以来、4500年の歴史を誇るエジプトですが、人々の民度が先進国並みになるには、あと何千年かかるのでしょう。

2019年8月14日水曜日

Vacationに引きこもってみた(4日目)

 日曜日から今日までの犠牲祭の4連休。ゴルフにも旅行にも行かないどころか、近所へ買い物に出ることもなく、かと言って家で何か有機的な活動や行動をとることもなく、TVとPCの前に座る以外なにもせず引きこもってみました。もっとも、引きこもりとはいえ誰かが勝手に食事の用意をしてくれるわけでもないので、生きるために自炊はしなければならないのですけどね。
 だって、お盆だから海や川のレジャーは避けた方が賢明だし、7月に日本に一時帰国したばかりなので旅行で散財するほどの余裕はないし、このところちょっと疲れ気味なのでわざわざ40度の炎天下でゴルフして体力をすり減らしたくないし、と、言い訳のネタには困りません。
さて、俗にいうVacation=ヴァケーションは、語源はVacant=空っぽなので、何の予定も入れずに過ごすことだと、長年ずっと思っていたのです。で、それを実践してみているのですけど、引きこもり4日目にしてホントにそういう意味で良かったのか、自分の理解と行動に急に自信がなくなってきました。
 そういう時は、権威に頼りましょう。びっくりするような誤訳が出てくるgoogle翻訳などはダメです。ここは、Cambridge Dictionaryを参照します。発音は、「ヴェイケイシュン」です。
●Vacation(名詞)=a time when someone does not go to work or school but is free to do what they want, such as travel or relax:
 これを訳すと、「仕事または学校へは行かず、例えば旅行またはリラックスするなど何をするのも自由なとき」となります。実に正しい。私の行動の正当性が、2つしかない例示の一つという高い優先順位で証明された気になります。
●Vacation(名詞)=a period of the year when schools or colleges are closed, or when law courts do not operate:
 もともとは、一年のうちで学校や裁判所が休みの期間=Vacationと定義しています。Holidayのことです。つまり、公共性のある休日のことでしょうから、犠牲祭というエジプト国民(特にムスリムにとって最も重要な)の休日もこれに当てはまると言って良いでしょう。つまり、私が如何なる行動をとるかどうかに関係なく、今はバケーション期間なのだということです。ふむふむ。
 ところが、
●Vacation(動詞)=to travel to a place in order to relax, when you are not at work or school:
 この単語を動詞として使う場合、とたんにそれは、「仕事または学校がないときに」という前提で「旅行すること」に限定されてしまうことが解ります。更に、「リラックスするため」という旅行の目的まで縛りをかけています。唯一、旅行先だけがa placeと自由を与えられているのです。
 つまり、タイトルの「Vacationに引きこもってみた」は、Vacation期間に引きこもりという行動をとってみたという意味では正当なのだが、逆に、引きこもりという形でVacationしてみたということにはなり得ない。旅行しない奴が偉そうに何を言うかと叱責されているのだと理解されます。
 しかし、
●Vacation(名詞:米)=a period of time to relax or travel for pleasure instead of doing your usual work or school activities:
 ある意味いい加減なアメリカ英語になると、Vacationの意味の縛りは劇的に緩和されます。曰く、Vacation=「平素の仕事や学校活動に代えて、楽しみのためにリラックスまたは旅行する期間」。Holiday期の制約もありませんし、こちらではとるべき行動の第一例示がリラックスとなっており、並列ながらも旅行より先に書かれています。ただ、pleasureのためという目的のお仕着せがあるのは、ちょっといただけません。家でリラックスすべき理由は、冒頭にも述べたとおり、様々あって良いと思うのです。
 まあでも、ようやくVacationの正しい意味が解ったからと言って、急に今日の行動予定を変えることもしないんですけどね。

2019年8月12日月曜日

カブ・ライダーの友人(初々しいおっさん)

 私の古くからの友人が、昨年冬、スーパーカブの60周年限定車を購入し、晴れてカブ・ライダーの仲間入りしたことは、このブログでも何度か触れてきました。50になるおっさんですが、人生初のバイクにカブを選んだ賢明なライダーです。
 その友人が投げかけてくる疑問・質問が実に初々しく、しかも少年の頃の自分自身の思い出を鮮やかに思い出させてくれるもだったりするので、やりとりだけで十分になごませてもらっています。ああ、そういや私も乗り始めはそんな感じだったなぁ。
 友人のカブが納車されたのは、年末に近い頃でした。
(問)納車しました!
(私)おめでと。で、どうよ、株主になった感想は。
(問)バイク屋から走り出す時に、ウィリーしました。死ぬかと思いました。
(私)え、クラッチないのにウィリーできるんだ。すげー。
(問)冬場の寒さがホントにこたえます。どうすればよいか。

(私)オイラの若いころは、ジャンパーの下に新聞紙を身体に巻きつけたりしたっけなぁ。ていうか、君の実家、工務店なんだからいくらでも防寒着あるでしょ。
(問)特につま先が冷たくてかなわんのですわ。
(私)ブーツは不可欠だね。でも、カブって、シーソーペダル踏むだけだから、まだマシじゃん。
(問)社外品のアフターパーツを付けるのは有り?
(私)やめとけ。貴重な限定車なんだから、どノーマルを保ってこそなんぼだ。でも、純正の風防だけは付けておくと良いでしょう。
(問)(その後)風防、ホントに助かってます。あれなかったら乗りません。
(私)よかったよかった。
(問)で、今度は夏の暑さ対策なんですけど、メットがムレてかないません。なんとかなりませんか。
(私)なんともならんし、臭い。けど、通気性が良く、インナー取り外しができるようなメットは、きっと高いよね。
(問)ハーフタイプのメットはだめ?
(私)やめとけ。転んだら死ぬぞ。ヤンキーか?
(問)ですね。あ、それと、リアの荷台に段ボールくくりつけると、寄りかかれて楽っすね。
(私)それは痛いほど解る。オイラも長距離ではチョッパーが羨ましかったっけ(遠い目)。
 
 いわゆるライダーあるあるなんですが、そういえばメカの質問がひとつも出てきません。大丈夫なのかと逆に質問してみました。
(私)プラグはネジ山をなめやすいので、気をつけた方がいいよ。
(問)あ、「なめる」って、建設業界の言葉かと思ってましたが、バイクでも使うんですね。へえ。でも、プラグなんか触りませんから。
 曰く、購入したホンダ・ウイング店の店長さんから、「素人なんだから、メカのことは全て当方に任せてください。何かあればすぐに持ってきてください。対応しますので」と。だから、チェーン引きも、オイル交換も、ネジの増し締めも、一切自分で触らないようにと、口酸っぱく言われているんだそうです。
 ついでに、「とにかく、カブ限定車という記念碑的なバイクを所有するということはですね、それだけで衆目の監視下に置かれるわけです。みんな大ジェラシーなんです。ですからそれなりの防犯対策も、マシンの維持管理にも特別な心構えがですね。。。」と、やたら熱く語る店長さんなんだとか。きっと良い人に違いありません。
 友よ、待っていてくれ。私も日本に帰ったら必ずやカブを買うから。そして、手始めに上手い蕎麦でも食いに行こうじゃないか。

2019年8月10日土曜日

ハッジと犠牲祭

 昨日と今日は、イスラーム教の5行の一つであるハッジ(大巡礼)です。世界中からおびただしい数の教徒が、サウジアラビアのメッカを目指し、聖地で巡礼の儀式を行います。
 モスク中心の四角い建物(中には何もありません)の周りを、反時計回りに練り歩くだけでなく、郊外の砂漠で行う故事の疑似体験などもするそうです。
このハッジですが、航空機、ホテルといった旅行業界を中心に、サウジアラビアに莫大な収入をもたらす一方で、将棋倒しになって多数の巡礼者が亡くなるなどの事故も頻発することから、サウジアラビア政府は巡礼者の数を制限するために、巡礼ツアーの料金を高額に設定しています。エジプトからの巡礼ツアーには、ひとり100万円近い料金を払わなければなりません。エジプト人の平均月収は2~3万円くらいですから、どれだけのことか想像いただけると思います。
 ムスリムにとってハッジは、まさに一生に一度のこと。私の運転手を務めてくれているおじさんに尋ねたところ、家や車を買うよりも優先したい夢なのだそうです。エジプト政府も、労働法に雇用主は、従業員が生涯に一度ハッジのための特別休暇を申請した場合はこれを認めなければならない」と定めています。
 そして、ハッジが終わった明日から3日間は、犠牲祭(イード)です。
 神に捧げる生贄として、富める者によって買われた羊などの動物が大量にさばかれ、貧しい者たちと分かち合うのです。これも5行の一つである「喜捨」の教え。
 ハッジも犠牲祭も関係ない私は、お盆休みとも被る真夏の連休に、ゴルフをしたり家でのんびりしたりするわけです。テロのリスクが懸念される宗教施設や繁華街には近づきません。これは、神でも預言者でもなく、日本の外務省のありがたい教え。

2019年8月6日火曜日

ナイルに暮らす

 渋野日向子クンの記者会見を観ていたら、ブログで1000回目のエントリなんていう小さなことで悩むのがバカらしく思えてきました。なので、連投してあっさり通り過ぎることにしました。
 さて、太古の昔より、エジプト人にとってナイル川はまさに命綱であり、命の源であるわけです。なんと言っても、国土のほとんどを占める広大な砂漠に1億人の民がいて、その9割はナイル川流域で生活しているのですから。
 私が勤める会社からもほど近い川岸に、対岸のギザ(3大ピラミッドがある地区)との間を往復する渡し船が運航しています。フェリーと呼ぶほど大きくなく、対岸までは5分もかからない距離感ですが、実は陸上をカイロの中心まで北上し、橋を渡って再び南下するという自動車のルートによる場合、1時間はゆうにかかります。乗り合いバスなら15ポンドくらいはかかるでしょうか。それが僅か5分で着いてしまい、しかも料金は2~3ポンドくらい(15円くらい)とお安いため、対岸地区で働く人たちにとってはこれ以上ない便利な通勤手段と言えましょう。 だから、徒歩の人だけでなく、自転車やバイクごとどんどん乗ってきます。船が一杯になったら出航。次の船を待つのです。
 かと思えば、先週は、社内の私のチームに定年退職した者と、最近結婚式を挙げたスタッフがいるので、彼らのために「ファルーカ」と呼ばれる木製のボートを借り切って小さな船上パーティをしました。真ん中の大きなテーブルを囲むようにコの字型にベンチシートが備わっている20人乗りのボートで、夕方6時から2時間。船頭へのチップ込みでボート代は500ポンド=3,000円くらいと、びっくりするくらい格安です。
 ため息が出るほど美しい夕暮れに染まるナイルに浮かぶ船で、デリバリーの食べ物をつまみながら、ゆったりと過ごす2時間。つい一昨日は会社からそう遠くないところでテロ事案が発生したりと、そこらじゅうにストレスの種が転がっている日々の中で、このひとときばかりはエジプトも捨てたもんじゃないと思わせてくれます。スタッフのひとりがスマホにつないだbluetoothのスピーカーから流す、美空ひばりの「川の流れのように」は、かなりナイルのイメージとはズレていましたけど、まあそこはご愛嬌ということで。
「ナイルの水を飲んだものは、再びナイルに戻る」と言い伝えられているそうです。私がこれからそう長くない人生の中で再びナイルに戻ることは、まずないだろうと、今は思うのですが。

節目の回数まであと「1」

 実は、今日のこのエントリが、第999回目となります。
 2009年11月11日に立ち上げた拙ブログも、足掛け10年という決して短くない年月をかけて、1000に達しようとする雑文をこれまで積み上げてきました。自分でもよく続いたもんだと、素直に思います。
 ただし、エジプトに転勤してきてからのここ2年以上、素材(キット)や資材調達などが上手くいかないという理由で、プラモデルから遠ざかってしまっています。ストレス解消や癒しの効果が大きい模型製作の時間を日々の生活から失い、当初は歯が抜けたような感覚でした。もちろん、老眼の進行も別の理由としてあります。
 勢い、海外生活において遭遇する日常風景や、旅行記などがすっかり主軸になってしまっています。自分でも違うんだよなぁと思いつつ、タイトル詐欺も甚だしいです。
 だから、なんならキリの良い節目なので、もうここらで静かに休眠してしまおうかななどという、よからぬ思いもちょっとだけ心をよぎります。まあ別に面倒くさくなった訳ではないので、多分、何事もなかったように続けるんでしょうけど。

2019年8月5日月曜日

海外で活躍する日本人アスリートを応援したい(その2)

 ここ5日間ほど、自宅のインターネット環境が失われていました。何が原因なのか、どうすれば回復するのか、電話会社やプロバイダーの誰に聞いても、みんながみんな違うことを言うので、お手上げ状態でした。「後進国というのは後ろに進む国と書くんだよ」、以前、先輩から聞いた科白です。
 さて、私がそんな下世話なことで奮闘している間に、全英女子オープン・ゴルフで日本人選手が見事な優勝を果たしたニュースが日本中を埋め尽くしています。
渋野日向子クン。二十歳。
 スマイル・シンデレラのあだ名と共に彼女のキャラクターやエピソードを、マスコミが競って報じています。本当に明るく屈託のない笑顔、ファンサービス、そしてキレのあるスイングと大舞台にも動じない度胸。人から愛される全ての要素を持ち合わせているように思えます。
 英語のスピーチでは、途中で単語の発音が分からなくてつっかえてしまったものの、最後の「サンキュー」をすべての観客が拍手喝采で受け入れた。外国プレスのインタビューでは、全く想定しない答えばかりが返って来るので、インタビュアーの方がとまどっていた。きっと、ありきたりの模範解答を想像していたのだろうが、誰もそんなものは期待していない。私も、このスピーチとインタビューで、完全にノックアウトされた一人です。
 一夜にして世界中の注目を浴びる存在となったまさにシンデレラ・ガールだが、日本で世間のおじさん、おばさんたちは、彼女を見ても「最近の若者」でひとくくりにできるだろうか。おじさんおばさん世代が42年間なしとげることができなかったメジャー制覇だ。 
 もし、今のUSLPGAを席捲する韓国人ゴルファーがこの大会を勝っていたら、大会関係者、マスコミ、メディアや世界中のゴルフ・ファンたちは、どのような反応を示しただろう。強すぎる韓国人プレイヤーに、日本の二十歳の女の子が一矢報いてくれた、しかもとびきりキュートだ。そんなふうに感じてくれる人が、私以外にもきっと大勢いるに違いないと思うのだが、ちょっとうがちすぎだろうか。

2019年7月23日火曜日

最新テクノロジーに酔いしれる(Mグローレ)

 先日の一時帰国でひそかに購入した最新の秘密兵器を、コースで試しました。まあ、ひと言で表現すれば、「感動もの」です。
 これまで本間のTW727-455というものを使っていたのですが、これが実にハードスペックなんです。とにかく一生懸命に打たないと球がぜんぜん上がって行かない。ちょっとでもミスヒットすればチーピンぎみに左にひっかけてしまう難しいドライバーでした。歳をとり身体じゅうの筋力が衰え、痩せて体重も減ってしまったせいで、とてもじゃないけど使いこなせないシロモノになってしまっていました。
 もっと軽くて、簡単に高い球が打てる優しいドライバーが欲しい。
 リサーチしましたよ、真剣に。ゆうに数か月は。しかも、日本と違って最寄りのショップに行けばすぐになんでも試打できるような環境にはないので、動画やら何やらを見まくりました。
 で、最終的に選んだのがこれ。その名もテーラーメイドのドライバー「Mグローレ」。
テクノロジーの解説はメーカーさんに任せるとして、小学生みたいなインプレッションを書きます。とにかく軽くて振り易い。で、頑張ることなくゆったりしたスイングで、オートマチックに真っ直ぐで高い球が出ます。それでいて飛距離もそこそこ行ってくれます。多少芯を外しても、曲がりませんし、飛距離もさほど落ちません。
 ああ、もっと早くにめぐり会いたかった。とはいっても、発売されてからそれほど経っていない現行モデルですので、それが今だったということなのでしょう。定価89000円というちょっと腰が引けるプライスタグがついていますけど、中古なら4万円くらいで見つかります。
 世のおじさんゴルファーたちに大きな声で伝えたい。見た目はカッコ良くて、タイガーウッズが使ってるんだからきっとすごい飛ぶに違いないとかいう思い込みで、難しい道具を闇雲に買ってヒーヒー言うのは、もう止めにしましょう。最新のテクノロジーは、きっとどんなプレイヤーでも上手に打てるクラブを作ってくれていますから、自分の体力や技術レベルにぴったり合うのがどれなのかを見極める目を持ちましょう。まだ間に合いますし、断言します。スコアはお金で買えます。

2019年7月16日火曜日

里帰り(ダイエットは継続)

 一週間ちょっとの里帰り(一時帰国)から、カイロに戻ってきました。
 東京の自宅に到着後、真っ先にしたのは体重チェック。案の定、去年秋の健康診断以来、半年以上にわたって続けてきた炭水化物抑制ダイエットの成果は、マイナス10kgというめざましいもの。ここ10年、いやもっと長いこと割り込むことのなかった80kg未満を楽に達成していたのです。ああ継続は力なり。
 これにおおいに気を良くして、行く先々でそこらじゅうに悪魔のささやきが聞こえる東京滞在中も、継続を決意。特に心配していたラーメンの誘惑に負けたのは、実に滞在中1回だけという自画自賛していい状況でした。
 とはいえ、「逆に炭水化物じゃなきゃなんぼでも食べていいんでしょ」と自分に甘いあたりは許容範囲なのです。
秋葉原にあるアメリカ大統領の名前をパロったレストランでは、食べ盛りの息子たちと肉の大盛りにかぶりつき、はたまた三鷹で友人が経営するスイス料理店ではフォンデュをおかわりする有り様。ただ、意外だったのは、フォンデュにふんだんに使うチーズは、実は糖質の量が非常に少なく、ダイエット食なんだそうです。大量のパンの代わりに野菜などをチーズにつけて食べればっていうただし書き付きですけど。
 スイス本場のフォンデュを食べてみたいけど、日本ではどこに行けばいいか分からないという方、お勧めです。
 スイス食堂ルプレLe Pré
 さて、10kg=ベルトの穴2つ半の減量が何をもたらしたか。
 まず、洋服が似合うようになった。これまではウェストに合わせてパンツを選ぶので、シルエットがブカブカだったのが、細身のパンツをキレイに履けるようになりましたね。これが一番。全体のコーディネートも変わってきます。
 次に、階段や坂道の上りで、息が上がらなくなりました。また、長距離を歩いても疲れにくい。身体が軽いから、楽なんです。
 では、デメリットがあるかというと、あるんです。ゴルフのドライバーが飛ばなくなりました。それに、ハードなスペックのゴルフクラブでは筋力が追い付かない。だから、楽に飛ばせる新兵器を購入しました。スコアを金で買う年齢なのです。
 あと、これは喜ぶべきことなのかどうか微妙ですが、腕相撲で生まれて初めて息子(次男)に負けました。まあ、アメフトやってるガチムチなので、しょうがないんですけど。
 

2019年7月1日月曜日

海外で活躍する日本人アスリートを応援したい(藤田菜七子くん)

 競馬を趣味としない人でも、今日のこのニュースは目に留まったのではないか。
 JRAが生んだ女性騎手・藤田菜七子が30日、スウェーデンで開催された国際女性騎手招待競走「ウィメンジョッキーズワールドカップ」に日本代表として出場し、海外初勝利を含む5戦2勝2着1回という成績で見事、総合優勝を飾ったのです。
 菜七子くんにとって4回目の挑戦となった世界という舞台、各国から選ばれた10人の女性騎手を相手に、名実ともに「女性騎手世界一」の称号をもぎとったのだ。拍手。
21歳という若さ、そしてその可愛らしいルックスから、デビューしたての頃からマスコミを中心にアイドル的なもてはやされ方をされてきました。たしかに、彼女の知名度や人気をアテ込んでか、馬主からの騎乗依頼も他の若手騎手より多く、そういう意味では恵まれていると言えるでしょう。ただし、本人はその点たいへん謙虚で、それがまた良いという相乗効果。
 ただし、赤鉛筆を耳に挟んだガチの競馬ファンは、それだけでは馬券は買いませんでした。ま、話のネタと、応援がてら500円くらい買っておくかてなところがせいぜいではあるまいか。基本的に、配当をもたらさない騎手に用はないのです。
 ところが、菜七子くんはデビュー以来、地方開催を中心に着々と勝ち鞍を積み重ね、ついには今年、G1にも初騎乗。手綱さばきもなかなかのもんで、逃げてよし、差してよし。これまでシビアな見方をしていた辛口競馬ファンのおじさんたちも、可愛いから、若い女の子だからという理由ではなく、配当になる3着以内が期待できる騎手として彼女を見るようになってきています。
 公営ギャンブルである競馬が「スポーツ」のカテゴリーに分類されていることに違和感を覚える方も少なくないと思います。でも、TV特番や動画などだけでも、プロの騎手という職業がいかにタフな肉体と精神力を要求されるものであるか、またそのため過酷なトレーニングと体重管理に日々取り組んでいるのを知ることができます。馬も騎手も、共に純粋なアスリートに他ならないのです。しかも、騎手には男女の区別がありません。馬主、厩舎、トレーニングセンター、調教師、騎手といった関係者がチーム一丸となってひとつのレースに臨むという形態も、コーチやトレーナーが常に周囲で選手をサポートするその他のプロスポーツと同じです。
 種目を問わず、あるいはスポーツというジャンルを超えて、海外で活躍する日本人の姿を目にするとき、海外に暮らすひとりの日本人として純粋に応援したい気持ちにかられます。大リーグの大谷選手が昨日の試合でまたホームランを打ったか、ゴルフの畑岡選手は順位を上げているか、ルマンやF1でトヨタやホンダは勝ったのか。毎朝期待を込めてネットをチェックし、そのとおりだった日は実に気分よく出勤できるのです。こっちも頑張ろうっていう気になるのです。

2019年6月26日水曜日

今、欲しい乗り物

 「今、欲しい四輪と二輪をそれぞれ1台ずつ挙げなさい」
 こんなお題を、しばしば自らに問いかけてみては、お金も駐車場もないというのに、あれこれと妄想を巡らせるのがホントに楽しい。
 五十も半ばを過ぎたこの歳で購入しようというのだから、この先、乗り換えることは想定しません。乗り潰すというより、これからの生涯を共にするという発想。
 となれば、デザインは流行り廃りに左右されにくいものを選ぶだろうし、性能的には速さよりも耐久性、安全性、日常的な機能といったものを最優先するだろう。なにより、想像可能な老後のライフスタイルと、ますます衰え行く身体能力にマッチするものでなければならない。
 あれこれ考えるまでもなく、割と簡単に、現時点でいちばん欲しい車とバイクを挙げることができてしまいました。
 まずは四輪。ボルボV60ステーションワゴン。
 もとより角ばった車、特にセダンが好きなのです。でも、筋力の衰えた身体で、ゴルフのキャディバッグやスーツケースを持ち上げて後部のトランクに入れ込むのは相当に難儀するに違いないので、荷物が積み易くて、どうせなら積載量の大きなステーションワゴンを選択。
 永く乗っても飽きのこないデザイン、そしてボルボ持ち前の耐久性、安全性、寒冷地への適応力。総合的にかなりの高得点だろうと考えました。むしろ、永く乗ってこそ真価を発揮する車でしょう。ま、お値段は500万円くらいしてしまうのですけど、あくまで妄想なので。
  次に二輪。これは1台に絞れと言うのは無理なお話なのですが、そこをなんとかもう一度絞って最後に残ったのがこれ。そう、スーパーカブ。
 老後に想定されるバイクの用途は、近所のコンビニなどへのちょっとしたお使いと、たまの遠出(ツーリング)。もうこの歳から大きなバイクを振り回すこともできないし、スピードを求めることも全くありません。むしろ、下道でトコトコテクテクと田舎の景色を眺めながら、梅や桜を愛でるツーリングがしたい。もちろん、耐久性と燃費を考えればこれ以上に優れたバイクは世の中にない訳です。
因みに、選考過程で次点になったのは、四輪ではジムニーとマツダ・ロードスター。どちらもホントに欲しいなぁと憧れはするんですけど、どちらも奥様の賛同を得られそうにないというのが落選の理由。
 二輪ではSR400、エストレヤ、ハンターカブあたり。決め手は、一生に一度で良いから、60年間に1億台が売れたカブのオーナーに自分もなってみたいという純粋な動機と、年をとった今だからこそ、カブを心から楽しむことができそうな気がするから。
 さて、夢が実現するようなことはあるのでしょうか。

2019年6月19日水曜日

モンキー・ダビッドソン(こういうのは大好きなんだが)

 私たちおじさん世代が少年の頃からアフターパーツ・メーカーとして様々なカスタム部品を世に送り出してきたキジマから、今年9月にこんなのが発売されるらしい。
 そう。125ccに成長したモンキーにポン付けできるハーレー・ダビッドソンのレプリカ・キット。その名もモンキー・ダビッドソン。
  実はモンキー・ダビッドソンという発想が最初に製品として形になったのは、1980年頃のことです。キットを販売したのは、乗りもの館(や)という会社。この会社は、他にもモンキーをベースとするカフェレーサーや、サイドカーなども作っていました。どれもこれも、たぶん大真面目にデザインしたのでしょうけど、とにかくサイズがちっこいんもんで、実に可愛らしかった。プラモデルにもなっていたくらい、一部ではたいへんな人気だったので、まず入手は困難でした。 
その後、キジマから2011年に50cc版モンキー用の本格的なハーレー・キットが販売され、今回はその復刻版という位置づけ。
 で、今回発売される125cc用キットもおそらく50セットくらいの限定商品、しかもお値段は45万円くらいと、かなりのぶっとび具合ですね。本体新車価格が43万円くらい(ABS付)ですから、バイク込みで約90万円。軽四輪が買えてしまいそう。
 と、まあ、お値段の話はさて置いて、125cc用のキットをよく見れば、いろいろと細部にまでこだわっているのが分かります。惜しむらくは、フィッシュテールのマフラーは、50cc版では2本出しだったので、そこは貫いてほしかったかな。それと、125ccモンキーのタンクの形がハーレーっぽさを大きく損ねていること。50ccハーレー・ダビッドソンが誕生したのも、ひとえにタンクの形がいわゆるティアドロップで、ハーレー本家とイメージが強く重なるからというのもあったのではないか。そう睨んでます。下の画像(右が50cc版)で、どっちがより「それっぽい」か、比較してみて下さい。
いずれにせよ、ワタクシ、もともとモンキーをはじめとする、いわゆるミニモトが大好きってのもありますが、基本的にモンキー・ダビッドソンのような誰が見ても楽しい気持ちになれるデザイン、愉快なコンセプトを製品化するメーカーさんは、大いに応援したくなります。

2019年6月17日月曜日

トッティとのお別れにローマニスタ達は何を思う

 プリンチペ(王子様)の愛称で知られるサッカー界のスーパースター、フランチェスコ・トッティが、ASローマを退団というニュースが流れました。なんでも彼に対するリスペクトの欠片もないアメリカ人会長から追い出されるような形で、契約途中にして自ら身を引くことにしたということですが、真相は分かりません。
 地元ローマで生まれ、13歳でユースチームに入団して以降、トッティはASローマひと筋、2016/17シーズンをもって引退するまでの約30年の選手キャリアのすべてをチームに捧げてきました。そしてその間、通算307ゴールという偉業を達成。引退後も引き続きチームに残り、テクニカル・ディレクターとしてASローマを支えてきたのです。
 ASローマのサポーターは、俗に「ローマニスタ」と呼ばれます。ローマニスタたちの地元チームに対する愛は、日本でいえば虎党の阪神タイガースに対するそれを、更に濃くしたような感じと言えば、解りやすいでしょうか。とにかく日々の暮らしの中に、ASローマがあって当たり前、カフェでもレストランでも挨拶代わりに前日の試合での選手の奮闘ぶりを讃え合うのです。決して批判はしません。観戦は年間チケットを購入し、せっせとスタジオ・オリンピコに通うのです。
 そして、地元生え抜きで、一度も他のチームに浮気しなかった正真正銘のローマっ子であるトッティは、まさにASローマの顔であり、憧れと尊敬の対象であり、神様に近い崇め方をする熱狂的ローマニスタも少なくありません。
 事実、ホームの試合直前に電光掲示板を使って華々しく行われる選手紹介では、監督よりも後、いちばん最後に満を持してトッティがピッチに登場するのです。地響きのような歓声を浴びながら。
トッティ退団のニュースを、ローマニスタたちはどんなふうに受け止めているのでしょう。いや、受け止めきれないに違いありません。プリンチペ、あなたはASローマそのものでした。マンマミーア、あなたのいないASローマを、どうやってサポートすれば良いと言うのか。。。彼らの悲しみを代弁することは出来ませんが、きっとそんな思いなのでしょう。
 かくいう私も、永遠の10番をつけたユニフォームをローマ在住当時に購入し、エジプトに移った今でも家の壁に吊るして大切にしています。
 どのポジションを任せても最高レベルで機能する抜群のサッカーセンス、絶妙なラストパスを配給する見事なボールタッチ、ゴールを切り裂く弾丸シュート。ずり下がったストッキングと、レンガ色のユニフォームに背中の10番が最高に似合う、今世紀を代表するサッカー選手のひとりであることを疑う余地はありません。
 ありがとうトッティ。グラッツェ・ミーレ、プリンチペ。

2019年6月15日土曜日

五嶋龍がエジプトにキター!

 バイオリニストの五嶋龍が、今日15日、カイロのオペラハウスで行われたカイロ・シンフォニー・オーケストラの定期公演にソリストとして出演しました。演目はベートーベンのバイオリン交響曲第61番Dメジャー。
五嶋龍をよくご存知ない方は、どうぞググってみてください。で、こんなすごい人の演奏を聴くことができるチケットのお値段は、なんと85エジプト・ポンド=ちょうど500円くらいなのです。あり得ない。
 約1時間半のコンサートの最後には、アンコールに応えてソロで聴かせてくれました。酸いも甘いも知り尽くしたシャンソン歌手のハスキーな声をも思わせる1744年製ストラディバリウス。いったいおいくら万円するのでしょう。
 アメリカ生まれでハーバード大卒というのも納得の流暢な英語で、さわやかに舞台挨拶もされていました。
 ああ、カイロにいたばっかりに、こんな良いものが500円で体験できて、すご~く得した気分です。たまには良いこともあるんだな。

2019年6月10日月曜日

ダイエットというストレス(ただし、成果あり)

 去年9月に日本で受けた人間ドックの結果、血糖値を低減させる必要性と、そのための最も簡単な方法が炭水化物ダイエットであると、医師から指導されました。一時帰国のため成田に着いた日から2週間ほど経った後のことです。即ち、帰国前までずっと我慢し続けていたラーメンだの丼物だのを、日本に帰るなり毎日イイ感じであれこれ食べてしまってからの人間ドックでしたから、そりゃエジプトで日々過ごしている状態よりも数値は上がってるでしょうと苦しい言い訳をしてみたものの、医師の前では無意味でした。
 しかし、そこからこれまで約7か月の間、人生初となる炭水化物抑制チャレンジに取り組みましたよ。
 日々の食生活は実に単調です。
 平日の朝は、オレンジジュースとヨーグルトのみ。昼は社員食堂で基本的に白米、おかず、サラダ、フルーツとバランス良く。で、夜は野菜のみ、或いは野菜&肉のスープ又は炒め物のみで、ご飯、パン、パスタは一切食べない。週末は朝昼兼用でパスタ系。夜は肉又は野菜のみ。食後のチョコレートもアイスクリームもやめた。7upは糖質ゼロに替えた。間食もまったくなし。
 体重計がないので何kg落とすことができているのか定かではありませんが、この7か月でベルトの穴2つ半、お腹が引っ込みました。お腹だけでなく、身体全体がひと回り小さくなったようで、服が軒並みブカブカです。サイズでいうと、LからMになった。身体が軽くなった分、階段を上っても息が切れなくなりました。
 ただし、そうした目に見えた成果と引き換えに、炭水化物の摂取制限がもたらす甚大な精神的ストレスを日々抱えていることも確かです。youtubeでは大食いの人達の動画をついつい見てしまいますし、晩飯時の食欲から気を逸らせるのが辛い。
 そして、来月には待望の一時帰国を控えています。10日弱の短い滞在ですが、日本に帰っても食の制限を維持できるか、まったく自信がありません。
池袋にある行きつけの台湾家庭料理店の、小龍包や肉を挟んだ包(パオ)が絶品なのです。紹興酒がぐんぐん進みます。そして、さんざ飲み食いした後の〆の博多ラーメン(もちろん替え玉あり)も、お決まりのコース。
 さて、どうしたもんでしょうか。

2019年6月3日月曜日

草木に寄せる思い

 今、カイロの街中そこらじゅうに、鳳凰樹が真っ赤な花を咲かせています。砂の薄茶色とコンクリートの灰色しかない景色に、天から赤の絵の具をまき散らしたような、それは見事なものです。
仕事で外出した車の中から鳳凰樹の並木を見つつの、エジプト人同僚との会話。
私 「いやあ、実にきれいだねぇ」
エ 「そうですね」
私 「この樹、アラビア語だと何ていう名前?」
エ 「え、知りません」
私 「そうなの? これだけ街中で毎年咲くのに?」
エ 「はい。すみません」
私 「いや、別にいいんだけど。。。でも、エジプト人の間で、『ああ、またこの赤い花が咲く季節になったんだねぇ』とかいう会話になるんじゃないの?」
エ 「なりませんね」
私 「そうなんだ。。。」

 日本人は、桜の花に特別な思いがありますよね。
 散り行く花びらには卒業や別れを重ね、あるいは満開に咲く花には入学、就職といった新しいステージの門出を重ねる。美しい花を愛でるという以上の意味や、思い入れを、誰に教わるともなく心に持っています。日本人特有の精神文化であり、誇って良いものなんだと、あらためて思います。
 そういや、もう何年も花見してないなぁ。

2019年6月1日土曜日

イード(大切な祭りなんだろう)

 多分あと2日でラマダンが明けます。多分と書いたのは、月の満ち欠けを見て長老が決めるから、直前までその日を確定することができないという、ずいぶんと牧歌的な習慣によっているからなのです。でも、エジプトでは3大ピラミッドが建てられた4000年前には、少なくとも設計者は既に天文学に精通していたと考えられるというのに、現代でもなお、科学的な計算ではなく目に見える月の満ち欠けを尊重するというのは、実に素朴というか、ある意味で合理的でない感じもします。
 さて、なぜ月の満ち欠けなのかと言うと、イスラームの暦がヒジュラ暦という、いわゆる太陰暦によっているからに他なりません。
 イスラームの世界では年に2回の大きなお祭りがあります。断食をするヒジュラ暦第9月のラマダン月に続く、シャッワール月の1日から3日までがイード・アルフィトル(断食明けの祭り)と呼ばれます。
 ムスリムたちがイードの祭りに何をするかというと、まあ断食が明けたっつうんで、要は仕事は休んで朝から好きなだけ飲み食いするわけです。ラマダンの約ひと月の間、夜中に何回も食事をするという偏った生活リズムの後に、今度は時間を問わずに思い切り食べるわけですから、余り健康的とは思えないんですけど、2千年近く続いている習慣というか、それが彼らのルールなので、変えようがない。
で、ムスリムでない私達には全然関係ないのですが、現地スタッフがみんな仕事を休んでしまうので、会社も当然休みになる。なので、連日40度近い(超える日も)中で、わざわざ無駄遣いしたくもないから、せっせとゴルフでもするかと。
 とは言え、我々日本人は、日本でも各地で様々な神様などに因んだお祭りを行いますが、大きなお祭りほど商業的になりすぎてしまって、個々のお祭りの起源や云われまでに関心を持とうとする人は、それほど多くないような気がします。そういった意味では、ムスリムにとってのイードや、キリスト教徒にとってのイースターやクリスマスは、純粋なものと言えるのかもしれません。
 因みに、イスラームのもう一つのお祭りは、ハッジと呼ばれるメッカ大巡礼(今年は8月)に合わせて行われるイード・アルアドハー(犠牲祭)がそれにあたります。犠牲祭については、またその時期にご紹介することにしましょう。

2019年5月26日日曜日

これじゃない感じ(刀、テック21)

 日米両首脳の大相撲観戦や、北海道で39度を記録とか、日本のいろんなニュースを遠い目で眺めています。
 そんなニュースに混じって、最近発表されたスズキ・カタナと、鈴鹿8耐にエントリーするテック21カラーのヤマハYZF-R1。ちょっと前に出たカワサキのZ900RSからの流れもあって、どちらも往年の名車復活ということで注目を浴びていますね。

 
で、どちらのバイクもそりゃあ素晴らしいのでしょうけど、どうしても「これじゃない」感じが拭えません。確かに30年という時間と共に進化を遂げた工業技術をもって、現代風の形にするとこうなりますということなのだろうと、頭では理解しようとするのです。
 ですが、ハンス・ムートが世界中のライダーに与えたあの衝撃や、良いニオイのするカッコ良い大人になりたい全ての青少年を虜にしたテック21というイメージ、平忠彦・ケニーロバーツというスタアが身にまとった水色のライディング・スーツ。。。
 どちらも一瞬で憧れたし、せめてプラモデルでもいいので、作ってみたいと思わせたものです。
 もっとも、自らの感受性が鈍っていることも否めません。がっちりとハートを鷲掴みされるような体験というのは、もうこの歳になってしまっては、そうそう滅多に出来ないことなのでしょうか。だとすると、ちょっと寂しくもあります。

2019年5月20日月曜日

マジで勘弁してほしいテロ

 昨日、ピラミッドの近くで、また爆発テロがありました。以前紹介したギザの3大ピラミッドすぐ近くに建設中の「大エジプト博物館」から目と鼻の先の路上で、観光バスを狙ったとみられる爆発があり、幸いにも死者は出なかったものの、バスに乗車していた南アフリカの観光客らを含む17人が負傷した模様です。
  ギザでは昨年12月にも、道路脇の爆弾が爆発し、直撃を受けた観光バスのベトナム人乗客らが死亡する事件が起きています。 
 爆発があった道路は、つい一昨日、私もゴルフに行くために通ったばかり。そうでなくても、仕事やプライベートでエジプトを訪れた人をピラミッドに案内する機会は、これからもいくらでもあるのです。いつ、自らに降りかかるかもしれない災難なのです。
 ホント、勘弁してほしい。
 混迷を極めた2012年の革命によって激減した観光客が、ようやく少しずつ回復基調に乗って来たかというときに、こうしたテロが起こります。エジプトの主力産業でもある観光に大打撃であることは間違いないし、投資家たちの関心も下がります。テロとの闘い、治安情勢の安定化が政権最優先の政策であることに変わりはありませんが、こうした事件が繰り返し発生する状況をみると、政府の対策にも限界があるような気がします。
 心の中で日々警戒は怠らないとしても、個人のレベルでは危険を回避しきれません。かといって恐怖に怯え、家に籠って暮らすというストレスフルな毎日を送る訳にもいきません。テロが人々にもたらすこうした心身の苦痛や経済的な不利益を考えるとき、この卑劣な行為がいかに罪深いものであるか、再認識させられます。

2019年5月15日水曜日

キャリーケースにちょっとそそられる

 1~3泊の出張や小旅行に不可欠なのがキャリーケース。そう、コロコロのキャスターが付いた小型のスーツケース。飛行機の機内持ち込みにぴったりのサイズに作られているものが多いので、ターンテーブルで預け荷物を待つ無駄な時間も回避できますね。
 そんなキャリーケースですが、世の中には様々な製品が溢れていて、どれを選んだら良いのか判断がなかなか難しい。せいぜいamazonのレビューを参考にするとかであろうか。どれを買っても大差ないだろうとタカをくくって、最後は値段と色で妥協するのが関の山だ。
 しかしだ。自分が手で引っ張っているキャリーケースに、こんなキャスターが装着されていたらどうだろう。なんと、ロゴが誇らしく映えるGOOD YEAR製のタイヤを履いている。実にカッコ良いではないか。静寂性と耐久性が売りだそうだが、タイヤにはトレッドパターンが掘られているのを見ると、結構グリップ力もありそうだ。グリップ力が必要かどうかはよく解らないが、駅や空港の構内で歩くペースが速くなりそうな気はします。
  しかも、立った状態で上から開くことができるみたい。中に入れた書類などを咄嗟に出し入れするときなどに、たいへん便利そう。これまでならケースを床や椅子の上に置き、人目をはばかりながら、しゃがみこんで横にご開帳していたところだが、こうやって開け閉めできれば、かなりスマートだ。
 加えて、内部にオプションのモバイルバッテリーを仕込めば、ケース上部の2つのUSBポートから端末を繋ぐこともできるというんだが、これは特に必要性を感じないかな。
  製品名は、リージェント・スクエア。今年6月の発売で、お値段は23,780円(税込)。交換用のキャスターは2個セットで2,500円。交換できるのも嬉しい。これが高いか安いかは、使う人によって価値観が異なるでしょう。でも、今まではキャリーケースに抱くことなどなかった所有する喜び、使う喜びみたいなものが感じられるのなら、それほど高くはないように思います。

2019年5月10日金曜日

断食(ラマダン)はダイエット効果なし

 イスラーム教の人たちの間で行われる断食の習慣(ラマダン)が5月6日に始まってから、最初の週末を迎えています。
 もとより、アッラーの神から啓示された言葉を人々に伝承した預言者ムハンマドが、メッカからメディナへと移動した年とされる西暦622年を元年とするイスラム歴(太陰暦=ヒジュラ暦)の第9の月にあたり、新暦では毎年11日ずつズレて早くなります。ムスリムたちは、日の出から日没までの間はいっさい食事をとらず、水も飲まない、タバコも吸いません。
 なんで断食なのかというと、ムハンマドが神の言葉として記したコーランの教えの根幹にある六信五行(6つのものを信じ、5つの行いをしなさいという教え)に説かれているからです。六信は神、天使、啓典、預言者、来世、天命。五行は信仰告白、礼拝、巡礼、喜捨、断食。つまり、天国に行くために神や預言者を信じるのであれば、毎日5回の礼拝や、生涯一度のメッカへの巡礼などに加えて、富める者は貧しい者に施しをしなさい、さらに断食をしなさいということです。
 イスラーム教では、人の左肩には善行(日々の礼拝を怠らないなど)をカウントする天使が、右肩には悪行(酒を飲んだなど)をカウントする天使がそれぞれ乗っていて、死後、最後の審判の際に、善行の数が悪行の数を上回っている場合に、天国に行けると信じられています。ただし、キリスト教のように、生きている間に懺悔することなどによって罪の一部が赦されるといったことはなく、自分のカウントがどうなっているかを生きている間に知る方法はありません。なので、信者たちは、天国に行けないリスクを畏れて、ムハンマドが説いた神の教えをせっせと守るわけです。
 因みに、最後の審判を受けることなく天国に直行できる唯一の例外的な方法があります。聖戦(ジハード)です。そしてそれが、世の中からテロがなくならない理由です。
 さて、ラマダン期間中、日没と共にとる断食明け最初の食事のことを、イフタールと呼びます。正式にはデーツなどの甘いものをちょっとつまんで水を飲み、礼拝をした後に伝統的な料理を並べて食事となるんだそうですけど、多くの人は「待ってました」とばかりに、いきなり肉料理などをむさぼります。そして、夜明けまでの間に数回に分けて、翌日の日中いっぱいお腹が空かないよう、文字どおり食いだめをします。日中は閑古鳥が鳴いていたお店も、深夜まで営業しています。
で、昼間はなるべく喉が渇いたり空腹にならないよう、仕事はミニマムしかしませんよという態勢。なのに、夜になるとこれでもかというくらいに飲み食いするもんですから、約1か月のラマダンが明ける頃には、多くの人がさぞ痩せているかと思ったら全然そんなことはないわけです。むしろ、不規則な時間帯に不摂生なレベルで飲み食いするため、かえって太るという人が少なくない。夜の食事を少なくする一般的なダイエットとは真逆を行くわけですから、まあ当たり前なのかもしれません。
 でもそれって、ムハンマドが教えたかったこととは随分趣旨が違っちゃってるんだろうな。