2018年12月7日金曜日

カイロでオペラ「アイーダ」を観るということ

 12月4日から公演中のオペラ「アイーダ」を観てきました。
 ヴェルディ作曲による古代エジプトの首都メンフィスを舞台としたこの作品、初演は1871年、ここカイロのオペラハウスです。こけら落としにこそ間に合わなかったものの、それを想定してヴェルディに作曲を依頼した、エジプトにゆかりの深い作品。
スエズ運河の開通を祝って建てられた初代のオペラハウスは、1971年に火災で全焼してしまいます。しかし1988年に、日本の無償資金援助により現在の場所に見事に再建され、今年はその30周年を迎えた節目の年。何だかんだと言われることもある日本のODAですけど、こういう立派なものを目の当たりにすると、日本人の一人としてちょっと胸を張りたくなるのは私だけではありますまい。
 初日と昨日の2回、主役アイーダを演じるため、日本から中丸三千繪さんがゲスト出演してくれました。マリアカラス・コンクールで優勝した唯一の日本人歌手です。
 エジプトのファラオの王女、敵軍エチオピアの王女、その敵軍を討伐したエジプト将軍の禁断の三角関係。アイーダへの恋心のため国を裏切ろうとした将軍を、しかし彼を愛するが故にその罪から救おうとするエジプト王女、その甲斐もなく死罪となった将軍への愛を貫き、共に生き埋めとなる道を選んだアイーダ。そんなお話です。
 第一人者である中丸さんのステージというだけでなく、古代エジプトの神殿などをモチーフとしたきらびやかで壮大な舞台装置や、イシス神への信仰を裏付ける数々の装飾や衣装は目にも楽しく、僅か900円くらいのチケットがホントにお得に感じられました。
 単身赴任サラリーマンの単調な毎日を送る中、たまにはオペラも良いですね。

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