2017年3月18日土曜日

砂嵐:ハムシーン

 砂嵐(ハムシーン)の季節なんだそうです。どうりで朝から空がどんよりと黄色っぽく濁っています。
 今日は車でショッピング・モールにお買い物と決めていたので、吸い込む覚悟で出かけました。車内からの景色は、遠くが霞んで見えません。PMいくつくらいなんだろう。健康に良くないことは明らかですし、車にも悪いだろうなぁ。
ハムシーンは、エジプトのいわば春を告げるこの季節特有のもの。強い風に巻き上げられた砂漠の砂埃に街が覆われるわけです。季節の変わり目に強い風というと、日本の春一番にも似てますけど、こちらは一日で終わってしまうのではなく、ひと月くらい続くんだそうです。ただ、必ず毎日じゃなくて、こんな日が何日かあるんだそうです。
 幸い私の家の窓はサッシですので、比較的砂埃の侵入がありません。窓とカーテンを閉め切って、室内では空気清浄器をつけっぱなし。快適です。
 そして、ハムシーンが終わると、その後には暑い夏がやってくるんだとか。しばらく汗をかかない生活でしたので、暑くなって汗をかき代謝が良くなるのは歓迎です。
 そういえば、エジプト人で大砂嵐という四股名の力士がいますね。十両に落ちてしまったけど、頑張ってます。うん、エジプト人男性って、あんな感じです。力持ちで、思いのほか優しい。

2017年3月10日金曜日

カイロでの愛車

 エジプト生活の相棒となった車は、ランサーEX。三菱の車といえば、遥か遠い昔にアフリカ勤務していたときに、ギャラン・ラムダに乗って以来。
 詳しいスペックすら知らないままに前任者から引き継いだわけですが、昨年11月に購入したばかりのほぼ新車という状態。内装は、合皮かもしれないけどいちおう革張り。よく見ればリアにウィングの付いたニクい奴。おー、スポーティじゃんと思ったものの、高速道路でさえも道はガタガタ、しかもハンドルを握ると荒くれ者になるエジプト人だらけという状況では、週末の空いた時間帯でも120km/hが精いっぱい。
相棒とはいえ、この車が稼働している時間の95%以上は、おかかえの運転手がドライバーズシートに座ることになるでしょう。因みに運転手の給料は月1万5千円くらい。胸のすくようなドライビング・プレジャーを体感することもないであろうエジプト生活の中、この金額で日々の渋滞のイライラが少しでも緩和されると思えば、安いもんだ。お使いも頼めるし、帰りを気にせず飲酒もできる。あ、エジプトはイスラム圏なのに、結構お酒が飲めるんです。因みに、いちばんよく飲まれているのはこれ。
事務所の屋上からもナイル川の向こうに小さく見えるのが、階段状のサッカラ・ピラミッド。これに因んだサッカラ・ビールは、普通に美味しい。追々、お酒事情も詳しくレポートしましょう。

2017年3月6日月曜日

エジプトでプラモデルって

 カイロで生活を営むことになる家が決まり、15日に入居することになりました。ただし、ローマからの引越し荷物が配達されるのは、おそらく4月の上旬になるだろうと見込まれます。車は既に決まっています。10日にはマイカー通勤。とはいえ、未曽有の交通渋滞の中ルールなき道を走るためには運転手を雇うのが賢明で、だから自分ではほとんど運転しないのです。
 さて、棲家と通勤が落ち着けば、今度はどう毎日を過ごすのかということが課題になります。健康増進のためゴルフを再開することは決めていました。そして、YASUさんからもコメントをいただいたプラモですが。。。

 実は、ローマの引越し業者から、荷物の中には液体を入れてはならないと口酸っぱく言われたのです。そのため大量の塗料、うすめ液、スプレー、サラサラ系の接着剤などは、すべて大泣きしながら廃棄処分せざるを得ませんでした。
実に困った事態です。かろうじて瞬間接着剤は残したものの、何も塗れません。気に入った完成作品数点と共に、工具と未開封キットを7、8個持って来たのはいいけど、ネジひとつ塗れないとなると、作品として成立しません。特に痛かったのは、メタル系の塗料と、デカール液。
 まだ何もリサーチしたわけではないけど、カイロにプラモデル屋なんてあるはずもなく、途方にくれています。もちろん、フランスやイタリアの業者から通販で注文すれば送ってくれるような気はします。ただし、エジプトの税関を通すのにいったいどれだけの手間暇と時間がかかるのか、まったく見通せません。
 果たしてこうした事情をどうやって乗り越え、プラモ製作を再開できるのか、生温かい目で見守っていただければ幸いです。

2017年3月4日土曜日

カイロ3日目

 一昨日の昼前、フィウミチーノ空港内にできたばかりの味千ラーメンを食べてローマを発ち、カイロに到着してから3日目を迎えています。
 同僚に出迎えられてそのまま長期滞在用のアパートメントホテルに投宿。近所のスーパーで水やお菓子やシャンプー、石鹸などを買い込んだ後、アパート内のwifiを確認、スマホ用のSIMを購入するなどしてとりあえずネット環境も確保。
 カイロ中心部からナイル川沿いに10kmほど離れたマーディの街中は、どこかで見たことのある景色。インドにも似ているけど、ちと違う。
 とにかくどこを歩いても砂埃で靴がすぐ白く汚れます。舗装が壊れてそこここに穴が開いた道、走っているのが不思議なくらいポンコツな車たち、絶え間ないクラクションの音、たくさんの野犬、そしてたくさんの人。
 幹線道路が渋滞する理由は様々で、セルビスと呼ばれるワンボックスタイプの乗り合いバス(トヨタ・ハイエースがほとんど)、故障してエンコした車、どこでも渡る人、そしてトゥクトゥク(tuktuk)と呼ばれる三輪車。
国土の95%が砂漠というエジプト、つまり僅か5%のナイル川沿い地域(といっても、ほぼカイロに集中)に9千万人が暮らしているのですから、人の多さは推して知るべし。そして多くの人が英語を解します。
 アパートの近くには多くの小売商が軒を並べ、でもその中には西洋並みのレストランもあり、さらに市内には、IKEAも、フランスのカルフールも、果てはH&Mもマックもケンタッキーもあるのです。つまり、早々にここでの生活は何とかなるんじゃないかと見積もって良いだろうというのが第一印象。
 後は早いとこ金土が週末という曜日の感覚と、朝から気持ちよさそうに大音響のマイクで歌い上げるコーランに慣れることでしょうか。
 これからエジプト生活が始まります。どんな暮らしになるのでしょう。