2016年6月27日月曜日

こちらも本当に嬉しい1勝

 MOTO2の中上選手が昨日のオランダ・アッセンGPで見事、表彰台の真ん中に立ちましたね。いつ優勝してもおかしくないと言われつつ、初優勝まで長い時間がかかってしまっただけに、その喜びも格別でしょう。岡田監督以下、チームのメンバーもみんな泣いていましたね。
それにしてもこの中上選手、豪快にリアをスライドさせるライディングもさることながら、何と言っても顔が良いんです。イケメンとかそいういうのではなくて、実に精悍なのです。その昔、ポップ吉村が、「良いライダーは戦闘機乗りの顔をしている」とどこかで言っていたのを思い出しました。
 フィニッシュ直後に多くのライダーたちからの祝福を受け、レース後のインタビューでもきちんとした英語でチーム一丸の優勝であることを強調するなど、日本の若者が世界で活躍する姿はとても眩しく、嬉しいものです。おめでとう、中上選手。

2016年6月26日日曜日

歴史的1勝は解るんだが。。。

 EURO2016に初出場したアルバニア代表チームが、グループ予選ステージでルーマニアから歴史的1勝を挙げた訳ですが、日本でそのことを取り上げる人なんて、おそらく滅多にいないでしょう。頼みのハンガリーが、善戦むなしくポルトガルに引き分けたことで、グループ3位のアルバニアの決勝トーナメント進出の夢は断たれ、アルバニアのEURO初参戦は終了しました。
それでも、たまたま4度目の出張で現地を訪れていた23日、代表チームが首都ティラナに凱旋帰国した際は、空港に首相がお出迎え、衛兵が整列するタラップ下にはレッドカーペット、もちろん地元TVは生中継。直後に市のど真ん中で大々的な祝賀セレモニーが行われ、国中が祝賀ムードに包まれたのでした。
 と、ここまでは良かったんですけど、田舎者のアルバニア政府は、なんと代表チームのメンバーだけでなく、ユニフォームを選択するおばちゃんまでを含めたチーム関係者全員に、国際ルールを無視して外交パスポートの発給を約束、さらに、UEFAからもらった賞金を、自国のサッカー振興に使うことなく右から左にチーム関係者へのボーナスとしてあげちゃうと発表したのです。
 流石に気の良いアルバニアの人々も、これにはちとやりすぎとの声が早速上がり、せっかくの祝賀ムードに水を差された残念な感じだけが後に残りました。
 それにしても、昼間の気温は38度、うだる暑さのアルバニアへも、あと何回出張に行くことになるんだろう。ジョッキの生ビール1杯100円、炭火で焼いたソーセージなどをつまみに、お腹いっぱい食べて飲んでも1000円いかないアルバニア、結構好きなんです。

2016年6月17日金曜日

マナーと秩序?イタリア人の辞書にはない

 「イタリア人の運転は荒っぽい」。
 きっと誰しもがどこかで聞いたことがあるだろう通説です。さて本当のところはどうなのでしょう。
 小生、ローマに暮らし始めて3年が過ぎました。その前はパリに4年。これまでの人生で通算すると外国暮らしは25年、そのうちヨーロッパが19年、アフリカが6年です。右ハンドル、左ハンドル、舗装、未舗装、いろんな国のいろんな道路交通事情を生活体験してきました。
 その上でイタリア人の運転を評価すると、運転そのものは実はそれほど荒くない。ただし、壊滅的にマナーが悪く、何よりも「秩序」という概念がまったく欠落しているとしか思えません。

 そもそも2000年前の古代ローマの遺跡の上にそのまま街を作ってしまったもんだから、道路の幅員は現代の様な車社会を当然のことながら想定しているものではありません。石畳の狭い道が、好き勝手な方向に延びています。だから、一方通行がとても多い。初めての方は、ナビがないと街中の目的地に到達するのはなかなか難しいです。
 次いで、地下に駐車場を備えるアパートがきわめて少ない。これは、地下を掘ってしまうと、すぐに遺跡が出てきちゃって、何年も工事がストップしてしまうもんだから、誰も怖くて掘らないというのがその理由。勢い、路上駐車に頼らざるを得ないわけですけど、車の数だけ駐車スペースがあるはずがないので、いくらコンパクトカーの割合が増えようとも、停めきれない。そうなると、二重駐車が当たり前になります。
 狭い道路で二重駐車が横行すると、当然の様に渋滞を引き起こします。特に、交差点ではまるで「黄色の信号は突っ込んで良い」とでも教わっているのか、後から後からどんどん突っ込んできます。車線が足りなきゃ横に重なってきます。それじゃあ信号が変わったら交差する方の道がつっかえちゃうじゃん。だから渋滞するんだってばと言っても、誰も理解しようとしません。我れ先に行きたいだけなのです。混沌というかカオスというか、そんな表現しか思い浮かばないような状況が日常の中でそこかしこに発生するのです。下の画像のように。
とにかく皆んな、信号は守らない、ウィンカーは出さない、割り込み、飛び出し、急な車線変更なんか当たり前。ともかく車を運転している間中、こちらはあらゆる悪い予測を立てておき、いつ何が起こっても「やっぱりね」と瞬時に対応できるようにしておくことが、イタリアでの運転の秘訣です。きっと止まってくれるだろうなどとタカをくくるのは厳禁です。
 そして、いちばん気をつけなきゃならないのが、オートバイをひっかけてしまわぬこと。これが結構多くて、今日は混んでるなぁと思ったら、たいていは事故による渋滞で、そのほとんどが車とオートバイの接触事故です。だって朝晩のラッシュ時には大量のオートバイ(ほとんどが125cc以上のスクーター)がめまぐるしく車と車の隙間を縫って、渋滞の先頭を形成します。うまくすり抜けて先頭に躍り出たオートバイたちは、今度は皆んなバレンティノ・ロッシ君になってしまいます。そんなに急いだって、どうせ次の信号で止まるんだけどなぁと思いつつ、スクーターとは競わないのがいちばんです。
こんな交通事情でもちょっとは良い面もあって、それは、寛容の心が養われること。いくらカチンとくることがあっても、毎日のことですからだんだんと慣れてきますし、何より個人の力で全てのイタリア人を教育することなんかできないわけですから、許すしかないのです。イライラしそうになる気持ちを静め、寛容の心を発揮した方が、精神衛生上はるかに良いのです。
 時折、運転マナーの悪い車のドライブレコーダー映像がyoutubeなどにアップされているのを見るのですが、逆に日本人のマナーと秩序の水準の高さに驚かされます。ただ、本音を言えば、「いやいや、その程度でいちいち怒ってたらキリがないでしょ。日本人怒りすぎ」と思うレベルのものも沢山あって、ひょっとしたら自身の感覚が一部イタリア化してしまっているのかもしれないと、少し警戒しているところです。

2016年6月12日日曜日

EURO2016が熱い

 EURO2016が開催国フランスで始まったのです。また、テレビの前から離れられない日々です。
 特に、昨日まで出張に行っていたアルバニア。バルカン半島の小国でありながら、EUROへの歴史的な出場を決め、国中が盛り上がっていて、早くもお祭り騒ぎ。最近お仕事で関係していることもあり、こちらも多少は肩入れして観戦するのです。
 昨晩、そのアルバニアの初戦の相手はスイスでした。それぞれの代表チームに兄弟がいることでも話題になったこの一戦は、スイスが1-0で辛勝。決して突出した個人技を持つ選手はいないながらも、泥臭く懸命にプレイするアルバニア・チームを、今後も応援していきます。予選グループに楽な相手はいませんが、何としても一勝を挙げて欲しい。小さな国の一勝は語りつくせないほど大きい意味を持つもので、アルバニアの人たちはきっとその勝利だけでこの先10年はやっていけますから。
さてオジさんの仕事のお相手は、アルバニアに移住してきたドイツ人のお祖母ちゃんを持つ1/4混血のアルバニア人。EURO2016の決勝カードがドイツvsアルバニアになって、延長戦でも決まらず、誰も失敗しないPK戦が永遠に続くのをずっとテレビで見るのが夢だと語っていました。
 EUROはまだ始まったばかりですけど、イングランドがアディショナルタイムにロシアの同点ゴールを許したりと、見逃せない試合が盛りだくさん。イタリアの初戦は月曜日。熱いなぁ。

2016年6月6日月曜日

港町ジェノヴァ

 「港町ジェノヴァ」。タイトルをそう付けてしまった以上、港町らしい写真からスタートです。釣り船から超巨大フェリーまで、あらゆる船が停泊している港の中ほどには、水族館や海洋博物館など、観光客を向かわせる施設が集中します。
 パリやドイツの一部地方では集中豪雨による洪水被害が発生したこの日、ジェノヴァの天候はまずまずでした。バジルの香り漂うジェノヴェーゼ・ソースのパスタや水族館も結構なのですが、今日は少し異なる視点からこの街を紹介します。
 
 まずは、通称ストラーデ・ヌオーヴェと呼ばれる、この美しく豪華な建物が立ち並ぶ雰囲気抜群のガリバルディ通りは、ユネスコ世界遺産に登録されています。16世紀、財力を誇る貴族たちが競うように密集して建てた42の宮殿。中でも、画像左の「赤の宮殿」と、その向かいの「白の宮殿」などいつくかは一般に公開されています。

 白の宮殿のテラスから赤の宮殿を臨む図。庭には藤が綺麗な花をつけていました。ジェノヴァの商人たちの儲けっぷりってのはいかほどだったのか、平民には想像もつきません。

  今度はジェノヴァ中央駅の駅前広場。路線ケーブルバスの奥に白い大きな像が見えますが、これは何を隠そう1492年にアメリカ大陸を発見したとされるコロンブス像。ジェノヴァ出身のこのイタリア人、イタリア語の名前はクリストファー・コロンボです。

 そして、街中にはコロンブスの生家が残されています。「発見」された方のアメリカ人によって当時の姿に修復され、一般公開されています。
 もちろん、「発見」というのは欧州側の視点に立った表現で、アメリカ大陸にはそれ以前からいわゆるインディアンが住み暮らしていたわけですから、逆の視点に立てば彼は残虐な白人の侵略者だとなるのも、また道理です。

 実はジェノヴァにはもう一つ密かな目玉アイテムがあります。それは、イエス・キリストが12人の使徒たちとテーブルを囲んだ「最後の晩餐」で使われたとされる、或いは処刑後のキリストの身体から流れる血を受けたとされる「聖杯」(Holy Grail)で、なんと、この街にあるのです。
 普段は、街の中心部にある大聖堂にそれはあるのですが、この旅行で訪れたときは、中心から少しはずれたサント・オーガスティン教会に移され、ひっそりと特別展示されていました。

 教会に併設された博物館には、後年に描かれたであろう最後の晩餐のレプリカが展示されています。レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた本物は、もちろん今もミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラッツェ修道院の壁にあります。

 ワインを回し飲みしたというからには、聖杯はてっきりワイングラスのような形をしているのだろうという勝手な想像は、あっけなく否定されました。杯というには平たくて、しかも大きい。直径は30cmくらいか。エメラルド色をしていますけど、ガラス製です(しかも、欠けてます)。
 聖杯の写真を撮影することは禁じられていました。係員が鋭い目で監視していましたので、下の画像はかろうじてネットで見つけたものです。
 古くはアーサー王が血眼で探した伝説に登場、新しいところではインディ・ジョーンズが身の危険を冒して探し回り、最近ではダヴィンチ・コードでモチーフにされた聖杯。信憑性はともかくとして、なあんだ、こんなところに普通にあったんじゃん。。。と言いつつ、様々なつっこみを入れたくなる自分もいたりするのですが、まあともかく見れたのでよしとしましょう。

2016年6月5日日曜日

今日のチンク

 今日のチンクは、旅行先のジェノヴァで見かけた1台。
 白いボディの前面に、カラフルでポップな絵が描かれている一品モノ。小さくても、道行く観光客たちの視線を独り占めする存在感は流石です。
 ジェノヴァの写真はまた後ほど。

2016年6月1日水曜日

つかの間の休息

 怒涛のような量の仕事に追われた5月が、ようやく通り過ぎました。終わってみれば、よくやったなぁとは思いますが、もう一度やれと言われると無理です。
 さて、明日6月2日はイタリアの共和国記念日。大戦後、王政から共和制に移行した日にちなんだイタリアの祭日です。で、3日の金曜日をポンして(飛び石の休日に「橋」(ポン)をかけて続ける、の意)4連休をとることにしました。
 目指すは、リビエラ海岸の港町ジェノヴァ。
 カズこと三浦選手がジェノヴァで活躍していたことを覚えている方もおられるはず。
短い休暇ではありますが、美味しい海産物でも食べて、水族館でクラゲでも眺めながら、ゆっくりしてきます。きれいな写真が撮れたら、またご紹介します。