2012年3月28日水曜日

Printemps a Paris

 PARISの春と題してみました。
 サマータイムとなった今週はじめをきっかけに、日中20度を超える穏やかな天候が続いており、本格的な春の到来を確信しています。街のそこここで八重桜が一斉に花を咲かせています。画像はエッフェル塔ですが、事務所の裏庭とテラスの植え込みでこじんまりと咲いた桜に目を細めては、日本のソメイヨシノに思いを馳せるのです。なんのことはない、花見がしたいだけなのです。

 と、桜の花を思い浮かべていたら、春っぽいパステルカラーのマカロンが急に食べたくなりました。ふんわりと口に広がる優しい甘さが、春の柔らかな陽射しに似ています。

2012年3月23日金曜日

MB50Z (21)

 フロント・カウルの造形をあれこれ考えていたので、すっかり工作の手が滞ってしまいました。少し気分を変えるために、タンクから一体形成のシートカウルに着手しています。
 フェンダーレスにした後、画像では解りませんが、テールランプの取り付け部分をくり抜き、レンズを内側に仕込みました。

 続いて、シートカウル部にプラ板をぴったりと繋ぎ合わせて延長し、繋ぎ目が面イチになるよう表面を削り込みます。赤に着色されたプラ材が薄くなり透けてきて、割れやしないかとヒヤヒヤしながらの作業です。

 上の工作がなぜ必要だったかという理由が、このシートにあります。
 タンデムOKのMB8と共通の仕様だからなのだろうと思いますが、このシートはセミダブルくらいの長さがあります。座面自体の長さは、上体を低く伏せて乗る際に必要となるので構わないとしても、その後ろの部分までこれほど長く造る必要はないのです。それに、ぼってりしてカッコ悪い。

 シート・エンドの長さを短く詰めて、カウルに被せてみました。
 カットしたのは模型で約1cmですから、実寸では約6cm。なあんだこれだけのために、と思われるかもしれません。もちろん、全体のバランスの中で見てみなければ確認はできませんけど、これだけのことが、このMBの印象を随分と変えてくれるのではないかと期待しています。

2012年3月18日日曜日

MB50Z (20)

 
 フロント・カウル加工の第2段階は、目つきの変更。
 大径丸1灯はそのままながら、ライト両脇に張り出した頬骨の部分を切り取って横に広げ、上まぶたの部分を直線的に。ライト・リムは円形を維持してあります。
 あまりやり過ぎてしまうと最近のデザインに近づいてしまい、一瞬のうちにMB時代の郷愁を呼び起こすことが難しくなってしまいますので、そうならないように自重しつつ、でも、もう少し手を加えていきたいと思います。

2012年3月16日金曜日

MB50Z (19)

 このキットには、オプション装備のビキニ・カウルが入っています。
 エッジの効いたシャープなデザインがカウルにも採用されていて、タンクへと続く直線的なラインで構成されています。。。が、オヂさんは、この形が好きじゃないのです。
 ヘッドライト脇が頬骨みたいに張り出しているし、顎みたいな折り返しも嫌だ。カウル自体の取り付け位置もやたら高くて、安っぽいといいますか、軽薄といいますか、なんちゃって感を強めてしまっているような気がするのです。
 よく見れば、スクリーンをとめるリベットも、スクリーン側に予めモールドされていますね。最終段階では修正する必要があります。

 ものは試し、失敗したらそんときゃネイキッドだと、カウル下部の顎の部分を切り落としてしまいました。代わりに、0.5mmプラ板を、正面とサイドにあてがいます。繋ぎ目にはプラ板やエポパテで裏打ちし、強度を高めます。

 ほお骨を削り、ナックル部の切り欠きを大きく緩やかなラインに変更しました。いろんな角度から眺め回しては、パテを盛ったり、削ったりして、少しずつ形を出していきます。
 まん丸の目つきを変えたいとか、ウィンカーをどうするかという点を含め、まだまだ修正の余地が大いにありますが、第一段階としてここまでは、まあこんなもんかなといった感じでしょうか。少し時間を置いて、アイデアの熟成を待つことにしましょう。

2012年3月12日月曜日

MB50Z (18)

 オリジナル・チャンバー製作の最終段階は、サイレンサーです。
 世の中には様々な大きさ、形状のサイレンサーがありますが、オヂさんは、細身で短いものが好みです。今回は特に、ユーゾー・チャンバーのイメージが強くありますので、なるべくそれに近づくよう工作してみます。
 用意した材料は、3mm径、5mm径のプラパイプと、7mm径くらいの、ひよこ柄のストロー。だって、他に丁度良いのが手元に見当たらないのです。隙間は、エポパテで埋めます。

 画像では解り難いかもしれませんが、バッフルをとめるリベットを模して、1mmプラ棒を貫通させ、先端をライターで炙ってリベット代わりにしています。リベットの頭は、ヘキサゴンにみたててバイスで浅く穴を掘っておきました。
 排気口の3mmパイプは、サイレンサーから直線的に後方に延びています。先が曲がって垂れ下がったものや、角度を付けた排気口をよく目にしますが、オヂさんは、2スト特有の紫煙を盛大に吐き出す直線的な排気口がいちばん好きです。

 サイレンサーをステンレス色に塗装して、車体に装着してみました。
 チャンバー本体からステーを出し、ステップの三角プレート下のフレームに、極小ボルトとナットで着脱可能な形で取り付けました。
 どうでしょうか。外装パーツを付けて全体のフォルムの中で見ないと、バランスが今一つ掴めませんけど、スリムで軽快、ややスパイシーな味付けが表現できたのではないかと、満足しています。
 さてこのチャンバー、いったいどんな音がするのでしょうか。火を入れてみたい。ワクワクします。

2012年3月10日土曜日

やるなぁ、台湾cafe Racer

 創業50年以上を誇る台湾の老舗スクーター・メーカーSYM社から、素敵なCafe Racerが販売されていることを知りました。
 Wolf 150。4スト単気筒150ccの軽量シンプルなこのバイク、2012年発売の新車です。プライスタグは3,000米ドルを切りますから、今のレートなら25万円くらい。素晴らしい。
 この歳になると、この程度の排気量とパワーで必要にして十分。何より、どこをとっても癖のないデザインは、カスタムのベースとしてこれ以上ない素材だと思います。
 いろいろイジって、トコトコと峠道を走れたら、最高です。

http://alliancepowersports.com/models/Wolf.html

2012年3月8日木曜日

MB50Z (17)

 セクシーなチャンバー作りを目指して、工作の続きです。
 異径パイプの継ぎ目となる部分に、細~く伸ばしたランナーを巻き付けます。正確には、ランナーのプラ材だと粘り気が足りず、折れてしまうような気がしたので、贅沢してプラ棒を使いました。細く伸ばしてから曲げ癖を付け、接着剤で溶かしながら貼り付けていきます。
 その後、境目に溶きパテを流し込み、極端な段差を消しておきます。

 艶消しブラックで塗装し、乾かした後、2000番のペーパーで表面を撫でて、表面のムラを目立たなくします。完全な艶消しということではなく、なんとなく金属っぽい質感が出る程度には光らせたい。でもセミグロス・ブラックを綺麗に塗装したような均一感じゃなくて、少し肌の荒れた感じも欲しい。
 独りよがりもいいところです。

2012年3月7日水曜日

ユーゾー・チャンバー

 MB5の前回の記事で、ユーゾーさんをネタに軽口のような表現を使ってしまいました。一人のユーゾー・ファンとして往年を懐かしむ気持ちからだったとは言え、どうにも後ろめたくなり、反省気味にこれを書いています。
 80年代のバイク・シーンに多大な影響を与えた故・柳沢雄三氏。後に量産できる体制になるまでは、RZ250/350用のチャンバーを1本ずつ手造りしていたため、市場に出回る数が極端に少なく、名が知れ始めた頃には既に伝説のメーカーになっていました。
 特に、膨張室の容積を確保するためクランクケース下でエキパイをクロスさせた独特の形状のチャンバーは、RZ乗りのみならず、バイク乗りの誰もが憧れたものです。純粋に性能のみを追求したため耐熱塗装もされておらず、サビサビになってしまうのです。細身で短いサイレンサーも、アルミ製が主流だった当時にあってステンレス製だったので、ものすごくカッコ良い代わりに、ちょっとぶつけるとすぐに凹んでしまうのです。それでもファンの数は尽きませんでした。購入したオーナーのために、キャブレターのセッティング・マニュアルまで用意されている徹底した「こだわり」に、多くのライダーが心酔してしまったのです。
 昭和の職人にして偉大なるメカニックに、合掌です。

2012年3月6日火曜日

グルメなノルマンディ

 春も間近ではありますが、今日は北フランス海岸地方の豊かな冬を忘れないよう、先日「食べる」だけのために訪れたノルマンディのグルメ・メニューをご紹介します。
 グラスのシャンパンで乾杯した後、先ずは、何といっても、北海で獲れたばかりの海の幸の盛り合わせ。仕入れによって内容が微妙に変わるのですが、この日は、手長エビ、カニ、牡蠣、巻貝、タニシなどなど。牡蠣以外はすべて湯通ししてありますので、レモンを絞ってそのままどうぞ。新鮮なので、臭みなど一切ありません。オヂさんは、ちらっと見えてるこの巻貝が大の好物なのですが、それは皆なそうで、壮絶な取り合いとなること必至です。それもまた楽しく、辛口の白ワインがどんどん進みます。
 唯一の難点は、殻をむいて食べることに忙しく、皆な無口になってしまうことです。

 二品目は、青オマールのソテー、クリームソース添え。日本で言うところの、青みがかった伊勢エビ。サイズに応じて、グラムなんぼでメニューの値段が決まります。いわゆる時価って奴。コイツはかなりごっついサイズで、約70ユーロ也。ぷりっぷりのブツ切りに濃厚なバタークリームが何とも贅沢です。公平に分けて食し、お皿に残ったソースはバゲット(フランスパン)ですくい取って、これまた美味。心も胃袋も大満足の一品です。

 〆は、カフェ。口直しですから、ミルクは入れません。クッキーなどちょっとしたお菓子が添えてあって、見た目にもおシャレです。
 ヨーロッパは、冬が良い。逆か。冬でも楽しめるのは、ヨーロッパ。これ、オヂさんの持論です。

2012年3月5日月曜日

MB50Z (16)

 チャンバー製作に着手しました。これがやってみたくて、このキットを購入したと言ってもいいくらい、楽しみにしていた工作です。今回は、そんなトキメキを忘れないように、工作のプロセスを少し丁寧にご紹介してみようと思います。
 まずは、キットのノーマル部品を眺めます。ふむ、細くて、長い。。。何が嫌かって、全部嫌なんですが、エキパイからして妙にカクカクした直線的な曲げ具合で、そこだけを見ても、もう駄目なんです。解り易く言うと、セクシーじゃないんです。

 市販されていた実車MB用のチャンバーとしては、ルーニーが代表的なものでした。ひょっとしたら今でも購入可能かもしれません。
 しかしここは思い切って、RZ乗りの間では、つとに有名だったあのユーゾーさんに、ワンオフでMB用のチャンバー製作をお願いしてみました。結果は、「ホンダさんのはやってない」という単純な理由で、お請けいただけませんでした。ナンチャッテ。 嘘です。自分で作ります。
 ジャンク箱からいろんなキットのいろんなマフラーの残骸をあさり、太さの異なる6個のパーツから構成しました。なあんだ、と思われるかもしれませんが、この状態に至るまでに相当の時間がかかっています。
 エキパイは、やはりふっくらと丸みのあるカーブでなければなりません。5mmプラ棒をライターで炙って、ゆっくりと曲げていきました。パワー特性を決定的に左右する膨張室も、じゅうぶんに豊かな容量を持つものでなければなりません。そして後方は、すぅっと美しくテーパーされていなければなりません。。。そんなオヂさんなりのこだわりを形にするため、一つずつのパーツと睨めっこしながら繋いでいきます。

 おおまかな形が見えてきたところで、盛大にエポパテを盛りつけます。特に、パーツの繋ぎ目と、ふくらみのカーブに違和感が生じないよう、削りシロを見込んで手早く作業しました。

 ひと晩放置してエポパテが完全に乾燥するのを待って、棒ヤスリで削り込み、その後、320番のペーパーヤスリで表面をならしていきます。
 凸凹がなく、きれいな円筒形の面を出していく作業には、かなりの根気が必要です。オヂさんの性格に最も足りない特性です。景気付けに酒なんか飲んじゃったら、もう駄目です。今日は、飲み始めちゃったので、ここまで。チャンバー製作は、まだまだ続きます。

2012年3月4日日曜日

MB50Z (15)

 連載15回目にして、とりあえず自立しました。
 リアサスのフレーム側の受け位置は、本来もっと前方なのですが、グラブバーが取り付く穴を利用して、キャスター角を立ててあります。これは、実車の世界でアフター・マーケットにはノーマル・サスと同じ全長のサスが、当時カヤバなどのメーカーから販売されていなかったため、やや短い製品を取り付けるために少年たちが実際に用いていた手法。
 今回は、ノーマル・サスをノーマルの長さのまま、この位置にセットすることによって、キャスター角を立てバネ性能を向上させると共に、全体のポスチャー(姿勢)も現代風にややヒップアップさせることを狙ったカスタムです。
 低くしたハンドル、バックステップと相まって、フューエルタンクにかぶさるような、前傾したライディング・フォームを容易に想像させてくれます。

2012年3月1日木曜日

MB50Z (14)

 シートカウルの加工です。
 リア・フェンダーと一体のデザインが、カッコイイと思えた時代だったんですな。しかも、ここに大振りのテールランプが付くのです。 フェンダーもかなり長くて、そりゃ泥ハネの心配はないでしょうけど、実用車じゃないんですから。。。

 ということで、フェンダーレスにしてしまいましょう。バッサリです。テールランプも外付けではなく、カウルをくり抜いた内側に仕込むようにしたいと思います。
 ただ、いつものことながら色つき透明プラ材は、ちょっと力を入れますと、ピキっとヒビ割れてしまうデリケートな部品です。シートカウル内側の大きさまで周囲を削り込むんで成型するのが大変そう。
 これがなんとか収まってくれれば、あとはナンバープレートのステーとウィンカーをどうするか、考えなければなりません。このところ朝の通勤時に、横をすり抜けていくバイクたちのテール周りばかりを気にして見ています。まだまだ先は長いです。