2017年12月6日水曜日

赤提灯に誘われて(一時帰国)

 明日から一時帰国します。
 カイロに来てから9カ月の間に、短い休暇と短い出張を含めればこれで3回目の一時帰国ですから、カレンダーを見つめて待ち遠しくなるほど日本を離れていた訳ではないのですけど、それでも休暇らしい休暇は夏休み以来ですので、やっぱり嬉しい。
 はちきれんばかりの物欲もさることながら、赤提灯が私を呼んでいる。
寒い季節には、唐辛子をたっぷりかけた煮込みだろうか。それともやっぱり忘年会のシーズンなので、鍋にするんだろうか。魚も美味しいだろうな。ラーメンも食べたいな。。。
 とはいえ、年末にはエジプトに戻ってくるのです。まだちょっと先ですけど、今年の大晦日の晩は、ナイル河に浮かぶ船の上、砂漠から上る初日の出を見ることになりそうです。

2017年11月30日木曜日

カイロの街はハイエースだらけ

 平日のカイロの街中は、時間を問わず、どこへ行っても激しい交通渋滞です。
 車線や信号なんてものは、あって無いのと同じ。車検も排ガス規制もありませんので、あらゆるメーカーの、しかも当たり前のように整備不良の中古車が路上にひしめき合っています。そこへ荷車を引いたロバだの、ノーヘル上等で幼い子供を前後に乗せたバイクだの、自殺覚悟なの?ってくらい勇敢に道路を渡る歩行者たちだの、もうカオスもいいとこ。イタリアでは運転マナーの悪さにさんざ辟易としましたけど、ここへ来るとエジプト人たちも少しはイタリア人を見習えと言いたくなってしまうほどです。

  そんな酷い交通事情の中、市民の大切な通勤の足となっているのが、乗り合いのミニバス。こちらでは「セルビス」(サービスのフランス語読みなのか)と呼ばれていて、そのほとんどがトヨタ・ハイエースです。主要な幹線道路には常時無数のハイエースが走っていて、路側帯のないところだろうが、信号の交差点だろうが、後続車が詰まって渋滞を悪化させようが、まるでお構いなしにどこでも止まって客が乗り降りします。料金は、ちょっと遠くても多分100円するかしないかくらいでしょう。
エジプトではつい先日も、シナイ半島でモスクが襲撃され、死者300人を超える悲惨なテロ事件が発生しました。2012年の革命を境に、世界中からエジプトを訪れる観光客は激減し、ようやく回復の兆しをみせてきた矢先の出来事です。
 しかし、観光客の少ない今ですらこの渋滞なのですから、政情が安定して客足が戻って来たら、いったいどうなってしまうのでしょう。

2017年11月22日水曜日

物欲の季節

 すっかり物欲の季節になりました(なんじゃそりゃ)。
 エジプトに赴任してきて9ヶ月が経ちますが、師走に一時帰国の休暇を強行することにしたものですから、日頃エジプトでまったくできない買い物欲が否応なく煽られている状況です。さあて日本で何を買ってやろうかと、日々ネットでターゲットの製品をリサーチするのが楽しいのなんの。いい歳したオジさんの心を揺さぶる罪深きモノたちを発表します。


その① 物欲の先頭を走るのは、ご存知ipad pro。持ち運びも楽な10.5インチのやつが欲しい。apple penでメモ書きもしてみたい。手持ちのiphoneでテザリングしちゃうので、安いwifiモデルで十分とみた。なんやかやで合計10万円くらいか。


その② 次にゴルフクラブ。ミズノのアイアンセットと、ホンマのユーティリティが欲しい。前者は養老工場でクラフトマンたちが丹精込めて作ってる、その名もMP66。セミキャビティのニクい奴。メーカー直営店で親切なスタッフに丁寧にフィッティングしてもらって、新品を揃えたい。歳をとると人の親切がとても嬉しい。なにせ、今持っているアイアンは5カ国も持ち歩いて都合20年近く使い続けたポンコツ、いや、ベテランなので。ホンマの方はまあ中古でもいいや。双方で合計約12~3万円ほどか。


その③ で、あとデジカメ。欲しいのはLeicaV-lux。非交換タイプの高倍率ズームレンズが付いてて、これ1台ですべて事足りちゃう。お洒落なバッグとストラップのexploreセットが20万円弱。まあなにせお高いですから、手持ちのCanonの古い一眼とレンズたち、富士フイルムのデジカメもすべて売っぱらって、それでも差額は13~14万円に及ぶのではあるまいか。

その④ そして最後はスーパーカブ。保険やヘルメット代を含めれば乗り出し30万円ほどだろう。即納車できれば、日本にいる20日あまりの間に、歯医者に通ったりゴルフショップに行ったりするのがどれだけ楽しくなるか。  
 
 と、まあこんなふうに並べてみたものの、4アイテム全部買ったら70万円を超えてしまいます。超万馬券でも当たらない限り、到底お話になりません。ボーナスなんか一撃で木端微塵です。なので、ここは自らをクールダウンさせるため、そして我に返って現実的な選択をするため、それぞれについてプロ・コン(良い点・悪い点)を考えてみようと思います。

①については、自宅で使っているノートPCがそろそろ限界を迎えつつあるのです2012年夏モデルというシールが貼ってあります。OSはWindows7で、サポート終了まであと1年。早晩、買い換える必要に迫られるでしょう。
 一方、今後とも単身赴任の自宅にどうしてもノートPCが必要かというと、これは相当に怪しい。実際PCの使い道は、年1回の年賀状の作成と、月数回のブログの書き込み。日々の使用はくだらないネットサーフィンだけ。youtubeばかり見てます。であれば、安くないノートPCを買うよりも、タブレットの方が遙かに使い道が広がるのではないだろうか。ベッドで動画も見られるし、出張にも持って行けるし。問題は10.5インチという画面のサイズが老眼にフィットするかどうかですが、それ以外は否定的な要素があまり見当たりません。
②については、今現在、手持ちのクラブで特に困っているかというと、実は困っているというところまでは行ってない。見た目は傷だらけでくたびれてるけど、機能に不満はない。単に20年モノじゃなくて新しいのが欲しいという、言わば純粋な物欲ですかね。あと1~2年なら我慢できなくもない。
③については、正直なところ贅沢品であることは解ってます。しかも、ものぐさが進行している最近では、スマホでしか写真を撮らなくなってしまってる現実もあります。使用頻度の点からも、コスパの点からも、今買うべき積極的理由はほとんどなさそうです。ただね、いつか鎌倉あたりをゆっくり散歩するのが週末の楽しみ、なんて歳になったときに、首から下げてるカメラがこのLeicaだったら、どんなにカッチョ良いだろうかと、妄想するのですよ。ええ。
④については。。。だって、駅まで歩いたり、チャリ漕いだりするの、嫌なんです。。。

2017年11月4日土曜日

ヘルメットにブレーキランプとか

 最近のニュースで、二輪のヘルメットに装着するブレーキランプってのがあるのを知りました。
 減速を感知して勝手に光るメカニズムなので、ライダーのブレーキ操作とは関係なく作動します。だから、エンジンブレーキのみで減速したときも光るんだそうです。2時間の充電で8時間の使用に耐える。お値段19,690円。
 パッと見のデザインは、悪くないなと思います。
 でも、充電性能がイマイチですね。スマホ関連だけでも電池切れの心配から解放されない毎日だというのに、ヘルメットまで充電を気にしなきゃいけないとなると、結構なストレスになりそう。あ、タンデムはできませんね。
かと思えば、自転車用のヘルメットに至っては、ワイアレス接続のスイッチをハンドルにつければ、ウィンカーまで作動するものがありました。こちらは1日30分の使用なら1週間もつ充電性能で、16,280円。

 オートバイも自転車も、安全性が向上するのは良いことであるのは間違いありません。でも、なんとなく違和感を覚えてしまうのは、歳のせいなのでしょうか。
 オートバイのテールランプは、デザインを重視するあまり年々小さくなっているし、ウィンカーは小型化に加えて幅も狭くなってきています。
 もちろん国が定めた安全基準を満たしてはいるのでしょうけど、昔のFZ750やZ1300みたいな巨大なテールランプはデザイン的にも嫌いではなかったし、大きく左右に張り出したウィンカーも、前後を走る車に対して確実に意思が伝わるという安心感がありました。安全性が犠牲となるデザインは人の為にはならない。本当の意味でのデザインではないと思ってしまうのです。
 自動車は四方をカメラで認識するようになり、AIによる自動運転制御に道路交通が支配される世の中は、すぐ目の前まで来ています。技術の革新はしかし、人間の感性をどんどん鈍くするものでもあります。人間が本来持っている検知能力や感性が薄らいでいく未来、なんだか怖くもあります。

2017年10月19日木曜日

祝!和製スーパーカブ復活

 今日は実に嬉しいニュースが入ってきましたね。
 世界中の人々から愛され、ついに生産台数が1億を突破した、日本が世界に誇る名車スーパーカブの新型が登場します。
 しかも、生産拠点をこれまでの中国から日本に移すということで、ようやく「中華カブ」などというレッテルが外れるのです。LED化された丸型ヘッドライトは、和製カブであることの証明です。熊本工場から世界に向けて、きわめて質の高い超ロングセラーがこれからもどんどん発信されることでしょう。
何が嬉しいかというと、まずはエンジン。50ccがラインナップに残りました。電気モーター化の噂がささやかれることもありましたけど、新型にも伝統のカブ系4ストが採用されました。ホンダさん、やればできるじゃないの。なら、同じエンジンのモンキーはどうしてやめちゃったのよ~と突っ込みたくなります。
 そして嬉しいもうひとつの理由は、お値段。税込23万2200円と、非常にお求めやすく設定されています。
さらに嬉しいことに、前後に小径14インチのホイールを履き、バスケットと大型キャリアを装備したプロ仕様も25万3800円で同時発売。これまた捨てがたい魅力的なフォルムで、新聞配達や郵便屋さんだけのものにしておくのは勿体ない。
 次に帰国することがあれば、絶対にカブを買おう。そして毎日乗って、末永く愛でてあげよう。そう決心するオジさんでした。

2017年10月6日金曜日

古代エジプト文明と地球外生命体

 こういうタイトルを書くだけで、なんだかドキドキします。
 ルクソールの旅をガイドしてくれたのは、日本語ペラペラのエジプト人でした。このガイドさん、もともといろいろな文字が大好きで、大学でヒエログリフを勉強しただけでは飽き足らず、日本語もついでに勉強したのだとか。古代エジプトの歴史や遺跡に関する豊富な知識は、素人観光客である私たちの知的好奇心を大いに満足させてくれました。
 しかし、そのガイドさんをもってしても、やはり古代エジプトの遺跡には、人間の知恵と技術だけではどうにも説明のつかないものが幾つもあるのだそうです。
 4500年前に作られたギザの大ピラミッドの四辺は正確に東西南北を指していて、その誤差はミリ単位。春分と秋分の日には、太陽の光が四角垂の一辺の角度とぴったりと重なり、影がなくなります。3500年前の様々な遺跡に使われた巨大な一枚岩はどのように正確に切り出され、また、どのように運ばれ、どのように積み上げられたのでしょう。
 現代の科学と技術でもきちんと説明ができないこれらの謎、実はカイロ考古学博物館にひっそりと解説もなく展示されているいくつかの発掘品が、その答えを示唆してくれています。
  黄金の船がどうして車の上に載っているのか解りませんが、前後と真ん中に3体、オールを漕ぐ人間とは明らかに色も大きさも異なる人型の姿が認められます。船頭というより、監督にあたる者のように見えます。

そして船の上の3体に酷似したこの2体に至っては、まんま宇宙人そのものではありませんか。ファラオでもないのに、金箔で覆われた身体、青く光る眼、大きな耳、長い手足、高価な装飾品。きっと特別なステータスを持った者に違いありません。
 UFO大好き、不思議大好きなオジさんとしては、これからも古代エジプトを独自の視点から見ていきたいと思うのでした。

2017年10月1日日曜日

古代エジプトの入口を覗く旅(ルクソール)

 仕事の都合により、今年の夏休みは随分遅い時期になりました。
 エジプトに転勤してきてから半年を過ぎた先週、ようやく古代エジプトの都、ルクソールを訪れることができました。
 カイロからナイル川を南下すること600km以上、飛行機で約1時間の距離にあるルクソールは、約3500年前にはテーベと呼ばれるエジプトの首都でした。
 古代エジプトの歴史は、いわばファラオの歴史。家系(血筋)によって第〇王朝というふうに区切られています。織田家が第10王朝、豊臣家が第11王朝、徳川家が第12王朝などと例えれば解りやすいでしょうか。
 ルクソールに残る遺跡は、大きく言えばナイル川東岸の寺と、西岸の墓。歴代のファラオは没すると東岸の神殿で葬式を行い、ミイラにして西岸の墓に埋葬し、いつか訪れる復活を願ったということです。
 世界最大の寺であるカルナック神殿や、ライトアップされたルクソール神殿は、まさに息を飲むほどの規模、荘厳さ、美しさでした。圧巻という簡単な言葉ではとても間に合いません。そして、60を超えるファラオの墓が密集する王家の谷も、言葉を失う空気に支配されているようでした。

 さて、現存する古代エジプトの遺産の中でも群を抜いて知名度の高いものが、ツタンカーメン王の遺品でしょう。1922年にカーター教授が掘り当てたツタンカーメン王の墓は、王家の谷の第62番目の墓ですが、別のファラオの墓のすぐ真下に位置し、大量の瓦礫に覆われていたため、墓泥棒による盗掘被害を受けることなく、奇跡的に残ったということです。
ツタンカーメンのこの有名な黄金のマスクは現在、カイロの考古学博物館に、墓の中に収納されていた玉座など数々の遺品と共に展示されています。ただし、自身のミイラは王家の谷の墓に今も静かに眠っています。写真撮影が禁じられているのでご紹介できませんが、19歳の青年としても小さな身体でした。
 ところで、ツタンカーメン一族は、歴代のファラオを年代順に並べた古代の王命表に、その記載がありません。第18王朝と第19王朝の間にあるべきツタンカーメン一族が、歴史から抹消されてしまっているのです。
 というのも、ツタンカーメンの父であるアクナートン王は、最高神アメンに代えて実体を持たない太陽神を崇拝することを民に求め、都をルクソールの北300kmほどの別の地に移してしまった、いわば異端のファラオだったからなのです。
 政治や催事を司る神官たちや民の信仰心は、権力だけではそうそう変わるものではありません。アクナートンが変死した後、共同統治者の地位を得て後のファラオとなる妻ネフェリティティもわずか3年で変死、さらに、ネフェリティティとの間にできた子供6人はすべて女の子ということで、下女に産ませた息子ツタンカーメンが僅か6歳にしてファラオに即位したものの、19歳でこれまた変死。最後はネフェリティティの父アイが国を治めたころには、すっかり一族の権力は崩壊していたのでした。
 ただし、王命表にその名を刻むことがなかったことが逆に幸いし、探す者もおらず盗掘から守られてきたというのも、歴史の綾だなぁと思わされます。王家の谷の墓守たちは、その昔、盗掘の限りを尽くした墓泥棒の子孫だと聞いて、これまたなんとも皮肉なもんだと感じました。

 実はツタンカーメンの話には今なお続きがあって、王家の谷の墓、ツタンカーメンの棺が置かれていた玄室の壁の向こうに空間が続いていることが、最近の調査で分かっています。問題は、世界遺産である玄室の壁に描かれた絵に一切のダメージを与えることなくその背後をどうやって発掘するかということです。
 壁の向こうには、クレオパトラと人気を二分するという絶世の美女ネフェリティティの墓があり、ミイラと埋蔵品が眠っているのかもしれないのです。3500年前のロマンは、まだまだ終わっていないのです。