2018年12月11日火曜日

オレたちのCBが変わってゆく

 ホンダCB。
 車と言えばトヨタ・カローラ、バイクと言えばホンダCBと言っても過言ではないでしょう(異論は認めます)。それくらい多くの人に親しまれてきたモデルであることは間違いありません。
 最近発表されたCBシリーズ(写真はCB500X/CB125X)を見ると、永年抱いてきた上のようなイメージが最早古いものであり、そのスタイルや楽しみ方が大きく変わってきているんだと思い知らされます。


原付からナナハンまで排気量の大小を問わず、様々な人に様々な感動と思い出をもたらしてくれたホンダCB。
 私の原風景の一つもCBが一緒でした。高校生最後の夏休み、リュックひとつ背負ってCB50Sにまたがり、房総半島一周のソロ・ツーリングに出かけました。反対車線をすれ違いざまにピースサインを交換する嬉しさ、人も車も一切途絶えた杉林の道では、静寂の中にこだまする落ち着いた排気音のみが聞こえ、エンジンの鼓動と会話しているような、或いは抱かれているような錯覚に陥りました。いつまでも、どこまでも走っていたい、そんなふうに感じたあの数日間の体験が、私のバイクに対する思いの原点なのです。
 山間の長い上り坂では非力なエンジンが熱ダレしやしないかと心配になり、夜道では明るさが充分でないヘッドライトのみを頼りに慎重にコーナーを曲がり。。。今のバイクでは考えられませんね。
 テクノロジーの進化は良いことですし、大いに歓迎すべきことです。その時代の役割を終えた人もバイクも、進化した新しいものに取って代わられるのは、運命であり必然です。時代の変化を真摯に受け止めるべきなのでしょう。
 ひとつだけ望みたいのは、進化したモノが、新しい世代の人に、古い世代が体験したのと同じくらい或いはそれ以上の感動と思い出をもたらすものであって欲しい、ということです。特に、ホンダCBというバイクにあっては。

2018年12月7日金曜日

カイロでオペラ「アイーダ」を観るということ

 12月4日から公演中のオペラ「アイーダ」を観てきました。
 ヴェルディ作曲による古代エジプトの首都メンフィスを舞台としたこの作品、初演は1871年、ここカイロのオペラハウスです。こけら落としにこそ間に合わなかったものの、それを想定してヴェルディに作曲を依頼した、エジプトにゆかりの深い作品。
スエズ運河の開通を祝って建てられた初代のオペラハウスは、1971年に火災で全焼してしまいます。しかし1988年に、日本の無償資金援助により現在の場所に見事に再建され、今年はその30周年を迎えた節目の年。何だかんだと言われることもある日本のODAですけど、こういう立派なものを目の当たりにすると、日本人の一人としてちょっと胸を張りたくなるのは私だけではありますまい。
 初日と昨日の2回、主役アイーダを演じるため、日本から中丸三千繪さんがゲスト出演してくれました。マリアカラス・コンクールで優勝した唯一の日本人歌手です。
 エジプトのファラオの王女、敵軍エチオピアの王女、その敵軍を討伐したエジプト将軍の禁断の三角関係。アイーダへの恋心のため国を裏切ろうとした将軍を、しかし彼を愛するが故にその罪から救おうとするエジプト王女、その甲斐もなく死罪となった将軍への愛を貫き、共に生き埋めとなる道を選んだアイーダ。そんなお話です。
 第一人者である中丸さんのステージというだけでなく、古代エジプトの神殿などをモチーフとしたきらびやかで壮大な舞台装置や、イシス神への信仰を裏付ける数々の装飾や衣装は目にも楽しく、僅か900円くらいのチケットがホントにお得に感じられました。
 単身赴任サラリーマンの単調な毎日を送る中、たまにはオペラも良いですね。

2018年11月25日日曜日

新しモノ嫌い

 ワタクシ、新製品は買いません。
 新製品が嫌いということじゃないんです。むしろ、新製品のニュースにはわりと敏感だし、ジャンルによっては大いに関心があります。でも、決して飛びついたりしません。予約して発売当日に購入するなどあり得ません。多分に性格なのでしょう。
 製品に対する世の中(ユーザー)の評価が出揃い、前モデルに比べて何がどう改良・進化したか、逆にどんな欠点が発見されたか、さらには、どういったニーズの人にマッチするかなどといったことが相当に明らかになってからでないと、買いたいところまでいかない。決してケチじゃないんです。むしろ金遣いは荒い方。
 それで、発売から1年以上はゆうに経ってから、ああ、やっぱりこれ欲しいとなるわけですけど、もうその時点ではその製品に対する知識がぎっしりと頭につまっていて、他の選択候補は全て比較され排除されているので、そりゃあもう悩む余地もなく欲しくて欲しくて仕方がないという状態になってしまうのです。
 そんなふうにして最近購入したのがこれ。
ゴルフのアイアン。20年ぶりにアイアンを新調しました。
 そう、知る人ぞ知る三浦技研のMB5005。2015年発売の製品です。兵庫県の金型職人・三浦勝弘氏が創業したこのメーカー、純度99.3%を誇る軟鉄素材から、鍛造製法にこだわり抜き、1本ずつ職人さんが丹精込めて削り仕上げするクラブです。
http://www.miuragiken.com/about-us/miura/
 何がどうという以前に、見て下さい、この圧倒的な美しさ。もはや工業製品の域を超えて、芸術作品を見ているようです。所有する満足感がハンパない。これを我が手に収め、眺めたり、撫で回したりするだけでも酒が進みます(ご飯3杯は年齢的に無理だけど)。因みに、あのタイガーウッズが一時期ナイキのクラブを使用していたことがありましたが、実はナイキとは名ばかりで、中身は三浦が作ったアイアンだったと、関係者の間でまことしやかに語り継がれているのだとか。
 さて、新しモノ嫌いには当然に短所もあって、いつもそんなふうなもんだから、考えに考え抜いてようやく購入を決めた頃には、そろそろニューモデルの噂が出ていたり、買った直後に本当に発表されてしまったりということが頻繁に起こります。
 いまだに使ってるiphoneは6ですし、欲しいカメラは2年前のものだし、このブログをパタパタと打ちこんでる自宅のPCは2012年のwindows7です。時代遅れというか、完全に何シーズンも取り残されていますけど、別に困っていないので良いのです。

2018年11月19日月曜日

航空会社ランキング~その裏側で切実な航空会社選び~

 格付け会社による2018年の航空会社ランキングが発表されたという記事は、目にされた方も多いと思います。それによると、今年のワールド・ベスト20・エアラインは次のとおりだそうです。
   1位:シンガポール航空/前年2位
   2位:カタール航空/前年1位
   3位:全日空(ANA)/同3位
   4位:エミレーツ航空(ア首連)/同4位
   5位:エバー航空(台湾)/同6位
   6位:キャセイパシフィック航空/同5位
   7位:ルフトハンザ航空/同7位
   8位:海南航空/同9位
   9位:ガルーダ・インドネシア航空/同10位
  10位:タイ国際航空/同11位
  11位:カンタス航空(オーストラリア)/同15位
  12位:スイスインターナショナルエアラインズ/同14位
  13位:日本航空(JAL)/同16位
  14位:中国南方航空/同23位
  15位:エティハド航空(ア首連)/同8位
  16位:オーストリア航空/同17位
  17位:ニュージーランド航空/同19位
  18位:ターキッシュエアラインズ(トルコ航空)/同12位
  19位:KLMオランダ航空/同22位
  20位:香港航空/同24位
 「えー、ワタシANAとJALしか乗ったことないし~」と、悲観する必要は全くありません。我れらが日本の航空会社はいずれも世界有数の優秀な航空会社なのですから、むしろそういう人の方が贅沢してるんだと胸を張ればよろしい。
 翻って、日本の人々は海外旅行するときに、いったいどんな基準で自分が乗る航空会社を選んでいるのか、少し気になりました。発着時刻や曜日は、この際、度外視して考えます。
  ・日本語が通じるから
  ・機体が新しいから
  ・機内食や機内エンターテインメントが充実してるから
  ・料金が安いから
と、概ねそんなところでしょうか。旅行代理店が組んだフライトだから、というのもあるでしょうし、中にはキャビン・アテンダントの制服が素敵だからというのもあるかも。
 ところが、これがアフリカなど途上国の航空会社から選ばざるを得ないとなると、状況は一変します。
  ・オーバーブッキングが少ない
  ・フライトの遅延や突然のキャンセルが少ない
  ・乗継で荷物がなくなることが少ない
  ・テロの脅威が少ない
  ・事故や機体トラブルが少ない
 いずれも「少ない」という表現を使ったのは、実際しょっちゅうそういう目に遭うからに他なりません。要は、機内食やエンターテインメントなどは、どうでもいいのです。だって、そもそも機内食なんて病院の入院患者でも食べないような粗末なものばかり(それでも皆んなモリモリ食べますが)ですし、山のような手荷物を機内に平気で持ち込む出稼ぎ労働者たちがわんさかいて常に満席ですし、かと思えば乗ったら乗ったで「宗教上の理由から男性の隣には座れない」などと延々クレームする女性のおかげで30分も出発が遅れたり、そんなのばっかりですから。
 なので、とにかく優先すべきは上に列記したようなリスクをなるべく最小化するという発想なのです。飛行機に乗るのが仕事みたいなところがある私のようなサラリーマンにとっては、航空会社選びは切実だったりします。
さて、写真は、私にはお馴染みのエジプト・エアー。機体と垂直尾翼には古代ホルス神をモチーフにしたシンボルマークがあしらわれていて、見た目はカッコ良いんですけどね。。。 

2018年11月8日木曜日

クウェートのKFCに感激

 昨日まで、クウェートに行っていました。
 イラクの南端に接した湾岸の海沿い、国土の面積は四国とほぼ同じという小さい国ながら、世界第4位の原油埋蔵量を誇る「お金持ちの国」です。
 首都クウェート以外はほぼ砂漠ですから、400万にも満たない人々が一か所に集中して暮らしていることになります。ただし、そのうちクウェート国籍人は半分未満、つまり半分以上はエジプトやインド、パキスタンなどからの出稼ぎ労働者なのです。
 石油のおかげで遊んで食ってる人たちを除けば、働いているクウェート人のほとんどが国家公務員。下世話な仕事はぜんぶ外国人の安い労働力に任せて、彼らを顎で使って左うちわということでしょう。
 湾を臨む市の中心街には高層ビルが乱立し、そこかしこに輸入ブランドのテナントが入ったショッピングモールがあります。きちんと舗装された道路には高級車ばかりが走っています。そのへんは周辺の産油国であるア首連やオマーンとよく似た雰囲気。
 仕事を終えて、近ごろ血糖値が心配な中年真っ盛りのオジさんは、炭水化物を避けて満足できる夕食がないかと挙動不審気味にキョロキョロしていたわけですが、そこにKFC(ケンタッキーね)の看板を見過ごしませんでした。
メニューを見ても全部アラビア語で、値段すらわかりません。でも大丈夫。店員はアジア系の人で、英語が通じます。
 なんといっても日頃エジプトにあるKFCが果てしなく貧相で、大袈裟じゃなくてホントに1つのピースが親指大くらいの残念なサイズしかなくて、しかも何だか油がべしゃっとしているもんですから、ちゃんとしたのを食べたいなぁと、かねがね思っていたわけです。
 はたして、クウェートのKFCは、、、ちゃんとしてました。一つが大きいし、サクサクで美味しいです。50も大きく越えたこの歳になって、はからずもKFCに感動してしまった。
 とはいえ、クウェートに住みたいかというと、答えはノーです。
 1年のうち200日以上は暑すぎて外を歩けません。夏場のピーク時の気温はゆうに50度を超えます。もっとも、200日間エアコンをつけっ放しにしたところで、電気代はたかが知れてます。水よりガソリンの方が安い国ですから。
 じゃあ、エジプトとどっちが良い?と、訊かれました。目下、答えに困っています。

2018年11月3日土曜日

電気モペッド~これは良いかも~

 ドイツのSOLモーターズ社が開発したという電動モペッド、その名も「ポケット・ロケット」です。最高速80km/h、フル充電での航続距離80km。そして専用アプリをインストールしたスマートフォンを装着すると、デジタル・メーター兼コントローラーになっちゃう。問題はお値段。現時点ではクラウドファンディングで6,000米ドルというから、量産して価格が下がってからでないと、高すぎて誰も買わない。
でも、ちょっと待て。これは現代の私たちの「生活」を予感させるという点で、期待が持てるかもしれない。 
 それは。。。個人で所有するというよりは、駅前の駐輪場など街のあちこちに充電スタンドを備えたステーションを設け、パリの共有自転車みたいに必要なときに必要な時間だけ借りて使う形。スマホをかざせば走行可能となり、同時にお財布機能で支払いも完了。スマホの充電にもなると。さらに、アプリの開発を進化させれば、自動運転をサポートしたり、空きバイクが最寄りのどのステーションにあるかがマップ上で分かるといったことも。。。大型スーパーではこれの利用者には割引があるとか。。。ああ、どんどん際限なく妄想が広がります。
 年齢や体力を選ばずに使えるものにするためには、自転車くらいの車格と取り回しというのは良いが、できればまたがないでも乗れるようにしてもらいたい。最高速などはもっと30km/h程度にぐっと抑えて、その代りにフェンダー、バスケット、風防や、ランフラットタイヤがついてたらもっと良い。盗難や借りっ放し防止は、ソフトでいくらでも制御可能でしょう。

 対して、下はヤマハのコンセプト電動バイク「モトロイド」。世界的なデザイン・コンテストで最優秀賞をとったんだそうです。触れ込みは、「人とマシンが共響するパーソナルモビリティを目指し、知能化と自律技術を適用した高度なバランス制御を実装、マシンが自らの状態をセンシングして重心移動によって起き上がりそのまま不倒状態を保つ。また、ユーザーを認識して歩み寄ってくるほか、ライダーアクションに呼応するような反応を見せるHMI機能などを備え、まるでパートナーのように振る舞う。。。」だそうです。
人工知能を搭載して、まんまSF映画に出てきそうなスタイルは、確かに「今」ではなく、近未来的です。でも、近未来においてさえ、誰の、どんなシチュエーションでの使用をターゲットにしているのか全く分からない上に、仮にお値段をつけるとしたら、相当なもんでしょう。
 で、私にはこのバイクを日常の足として生活するピクチャーは、とうてい描けません。申し訳ないけど、こんなことやってるから日本のメーカーは解ってないって言われちゃうんです。毎度辛辣な意見でゴメンナサイ。

2018年10月22日月曜日

古代の天文学なのか

 アスワン・ハイ・ダムという名称は、誰しもが教科書で学んだ記憶があろうと思います。そのアスワンから約3時間、砂漠に浮かぶ蜃気楼を見ながら車で走ると、唐突に現れるのがアブシンベル神殿。
 古代エジプトのファラオの中でも、最も権力基盤が強固だったラムセス2世が、ナイル川をどんどん南の上流に向かって、果てはこんなところにまで治世が及んだことを民に示すために作ったとされています。3000年以上も前の話。
神殿の門には座像が4体並んでいます。これ、4つともラムセス2世です。
 そして、中央の入口からずーっと奥まった突き当りの壁際に、太陽神ラーなどと共に4体の立像があるのですが、2月22日と10月22日(今日)の年に2回だけ、朝日が真っ直ぐに入口から通路の一番奥まで差し込み、ラムセス2世像を照らすのです。
 おお、なんという古代天文学の素晴らしさよと感じるでしょう。
 でも実は、この神殿自体が、ハイダムを建設する際に、湖に水没するおそれがあったため、元々の場所から数十メートル移設されているのです。どうやって移設したのかまではよく解りませんけど、年に2回の朝日の角度は、現代の天文学でもちゃんと計算して復元されたっつうことなんでしょうかね。
 まあそれらが何の日なのかについては未だに諸説あるそうです。ラムセス2世が権力を絶対的なものとするため、自らを神格化させるための壮大な仕掛けだったのではないかとも考えられています。いずれにしても、毎年大勢の観光客がその神秘のパワーにあやかろうと押しかけているのですから、正解は謎のまま残しておいても良いのではと思いますね。