2017年4月23日日曜日

はじめてのコシャリ

 エジプトの国民食といわれる「コシャリ」を今日、初めて食しました。
 位置づけとしては日本でいうところのラーメンか立ち食い蕎麦のようなものかと思いますが、実は歴史はそれほど長くないみたいです。ホントかどうか知りませんけど、インド料理をベースにイタリア人兵士がパスタを混ぜて作ったのが始まりだとか。第一次大戦の頃のことだそうです。
仕事の帰り道、運転手にコシャリが食いたいと言うと、やや考えた後、隣町のコシャリ専門店に車を走らせました。
 マカロニのような短いパスタ、スパゲティの切れ端、ヒヨコ豆、レンズ豆、米などを薄味でごった煮した上から、トマトベースのソースやスパイシーなチリソースをかけ、カリカリに揚げたニンニクとオニオンをトッピング。これをぐちゃぐちゃに混ぜて食す。
 思いのほか、美味い。そろそろイタリアンが恋しくて仕方がなかったというのもあるっちゃあるのですが、運転手がお勧めするだけのことはありました。まあ2週間に1回程度なら食べても良いかもしれない。しかも一人前とは思えない量なので、がっつり行きたいとき向きです。
 明朝からの出張準備のため今日はテイクアウェーにしたので、他にどんなバリエーションがあるのかを見ることは出来ませんでしたが、ちゃんとした店のものでないと「not safety」だと、これは運転手の助言。勿論、お腹にとって安全でないという意味です。従っての高級店ながら、お値段は20エジプト・ポンド、つまり約120円。これまた衝撃的。そして食べきれなかった分は、猫たちがぺろりと平らげてくれました。猫缶よりもはるかに安いし。
 日本にもコシャリを出すレストランがあるそうなので、関心のある方は是非一度。

2017年4月19日水曜日

待ちきれなくて、つい

 カイロに住み始めて約50日。
 引越し荷物を載せた船はおそらくアレキサンドリアの港に着いているのに、まだ配達されません。タンスも本棚も食器棚もまだほとんどからっぽのまま。限られた仕事着と僅かな普段着、プラモやゴルフ道具といった遊び道具もない。夜な夜なネットサーフィンに明け暮れる毎日。
 待ちきれなくて、つい、買ってしまいました。
近所の楽器店に飛び込み、出てきたのがこれ。YAMAHAのC70というクラシックギター。ナイロン弦の優しい音色が独りの夜を癒してくれるだろうと、何の知識もないまま値段だけで購入。値切ってもまけてくれませんでしたが18,000円位で買い求め、家に帰ってから調べたところ、市場の相場はもう少しだけ上。それに初心者向けにしては割と評価が高く、どうりでなかなか良い音がします。
 何十年も弾いているのに一向に上手くならないし、今日は指が思うように動きませんけど、それも徐々に慣れてくるでしょう。ちょっとだけウィスキーでも飲んじゃおうかなと。

2017年4月8日土曜日

猫がいる日常

 アパートに入ったその日から、猫がそばにいる暮らしが始まりました。
 古代エジプトでは、猫をライオンに見立てて崇拝し、バステト女神として神格化していた訳ですから、エジプト人の猫好きは数千年前からということになりましょう。象形文字にもたびたび猫が登場しますね。

  さらに、イスラム教においても、猫をこよなく愛でた預言者ムハンマドが「猫への愛は信仰の一側面だ」と言い放ったことから、人々は猫を大切な生き物として扱うようになったとか。猫は信仰上も汚れなき綺麗なものとされていて、それが故にモスクへの侵入も許されているのだそうです。それに対して豚や犬は汚れたものとされていて、だから不浄な豚肉は決して食べないし、イラクなどでは犬を飼っただけでムチ打ちの刑に処されるんだとか。
 エジプトから海を渡ってヨーロッパに伝わったとされる猫は、伝染病を媒介するネズミ対策としてもたいそう重宝され、家のペットとして広く根づくことになるわけです。

 さて、我が家の猫たち。
 もちろん野良です。上述の次第から近所にはいたるところに野良なのか飼われているのか分からない猫たちがうじゃうじゃいるのですけど、主に我が家をテリトリーとしているのは黒トラと茶トラの2匹。私が仕事から帰って来ると、どこからともなく現れて、足にまとわりついてきては、餌をねだります。 
 郷に入ればなんとかと言いますので、ここはイスラムの教えに従って、私も猫を邪険にしないことにしました。ま、もともと猫好きなんですけどね。
 多い時にはこの2匹に加えてさらに2~3匹が、植込みやフェンスの向こうから、わらわらと湧いてきます。ときには、身体が他の猫よりもふた回りほど大きくて人相(猫相)の悪いボスキャラふうの黒ブチも現れ、遠巻きに若い猫たちを威圧していたりします。
 「猫缶はけっこう高いので、今日もカリカリだよ」と声をかけても、フガフガと食べるのに忙しくて、聞こえないみたいです。それとも日本語が通じてないだけなのか。

2017年4月1日土曜日

寛大な心

 年度があらたまって、随分と久方振りのエントリとなりました。エジプトに来てちょうどひと月が経ったのかと、これまでの1か月をぼんやりと思い返す週末。
 イスラムの国に暮らし始めて最初に戸惑ったのが、チップと似て非なるバクシーシという習慣。富める者がそうでない者にほどこしを与える「喜捨」という考え。喜んで捨てると書くくらいですから、お金に対する考え方が日本人とは随分と異なります。
 まあしかし、とにかくどこへ行っても何をするにしても、常に小銭をポケットに用意しておく必要があります。観光地でスマホやカメラを構えようもんなら、すぐに俺がシャッターを押してやると。はては公共のトイレや駐車場まで。スーパーの駐車場では、ガラガラに空いているスペースにすんなり停めただけなのに、帰り際には「俺が見てやってた」とバクシーシをねだる男がどこからともなく湧いてきます。でも、面倒くさいからとこれを拒んでしまっては、イスラムの教えと文化に従わないことになってしまうのです。
 そしてもう一つは、あらゆる場面・局面に通じる「インシャラー」という言葉。意味は、アッラーの神のご意志のままに、ということだそうですが、まあこれが実に万能というか、どんな言い訳にも使えるわけです。
 頼んだ仕事が上手くできなくても、約束の時間に来れずに遅刻しても、なんなら買った野菜が痛んでいようとも、すべてインシャラー=大いなる神の意志なのだから、たかだか人間なんぞにはどうしようもないのだと、まあそういうことです。
 こうしてみると、エジプト生活のはじめの一歩に共通するキーワードは「寛大さ」ということなのかもしれません。
でもほら、近所の庭の大きなハナミズキが満開です。桜を思い出せよ、インシャラー。と言ってくれているようです。

2017年3月18日土曜日

砂嵐:ハムシーン

 砂嵐(ハムシーン)の季節なんだそうです。どうりで朝から空がどんよりと黄色っぽく濁っています。
 今日は車でショッピング・モールにお買い物と決めていたので、吸い込む覚悟で出かけました。車内からの景色は、遠くが霞んで見えません。PMいくつくらいなんだろう。健康に良くないことは明らかですし、車にも悪いだろうなぁ。
ハムシーンは、エジプトのいわば春を告げるこの季節特有のもの。強い風に巻き上げられた砂漠の砂埃に街が覆われるわけです。季節の変わり目に強い風というと、日本の春一番にも似てますけど、こちらは一日で終わってしまうのではなく、ひと月くらい続くんだそうです。ただ、必ず毎日じゃなくて、こんな日が何日かあるんだそうです。
 幸い私の家の窓はサッシですので、比較的砂埃の侵入がありません。窓とカーテンを閉め切って、室内では空気清浄器をつけっぱなし。快適です。
 そして、ハムシーンが終わると、その後には暑い夏がやってくるんだとか。しばらく汗をかかない生活でしたので、暑くなって汗をかき代謝が良くなるのは歓迎です。
 そういえば、エジプト人で大砂嵐という四股名の力士がいますね。十両に落ちてしまったけど、頑張ってます。うん、エジプト人男性って、あんな感じです。力持ちで、思いのほか優しい。

2017年3月10日金曜日

カイロでの愛車

 エジプト生活の相棒となった車は、ランサーEX。三菱の車といえば、遥か遠い昔にアフリカ勤務していたときに、ギャラン・ラムダに乗って以来。
 詳しいスペックすら知らないままに前任者から引き継いだわけですが、昨年11月に購入したばかりのほぼ新車という状態。内装は、合皮かもしれないけどいちおう革張り。よく見ればリアにウィングの付いたニクい奴。おー、スポーティじゃんと思ったものの、高速道路でさえも道はガタガタ、しかもハンドルを握ると荒くれ者になるエジプト人だらけという状況では、週末の空いた時間帯でも120km/hが精いっぱい。
相棒とはいえ、この車が稼働している時間の95%以上は、おかかえの運転手がドライバーズシートに座ることになるでしょう。因みに運転手の給料は月1万5千円くらい。胸のすくようなドライビング・プレジャーを体感することもないであろうエジプト生活の中、この金額で日々の渋滞のイライラが少しでも緩和されると思えば、安いもんだ。お使いも頼めるし、帰りを気にせず飲酒もできる。あ、エジプトはイスラム圏なのに、結構お酒が飲めるんです。因みに、いちばんよく飲まれているのはこれ。
事務所の屋上からもナイル川の向こうに小さく見えるのが、階段状のサッカラ・ピラミッド。これに因んだサッカラ・ビールは、普通に美味しい。追々、お酒事情も詳しくレポートしましょう。

2017年3月6日月曜日

エジプトでプラモデルって

 カイロで生活を営むことになる家が決まり、15日に入居することになりました。ただし、ローマからの引越し荷物が配達されるのは、おそらく4月の上旬になるだろうと見込まれます。車は既に決まっています。10日にはマイカー通勤。とはいえ、未曽有の交通渋滞の中ルールなき道を走るためには運転手を雇うのが賢明で、だから自分ではほとんど運転しないのです。
 さて、棲家と通勤が落ち着けば、今度はどう毎日を過ごすのかということが課題になります。健康増進のためゴルフを再開することは決めていました。そして、YASUさんからもコメントをいただいたプラモですが。。。

 実は、ローマの引越し業者から、荷物の中には液体を入れてはならないと口酸っぱく言われたのです。そのため大量の塗料、うすめ液、スプレー、サラサラ系の接着剤などは、すべて大泣きしながら廃棄処分せざるを得ませんでした。
実に困った事態です。かろうじて瞬間接着剤は残したものの、何も塗れません。気に入った完成作品数点と共に、工具と未開封キットを7、8個持って来たのはいいけど、ネジひとつ塗れないとなると、作品として成立しません。特に痛かったのは、メタル系の塗料と、デカール液。
 まだ何もリサーチしたわけではないけど、カイロにプラモデル屋なんてあるはずもなく、途方にくれています。もちろん、フランスやイタリアの業者から通販で注文すれば送ってくれるような気はします。ただし、エジプトの税関を通すのにいったいどれだけの手間暇と時間がかかるのか、まったく見通せません。
 果たしてこうした事情をどうやって乗り越え、プラモ製作を再開できるのか、生温かい目で見守っていただければ幸いです。